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心房細動患者の脳卒中予防を大きく前進させる、プラザキサ(R)を新発売




・第III相国際共同試験(RE-LY(R)試験※)において、プラザキサ(R)150mg× 2回/日は、ワルファリンと比べて有意な脳卒中/全身性塞栓症の発症抑制、110mg×2回/日は、ワルファリンと同程度の脳卒中/全身性塞栓症の発症抑制が認められました
・第III相国際共同試験(RE-LY(R)試験※)で、臨床上特に深刻となる頭蓋内出血については、プラザキサ(R)150mg× 2回/日、110mg×2回/日の2用量とも、ワルファリンと比べて有意に発現を抑制しました
・本邦で承認された用法・用量は、通常用量150mg(プラザキサ(R)カプセル75mg 2カプセル)× 2回/日、必要に応じ110mg(プラザキサ(R)カプセル110mg 1カプセル)×2回/日に減量することとなっています

2011年3月28日  日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:ジェラード・マッケナ)は、直接トロンビン阻害剤プラザキサ(R)を、3月14日に発売した旨を発表しました。プラザキサ(R)は、心房細動患者の脳卒中発症抑制における有効性と安全性が示され、待ち望まれた新規経口抗凝固薬です。プラザキサ(R)は本年1月21日に製造販売承認を取得し、3月11日に薬価基準に収載されました。
心房細動に起因する脳卒中(心原性脳塞栓症)は、発症すると1年以内に5割の患者が死亡するなど、脳卒中の中でも特に生命予後が悪く1、また、たとえ一命を取り留めたとしても重篤な障害を残すため、予防が重要です。
プラザキサ(R)の有用性は、従来の標準治療薬ワルファリンを対照に、心房細動患者の脳卒中/全身性塞栓症発症抑制を検討したRE-LY(R)試験の結果に示されています2。RE-LY(R)試験※は、日本を含む44ヵ国、951施設で18,113例(日本人326例を含む)を登録して実施された、この治療領域で最大規模の無作為化国際共同第III相試験です2。
日本ベーリンガーインゲルハイム代表取締役社長のジェラード・マッケナは、「RE-LY(R)試験※で、150mg× 2回/日の用量でワルファリンを凌駕する有効性を示したプラザキサ(R)は、心房細動患者さんの脳卒中を予防する新規経口抗凝固薬として、ワルファリン以来日本で初めて発売され、治療に革新をもたらす薬剤です。数多くの医療関係者から、心房細動患者さんの治療を大きく前進させるとの期待を受けています」と説明しました。「ひとりでも多くの心房細動患者さんを脳卒中から護るために、日本ベーリンガーインゲルハイムは全社一丸で、プラザキサ(R)の情報提供活動にまい進していきます。プラザキサ(R)が適正に治療に活かされ、臨床試験成績が示した有用性が実臨床に確実に反映されるよう、我われはワンチームとなり全力を尽くし、多くのご期待に応える所存です」と、コメントをまとめました。
RE-LY(R)試験※でプラザキサ(R)(ダビガトランエテキシラート)は、通常用量の150 mg 1日2回投与群で、心房細動患者での脳卒中/全身性塞栓症の発症を、従来の標準治療薬であるワルファリンに対して有意に抑制し(相対リスク35%減少)、優越性を示しました2。プラザキサ(R)は110 mg 1日2回投与群でも、ワルファリンと同程度に脳卒中/全身性塞栓症の発症を抑制しています2。
またRE-LY(R)試験※で得られたプラザキサ(R)の安全性プロファイルから、プラザキサ(R)が150 mg 1日2回投与群、110 mg 1日2回投与群とも、臨床上特に深刻となる頭蓋内出血の発現率について、ワルファリンと比べ有意な低下を示したことは、特筆すべきです2。プラザキサ(R)150 mg 1日2回投与群では、ワルファリンと比較して、頭蓋内出血の発現率に59%のリスク低下がみられます2。プラザキサ(R)110 mg 1日2回投与群では、ワルファリンと比較して、頭蓋内出血の発現率は70%リスク低下しています2。
従来の標準治療薬であるワルファリンは、厳格な管理下で適切に投与された 場合、心房細動患者での脳卒中発症抑制に有用性を発揮します。しかしながら、定期的な血液凝固能のモニタリングおよび用量調節の必要があることや、ビタミンKを含む食物との相互作用があるなどの理由から、投与が煩雑になると指摘されてきました。こうしたなか、ワルファリンと同程度以上の有用性を示し、投与における利便性も高い新規経口抗凝固薬へのニーズが高まっていました3。
プラザキサ(R)概要
【販売名】 プラザキサ(R)カプセル75 mg  プラザキサ(R)カプセル110 mg

