フリースケール、無線通信インフラ向けSoCのQorIQ Qonvergeにより業界最高性能を誇るマクロセルの “Base Station-on-Chip” を 実現
[12/02/28]
提供元:PRTIMES
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フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、無線通信インフラ向けSoCの革新的なQorIQ Qonverge(コア・アイキュー コンバージ)マルチモード・プラットフォームによる、マクロセルでは初の“Base Station-on-Chip(基地局機能を1チップ化)”製品「B4860」を発表しました。この新しいマクロセルのQorIQ Qonvergeベースバンド・プロセッサは、LTE、LTE-Advanced、WCDMA通信規格をサポートする他のマクロセル基地局向けSoC(システム・オン・チップ)よりも高い性能を発揮します。優れたスループットと処理能力を提供するこのシングルチップ・ソリューションはフリースケールのQorIQ Qonverge小型セル向け製品との互換性を備えており、高効率で高性能のコア、ベースバンド・アクセラレータ、最適なコスト・パフォーマンスの理想的なバランスを実現しています。
フリースケールは、アーキテクチャの共通化により小型セルから大型セルまでさまざまなワイヤレス通信規格の要件を満たす製品ポートフォリオとして2011年2月にQorIQ Qonvergeとその初の製品である小型セル向けの「PSC9130/9131/9132」を発表しました。この発表から1年経たずにB4860の発表に至りました。ソフトウェア互換性を備えたbase station-on-chipを実現するQorIQ Qonverge製品では共通のアーキテクチャが採用されており、Power Architecture(R)プロセッサ、StarCore(スターコア)デジタル・シグナル・プロセッサ、およびワイヤレス・アクセラレーションの技術を単一のチップに統合しています。このアーキテクチャには、あらゆる規模の基地局において高い導入実績を誇る技術が搭載されているため、ソフトウェアを効率的に再利用でき、これまでの研究開発投資をさらに有効活用することが可能です。
フリースケールの上席副社長兼ネットワーキング・マルチメディア・ソリューション・グループ担当ジェネラル・マネージャであるトム・デートリッヒは、次のように述べています。「フリースケールのQorIQ Qonvergeマクロセル製品は、機器メーカーやサービス・プロバイダがモバイル・データ・トラフィックの世界規模での爆発的な増大に伴う課題に対処するために必要とする高い性能、エネルギー効率、費用対効果を達成しています。QorIQ Qonverge B4860マクロセル・ベースバンド・プロセッサを利用すれば、メーカー各社は、サービス・プロバイダによるLTEの増強、LTE-Advancedの配備、およびWCDMA基地局の処理コストに関する厳格な要件への対応を支援する差別化製品を開発することができます。」
フリースケールのQorIQ Qonverge B4860マクロセル・ベースバンド・プロセッサは、フリースケールが誇るインテリジェント・インテグレーション能力および先進の28-nmプロセス技術の活用によりコンピューティング能力の飛躍的な高性能化を実現し、21GHzを超えるプログラミングの基本性能を発揮します。このマクロセルSoCには、AltiVec SIMDエンジン搭載の最大1.8 GHzで動作する64ビットのデュアルスレッド対応Power Architecture e6500コアが4個統合されています。e6500コアはレイヤ2制御/転送処理に適しており、優れた実績を誇る高性能なAltiVecベクタ処理ユニットの拡張バージョンを統合しており、レイヤ2スケジューリング・アルゴリズムの性能を大幅に高めます。さらに、ワット数あたりの性能において組込みプロセッサとして歴代最高のCoreMark(R)ベンチマーク・スコアを達成しました。また、B4860は1.2GHzで動作する新開発の高性能SC3900 StarCore FVPコアを6個統合しており、次世代のベース・ステーションのデジタル・プロセッシング・レイヤーに必要なバランスのとれたプログラマブルなアーキテクチャを提供します。
市場調査会社Infoneticsのモバイル・インフラストラクチャおよびキャリア経済部門担当主席アナリストであるStephane Teral氏は、次のように述べています。「フリースケールのB4860プロセッサは、次世代プロセッシング・コア、インテリジェント・インテグレーション、ならびにQorIQ Qonverge “base station-on-chip”ファミリを横断するソフトウェア互換性といった特長を備えており、非常に魅力的な製品です。この新デバイスにより、フリースケールは、オンチップ基地局の性能面でリーダーシップを確立しつつ、機器メーカーとサービス・プロバイダ双方のさまざまなニーズを同時に直接満たすことができます。」
