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高靱性材料を用いた躯体構築工法「ユニバーサルクリート工法」を開発

高靱性材料を用いた躯体構築工法「ユニバーサルクリート工法」を開発
〜 構造物の長寿命化 建設コスト・ライフサイクルコストを低減 〜


 (株)大林組(本社:東京都港区、社長:白石 達)は、太平洋マテリアル(株)(本社:東京都江東区、社長:安西幸男)、萩原工業(株)(本社:岡山県倉敷市、社長:萩原邦章)と共同で、高靭性モルタルを用いた高耐力躯体構築工法「ユニバーサルクリート工法」を開発しました。
躯体構築用モルタルに特殊ポリプロピレン短繊維を混入させることで、従来の鉄筋コンクリート部材に比べ、せん断および曲げの耐力と耐久性が大幅に向上するため、構造物の長寿命化および建設コスト・ライフサイクルコストの大幅な低減が可能となります。

 鉄道や道路などの社会資本整備においては、近年多発している地震に対する耐震補強や、老朽化による既存ストックの維持管理が喫緊の課題となっています。
構造物に使用される通常のコンクリートでは、荷重や老朽化によるひび割れなどの損傷が、大地震時の大きなひび割れや剥落を引き起こして鉄筋とコンクリートの一体性を喪失させます。このような構造耐力の低下が構造物の崩壊の要因となっています。また、コンクリートにひび割れが生じると、雨水や塩分などの侵入によって鉄筋が腐食されるなど、構造物の長期的な耐久性を低下させます。

 今回開発した「ユニバーサルクリート工法」は、地震などで大きな引っ張り力が加わると、ひび割れを一箇所に集中させず、多数の細微なひび割れを生じながら引張力を吸収・分散し、通常のモルタルの300倍の変形まで引張強度を保持します。
従来の高靱性繊維補強セメントモルタルと比べて、モルタルの材料および製造コストで10%以上の低減が図れるとともに、ひび割れ幅の抑制効果による鉄筋の防食、保護性能が向上することから、ライフサイクルコストの大幅な低減が可能となります。

 施工作業においては、大規模な生コンプラントから小型システムまで、工事規模に応じて製造することができます。製造されたモルタルは、充てん性が高く、良好なポンプ圧送性を確保しているため、作業効率の向上による工期短縮が図れます。また、小規模に使用する場合は、プレミックスモルタル材料「F3X:エフスリークロス(太平洋マテリアル(株)製)」と、特殊ポリプロピレン短繊維「バルリンク(萩原工業(株)製)」を水で練り混ぜるだけで製造することもできます。
 
 大林組、太平洋マテリアル、萩原工業は、耐震補強を目的とするコンクリート構造物や、せん断耐力・耐久性の向上を図る部材や補修部材として、また、ライフサイクルコストの低減が求められる構造物に「ユニバーサルクリート工法」を積極的に提案していきます。
さらに、技術の標準化、水平展開についても取り組んでいきたいと考えています。

以上


●お問合せ
 株式会社大林組 東京本社CSR室
 TEL:03-5769-1014
 URL:http://www.obayashi.co.jp/

●大林組プロジェクト
東京スカイツリー建設プロジェクト:http://www.skytree-obayashi.com/
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