ザ・レッド・シー・デベロプメント・カンパニー、サウジアラビア初の水中発掘を紅海沿岸で実施
[21/11/30]
提供元:PRTIMES
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● サウジアラビア文化省の遺産委員会との戦略的提携により、紅海で最も保存状態が良い未発掘の木製沈没船の発掘調査が進められます
● サウジアラビアの博物館委員会との契約により、関心の高い発掘品は安全に保管され、誰でも鑑賞できるようになります
● さらに提携により、ユネスコの世界遺産への登録に向けた紅海沿岸の調査も進められます
2021年11月23日、リヤド ― 世界で最も野心的なリジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)プロジェクトの開発元であるザ・レッド・シー・デベロプメント・カンパニー(TRSDC)は、サウジアラビア王国の紅海沿岸における考古学、遺跡、歴史の研究やサステナブル・ツーリズムの分野での協働を進めるため、同国文化省と提携を結びました。締結された契約には、サウジ観光国家遺産委員会(Saudi Commission for Tourism and National Heritage、以下遺産委員会)および博物館委員会の各機関との覚書が含まれます。
覚書は、H.E. Hamed Fayez文化副大臣兼遺産委員会・博物館委員会副会長と、TRSDCのJohn Pagano(ジョン・パガーノ)CEOの間で交わされました。この契約のもと、サウジアラビア初となる海底での考古学的発掘をはじめとする一連の活動で協働が進められます。
パガーノは、次のように述べています。「サウジアラビアの紅海沿岸は、何世紀にもわたり世界の交易路の中心を担ってきたことから、豊かな歴史があります。遺産・博物館両委員会との提携により、私たちは唯一無二のこの地域の歴史的重要性を探るとともに、発掘品を確実に保存することができます。TRSDCは、紅海の類まれな美しい自然と歴史的価値の発展に責任を持って取り組みます。王国の遺産保全の取り組みを進めるべく、密に協力できることを楽しみにしています」
サウジアラビアの起源は、アラビア半島最古の文明まで遡ります。同国は、イスラム教誕生の地として、また太古からの交易の中心地として何世紀にもわたって歴史的に重要な役割を担い、香料や香辛料などの贅沢品の産地である東方や南方と、地中海各国の橋渡しをしてきました。この「香の道(Incense Trade Route)」は、紀元前およそ7世紀から紀元後2世紀まで栄えました。
サウジアラビア初の水中発掘
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紅海の沿岸水域には、歴史的関心を集める重要な地点が複数存在します。今回の提携により、イタリアのナポリ東洋大学の主導のもと、サウジアラビア初の水中発掘調査が進められることになります。
ナポリ東洋大学の海洋考古学准教授であり、レッド・シー沈没船発掘プロジェクトのディレクターを務めるChiara Zazzaro博士は、次のように説明しています。「この難破船は現在、紅海で最も損傷が少なく、保存状態の良い木製の沈没船です。18世紀に使われていたこの商船には見事な壺や陶器、香辛料の積み荷が残っており、スエズ運河開通前には紅海を経由した交易が盛んであったこと、また研究ですでに示されている通り、より広範なインド洋交易との繋がりがあったことが裏付けられます。残された木材構造は、この地域ではこれまで発見されていなかった、多額の資金をかけた巨大な造船構造を確認できる唯一無二の証拠になります」
船が沈没したのは1725〜1750年の間と考えられ、アル・ワジュのラグーンに位置します。水深20〜22メートルの海底に沈んだこの船には、1000個を超える大量の壺が山積みされて目視できる状態で残っており、石灰化して大きな塊を作っています。船体の全長は約40メートル、幅は10メートルで、推定1000トンの積み荷が無傷で残っています。発掘品はすべて保存され、目録に記録された後、ジェッダの紅海博物館に収蔵されます。また、その欠片の一部はレッド・シー・プロジェクトの訪問者向けに展示される予定です。
パガーノは、次のように述べています。「船体は木がまるで化石になったかのように石灰化しています。また、さまざまな色や形、デザイン、豪奢な装飾が施された約4000個の陶器製の壺も、石灰化して一つの巨大な塊を形成しています。これらはそのまま現地に残されるので、ダイバーの方々にも見ていただけます。水深25メートルもない、穏やかで透明な水に恵まれたこの地は、世界でも指折りの珍しいダイビングスポットになるでしょう」
