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【日本タレント名鑑】加速するアイドル声優ブーム!改めて声優人気の変遷を整理してみた!【女性声優編】

「日本タレント名鑑」を発行するVIPタイムズ社が、40年以上タレント情報を取り扱ってきた強みや知見を活かし、芸能界を様々な切り口で分析するコンテンツ「タレメreport」。今回は2本立てで「加速するアイドル声優ブーム!改めて声優人気の変遷を整理してみた!」の【男性声優編】と【女性声優編】を公開しました。




1970年の創刊以来、各メディアの制作現場にて愛用されている『日本タレント名鑑』を発行する株式会社VIPタイムズ社(本社:東京都渋谷区 代表取締役:井草睦子)が、新しいコンテンツとしてスタートした「タレメreport」の第五弾として「加速するアイドル声優ブーム!改めて声優人気の変遷を整理してみた!」を『日本タレント名鑑webサイト』( http://www.vip-times.co.jp/ )で公開しました。

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加速するアイドル声優ブーム!改めて声優人気の変遷を整理してみた!【女性声優編】

■2000年代以前のアイドル声優事情

2000年代に入り、急速にアイドル化が進んだ女性声優業界。テレビの登場以降、外画の吹き替えやアニメのアフレコで裏方として業界を支えてきた声優たちであったが、80年代に入るとオタクと呼ばれるコアなアニメファンが登場し、本来は裏方であったはずの声優にも注目が集まるようになる。

アイドルから声優に転向し、アニメ『タッチ』の浅倉南役で一躍スターとなった日高のり子や、アニメ系イベントでのコスプレで素人時代からアイドル的な人気を博していた川村万梨阿など、アイドルとしての素養を持つ女性声優が台頭する中、アニメ雑誌などにアフレコ現場の写真などが掲載されることも増え、女性声優のルックスも注目されるようになる。

1994年には、女性声優のアイドル化を受けて声優専門誌の『声優グランプリ』と『ボイスアニメージュ』が創刊。それぞれの表紙を、当時人気を二分した椎名へきると國府田マリ子が彩り、演技やトーク、歌だけでなく、雑誌グラビアを中心としたアイドル活動をおこなう、現在のアイドル声優ブームのフォーマットが完成する。

アイドル声優ブームが盛り上がる中、林原めぐみは歌手として、「Give a reason」で声優のソロ曲として史上初のオリコン週間ランキングトップ10(第9位)にランクイン。「集結の園へ」はレコチョクにて声優本人のソロ曲として初となる着うたフル25万ダウンロードと数多くの記録を樹立し、声優ブームが世間一般に認知されるきっかけを作った。

■2000年代の声優事情の変化

2000年代に入るとアイドル声優ブームはさらに加速する。深夜アニメの増加に伴う声優需要の拡大を受け、それまで以上に数多くのアイドル声優が活躍するようになる。

90年代中盤に文化放送のラジオ番組で椎名へきるの妹分的な存在として登場したアーツビジョン系の田村ゆかりや堀江由衣。林原めぐみを歌手としてスターダムへと押し上げたキングレコードが、次なるアーティスト系声優としてプロデュースした水樹奈々など、現在も第一線で活躍するアイドル声優が業界を席巻する中、一方で80年代のアイドルブームと同様に、アイドル声優ブームも「乱立による消費の加速」という負の一面も見え始める。

アニメバラエティ番組の制作をおこなっていた株式会社ラムズは、自社の制作番組に出演していた野川さくらを所属声優として以降、積極的にオーディションを開催し、アイドル声優ユニット「クローバー」のプロデュースや、劇団の設立など、後発ながらアイドル声優ブームを牽引してきたが、業績の悪化により2013年6月に倒産している。

「消費の加速」による明暗が見え隠れする中、水樹奈々が『魔法少女リリカルなのはA's』の主題歌「ETERNAL BLAZE」でオリコンデイリーランキング2位という快挙を成し遂げ、NHKの紅白歌合戦への出場も果たすと、2匹目のドジョウを狙った新規事務所の設立や芸能系プロダクションの声優部門開設などが相次ぎ、アイドル声優ブームは新たな時代を迎えることとなる。

■新規事務所発のアイドル声優ユニットブーム

新規事務所や芸能プロの声優部門開設により、アイドル声優の新機軸として打ち出されたのは、モーニング娘。やAKB48をひな形とするアイドル声優ユニットである。

ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下の新規事務所ミュージックレインが2005年から2006年にかけて行った「スーパー声優オーディション」では、高垣彩陽、豊崎愛生、戸松遥、寿美菜子の4人が声優アイドルユニット「スフィア」としてデビューし、それまでアーツビジョン系や青二プロダクション、81プロデュースなど大手声優事務所が主流だったアイドル声優ブームに風穴をあけることになる。さらに、ハロープロジェクトのアップフロント系から分裂したスタイルキューブが、小倉唯、石原夏織、能登有沙、松永真穂からなるアイドル声優ユニット「StylipS」で成功をおさめると、各事務所がアイドル声優ユニットを次々とプロデュースするようになる。

■アイドル声優ブームの行方

アイドル声優ユニットブーム真っ只中の現在。顕著になりはじめたのは、アイドル声優の低年齢化である。それまでは、専門学校や事務所の養成所を出た後、長い下積みを経て当たり役を手にし、アニメファンに認知されるようになった結果、アイドル化するという流れがほとんどだったが、新規事務所や芸能系事務所のオーディション戦略により、オーディション後、すぐにアニメの主役を手にするというパターンが増えてきた。その結果として、「第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン 次世代声優アーティストオーディション」に合格し、そのままアイドル声優になった木戸衣吹など、現役女子高生アイドル声優も増えてきている。

長い下積みによる卓越した演技力よりも、若さあふれるフレッシュな演技やルックスなどが求められるようになってきた女性声優業界。一方で、現在も経験に裏打ちされた演技と長年にわたるファンとの交流により、水樹奈々や田村ゆかり、堀江由衣らがアイドル声優として活躍するなど、一度、スターダムに上がると、長期的な人気を博し続けるのも女性声優業界の大きな特徴である。

新規事務所や芸能プロの参入が続く中、乱立しすぎたアイドル声優の中から、誰が生き残り、誰が消えていくのか、今後の女性声優業界に注目したい。

文/東藤七瀬

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VIPタイムズ社では、『日本タレント名鑑webサイト』上のコンテンツ「タレメreport」にて、定期的に芸能分析記事を発表しております。
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