B4860は、3セクタ20 MHzをシングルチップでサポートする初のLTE基地局向けSoC製品の1つであり、最大6個のディスクリート・デバイスで構成される現行のチャネル・カードに取って代わります。部品数の削減によるデザインの簡略化およびボードレベルの効率化に加えて、同規模のディスクリート・ソリューションと比べて75%のコスト削減と67%の電力消費削減を達成しています。B4860は、アンテナIQサンプルからバックホールIPネットワークまで処理可能なマクロ基地局をサポートする唯一のソリューションの1つであり、LTE-Advanced通信規格(3GPPリリース10(2011年3月付け))に準拠する初のSoCの1つです。マルチRAT(マルチ標準)およびマルチモード(LTE-A、LTE 、およびWCDMA)通信規格にも同時に対応します。
新しいStarCore SC3900 DSP技術について
B4860プロセッサの性能を実現する中心的な構成要素は、フリースケールが新たに開発したSC3900 StarCore DSPコアです。このコアは、信号処理技術分析機関であるBerkeley Design Technology, Inc(BDTI)の評価において、固定小数点処理に関して過去最高のBDTIsimMark2000ベンチマーク・スコアを達成しています。1.2GHzで動作するフリースケールのSC3900コアは、BDTIsimMark2000ベンチマーク・スコア 37,460を記録しており、これは市場の競業他社のおよそ2倍近いスコアになります。(詳細はwww.BDTI.comをご覧ください。)
フリースケールの旧世代のStarCoreテクノロジからの主な拡張ポイントとしては、1回のサイクルで32個の16ビットMAC実行、ベースバンド処理に応じた命令の追加、制御コード実行の改善、1サイクルあたり最大8命令、1回の命令で最大8つのデータ・レーン・ベクタ(SIMD8)などがあります。さらに、高メモリ帯域幅、コアのクラスタ化、コア内およびデバイス全体を通じたハードウェア・キャッシュ・コヒーレンシなどの点で大幅に進化しています。SC3900 FVPコアは完全にプログラマブルで、LTEやWCDMA、TD-SCDMA、WiMAX、LTE-Advancedといった現行世代および次世代の各種標準をソフトウェアによる設定を通じてサポートする無線システム向けに、非常に効率的かつ柔軟なPHYレイヤの実装を可能にします。
フリースケールのMAPLE-Bベースバンド・アクセラレーション・プラットフォームは、FEC、FFT、ならびにUMTSチップレート処理のサポートといった機能を統合しており、並列/逐次干渉除去技術、シングル/マルチユーザMIMO、LTEリレー、キャリア・アグリゲーションなど、先進的な受信機アルゴリズムの実現をサポートします。これにより、従来の技術に比べて、スペクトル効率が改善され、処理レイテンシが削減されます。マルチコアのキャッシュ・コヒーレント・ファブリックは、マルチコアSoCのプログラミングをシングルコア並みに簡素化します。さらに、業界標準のインタフェースがサポートされるため、相互運用性が保証され、CPRI、Serial RapidIO、10G EthernetおよびPCI Expressインタフェースにより、外部コンポーネントなしに将来にわたる拡張性が提供されます。また、最適に統合されたDSPコアとレイヤ1処理のベースバンド・アクセラレーション、およびレイヤ2の制御および移動処理のセキュリティとIPパケットのアクセラレーションを備えたCPUコアにより、システム・ソフトウェアの正確なシステム・パーティションが可能です。
市場を牽引
業界リーダーの富士通とAlcatel-Lucentは、QorIQおよびStarCoreプロセッサについての豊富な実績があり、これらの基盤技術は高い性能を誇るQorIQ Qonverge B4860ベースバンド・プロセッサに活用されています。また、Alcatel LucentはすでにフリースケールのQorIQ Qonverge B4860によるlightRadio基地局のデザインを計画しています。
Alcatel-Lucentのワイヤレス・ディビジョン担当事業部長であるWim Sweldens氏は、次のように述べています。「市場に革新をもたらすAlcatel-LucentのlightRadioは、場所を問わずに柔軟なモバイル・ブロードバンド性能を実現しつつ、コストとエネルギーの大幅な削減を可能にします。フリースケールの新しい半導体技術がlightRadioの躍進を強力に後押ししてくれるでしょう。フリースケールの大型セルのQorIQ Qonvergeプラットフォームは、当社の革新的なlightRadio製品ポートフォリオが必要とする統合性、性能、エネルギー効率、そして魅力的な拡張性を備えています。」
