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デロイト トウシュトーマツ調査レポートより 2009年メディア業界の主なトレンドを分析

- ライブ・エンターテインメントを待ち受ける障害 -
- 不景気によるテレビ視聴時間の増加 -
- 2009年はインターネットラジオ元年に -

*下記は2009 年1月20 日配信のデロイト トウシュ トーマツの
グローバルニュースリリースを翻訳し、一部解説を加えたものです。
2009 年1月20日 - デロイト トウシュ トーマツ(本部:ニューヨーク)のTMT(Technology, Media & Telecommunications)グループは、2009年のメディア業界予測レポート“Media Prediction:TMT Trends 2009”を発表した。同レポートでは、景気の後退を背景に、不調に転じる業態が多くなる可能性が高いと予測している。


主要なトレンドは以下の通りである。

ライブ・エンターテインメントを待ち受ける弊害
長年にわたり収益を伸ばし続けてきたライブ・エンターテインメントとスポーツが、2009年は苦戦を強いられる可能性があると予測している。スポンサーの予算引き締めにより、贅沢な趣向を凝らしたツアーへの出資や、注目選手の新規獲得に充てることのできる資金はますます縮小している。スポーツの分野では、施設などへのネーミングライツ(命名権)やスタジアムのボックス席から、ユニフォームに入れるロゴに至るまで、あらゆる収入源からの収益が低下することで、新たな大規模競技場の建設の遅れや、試合や商業活動による収益成長の鈍化が生じるものと考えられる。
また、トップアーティストのコンサートやスポーツイベントに対しては長年にわたり出費を惜しまなかった消費者も、超ビッグスターを最高の座席から眺めるほどの金銭的余裕はなくなっている可能性がある。プレミアム価格を支払うことができない、あるいは、支払う意欲のない消費者は、今後は新興アーティストに目を向けるものと考えられる。


テレビ視聴時間の増加
不景気におけるプラスの側面として消費者が自宅で過ごす時間が増えることが予測されるため、テレビ視聴時間が増加するといった傾向が挙げられる。実際、2008年下半期からすでに平均視聴時間は増加している。デジタル放送への切り換えも、視聴時間をさらに押し上げるものと考えられる。プロが制作したコンテンツは、オンラインでもテレビ放送でも存在感を回復し、ユーザー作成コンテンツをしのぐ勢いにある。2009年は、視聴者1人当たりの1週間の視聴時間は30分増加する見込みである。テレビの強さが認識される機会となるかもしれない。テレビ業界は、他のメディアと比較した優位性を利用して、コンテンツ投資、契約見直し、インフラの更新を行うのに適した時期であるものと考えられる。


無料オンラインコンテンツのコストが上昇
コンテンツを保管するためのコストが上昇していることから、一般ユーザーがインターネット上に動画を投稿してささやかな有名人気分を味わうことは急激に難しくなっていく可能性がある。大手サイトの場合、ユーザー作成コンテンツのサーバー上への保存にかかる費用は年間1億米ドルを上回ることもある。しかし、そうしたコンテンツから収益を生み出すのは、依然として容易ではない。一般的に広告主は、クライアントのブランドイメージを損なう恐れのあるコンテンツの隣には広告を載せたがらないからだ。したがって、各サイトが収益を生み出すには、コンテンツの投稿や共有に課金を始める必要があるものと考えられる。
誰もがコンテンツをインターネット上に公開できる時代になり、コンテンツ保管コストの負担が問題となるとともに、プロが作成する質の高いコンテンツが求められると思われる。SNS(Social Networking Service)から利益が上がらないなど、広告収入に依存したビジネスモデルを見直す時期に来ている。


