【東北大学加齢医学研究所・株式会社カーブスジャパン共同研究結果】約4ヶ月のサーキットトレーニングによる免疫力の向上や全身の血流改善効果を示唆
[26/08/18]
提供元:PRTIMES
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厳しい残暑や寒暖差で体調を崩しやすい時期、身体の内側から健康を維持 「免疫・炎症制御」「血管新生」「組織修復」に関わる血中タンパク質に変化 脳の認知機能(実行機能・記憶機能)の改善も確認
「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」を全国2,014店舗運営し、40〜70代を中心とした90万会員の健康づくりをサポートしている株式会社カーブスジャパン(本社:東京都港区、代表取締役会長:増本 岳)は、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター(瀧 靖之 教授らの研究グループ)との共同研究において、健常な中高年女性を対象にランダム化比較試験(RCT)※1を用いて約4ヶ月間の習慣的なサーキットトレーニング※2(週2回以上、1回30分)の効果について、科学的に検証いたしました。
その結果、約4ヶ月間のサーキットトレーニングを行うことによって、脳の認知機能を有意に向上させるだけでなく、血液中の約1,000種類のタンパク質を最先端の技術で網羅的に解析した結果、「免疫・炎症制御」(ウイルスや細菌などから体を守る働き)、「血管新生」(血管を新しく張り巡らせる働き)、「組織修復」(体の回復を助ける働き)に関連するタンパク質に有意な変化が認められ、免疫力の向上や全身の血流改善効果の可能性が示唆されました。
近年の記録的な酷暑は、熱中症をはじめとする健康への影響が懸念されるなど、夏場の健康管理が重大な課題となっています[1]。特に中高年層では加齢に伴い体調調節機能(体温調節や自律神経の働き)や血管のしなやかさが低下しやすく、日頃からの健康管理がより重要です。
本研究で示唆された「免疫力向上や全身の血流改善効果」は、暑さや冷房による寒暖差で体調を崩しやすい夏場の健康維持の一助となる可能性が期待されます。
また、これまでの共同研究(2014年・2020年)でも確認されてきた認知機能(実行機能・記憶機能)の改善が、今回も確認されました。「実行機能」とは、定めた目標に対して思考や行動の制御を行う脳の高次機能です。「記憶機能」は、我々の健全な生活を支えていくために必要となる脳機能であるとともに、加齢に伴う軽度認知障害や認知症において低下してしまう脳機能です。
カーブスのサーキットトレーニングは、中程度の運動負荷(最大心拍数の約70%)であることから、中高年でも取り組みやすく、運動習慣のない方でも気軽に取り組むことができます。本研究成果は科学雑誌 Frontiers in Sports and Active Livingに掲載されました(2026年6月23日オンライン公開)。
【研究の背景】
超高齢社会を迎えた日本において、健康寿命の延伸は非常に重要な社会課題です。平均寿命と「健康寿命(日常生活に制限のない期間)」の間には差があり、女性ではその差が約12年に及びます[2]。加齢に伴う変化は認知機能にとどまらず、免疫、血管、組織の修復といった全身の働きにあらわれ、これらの維持・改善が自立して過ごせる期間を左右します。
習慣的な運動が健康維持・増進に役立つことは広く知られています[3]。カーブスでもこれまで、大学・専門研究機関との共同研究を通じて、生活習慣病予防や介護予防、認知機能改善など、運動がもたらすさまざまな健康効果について検証を重ねてきました。
一方で、運動によって体内でどのような変化が起こり、それが全身の健康維持にどのようにつながるのかについては、人を対象とした介入研究による血中タンパク質の網羅的な解析はほとんど行われていませんでした。そこで本研究では、約4ヶ月間のサーキットトレーニングの前後で血液中の約1,000種類のタンパク質(体全体の健康状態を反映する指標)を網羅的に解析し、サーキットトレーニングが全身の健康に及ぼす生体メカニズムを明らかにすることを目的に検証しました。
<研究用語の補足説明>
※1ランダム化比較試験は、医療分野で用いられる根拠の質(エビデンスレベル)の高い研究手法です。
※2サーキットトレーニングとは、30秒の「筋力トレーニング」と30秒の「有酸素運動」を交互に実施する健康づくりのトレーニングです。
<出典>
[1] 環境省「熱中症環境保健マニュアル」
[2] 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム(健康寿命)」