富士通のアクセス・ネットワーク事業本部長の坂田稔氏は、次のように述べています。「富士通には、フリースケールの現行世代のQorIQおよびStarCore製品を活用して成功を収めた実績があります。フリースケールがこの2つの高性能技術をシングルチップ化してさらにシリコンの進化を図っていることは、私たちにとっても朗報です。フリースケールの最新のQorIQ Qonverge製品を利用して、消費電力と部品コストのバランスを保ちながら従来以上に高性能の基地局ソリューションを完成できるのを楽しみにしています。」
優れた効果を発揮するツールおよびソフトウェア
フリースケールは、Eclipse技術に基づくCodeWarrior統合開発環境(IDE)をはじめとする製品とサービスの豊富なエコシステムでB4860ファミリをサポートする体制を整えており、極めて包括的なマルチコア開発環境を用意しています。利用可能なツールには、B4860QDS開発ボード、Power Arcitecture 並びにStarCoreアーキテクチャ向けのC最適化コンパイラ、マルチコア・ソース・レベル・デバッガ、コアとデバイスのシミュレータ、最適化されたデバイス・ドライバ、およびプロファイリングとプログラム/データ・トレースのためのソフトウェア解析ツールなどがあります。また、フリースケールのパートナー・ネットワークからはBSPと最適化されたデバイス・ドライバを備えたDSPおよびMPUの高効率のオペレーティング・システムが提供されます。
供給
QorIQ Qonverge B4860製品のサンプル出荷は、2012年第2四半期に開始する予定です。詳細については、www.freescale.com/QorIQQonvergeのWebサイトをご覧ください。
フリースケールのパートナー企業から寄せられた歓迎コメント
エニア
最高技術責任者(CTO)、Tobias Lindquist氏のコメント:
「エニアは、フリースケールのStarCore DSPテクノロジとPower Architectureコアの双方を深く理解しており、その知識を幅広いソフトウェア・ソリューション・ポートフォリオに組み込み、フリースケールのネットワーキングIPをサポートします。革新的なQorIQ Qonvergeマルチモード・プラットフォームをベースとするフリースケールのマクロセル基地局プロセッサのサポートを新たに追加できることをうれしく思います。」
Green Hills Software
ビジネス開発担当副社長、Dan Mender氏のコメント:
「Green Hillsは、長年にわたりフリースケールのマルチコア/マルチプロセッサ・プラットフォーム向けに最適なサポートの提供を続けており、この体制はフリースケールの新しい大型セル向け“base station-on-chip”ソリューションにおけるPower Architectureテクノロジでも変わることはありません。Green Hillsでは、QorIQユーザ向けに、セキュアで信頼できるリアルタイム・オペレーティング・システム、世界クラスの最適化コンパイラ技術、先進的なトレース・デバッグ機能を開発しています。フリースケールの魅力的な最新QorIQ Qonverge B4860 SoCのより一層の高性能化に貢献できることをうれしく思います。」
メンター・グラフィックス
メンター・グラフィックス:組込みソフトウェア部門担当ジェネラル・マネージャ、Glenn Perry氏のコメント:「Linuxプロバイダとしてフリースケールとの協業を続けてきたメンター・グラフィックスは、QorIQ Qonverge B4860マルチモードSoCの発表を歓迎します。この製品により、ワイヤレス産業はまた大きく一歩前進するでしょう。当社が提供するMentor Embedded LinuxやSourcery CodeBenchをフリースケールの最新技術と組み合わせることで、Linuxやオープン・ソースをベースとする組込みシステムを効果的に開発することができます。」
ウインドリバー
提携関係担当副社長、Roger Williams氏のコメント:
「フリースケールのQorIQ Qonverge B4860 SoCは、機器メーカーやサービス・プロバイダにとって、急速に変化するワイヤレス基地局の課題に対応する上で欠かせないものとなるでしょう。業界をリードするウインドリバーの包括的な組込みソフトウェア・ポートフォリオと組み合わせることで、フリースケールの最新Qonvergeファミリの性能と機能を最大限に活用することができます。」
