BPO放送倫理番組向上機構<放送と人権委員会> 『無許可スナック摘発報道への申立て』に関し、テレビ神奈川に勧告、 「人権への適切な配慮を著しく欠き、放送倫理上重大な問題あり」。
[12/11/27]
提供元:PRTIMES
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BPO放送倫理番組向上機構<放送と人権委員会>
『無許可スナック摘発報道への申立て』に関し、テレビ神奈川に勧告、
「人権への適切な配慮を著しく欠き、放送倫理上重大な問題あり」。
http://www.bpo.gr.jp/
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テレビ神奈川が『tvkNEWS930』内で放送した、無許可営業のスナック摘発と女性経営者現行犯逮捕のニュースについて、女性と家族から「軽微な罰金刑にもかかわらず、顔のアップ映像や実名、自宅の住所まで放送したのはプライバシーの侵害だ」と申立てがありました。
BPOの放送人権委員会は、審理の結果、テレビ神奈川に「放送倫理上重大な問題がある」として人権への配慮を徹底するよう勧告し、本日11月27日(火)記者会見し、委員会決定を公表しました。
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■概要
テレビ神奈川は、2012年4月11日(水)夜の『tvkNEWS930』内で、神奈川県警によるスナック女性経営者の風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)違反の無許可営業の現行犯逮捕を実名、年齢、住所とともに放送した。冒頭にアナウンサーの「カメラは強制捜査から逮捕の瞬間までをとらえていました」とのコメントがあり、摘発現場を撮影した映像の存在を強調した構成だった。全体が1分9秒で、そのうち本人とはっきり分かるかたちで、この女性経営者を写し出した映像が計4回37秒あった。顔のアップ映像や警察の車に連行される場面も含まれていた。
また、テレビ神奈川は本件放送を同社が運営するニュースサイトに動画とともに掲載した。ニュースサイトの項目は1週間で自動的に削除されたが、同社のサイトおよび、facebookページ、twitterアカウント等を通じて当該動画と静止画を閲覧できる状態が1ヶ月以上続き、この女性経営者から抗議があるまで放置されていた。
放送倫理・番組向上機構[BPO] 放送人権委員会(委員長・三宅 弘)は、女性経営者とその家族から本件放送によってプライバシー、肖像権を侵害され、名誉を毀損された等の申立てを受けて審理し、決定に至った。決定の概要は以下の通りである。
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現行犯逮捕の事実を放送した本件放送の内容に誤りはないが、事案は風営法違反の中でも悪質性の比較的軽微な
「無許可営業」(最終的には罰金50万円の略式命令)である。本件放送は、映像の存在を強調し、繰り返し女性経営者の映像を流した。その結果、この女性に対する過剰な制裁的・懲罰的効果を生じ、本人と家族に精神的苦痛を与えた。この点で、本件放送は、プライバシー等に関する明確な権利傷害は認められないものの、「報道の自由」という観点を考慮しても、放送界がこれまで積み重ねてきた事件放送のあり方をめぐる議論を十分に踏まえた形跡はなく、人権への適切な配慮を
著しく欠いており、放送倫理上重大な問題がある。
また、同社のサイトにテレビニュースがそのまま掲載され、かつ長期間閲覧可能な状態で放置されていた点、サイトの
管理に問題があった。今後、適切な管理を行うことを要望する。
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■委員会決定はこちら。
http://www.bpo.gr.jp/?p=5997&meta_key=2012
なお2012年5月の委員会で、「委員会決定」における判断のグラデーションを見直したが、今回の事案より適用された。
詳しくは、
■委員長談話 「新しい判断のグラデーションの適用にあたって」
放送人権委員会 委員長 三宅 弘
http://www.bpo.gr.jp/?p=5997&meta_key=2012
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<参考>
■「委員会決定」の「勧告」とは?「見解」とは?