[3] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
[4] 株式会社カーブスジャパン「エビデンス」(医療関係者の皆様へのご案内)
【今回の研究成果で示唆された健康効果】
東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンターとの共同研究による解析の結果、サーキットトレーニングを習慣的に行った群において、健康維持に重要な役割を果たすと考えられている血中タンパク質および脳機能において、以下のような有意な変化が認められました。
1.ウイルスや細菌などから体を守る働き(免疫・炎症制御に関連する変化)
体の中の炎症を抑える働きや、免疫細胞の活動に関わる役割を持つと考えられているタンパク質(「LRRC25」や「IL10RA」、「CD7」など)に、運動による有意な変化が認められました。これらの結果から、ウイルスや細菌などから体を守る免疫の働きの維持・向上を内側から支える可能性が示唆されました。
2.血管を新しく張り巡らせる働き(血管新生に関連する変化)
新しい血管をつくり、組織への栄養や酸素の届け先を増やす働き(血管新生)に関連するタンパク質(「PROK1」など)に変化が認められました。これらの結果から、全身の血流・めぐりの改善や、年齢に負けないしなやかな体づくりを血液レベルから支える可能性が示唆されました。
3.体の回復を助ける働き(組織修復に関連する変化)
傷ついた細胞や組織を修復する働き(組織修復)に関連するタンパク質(「TNFRSF12A」など)の変化が認められました。これらの結果から、体の回復力・疲労回復のサポートにつながる効果の可能性が示唆されました。
4.脳機能(認知機能)の改善
これまでの共同研究に引き続き、サーキットトレーニングの継続により、脳の認知機能(実行機能・記憶機能)の改善が改めて確認されました。日常生活においては、例えば以下のような場面でその効果が期待されます。
- 周りの雑音やふと目に入る情報にペースを乱されず、目の前の家事や趣味、日々の作業に注意を的確に向けて、テキパキと行動できることが期待されます。
(抑制機能:妨害される情報に惑わされずに注意を的確に向ける脳機能)
- 日々の出来事や約束、体験したことを頭の中で正しく区別して記憶し、必要なときに思い出しやすくなることが期待されます。
(記憶機能:覚えた情報を正しく区別して思い出す脳機能)
【研究者コメント】
東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター 瀧 靖之 教授
本研究では、約1,000種類の血中タンパク質をサーキットトレーニング介入前後で網羅的に解析することで、習慣的なサーキットトレーニングが全身にどのように働くのかを血液レベルから捉えることを試みました。過去2回の研究では、サーキットトレーニングが認知機能の維持・向上に役立つ可能性を報告してきましたが、今回は認知機能に加え、免疫・炎症制御、血管新生、組織修復など、全身の健康に関わる血中タンパク質の変化が示されました。本成果は、サーキットトレーニングが体の中で健康を支えるメカニズムを理解するための重要な手がかりになると考えています。
現在、我が国では医療費や介護費の増大による財政圧迫が深刻であり、自治体を中心に健康寿命の延伸や健康増進への取り組みが急務となっています。いかに健康寿命を延ばしていくかという現代の社会課題において、1回30分の手軽な運動を習慣的に行うことが、血液レベルから私たちの健康維持や向上を支える一助となる可能性を示した点において、非常に意義深い研究成果であると考えています。
今後は対象者や研究期間をさらに拡大し、サーキットトレーニングが脳と体の健康づくりに役立つ科学的知見を積み重ねていきたいと考えています。
【研究概要】
◆対象:精神疾患、脳疾患などの既往歴のない健常な41歳以上75歳未満の女性48名
◆測定項目:
・脳の認知機能検査(介入前後での比較分析)
・最先端のプロテオミクス技術を用いた、血液中約1,000種類のタンパク質の網羅的解析
◆研究デザイン:ランダム化比較試験(無作為比較対照試験)
介入内容(介入群):週2回以上、1回30分のサーキットトレーニングを約4ヶ月間実施
(解析対象者数:認知機能検査23名/血液検査22名)
対照群の内容:通常の日常活動を維持
(解析対象者数:認知機能検査25名/血液検査22名)
◆サーキットトレーニング内容:
筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチを組み合わせた1回30分の運動プログラム。油圧式マシンを用いた筋力トレーニングとステップボード上で実施する有酸素運動を30秒ごとに交互に行い、全身をバランスよく鍛えられる構成となっています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/96924/22/96924-22-2162500ca58461830f77258f97a8a432-3579x2552.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 サーキットトレーニング
【研究結果】
- 約4ヶ月間のサーキットトレーニング介入群において、認知機能の中でも実行機能(抑制機能:妨害される情報に惑わされずに注意を向ける脳機能)と、記憶機能(覚えた情報を正しく区別して思い出す脳機能)の改善が認められました。
- 免疫・炎症制御(炎症を抑える働きや免疫細胞の活動に関わる働き)、血管新生(新しい血管をつくり、組織に酸素や栄養を届けやすくする働き)、組織修復(傷ついた細胞や組織を修復する働き)に関する血中タンパク質の変化が認められました。
<結果まとめ>
約4ヶ月間の習慣的なサーキットトレーニングが、脳の認知機能を有意に向上させるだけでなく、血液中の約1,000種類のタンパク質を最先端の技術で網羅的に解析した結果、「免疫・炎症制御」(ウイルスや細菌などから体を守る働き)、「血管新生」(血管を新しく張り巡らせる働き)、「組織修復」(体の回復を助ける働き)に関連するタンパク質に有意な変化が認められ、免疫力の向上や全身の血流改善効果の可能性が示唆されました。
<血中タンパク質解析の詳細結果>
サーキットトレーニング介入群と対照群の変化を比較した解析では、LRRC25、IL10RA、PROK1、CD7、TNFRSF12Aなどのタンパク質が、運動による反応を特徴づける候補として抽出されました。LRRC25およびIL10RAは抗炎症・免疫抑制に関連するタンパク質、PROK1およびTNFRSF12Aは血管新生や組織修復に関連するタンパク質、CD7は免疫細胞の活性化に関連するタンパク質として考えられています。これらの血中タンパク質の有意な変化は、免疫力の向上や全身の血流改善効果の可能性が示唆され、年齢を重ねても健康な体を維持するための運動習慣として、サーキットトレーニングが役立つ可能性を示しています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/96924/22/96924-22-77377570834c39bde8925500b55a1f25-1395x1016.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 サーキットトレーニング群と対照群におけるタンパク質発現変化の比較(Soga, ..., & Taki et al (2026) Frontiers in Sports and Active Livingから抜粋)
【東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンターについて】
我が国を含む先進諸国では、今後高齢者の更なる増加により認知症による経済的損失の増大が危惧されています。また、開発途上国においても若年人口が減少しており、高齢社会の到来を近い将来に控えています。したがって、認知症対策は世界的な重要課題で、特にその予防は喫緊の課題です。特に日本は人口構成の高齢化が先進国の中で最も進行し、認知症とその予備軍を含めると、現在800万人以上の患者がいると推計されます。また、認知症による経済的損失は、現状においても医療費として約1.9兆円、介護費として約6.4兆円、家族などが無償で行う介護を金額に換算した「インフォーマルケアコスト」として約6.1兆円、合計で年間約14.4兆円に上ると試算されており、この経済的損失額からも認知症予防対策の社会的ニーズは極めて大きい現状です。そこで、超高齢社会においても個人や社会が活力を維持するためには、「一人ひとりが、時間の経過とともに、高齢期になっても健康で人間として成長し続け、より賢くなれること、社会全体としてはより賢明で持続可能な構造に進化すること」(スマート・エイジング)が求められ、その実現に向けた研究推進が必要です。これらの現状を踏まえ、スマート・エイジングセンターは、国内外の研究者と連携し、本学の総力を挙げてこのスマート・エイジング実現に挑戦するための学際研究拠点として、医学、工学、経済学、文学始め、多様な専門領域を有する研究者を有して幅広い研究活動、産学連携活動を行っています。