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.com/(英語)、またはhttp://www.freescale.co.jp/(日本語)をご覧ください。
FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。Power Architecture、Power.org ならびにPower、Power.orgのロゴマーク、関連するマークはPower.orgの商標であり、ライセンスのもとに使用されています。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
(C)2012フリースケール・セミコンダクタ・インク
フリースケールは、アーキテクチャの共通化により小型セルから大型セルまでさまざまなワイヤレス通信規格の要件を満たす製品ポートフォリオとして2011年2月にQorIQ Qonvergeとその初の製品である小型セル向けの「PSC9130/9131/9132」を発表しました。この発表から1年経たずにB4860の発表に至りました。ソフトウェア互換性を備えたbase station-on-chipを実現するQorIQ Qonverge製品では共通のアーキテクチャが採用されており、Power Architecture(R)プロセッサ、StarCore(スターコア)デジタル・シグナル・プロセッサ、およびワイヤレス・アクセラレーションの技術を単一のチップに統合しています。このアーキテクチャには、あらゆる規模の基地局において高い導入実績を誇る技術が搭載されているため、ソフトウェアを効率的に再利用でき、これまでの研究開発投資をさらに有効活用することが可能です。
フリースケールの上席副社長兼ネットワーキング・マルチメディア・ソリューション・グループ担当ジェネラル・マネージャであるトム・デートリッヒは、次のように述べています。「フリースケールのQorIQ Qonvergeマクロセル製品は、機器メーカーやサービス・プロバイダがモバイル・データ・トラフィックの世界規模での爆発的な増大に伴う課題に対処するために必要とする高い性能、エネルギー効率、費用対効果を達成しています。QorIQ Qonverge B4860マクロセル・ベースバンド・プロセッサを利用すれば、メーカー各社は、サービス・プロバイダによるLTEの増強、LTE-Advancedの配備、およびWCDMA基地局の処理コストに関する厳格な要件への対応を支援する差別化製品を開発することができます。」
フリースケールのQorIQ Qonverge B4860マクロセル・ベースバンド・プロセッサは、フリースケールが誇るインテリジェント・インテグレーション能力および先進の28-nmプロセス技術の活用によりコンピューティング能力の飛躍的な高性能化を実現し、21GHzを超えるプログラミングの基本性能を発揮します。このマクロセルSoCには、AltiVec SIMDエンジン搭載の最大1.8 GHzで動作する64ビットのデュアルスレッド対応Power Architecture e6500コアが4個統合されています。e6500コアはレイヤ2制御/転送処理に適しており、優れた実績を誇る高性能なAltiVecベクタ処理ユニットの拡張バージョンを統合しており、レイヤ2スケジューリング・アルゴリズムの性能を大幅に高めます。さらに、ワット数あたりの性能において組込みプロセッサとして歴代最高のCoreMark(R)ベンチマーク・スコアを達成しました。また、B4860は1.2GHzで動作する新開発の高性能SC3900 StarCore FVPコアを6個統合しており、次世代のベース・ステーションのデジタル・プロセッシング・レイヤーに必要なバランスのとれたプログラマブルなアーキテクチャを提供します。
市場調査会社Infoneticsのモバイル・インフラストラクチャおよびキャリア経済部門担当主席アナリストであるStephane Teral氏は、次のように述べています。「フリースケールのB4860プロセッサは、次世代プロセッシング・コア、インテリジェント・インテグレーション、ならびにQorIQ Qonverge “base station-on-chip”ファミリを横断するソフトウェア互換性といった特長を備えており、非常に魅力的な製品です。この新デバイスにより、フリースケールは、オンチップ基地局の性能面でリーダーシップを確立しつつ、機器メーカーとサービス・プロバイダ双方のさまざまなニーズを同時に直接満たすことができます。」
