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ベーリンガーインゲルハイムが開発中の有力なC型肝炎治療薬、フェーズ3試験へ

-C型肝炎ウイルス治療薬ポートフォリオで同社初

米国食品医薬品局(FDA)がプロテアーゼ阻害剤 BI 201335 NA( ペグインターフェロン アルファとリバビリン併用)、及びBI 201335 NAと ポリメラーゼ阻害剤 BI 207127 NAの併用療法(インターフェロン非併用)をファストトラックに指定

2011年4月2日 ドイツ/インゲルハイム

ベーリンガーインゲルハイムはこのほど、未治療および標準治療抵抗性のジェノタイプ1型C型慢性肝炎患者を対象に同社が開発中の1日1回経口投与可能なプロテアーゼ阻害剤BI 201335 NAのフェーズ3試験について、その概要を発表しました。C型慢性肝炎のうち、ジェノタイプ1型C型肝炎ウイルスの感染によるものはもっとも治療が困難です。

また、FDAは、標準治療(ペグインターフェロン アルファとリバビリンの併用)とBI 201355 NAの併用、並びにインターフェロンを使用しない同化合物とポリメラーゼ阻害剤BI 207127 NAとの併用(BI 201335 NA / BI 207127 NA)をファストトラックに指定しました。ファストトラックとは、重大な疾患や高いメディカルニーズを満たす治療法の開発を促進し、迅速に審査する制度です。患者が革新的な治療法になるべく早くアクセスできることを目的としています。

ベーリンガーインゲルハイム 医薬開発担当上級副社長のProf.クラウス・デュギは次のように述べています。「標準治療とBI 201335 NAの併用、及びインターフェロンを含まずBI 201335 NA に BI 207127 NAを併用する治療レジメンについて、FDAがファストトラックに指定したことを嬉しく思います。後者の併用レジメンが治療法として確立されれば、患者さんはインターフェロンによる副作用に耐えることなく治療を受けられることとなります。当社は、C型慢性肝炎患者さんに、より有効な治療が期待できるBI 201335 NAの開発を推進していきます」。

BI 201335 NAフェーズ3試験
標準治療との併用におけるBI 201335 NAの有用性が、今後、複数の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験で評価される予定です。これらフェーズ3試験は、未治療のジェノタイプ1型C型慢性肝炎患者集団を対象とした2つの試験と、標準治療抵抗性患者集団を対象とした1つの試験を含みます。未治療の患者集団を対象とする2つの試験は、日本、欧州、米国、カナダ、台湾、韓国で実施されます。過去に治療経験のある患者を対象とした試験は世界各国で実施されます。BI 201335 NAは、120 mgまたは 240 mg 1日1回投与で、標準治療と併用投与されます。投与期間は24〜48週間です。各試験の主要評価項目はウイルス学的著効(SVR)です。これらの試験は、BI 201335 NAを幅広く検討することを目的として2011年第2四半期に開始予定のフェーズ3試験プログラムです。

なおBI 201335 NAのフェーズ2試験であるSILEN-C1(サイレンス ワン)およびSILEN-C2(サイレンス ツー)試験の最終結果は先に、ベルリンで開催された2011年国際肝臓学会/第46回欧州肝臓学会議年次総会(EASL 2011)で発表されました。

ペグインターフェロンを使用せず、BI 201335 NAとBI 207127 NAの併用を検討するフェーズ2試験
BI 201335 NAの開発と並行して、ベーリンガーインゲルハイムは現在、経口投与可能なC型肝炎ウイルスポリメラーゼ阻害剤BI 207127 NAを開発中です。BI 207127 NAは、BI 201335 NAとの併用でのフェーズ1試験を完了しました。現在、BI 201335 NAとBI 207127 NAを併用しペグインターフェロンを使用しないレジメン(リバビリン併用/非併用下)を評価するフェーズ2試験が実施されています。FDAはこの開発プログラムをファストトラックに指定しました。
C型肝炎ウイルスについて
C型肝炎ウイルスは肝臓の感染性疾患であり、慢性肝疾患および肝移植の主因となっています。C型肝炎ウイルスによる慢性感染患者数は世界全体で1億7,000万人と推定されており、年間300〜400万人が新たに感染しています。急性期でウイルス除去できる患者はわずか20〜45%ほどです。その他の慢性感染患者のうち20%が平均20年以内に肝硬変を発症します。肝硬変発症後の死亡率は年間2〜5%です。C型肝炎感染による末期の肝疾患は現在、欧米諸国における肝移植の主因となっています。

ベーリンガーインゲルハイムとウイルス学領域について
ベーリンガーインゲルハイムは、ウイルス学をはじめとする6つの治療領域を対象に、6,900人以上の研究者がグローバルR&Dネットワークで学術研究に取り組んでいます。C型肝炎ウイルスに関する現在進行中の研究プログラム以外にも、ベーリンガーインゲルハイムは抗ウイルス薬開発に長年携わってきており、HIV治療のための化合物(非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤として世界で初めて承認されたビラミューン(R))などを開発してきました。カナダのラヴァル研究所では1990年代初頭からウイルス学研究を行っており、アンメットニーズの高いウイルス性疾患のための新しい治療薬開発に力を注ぎ、成果を上げています。

ベーリンガーインゲルハイムとC型肝炎について
BI 201335 NAは、現在開発中の経口C型肝炎 NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤であり、フェーズ2b(SILEN-C)試験まで臨床試験を完了しています。これらのフェーズ2試験により、フェーズ3試験でBI 201335 NAを検討することが支持されました。ベーリンガーインゲルハイムはさらに、海外において C型肝炎ウイルスNS5B RNA依存ポリメラーゼ阻害剤であるBI 207127 NAを現在開発中であり、こちらはフェーズ1試験を完了しています。インターフェロンなしの経口療法(リバビリン併用/非併用下)でBI 201335 NAとBI 207127 NAの併用療法を検討するフェーズ2試験が現在進行中です。

当プレスリリースについて
当資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が4月2日付でグローバルに配信したプレスリリースの日本語版であり日本国内の状況と異なる情報が含まれる場合があります。内容および解釈は、オリジナルである英文が優先します。下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.com/news.html

ベーリンガーインゲルハイムについて
ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界約50ヵ国で42,200人の社員を有するトップ20の製薬企業のひとつです。1885年の設立以来、125年を超えてもなお、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、人々の健康および保健医療の向上に寄与すべく、ヒト用医薬品およびアニマルヘルス(動物薬)を中心にビジネスを展開しています。2010年度は126億ユーロの売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約5分の1相当額を研究開発に投資しました。

日本では、ベーリンガーインゲルハイムは半世紀にわたり企業活動を展開しています。ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が、持ち株会社として、その傘下に、完全子会社である日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約3,000人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。

日本ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。また、グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所を神戸に擁しています。

詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp

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