また、スマート・エイジングセンターの根幹を担う瀧研究室は、2012年に診療医5名からスタートし、診療科である加齢老年病科の統合、スマート・エイジング学際重点研究センター設立、大型国際共同研究(HORIZON2020s参加)、産学連携の加速により研究室規模がここ10年で10倍にまで急成長しています。現在では、原著論文(英文原著)が392本、研究メンバーが62名、連携企業数が26社となっており、今後もさらに増加することが見込まれます(東北大学加齢医学研究所 瀧研究室公式HPよりhttps://argm.idac.tohoku.ac.jp/)。
【株式会社カーブスジャパンについて】
株式会社カーブスジャパンは、超高齢社会において生じる様々な社会問題を、正しい運動習慣を広めることを通じて解決することを標榜し、2005年2月に設立された、株式会社カーブスホールディングス(東証プライム市場)の中核事業会社です。「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」を全国2,014店舗(2026年7月末日時点)展開し、40〜70代を中心に90万人(2026年6月末日時点)の会員の健康づくりをサポートしています。
カーブスの運動は、健康づくりに必要な3つの運動「筋力トレーニング」「有酸素運動」「ストレッチ」を組み合わせ、1回30分で全身を鍛えられるサーキットトレーニングです。独自に開発した油圧式マシンを使用し、一人ひとりの体力や筋力に合わせて簡単に強度を調節できるため、安全かつ効果的に運動することができます。また、手軽に運動を続け、無理なく成果が出せるよう、インストラクターが一人ひとりに合わせた運動指導やサポートを行っています。
【会社概要】
■株式会社カーブスジャパン(株式会社カーブスホールディングスの中核事業会社)
代表者 :代表取締役会長 増本 岳
所在地 :東京都港区芝浦3-9-1 芝浦ルネサイトタワー11F
設立 :2005年2月
資本金 :1億円(2025年8月期)
事業概要:「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」
「30分 予約不要 サポート付きジム メンズ・カーブス」など運動施設の運営
Webサイト:https://www.curves.co.jp/
■株式会社カーブスホールディングス(コード:7085、東証プライム市場)
代表者 :代表取締役社長 兼 グループCEO 増本 岳
所在地 :東京都港区芝浦3-9-1 芝浦ルネサイトタワー11F
設立 :2008年10月
資本金 :8億円(2025年8月期)
Webサイト:https://www.curvesholdings.co.jp/
「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」を全国2,014店舗運営し、40〜70代を中心とした90万会員の健康づくりをサポートしている株式会社カーブスジャパン(本社:東京都港区、代表取締役会長:増本 岳)は、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター(瀧 靖之 教授らの研究グループ)との共同研究において、健常な中高年女性を対象にランダム化比較試験(RCT)※1を用いて約4ヶ月間の習慣的なサーキットトレーニング※2(週2回以上、1回30分)の効果について、科学的に検証いたしました。
その結果、約4ヶ月間のサーキットトレーニングを行うことによって、脳の認知機能を有意に向上させるだけでなく、血液中の約1,000種類のタンパク質を最先端の技術で網羅的に解析した結果、「免疫・炎症制御」(ウイルスや細菌などから体を守る働き)、「血管新生」(血管を新しく張り巡らせる働き)、「組織修復」(体の回復を助ける働き)に関連するタンパク質に有意な変化が認められ、免疫力の向上や全身の血流改善効果の可能性が示唆されました。
近年の記録的な酷暑は、熱中症をはじめとする健康への影響が懸念されるなど、夏場の健康管理が重大な課題となっています[1]。特に中高年層では加齢に伴い体調調節機能(体温調節や自律神経の働き)や血管のしなやかさが低下しやすく、日頃からの健康管理がより重要です。
本研究で示唆された「免疫力向上や全身の血流改善効果」は、暑さや冷房による寒暖差で体調を崩しやすい夏場の健康維持の一助となる可能性が期待されます。
また、これまでの共同研究(2014年・2020年)でも確認されてきた認知機能(実行機能・記憶機能)の改善が、今回も確認されました。「実行機能」とは、定めた目標に対して思考や行動の制御を行う脳の高次機能です。「記憶機能」は、我々の健全な生活を支えていくために必要となる脳機能であるとともに、加齢に伴う軽度認知障害や認知症において低下してしまう脳機能です。
