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「子どもの遊ぶ権利の保障を」災害直後に子どもと家庭が直面する困難と必要な支援に関する研究論文を発表

災害支援に携わる当団体の研究者2名が、過去の豪雨災害で被災した保護者にインタビューを実施。子どもたちが安心・安全に生活する場を保障するために、子どもの居場所に求められる機能についても考察を行いました。




はじめに、この度の石川県能登での豪雨災害によって被害を受けられた皆様に謹んでお見舞い申し上げるとともに、被災地域の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

特定非営利活動法人日本教育再興連盟(以下「ROJE」)(本部:東京都千代田区、代表:鈴木寛・陰山英男)では、理事を務める中丸和・伊藤駿の両名が、この度の豪雨災害発生を受け、学齢期の子どもとその家庭が災害時に直面する困難についてまとめた以下の論文を急遽公開いたしました。
「災害時に学齢期の子どもとその家庭が直面する困難はいかなるものか-豪雨災害直後の被災地域の子どもを取り巻く環境に着目して-」


研究では、過去に国内で発生した豪雨災害によって被害を受けた保護者にインタビュー調査を実施しました。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121412/19/121412-19-117c7e009f5d47102672941bfea62329-960x720.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


インタビュー調査の結果、以下のように、保護者と子どもの距離の密接化や、子どもの居場所の不足などの課題が浮き彫りとなりました。
・発災後は、保護者が子どもと長時間ともに過ごさざるを得ない状況となることで、子どもと余裕をもって接する時間を創ることが難しくなり、保護者は精神的負担の増加のほか復旧作業の進行に困難を感じる。

・災害時の避難所では「子どもの居場所」を作ることが難しくなり、その場合子どもたちの「遊ぶ権利」が阻害されてしまう。

論文では、そうした困難を軽減するための支援方策として、子どもの居場所に着目して考察を行い、以下の2点が災害時の子どもの居場所には求められると指摘しています。
- 子どもが保護者の手から離れることができる託児機能
周囲の目を気にすることなどによる制限がない遊び場の機能

災害発生時において、要配慮者としての「子ども」としては、特に乳幼児が取り上げられることが多いですが、18歳未満のすべての者の特有のニーズへの配慮を求める国連の「児童の権利に関する条約」を踏まえれば、学齢期等の発育過程にある子どもに対しても十分な配慮を行うべきだと考えられます。

この度の石川県能登での豪雨災害によって被災された学齢期の子どもとその保護者の方々に対しても、適切な支援が行き届くことを願うとともに、当団体においても、今年1月の能登半島地震発生直後から行っている子どもの居場所運営事業の継続と、豪雨災害で被災された子どもとその保護者へのニーズ調査を開始し、支援策の検討を進めてまいります。
なお、ROJEでは、平時より、災害発生直後にスタッフを派遣し、子どもたちの居場所を作る取り組みに一刻も早く着手するための体制づくりに取り組んでおり、それが今回の石川県能登での支援活動にも活かされています。

この災害時緊急子ども支援活動は、皆さまからの日頃からのご支援によって支えられています。

以下のリンクからお申込みいただいたご寄付については、全額被災地支援に係るスタッフの交通費・宿泊費・現地活動費に充てさせていただきます。

災害時でも子どもたちが安心・安全に生活し、学べる場を保障するため、何卒ご協力のほどよろしくお願いいたします。

「災害時緊急子ども支援活動」寄付募集ページ
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20200
今回発表した論文について
掲載誌
日本自然災害学会誌「自然災害科学」特別号(査読あり、ページ番号なし・印刷中)
著者
・中丸 和(なかまる なごみ)
大阪大学大学院 人間科学研究科 博士後期課程所属。日本学術振興会特別研究員。
NPO法人ROJE理事。

・伊藤 駿(いとう しゅん)
博士(人間科学)。京都教育大学 総合教育臨床センター 講師。
NPO法人ROJE 理事。
論文の閲覧・ダウンロード
https://jsnds.org/ssk/ssk_43_s_b15.pdf 
※URLは今後非公開となる可能性もございます。ご了承ください。
d121412-19-7c9015acdd8c92a295fefe68f07bc572.pdf石川県能登地方での活動に関する情報
現在、令和6年能登半島地震によって被災した石川県七尾市で子どもの居場所づくりや学習支援、体験活動の提供などを行っています。
活動の詳細については、ROJEのホームページにて公開していますのでご覧ください。
- (最新の活動報告)夏休みを迎えて|能登 子どもの居場所支援活動報告https://kyouikusaikou.jp/24416/
- 2023年度「能登半島地震緊急子ども居場所支援活動」のご報告https://kyouikusaikou.jp/24077/

本件に関する取材・お問い合わせ先
下記までご連絡ください。
https://kyouikusaikou.jp/contact/
特定非営利活動法人日本教育再興連盟(ROJE)について
「教育で未来をつくる」をビジョンに、主に大学生・大学院生が中心となって、様々な教育課題の解決に向けた活動を行っています。現在は教員・教員志望学生向けのウェブサイトを運営する「メディア・コンテンツ領域」、関東圏・関西圏の小中高等学校へのボランティア派遣や出前授業を実施する「学校ソリューション領域」、被災地の子ども支援および未災地の防災教育に取り組む「災害と教育領域」、教育の最新の知見を提供する「イベント・コミュニティ領域」、オンラインを活用した子ども・若者支援に取り組む「ピアサポート領域」、若手研究者の支援や教育に関する研究活動を実行する「教育シンクネット領域」の6領域で活動を展開しています。

【団体概要】
団体名:特定非営利活動法人日本教育再興連盟
本部所在地:101-0052 東京都千代田区神田小川町2-8-20 光輪ビル402
代表:鈴木寛・陰山英男
事業内容: ウェブメディアの運営、学校ボランティアの派遣、出前授業の実施、災害支援など
設立: 2005年12月(法人登記:2007年10月)
HP:https://kyouikusaikou.jp/
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