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アボット、包括的に冠動脈疾患の評価を支援する血行動態測定医療機器プログラム「CoroFlow(TM)カーディオバスキュラー システム」の製造販売承認を取得

- CoroFlowは、経皮的冠動脈インターベンションに必要な、血流予備量比や安静時指標といった心外膜血管の狭窄の評価のみならず、微小循環障害も含め冠動脈の包括的な評価を支援することができます。
- 包括的な冠動脈の評価によって、これまで診断することが難しかった微小循環障害に関連する「胸の痛み」の原因を明らかにし、医師の臨床判断を支援することが期待されます。




2022年3月30日―アボットメディカルジャパン合同会社(本社: 東京都港区、代表執行役員社長 ブライアン・モットーラ)は、2022年3月28日に、包括的に冠動脈疾患の評価を支援することができる血行動態測定医療機器プログラム 「CoroFlow™カーディオバスキュラー システム」(以下、CoroFlow)について、製造販売承認を厚生労働省より取得したことをお知らせ致します。CoroFlowは、Coroventis Research AB社(本社: スウェーデン)が開発し、当社が、国内における製造販売元として今後発売していく予定です。
[画像: https://prtimes.jp/i/55167/7/resize/d55167-7-31633ac2ca1abea625b0-2.jpg ]


心臓を覆うように広がり心筋に血液を送る冠動脈は、生活習慣病などの悪化から動脈硬化が進むことで、狭くなり「胸の痛み」を伴う狭心症や、完全に閉塞して心筋が壊死する心筋梗塞を引き起こすことがあります。冠動脈疾患の治療においては、狭くなった冠動脈を広げる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が広く普及し、国内の治療件数は年間24万人にも上っています1。また、至適治療を推進する動きから、保険診療下でのPCIの実施には、2018年から冠動脈の狭窄を心筋血流予備量比(FFR)等で機能的評価を行うことが必須となりました2。一方で、心外膜血管(心臓の表層にある太い冠動脈の血管)に狭窄を認めなくても、胸の痛みを訴える患者さんの50-65%に、微小循環障害(心臓の微小血管の狭窄)を有していることが報告されています3。これに対し、これまで造影検査で確認できる冠動脈は太い血管が中心であり、包括的な冠動脈疾患の評価が求められていました。

製品特性
・ CoroFlowは、冠動脈疾患診断に必要な、心筋血流予備量比(FFR)や安静時指標(RFR)の評価を世界で唯一のワイヤレス圧測定ガイドワイヤーであるPressureWire Xと組み合わせることで、簡便に血行動態を評価することが可能です。
・ CoroFlowは、微小循環障害の診断に必要な冠血流予備能(CFR)と微小血管抵抗指数(IMR)について評価することができます。生理食塩水を注入し血中の温度が変化する時間を測定し、それらを血流量に代用することで、微小循環の評価を行うことができます。
・ CoroFlowは、医療機器プログラムとして承認されたソフトウェアであり、医療機関の保有するハードウェアにインストールすることで使用することができます。


国際医療福祉大学大学院 副大学院長 下川 宏明 医師は、次のように述べています。「これまで、冠動脈の狭窄をステント治療などで改善した約4割の患者さんに胸の痛みが残っていました4。従来の冠動脈造影や血管内超音波検査等による定性的な評価では、冠動脈の解剖学的評価の中でも見えている血管を中心としていました。CoroFlowによって、見えない血管も含め冠動脈全体の定量的な機能評価を組み込むことで循環器領域のパラダイムシフトが起き、より質の高い冠動脈疾患の評価が実現されると考えています。」

アボットメディカルジャパン合同会社の三田本社社長兼バスキュラー事業部プレジデントである河野行成は次のように述べています。「アボットは、約30年前に世界で初めてFFRを測定できる機器を開発して以来、血行動態測定の技術革新を進めステント治療の発展に貢献してきました。今回のCoroFlowの承認によって、包括的な冠動脈の評価を支援する新たな血行動態測定方法を提供することが期待されます。これまでの血行動態測定が解明できなかった、狭心症由来の「胸の痛み」の原因を特定することによって、一人でも多くの日本の患者さんの痛みの原因究明に繋がることを願っています。」

微小循環の評価の詳細については、こちらよりご覧ください。
https://link.videoplatform.limelight.com/media/?mediaId=5ad9c32e6c1343079b5b3d4e1b3f0527&width=540&height=321&playerForm=LVPPlayer&embedMode=html&htmlPlayerFilename=limelightjs-player.js&orgid=b0029788f6f3415db64a9cf5452f5200

各指標について
心筋血流予備量比(FFR): 血管を拡張した状態で測定される、心筋への血流を妨げる狭窄(虚血)の重症度を定量化した生理学的指標。PCIが有効である病変の選定に有用な指針
安静時指標(RFR): 安静時における心筋への血流を妨げる狭窄の重症度を定量化した指標
冠血流予備能(CFR): 安静時の血流量と血管を拡張した状態の血流量の比率。通常の安静時状態に対する冠動脈血流の最大増加の指標
微小血管抵抗指数(IMR): 血流の流れ、温度、時間などを評価することによる微小循環障害の評価のための指標。末梢圧に冠動脈平均通過時間を掛けて算出される微小循環障害を評価するための指標

アボットについて
アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするグローバルヘルスケアリーダーです。業界をリードする診断薬・機器、医療機器、栄養剤、およびブランド ジェネリック医薬品分野の事業および製品を含め、人々の生活に大きな影響をもたらす画期的なアボットの技術は、ヘルスケアの広範な領域にわたっています。現在、世界160カ国以上で、約113,000人の社員が活動しています。

アボット(www.abbott.com)、アボットジャパン(www.abbott.co.jp)、リンクトイン(www.linkedin.com/company/abbott-/)、フェイスブック(www.facebook.com/Abbott)、ツイッター(@AbbottNews)も合わせてご参照ください。

1: JROAD循環器疾患資料実態調査 2020年循環器疾患診療実態調査報告書
2: 厚生労働省 「平成30年度診療報酬改定について」
3: Marinescu MA, et al. JACC cardiovasc Imaging. 2015; 8: 210-220.
4: Patel MR, Peterson ED, Dai D, et al. Low diagnostic yield of elective coronary angiography. N Engl J Med 2010 ;362: 886 - 895
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