カーブスのサーキットトレーニングは、中程度の運動負荷(最大心拍数の約70%)であることから、中高年でも取り組みやすく、運動習慣のない方でも気軽に取り組むことができます。本研究成果は科学雑誌 Frontiers in Sports and Active Livingに掲載されました(2026年6月23日オンライン公開)。
【研究の背景】
超高齢社会を迎えた日本において、健康寿命の延伸は非常に重要な社会課題です。平均寿命と「健康寿命(日常生活に制限のない期間)」の間には差があり、女性ではその差が約12年に及びます[2]。加齢に伴う変化は認知機能にとどまらず、免疫、血管、組織の修復といった全身の働きにあらわれ、これらの維持・改善が自立して過ごせる期間を左右します。
習慣的な運動が健康維持・増進に役立つことは広く知られています[3]。カーブスでもこれまで、大学・専門研究機関との共同研究を通じて、生活習慣病予防や介護予防、認知機能改善など、運動がもたらすさまざまな健康効果について検証を重ねてきました。
一方で、運動によって体内でどのような変化が起こり、それが全身の健康維持にどのようにつながるのかについては、人を対象とした介入研究による血中タンパク質の網羅的な解析はほとんど行われていませんでした。そこで本研究では、約4ヶ月間のサーキットトレーニングの前後で血液中の約1,000種類のタンパク質(体全体の健康状態を反映する指標)を網羅的に解析し、サーキットトレーニングが全身の健康に及ぼす生体メカニズムを明らかにすることを目的に検証しました。
<研究用語の補足説明>
※1ランダム化比較試験は、医療分野で用いられる根拠の質(エビデンスレベル)の高い研究手法です。
※2サーキットトレーニングとは、30秒の「筋力トレーニング」と30秒の「有酸素運動」を交互に実施する健康づくりのトレーニングです。
<出典>
[1] 環境省「熱中症環境保健マニュアル」
[2] 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム(健康寿命)」
[3] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
[4] 株式会社カーブスジャパン「エビデンス」(医療関係者の皆様へのご案内)
【今回の研究成果で示唆された健康効果】
東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンターとの共同研究による解析の結果、サーキットトレーニングを習慣的に行った群において、健康維持に重要な役割を果たすと考えられている血中タンパク質および脳機能において、以下のような有意な変化が認められました。
1.ウイルスや細菌などから体を守る働き(免疫・炎症制御に関連する変化)
体の中の炎症を抑える働きや、免疫細胞の活動に関わる役割を持つと考えられているタンパク質(「LRRC25」や「IL10RA」、「CD7」など)に、運動による有意な変化が認められました。これらの結果から、ウイルスや細菌などから体を守る免疫の働きの維持・向上を内側から支える可能性が示唆されました。
2.血管を新しく張り巡らせる働き(血管新生に関連する変化)
新しい血管をつくり、組織への栄養や酸素の届け先を増やす働き(血管新生)に関連するタンパク質(「PROK1」など)に変化が認められました。これらの結果から、全身の血流・めぐりの改善や、年齢に負けないしなやかな体づくりを血液レベルから支える可能性が示唆されました。
3.体の回復を助ける働き(組織修復に関連する変化)
傷ついた細胞や組織を修復する働き(組織修復)に関連するタンパク質(「TNFRSF12A」など)の変化が認められました。これらの結果から、体の回復力・疲労回復のサポートにつながる効果の可能性が示唆されました。
4.脳機能(認知機能)の改善
これまでの共同研究に引き続き、サーキットトレーニングの継続により、脳の認知機能(実行機能・記憶機能)の改善が改めて確認されました。日常生活においては、例えば以下のような場面でその効果が期待されます。
- 周りの雑音やふと目に入る情報にペースを乱されず、目の前の家事や趣味、日々の作業に注意を的確に向けて、テキパキと行動できることが期待されます。
(抑制機能:妨害される情報に惑わされずに注意を的確に向ける脳機能)
- 日々の出来事や約束、体験したことを頭の中で正しく区別して記憶し、必要なときに思い出しやすくなることが期待されます。
(記憶機能:覚えた情報を正しく区別して思い出す脳機能)
【研究者コメント】
東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター 瀧 靖之 教授