B4860は、3セクタ20 MHzをシングルチップでサポートする初のLTE基地局向けSoC製品の1つであり、最大6個のディスクリート・デバイスで構成される現行のチャネル・カードに取って代わります。部品数の削減によるデザインの簡略化およびボードレベルの効率化に加えて、同規模のディスクリート・ソリューションと比べて75%のコスト削減と67%の電力消費削減を達成しています。B4860は、アンテナIQサンプルからバックホールIPネットワークまで処理可能なマクロ基地局をサポートする唯一のソリューションの1つであり、LTE-Advanced通信規格(3GPPリリース10(2011年3月付け))に準拠する初のSoCの1つです。マルチRAT(マルチ標準)およびマルチモード(LTE-A、LTE 、およびWCDMA)通信規格にも同時に対応します。
新しいStarCore SC3900 DSP技術について
B4860プロセッサの性能を実現する中心的な構成要素は、フリースケールが新たに開発したSC3900 StarCore DSPコアです。このコアは、信号処理技術分析機関であるBerkeley Design Technology, Inc(BDTI)の評価において、固定小数点処理に関して過去最高のBDTIsimMark2000ベンチマーク・スコアを達成しています。1.2GHzで動作するフリースケールのSC3900コアは、BDTIsimMark2000ベンチマーク・スコア 37,460を記録しており、これは市場の競業他社のおよそ2倍近いスコアになります。(詳細はwww.BDTI.comをご覧ください。)
フリースケールの旧世代のStarCoreテクノロジからの主な拡張ポイントとしては、1回のサイクルで32個の16ビットMAC実行、ベースバンド処理に応じた命令の追加、制御コード実行の改善、1サイクルあたり最大8命令、1回の命令で最大8つのデータ・レーン・ベクタ(SIMD8)などがあります。さらに、高メモリ帯域幅、コアのクラスタ化、コア内およびデバイス全体を通じたハードウェア・キャッシュ・コヒーレンシなどの点で大幅に進化しています。SC3900 FVPコアは完全にプログラマブルで、LTEやWCDMA、TD-SCDMA、WiMAX、LTE-Advancedといった現行世代および次世代の各種標準をソフトウェアによる設定を通じてサポートする無線システム向けに、非常に効率的かつ柔軟なPHYレイヤの実装を可能にします。
フリースケールのMAPLE-Bベースバンド・アクセラレーション・プラットフォームは、FEC、FFT、ならびにUMTSチップレート処理のサポートといった機能を統合しており、並列/逐次干渉除去技術、シングル/マルチユーザMIMO、LTEリレー、キャリア・アグリゲーションなど、先進的な受信機アルゴリズムの実現をサポートします。これにより、従来の技術に比べて、スペクトル効率が改善され、処理レイテンシが削減されます。マルチコアのキャッシュ・コヒーレント・ファブリックは、マルチコアSoCのプログラミングをシングルコア並みに簡素化します。さらに、業界標準のインタフェースがサポートされるため、相互運用性が保証され、CPRI、Serial RapidIO、10G EthernetおよびPCI Expressインタフェースにより、外部コンポーネントなしに将来にわたる拡張性が提供されます。また、最適に統合されたDSPコアとレイヤ1処理のベースバンド・アクセラレーション、およびレイヤ2の制御および移動処理のセキュリティとIPパケットのアクセラレーションを備えたCPUコアにより、システム・ソフトウェアの正確なシステム・パーティションが可能です。
市場を牽引
業界リーダーの富士通とAlcatel-Lucentは、QorIQおよびStarCoreプロセッサについての豊富な実績があり、これらの基盤技術は高い性能を誇るQorIQ Qonverge B4860ベースバンド・プロセッサに活用されています。また、Alcatel LucentはすでにフリースケールのQorIQ Qonverge B4860によるlightRadio基地局のデザインを計画しています。
Alcatel-Lucentのワイヤレス・ディビジョン担当事業部長であるWim Sweldens氏は、次のように述べています。「市場に革新をもたらすAlcatel-LucentのlightRadioは、場所を問わずに柔軟なモバイル・ブロードバンド性能を実現しつつ、コストとエネルギーの大幅な削減を可能にします。フリースケールの新しい半導体技術がlightRadioの躍進を強力に後押ししてくれるでしょう。フリースケールの大型セルのQorIQ Qonvergeプラットフォームは、当社の革新的なlightRadio製品ポートフォリオが必要とする統合性、性能、エネルギー効率、そして魅力的な拡張性を備えています。」
富士通のアクセス・ネットワーク事業本部長の坂田稔氏は、次のように述べています。「富士通には、フリースケールの現行世代のQorIQおよびStarCore製品を活用して成功を収めた実績があります。フリースケールがこの2つの高性能技術をシングルチップ化してさらにシリコンの進化を図っていることは、私たちにとっても朗報です。フリースケールの最新のQorIQ Qonverge製品を利用して、消費電力と部品コストのバランスを保ちながら従来以上に高性能の基地局ソリューションを完成できるのを楽しみにしています。」