【一般名】 ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(JAN)
       dabigatran etexilate (INN)

【効能・効果】 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

【用法・用量】 通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150 mg (75 mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110 mg (110 mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること

【包装】
プラザキサ(R)カプセル75 mg: 112カプセル(14カプセルx8)PTP
560カプセル(14カプセルx40)PTP
1120カプセル(14カプセルx80)PTP

プラザキサ(R)カプセル110 mg:  112カプセル(14カプセルx8)PTP
560カプセル(14カプセルx40)PTP
1120カプセル(14カプセルx80)PTP

【薬価】
プラザキサ(R)カプセル75 mg
1カプセル:132.60円 (一日薬価(300mg):530.40円)
プラザキサ(R)カプセル110 mg
1カプセル:232.70円 (一日薬価(220mg):465.40円)


※RE-LY(R)試験2について
RE-LY(R)(Randomized Evaluation of Long term anticoagulant therapy)は、ダビガトランの脳卒中の発症抑制での有用性を検討するため、日本を含む44ヵ国、900施設以上で18,113名を登録して実施された、史上最大規模の無作為化国際共同第3相試験です。盲検化した2用量のダビガトランの脳卒中予防での有効性を、治療域にコントロールしたワルファリン(目標INR: 2.0〜3.0)を対照として検討しました。対象となった患者は少なくとも1年間、中央値で2年間追跡調査しました。
本試験の主要評価項目は脳卒中(出血性を含む)または全身性塞栓症の発症です。副次評価項目は全死亡、脳卒中(出血性を含む)、全身性塞栓症、肺塞栓症、急性心筋梗塞の発症、血管死(出血死を含む)です。
RE-LY(R)試験はPROBE法(前向き、ランダム化、非盲検、盲検下エンドポイント評価)で実施され、ダビガトランの両群間はDBT(二重盲検)法で比較されました。
本試験において、プラザキサ(R)150mg× 2回/日は、ワルファリンと比べて有意な脳卒中/全身性塞栓症の発症抑制、110mg×2回/日は、ワルファリンと同程度の脳卒中/全身性塞栓症の発症抑制が認められました。

心房細動および脳卒中について
脳卒中は日本で3大死亡原因のひとつで重大な健康問題であり、そのうちの6割が脳梗塞と言われています4。プラザキサ(R)が発症を抑制する心原性脳塞栓症は脳梗塞の中で約3割を占めます5。心原性脳塞栓症はとりわけ、左心房で形成された血栓が脳動脈の比較的太い血管に詰まるため、脳の広い範囲が急速に虚血状態におちいりやすいという特徴があります。従って予後が悪化しやすく、心原性脳塞栓症患者では発症後1年以内に約半数が死亡するとの疫学調査結果も報告されています1。
心房細動は心原性脳塞栓症の最も大きな原因の1つであり、心原性脳塞栓症を発症した患者の約7割が心房細動を合併していたとの報告もあります6。従って心房細動患者において心原性脳塞栓症予防が重要であることは広く知られています。
日本で心房細動患者数は、検診時に確認出来るだけで83 万人と推定されています7。心房細動の発症頻度は加齢に伴い増加します。心房細動患者での脳卒中予防は、患者の予後を改善するのみならず、医療および社会的負荷を軽減する上でも重要です。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界50ヵ国に142の関連会社を持つベーリンガーインゲルハイムグループは、世界で41,500人の社員を有するトップ20の製薬企業のひとつです。1885年の設立以来、125年間、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、人々の健康および保健医療の向上に寄与すべく、ヒト用医薬品およびアニマルヘルス(動物薬)を中心にビジネスを展開しています。2009年度は127億ユーロの売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約5分の1相当額を研究開発に投資しました。
ベーリンガーインゲルハイムは日本で、半世紀にわたり企業活動を展開してきました。グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所や、国内向けとして山形に生産拠点を擁し、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で有用な医薬品を提供しています。詳細は下記をご参照ください。
www.boehringer-ingelheim.co.jp
Reference:
1. Kubo M, et al: Neurology 66: 1539-1544, 2006
2. Connolly SJ,et al. Dabigatran versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation. N Engl J Med 2009; 361:1139-51
3. 内山真一郎 PharmaMedica 27(4), 143-149, 2009別冊
4. 厚生労働省ホームページ
5. 脳卒中データバンク2009, p23
6. 脳卒中データバンク2009, p65
7. H. Inoue et al. / International Journal of Cardiology 137 (2009) 102-107
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