本研究では、約1,000種類の血中タンパク質をサーキットトレーニング介入前後で網羅的に解析することで、習慣的なサーキットトレーニングが全身にどのように働くのかを血液レベルから捉えることを試みました。過去2回の研究では、サーキットトレーニングが認知機能の維持・向上に役立つ可能性を報告してきましたが、今回は認知機能に加え、免疫・炎症制御、血管新生、組織修復など、全身の健康に関わる血中タンパク質の変化が示されました。本成果は、サーキットトレーニングが体の中で健康を支えるメカニズムを理解するための重要な手がかりになると考えています。
現在、我が国では医療費や介護費の増大による財政圧迫が深刻であり、自治体を中心に健康寿命の延伸や健康増進への取り組みが急務となっています。いかに健康寿命を延ばしていくかという現代の社会課題において、1回30分の手軽な運動を習慣的に行うことが、血液レベルから私たちの健康維持や向上を支える一助となる可能性を示した点において、非常に意義深い研究成果であると考えています。
今後は対象者や研究期間をさらに拡大し、サーキットトレーニングが脳と体の健康づくりに役立つ科学的知見を積み重ねていきたいと考えています。
【研究概要】
◆対象:精神疾患、脳疾患などの既往歴のない健常な41歳以上75歳未満の女性48名
◆測定項目:
・脳の認知機能検査(介入前後での比較分析)
・最先端のプロテオミクス技術を用いた、血液中約1,000種類のタンパク質の網羅的解析
◆研究デザイン:ランダム化比較試験(無作為比較対照試験)
介入内容(介入群):週2回以上、1回30分のサーキットトレーニングを約4ヶ月間実施
(解析対象者数:認知機能検査23名/血液検査22名)
対照群の内容:通常の日常活動を維持
(解析対象者数:認知機能検査25名/血液検査22名)
◆サーキットトレーニング内容:
筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチを組み合わせた1回30分の運動プログラム。油圧式マシンを用いた筋力トレーニングとステップボード上で実施する有酸素運動を30秒ごとに交互に行い、全身をバランスよく鍛えられる構成となっています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/96924/22/96924-22-2162500ca58461830f77258f97a8a432-3579x2552.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 サーキットトレーニング
【研究結果】
- 約4ヶ月間のサーキットトレーニング介入群において、認知機能の中でも実行機能(抑制機能:妨害される情報に惑わされずに注意を向ける脳機能)と、記憶機能(覚えた情報を正しく区別して思い出す脳機能)の改善が認められました。
- 免疫・炎症制御(炎症を抑える働きや免疫細胞の活動に関わる働き)、血管新生(新しい血管をつくり、組織に酸素や栄養を届けやすくする働き)、組織修復(傷ついた細胞や組織を修復する働き)に関する血中タンパク質の変化が認められました。
<結果まとめ>
約4ヶ月間の習慣的なサーキットトレーニングが、脳の認知機能を有意に向上させるだけでなく、血液中の約1,000種類のタンパク質を最先端の技術で網羅的に解析した結果、「免疫・炎症制御」(ウイルスや細菌などから体を守る働き)、「血管新生」(血管を新しく張り巡らせる働き)、「組織修復」(体の回復を助ける働き)に関連するタンパク質に有意な変化が認められ、免疫力の向上や全身の血流改善効果の可能性が示唆されました。
<血中タンパク質解析の詳細結果>
サーキットトレーニング介入群と対照群の変化を比較した解析では、LRRC25、IL10RA、PROK1、CD7、TNFRSF12Aなどのタンパク質が、運動による反応を特徴づける候補として抽出されました。LRRC25およびIL10RAは抗炎症・免疫抑制に関連するタンパク質、PROK1およびTNFRSF12Aは血管新生や組織修復に関連するタンパク質、CD7は免疫細胞の活性化に関連するタンパク質として考えられています。これらの血中タンパク質の有意な変化は、免疫力の向上や全身の血流改善効果の可能性が示唆され、年齢を重ねても健康な体を維持するための運動習慣として、サーキットトレーニングが役立つ可能性を示しています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/96924/22/96924-22-77377570834c39bde8925500b55a1f25-1395x1016.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 サーキットトレーニング群と対照群におけるタンパク質発現変化の比較(Soga, ..., & Taki et al (2026) Frontiers in Sports and Active Livingから抜粋)