「勧告」 人権侵害 ・・・名誉毀損や肖像権侵害、プライバシー侵害などに 該当するもの
放送倫理上重大な問題あり ・・・人権侵害には当たらないが、放送倫理上の重大な問題があると判断したもの
「見解1」 放送倫理上問題あり ・・・放送倫理上の問題を指摘するもの
「見解2」 要望 ・・・放送倫理上の問題があるとまでは言えないが、放送局に対して放送における
表記や表現、放送後の対応等について善処を要望するもの
問題なし ・・・問題がないと判断したもの
※ 「勧告」 及び 「見解1」 のケースでは、放送局に改善策等を盛り込んだ対応報告を求めます。
「申立てから『委員会決定』までの流れ」 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1124
「放送人権委員会」運営規則 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1141
■放送倫理・番組向上機構について http://www.bpo.gr.jp/
名称: 放送倫理・番組向上機構[BPO]
放送事業の公共性と社会的影響の重大性を踏まえて、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的と
した非営利・非政府の団体。言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、
放送への苦情や放送倫理上の問題に対応する独立した第三者機関で、民放連およびNHKによって設置され、
以下の三委員会から構成される。
委員会: 放送倫理検証委員会、放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)、
放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
住所: 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館
理事長: 飽戸 弘
BPO放送倫理番組向上機構<放送と人権委員会>
『無許可スナック摘発報道への申立て』に関し、テレビ神奈川に勧告、
「人権への適切な配慮を著しく欠き、放送倫理上重大な問題あり」。
http://www.bpo.gr.jp/
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テレビ神奈川が『tvkNEWS930』内で放送した、無許可営業のスナック摘発と女性経営者現行犯逮捕のニュースについて、女性と家族から「軽微な罰金刑にもかかわらず、顔のアップ映像や実名、自宅の住所まで放送したのはプライバシーの侵害だ」と申立てがありました。
BPOの放送人権委員会は、審理の結果、テレビ神奈川に「放送倫理上重大な問題がある」として人権への配慮を徹底するよう勧告し、本日11月27日(火)記者会見し、委員会決定を公表しました。
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■概要
テレビ神奈川は、2012年4月11日(水)夜の『tvkNEWS930』内で、神奈川県警によるスナック女性経営者の風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)違反の無許可営業の現行犯逮捕を実名、年齢、住所とともに放送した。冒頭にアナウンサーの「カメラは強制捜査から逮捕の瞬間までをとらえていました」とのコメントがあり、摘発現場を撮影した映像の存在を強調した構成だった。全体が1分9秒で、そのうち本人とはっきり分かるかたちで、この女性経営者を写し出した映像が計4回37秒あった。顔のアップ映像や警察の車に連行される場面も含まれていた。
また、テレビ神奈川は本件放送を同社が運営するニュースサイトに動画とともに掲載した。ニュースサイトの項目は1週間で自動的に削除されたが、同社のサイトおよび、facebookページ、twitterアカウント等を通じて当該動画と静止画を閲覧できる状態が1ヶ月以上続き、この女性経営者から抗議があるまで放置されていた。
放送倫理・番組向上機構[BPO] 放送人権委員会(委員長・三宅 弘)は、女性経営者とその家族から本件放送によってプライバシー、肖像権を侵害され、名誉を毀損された等の申立てを受けて審理し、決定に至った。決定の概要は以下の通りである。
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現行犯逮捕の事実を放送した本件放送の内容に誤りはないが、事案は風営法違反の中でも悪質性の比較的軽微な
「無許可営業」(最終的には罰金50万円の略式命令)である。本件放送は、映像の存在を強調し、繰り返し女性経営者の映像を流した。その結果、この女性に対する過剰な制裁的・懲罰的効果を生じ、本人と家族に精神的苦痛を与えた。この点で、本件放送は、プライバシー等に関する明確な権利傷害は認められないものの、「報道の自由」という観点を考慮しても、放送界がこれまで積み重ねてきた事件放送のあり方をめぐる議論を十分に踏まえた形跡はなく、人権への適切な配慮を
著しく欠いており、放送倫理上重大な問題がある。
また、同社のサイトにテレビニュースがそのまま掲載され、かつ長期間閲覧可能な状態で放置されていた点、サイトの
管理に問題があった。今後、適切な管理を行うことを要望する。
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■委員会決定はこちら。
http://www.bpo.gr.jp/?p=5997&meta_key=2012
なお2012年5月の委員会で、「委員会決定」における判断のグラデーションを見直したが、今回の事案より適用された。
詳しくは、
■委員長談話 「新しい判断のグラデーションの適用にあたって」
放送人権委員会 委員長 三宅 弘
http://www.bpo.gr.jp/?p=5997&meta_key=2012
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<参考>
■「委員会決定」の「勧告」とは?「見解」とは?
「勧告」 人権侵害 ・・・名誉毀損や肖像権侵害、プライバシー侵害などに 該当するもの
放送倫理上重大な問題あり ・・・人権侵害には当たらないが、放送倫理上の重大な問題があると判断したもの
「見解1」 放送倫理上問題あり ・・・放送倫理上の問題を指摘するもの
「見解2」 要望 ・・・放送倫理上の問題があるとまでは言えないが、放送局に対して放送における
表記や表現、放送後の対応等について善処を要望するもの
問題なし ・・・問題がないと判断したもの
※ 「勧告」 及び 「見解1」 のケースでは、放送局に改善策等を盛り込んだ対応報告を求めます。
「申立てから『委員会決定』までの流れ」 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1124
「放送人権委員会」運営規則 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1141
■放送倫理・番組向上機構について http://www.bpo.gr.jp/
名称: 放送倫理・番組向上機構[BPO]
放送事業の公共性と社会的影響の重大性を踏まえて、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的と
した非営利・非政府の団体。言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、
放送への苦情や放送倫理上の問題に対応する独立した第三者機関で、民放連およびNHKによって設置され、
以下の三委員会から構成される。
委員会: 放送倫理検証委員会、放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)、
放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
住所: 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館
理事長: 飽戸 弘