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ミャンマー:ラカイン州での対立により、医療ケアへのアクセスが障害に

プレスリリース
2012年6月19日

ミャンマー西部のラカイン州で対立や情勢不安が続いている状況を受けて、国境なき医師団(MSF)は、その渦中にある人びとが医療ケアを受けられずにいる状況に懸念を示す。

6月9日にラカイン州で発生した暴力事件により、同州でMSFが運営する診療所やスタッフの安全が危険にさらされたため、MSFはラカイン州での医療援助活動の大半の一時停止を余儀なくされた。

MSFの活動責任者ジョー・ベリボーは次のように述べている。
「MSFは、暴力衝突の被害者が救急治療を受けられず、既存の患者への治療も行う必要がある現状を大いに懸念しています。私たちの最優先事項は、人びとへの緊急医療、食糧、物資の提供と、エイズ患者への治療です」

ラカイン州の人びとは安全を求めて隣国のバングラデシュ南部に避難を試みている。しかしMSFは、バングラデシュ政府が、ミャンマーでの暴力から逃れて医療ケアを求める人びとがバングラデシュに入国することを認めていないという報道に困惑している。MSFはバングラデシュでも医療ケアを提供しており、国籍や信条に関わらず医療ケアを求める全ての人びとに治療を提供する用意がある。

「安全な場所と、食糧、水、医療を求める人びとの入国を認めるべきです。MSFはミャンマーとバングラデシュの両国で、今回の衝突のあおりを受けた人びとへの接触を試みていますが、そうした人びとの側からもMSFに接触できる条件を整える必要があります」とベリボは強調する。

MSFはラカイン州で20年間にわたり医療ケアを提供しており、産科ケア、マラリア、下痢症、HIV/エイズや結核などの感染症の治療を行っている。2011年、MSFは48万7000件以上の診療を実施し、600人以上のエイズ患者に抗レトロウイルス(ARV)治療を提供している。ミャンマー国内での緊急の医療ニーズへの対応にくわえて、従来実施してきた長期プログラムを再開し、全ての患者に医療ケアを提供出来るようにすることが急務である。

世界各地で実施する援助活動において、MSFは援助を最も必要とする全ての人びとに対して、宗教や属性に関わらず医療援助を提供する。MSFがミャンマーで実施する医療プログラムは、世界各地で実施する中でも最も大規模なプログラムの一つである。MSFはミャンマー国内でHIV/エイズ治療の主要な提供者であり、マラリア治療においても中心的な役割を担っている。


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