歴史を展示
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またこの提携のもと、レッド・シー・プロジェクトとAmaala(アマーラ)の事業が進められる沿岸に沿って、ジェッダから北方までに及ぶ徹底的な海底調査も行われます。調査は今年中の実施が予定されており、海底に残る考古学的遺跡を特定した後、発掘が行われる可能性もあります。
また、遺産委員会・博物館委員会との提携を通じて、水中考古学に関連する遺跡を適切に保存・展示する施設としてサウジアラビア初となる海洋博物館を設計・建設する事業も立ち上げられます。世界屈指のものとなるこの施設の実現により、広範に及ぶ海洋考古学調査で今後発見される沈没船の発掘や保存が可能になります。
同施設は、将来訪れる観光客のほか、ロマンに満ちた自国の歴史や、この地域の発展において自国が果たした中心的役割を知りたいという意欲を持つサウジアラビア国民にとって、興味深い学びの場となるでしょう。
遺産
さらに、この戦略的提携によって、現在6カ所であるサウジアラビアの世界遺産を増やすことを目指し、歴史的重要性を持ちながらもまだ発見されていない場所の調査も進められます。詳細な調査は、古代ギリシャの地理学者プトレマイオスやストラボンの書物にも出てくる「Akre Kom(訳:要塞、駐屯地)」の港と「Leuke Kome(訳:騎兵湾)」で行われる予定です。
この提携では、「ビジョン2030」に沿ってユネスコ世界遺産の登録数を増やすことも目指しており、国際連合の持続可能な開発目標(SDGs)へのサウジアラビアの貢献強化につなげられます。
その他、この提携のもと、同地域における歴史的建造物の修復や、古いモスクの再建、伝統的な手工芸品を生産、販売、展示する拠点の建設も計画されています。
順調に開発が進むリゾート
レッド・シー・プロジェクトはすでに大きなマイルストーンを達成しており、2022年末には最初のゲストを迎えるべく順調に準備が進んでいます。計16のホテルを含む第一期は、2023年に完了する予定です。
2030年の完成後には、敷地内に50のホテルが誘致され、22の島々と6つの内陸部の敷地には最大8,000室のホテルと約1,000軒の住宅物件を提供します。また国際空港や高級マリーナ、ゴルフコース、娯楽施設、レジャー施設も建設される予定です。
ザ・レッド・シー・デベロプメント・カンパニーについて
ザ・レッド・シー・デベロプメント・カンパニー(TRSDC - www.theredsea.sa)は、サウジアラビアの公的投資基金(PIF)が100%出資する非公開の株式会社です。TRSDCは、持続可能な開発に新たなスタンダードを生み出し、サウジアラビアを世界の観光マップの一部として印象づける高級かつリジェネラティブなリゾート、レッド・シー・プロジェクトの開発を推進するために設立されました。
サウジアラビアの西海岸沿いに広がる28,000km2の未開拓地および海域でプロジェクトの開発が進んでおり、その一部では手つかずの島が90以上も連なって群島を形成しています。敷地内には、圧倒的な広さの砂漠砂丘、山や渓谷、休火山のほかに、古代の文化遺跡が残された場所もあります。このリゾートには、ホテルや住宅、そしてレジャー・商業、エンターテインメント施設が建設されます。こうした施設を支える公共インフラでは、再生可能エネルギーの使用や水の保全および再利用を重視しています。また、それだけでなく、インフラや埋立て廃棄物ゼロを目指す循環型廃棄物管理システムなども整備されています。
開発の第1段階は順調に進行中で、2023年末までには完了する予定です。これまでに締結した契約の数は600以上、金額にして180億SAR(47億ドル)に相当し、一定のマイルストーンを達成したと言えます。
100ヘクタールの広さを誇るLandscape Nurseryは現在フル稼働しており、ここから、2,500万もの植物がレッド・シー・プロジェクトと AMAALA に 2,500 万本以上の植物を提供する 100 ヘクタールの Landscape Nursery が完全に稼動しました。ここではすでに10,000人以上が働いており、全長80kmの新道路も完成しています。Construction VillageとWaste Management Centreも現在オープンし、Coastal Villageもスムーズに開発が進んでいます。Coastal Villageには、最終的にこのリゾートで働く約14,000人が居住する予定です。