インターネットラジオが生活の一部に  -WiFiラジオの夜明け
インターネットラジオは2009年、にわかに活況を呈する可能性がある。世界のインターネットユーザー数が15億人に迫り、そのうち3分の2がブロードバンド接続を利用していることから、インターネットラジオに対応する市場は今後1年で20%拡大することもあり得る。その主な要因としては、インターネットラジオ受信機が手頃な価格になってきていることと、受信機として使えるWiFi搭載のスマートフォンの利用が増えていることの2点が挙げられる。放送局は、どうすればユーザー情報を広告主にとって有益なものにすることができるのかについても検討すべきである。インターネットラジオは、消費者が何を、いつ、どのくらいの頻度で聴いているのかをモニターできるという可能性を秘めており、広告主にとって強力なプラットフォームになる見込みがあるからだ。


モバイル広告の効果に集まる注目
世界の広告売上が2桁のマイナス成長を記録し、今後1年で景気がさらに悪化する恐れがある今、モバイル広告の時代が訪れたと言えるかもしれない。日本でも、新聞・テレビ・ラジオ広告収入が伸び悩む中で、モバイル広告は好調を維持している。
携帯電話の広告媒体としての能力はかつてないほど高まっており、その普及率は最高水準にある。そして、モバイル広告が実現できることと実現できないことに対する理解も、これまで以上に深まっている。

2009年は、現在までに最も成功したモバイル広告キャンペーンの1つ――米国大統領選挙でのテキスト・メッセージングを利用したキャンペーン――を手本として、モバイル広告のシンプルさを利用したキャンペーンがますます増加し、強力な効果を上げるものと予測される。モバイル広告は、クリック1つでモバイルコミュニティ全体に広告を送信することが可能であれば、本格的に普及し始めるだろう。



■2009年版各業界予測レポートは、デロイトのメンバーファームのクライアントとの対話や、デロイトのメンバーファームに所属する6,000名を超えるTMT業界専門のパートナーおよびマネジャーによる情報提供、業界アナリストとの討論、ならびに世界の主要なTMT企業の幹部へのインタビューから得られた、内部および外部からの情報をもとに作成されました。

このリリースに関するその他の情報、レポートは www.deloitte.com/predictions2009/ から入手することができます。



<TMTグループとは>
デロイト トウシュ トーマツのTMTグループは急成長するテクノロジー企業を顕彰する「テクノロジーFast50」と「テクノロジーFast500」プログラムを運営しています。TMTグループは世界中のテクノロジー、メディア、テレコミュニケーション分野の企業にサービスしてきた経験豊かなスタッフで構成されています。私たちの顧客はソフトウェア、半導体、ケーブル、メディア、出版、コミュニケーション・プロバイダー、ネットワーキング、ワイヤレス、コンピュータとその周辺機器、それらの関連事業にわたっています。
TMTスペシャリストは、ビジネスが成長して行く各段階でこれらの企業が直面する課題を理解し、成功に向けて支援することをその責務と考えています。デロイト トウシュ トーマツはテクノロジー、メディア、テレコミニケーション企業の各顧客に、戦略面、実務面での支援を提供しています。

<デロイト トウシュ トーマツ とは>
Deloitte(デロイト)は監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスをさまざまな業種の上場・非上場クライアントに提供しています。Deloitte(デロイト)とは、スイスの法令に基づく連合組織体のデロイト トウシュ トーマツおよび相互に独立した個別の法的存在であるネットワーク組織のうちのメンバーファームのひとつあるいは複数を指します。デロイト トウシュ トーマツとメンバーファームの法的な構成についての詳細は、www.tohmatsu.com/deloitte/ をご覧ください。


<監査法人トーマツ とは>
監査法人トーマツはデロイト トウシュ トーマツ(スイスの法令に基づく連合組織体)のメンバーファームで、監査、マネジメントコンサルティング、株式公開支援、ファイナンシャル アドバイザリーサービス等を提供する日本で最大級の会計事務所のひとつです。国内約40都市に2,000名以上の公認会計士を含む約5,000名の専門家を擁し、大規模多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細は監査法人トーマツWebサイト(www.tohmatsu.co.jp)をご覧ください。




監査法人トーマツ             
広報室 : 百瀬 旬
Tel:03-6400-5676
Email: jun.momose@tohmatsu.co.jp
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