優れた効果を発揮するツールおよびソフトウェア
フリースケールは、Eclipse技術に基づくCodeWarrior統合開発環境(IDE)をはじめとする製品とサービスの豊富なエコシステムでB4860ファミリをサポートする体制を整えており、極めて包括的なマルチコア開発環境を用意しています。利用可能なツールには、B4860QDS開発ボード、Power Arcitecture 並びにStarCoreアーキテクチャ向けのC最適化コンパイラ、マルチコア・ソース・レベル・デバッガ、コアとデバイスのシミュレータ、最適化されたデバイス・ドライバ、およびプロファイリングとプログラム/データ・トレースのためのソフトウェア解析ツールなどがあります。また、フリースケールのパートナー・ネットワークからはBSPと最適化されたデバイス・ドライバを備えたDSPおよびMPUの高効率のオペレーティング・システムが提供されます。
供給
QorIQ Qonverge B4860製品のサンプル出荷は、2012年第2四半期に開始する予定です。詳細については、www.freescale.com/QorIQQonvergeのWebサイトをご覧ください。
フリースケールのパートナー企業から寄せられた歓迎コメント
エニア
最高技術責任者(CTO)、Tobias Lindquist氏のコメント:
「エニアは、フリースケールのStarCore DSPテクノロジとPower Architectureコアの双方を深く理解しており、その知識を幅広いソフトウェア・ソリューション・ポートフォリオに組み込み、フリースケールのネットワーキングIPをサポートします。革新的なQorIQ Qonvergeマルチモード・プラットフォームをベースとするフリースケールのマクロセル基地局プロセッサのサポートを新たに追加できることをうれしく思います。」
Green Hills Software
ビジネス開発担当副社長、Dan Mender氏のコメント:
「Green Hillsは、長年にわたりフリースケールのマルチコア/マルチプロセッサ・プラットフォーム向けに最適なサポートの提供を続けており、この体制はフリースケールの新しい大型セル向け“base station-on-chip”ソリューションにおけるPower Architectureテクノロジでも変わることはありません。Green Hillsでは、QorIQユーザ向けに、セキュアで信頼できるリアルタイム・オペレーティング・システム、世界クラスの最適化コンパイラ技術、先進的なトレース・デバッグ機能を開発しています。フリースケールの魅力的な最新QorIQ Qonverge B4860 SoCのより一層の高性能化に貢献できることをうれしく思います。」
メンター・グラフィックス
メンター・グラフィックス:組込みソフトウェア部門担当ジェネラル・マネージャ、Glenn Perry氏のコメント:「Linuxプロバイダとしてフリースケールとの協業を続けてきたメンター・グラフィックスは、QorIQ Qonverge B4860マルチモードSoCの発表を歓迎します。この製品により、ワイヤレス産業はまた大きく一歩前進するでしょう。当社が提供するMentor Embedded LinuxやSourcery CodeBenchをフリースケールの最新技術と組み合わせることで、Linuxやオープン・ソースをベースとする組込みシステムを効果的に開発することができます。」
ウインドリバー
提携関係担当副社長、Roger Williams氏のコメント:
「フリースケールのQorIQ Qonverge B4860 SoCは、機器メーカーやサービス・プロバイダにとって、急速に変化するワイヤレス基地局の課題に対応する上で欠かせないものとなるでしょう。業界をリードするウインドリバーの包括的な組込みソフトウェア・ポートフォリオと組み合わせることで、フリースケールの最新Qonvergeファミリの性能と機能を最大限に活用することができます。」
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.com/(英語)、またはhttp://www.freescale.co.jp/(日本語)をご覧ください。
FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。Power Architecture、Power.org ならびにPower、Power.orgのロゴマーク、関連するマークはPower.orgの商標であり、ライセンスのもとに使用されています。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
(C)2012フリースケール・セミコンダクタ・インク