【東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンターについて】
我が国を含む先進諸国では、今後高齢者の更なる増加により認知症による経済的損失の増大が危惧されています。また、開発途上国においても若年人口が減少しており、高齢社会の到来を近い将来に控えています。したがって、認知症対策は世界的な重要課題で、特にその予防は喫緊の課題です。特に日本は人口構成の高齢化が先進国の中で最も進行し、認知症とその予備軍を含めると、現在800万人以上の患者がいると推計されます。また、認知症による経済的損失は、現状においても医療費として約1.9兆円、介護費として約6.4兆円、家族などが無償で行う介護を金額に換算した「インフォーマルケアコスト」として約6.1兆円、合計で年間約14.4兆円に上ると試算されており、この経済的損失額からも認知症予防対策の社会的ニーズは極めて大きい現状です。そこで、超高齢社会においても個人や社会が活力を維持するためには、「一人ひとりが、時間の経過とともに、高齢期になっても健康で人間として成長し続け、より賢くなれること、社会全体としてはより賢明で持続可能な構造に進化すること」(スマート・エイジング)が求められ、その実現に向けた研究推進が必要です。これらの現状を踏まえ、スマート・エイジングセンターは、国内外の研究者と連携し、本学の総力を挙げてこのスマート・エイジング実現に挑戦するための学際研究拠点として、医学、工学、経済学、文学始め、多様な専門領域を有する研究者を有して幅広い研究活動、産学連携活動を行っています。
また、スマート・エイジングセンターの根幹を担う瀧研究室は、2012年に診療医5名からスタートし、診療科である加齢老年病科の統合、スマート・エイジング学際重点研究センター設立、大型国際共同研究(HORIZON2020s参加)、産学連携の加速により研究室規模がここ10年で10倍にまで急成長しています。現在では、原著論文(英文原著)が392本、研究メンバーが62名、連携企業数が26社となっており、今後もさらに増加することが見込まれます(東北大学加齢医学研究所 瀧研究室公式HPよりhttps://argm.idac.tohoku.ac.jp/)。
【株式会社カーブスジャパンについて】
株式会社カーブスジャパンは、超高齢社会において生じる様々な社会問題を、正しい運動習慣を広めることを通じて解決することを標榜し、2005年2月に設立された、株式会社カーブスホールディングス(東証プライム市場)の中核事業会社です。「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」を全国2,014店舗(2026年7月末日時点)展開し、40〜70代を中心に90万人(2026年6月末日時点)の会員の健康づくりをサポートしています。
カーブスの運動は、健康づくりに必要な3つの運動「筋力トレーニング」「有酸素運動」「ストレッチ」を組み合わせ、1回30分で全身を鍛えられるサーキットトレーニングです。独自に開発した油圧式マシンを使用し、一人ひとりの体力や筋力に合わせて簡単に強度を調節できるため、安全かつ効果的に運動することができます。また、手軽に運動を続け、無理なく成果が出せるよう、インストラクターが一人ひとりに合わせた運動指導やサポートを行っています。
【会社概要】
■株式会社カーブスジャパン(株式会社カーブスホールディングスの中核事業会社)
代表者 :代表取締役会長 増本 岳
所在地 :東京都港区芝浦3-9-1 芝浦ルネサイトタワー11F
設立 :2005年2月
資本金 :1億円(2025年8月期)
事業概要:「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」
「30分 予約不要 サポート付きジム メンズ・カーブス」など運動施設の運営
Webサイト:https://www.curves.co.jp/
■株式会社カーブスホールディングス(コード:7085、東証プライム市場)
代表者 :代表取締役社長 兼 グループCEO 増本 岳
所在地 :東京都港区芝浦3-9-1 芝浦ルネサイトタワー11F
設立 :2008年10月
資本金 :8億円(2025年8月期)
Webサイト:https://www.curvesholdings.co.jp/









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