【SolidWorks】3次元を活用してデザイナーとコラボレーション 「見栄えの良い工作機械」「威圧感のない自動装置」づくりに成功
[10/12/21]
提供元:PRTIMES
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時計部品の精密加工やクオーツ時計のフルオート自動組立など、時計製造で培った「高精度・高品質の追求」の技術を社外へも提供している、セイコーインスツル株式会社(以降、SII)の精機事業部における、SolidWorksの活用事例です。
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SIIの精機事業部FA課では、ハードディスク用部品やベアリングなどの小型精密部品組立機の開発・製造で高い実績を誇る。また、同事業部 工機課は、「精密に削る」技術に特化して、同じくベアリングや自動車用ノズル部品などの全自動研削盤の開発・製造で、ニッチナンバーワンの地位を獲得している。
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http://www.solidworks.co.jp/newsarticle/casestudy/SII
最近では、組立機、全自動研削盤などの工作機械の領域でも、見栄えや人間工学的な観点からの操作性の良さが要求されてきている。SII精機事業部のFA課と工機課では、3次元データを活用することで、デザイナーとのコラボレーションに成功した。また、PDMを活用して標準化・モジュール化に取り組むなど、新しい時代が求める合理化設備、工作機械づくりにさまざまな角度から3次元を活用しているのである。
「精機事業部では、20年以上にわたって2次元CADを利用してきましたが、2005年に設計の3次元化を決断。慎重に検討した末に、SolidWorksを選びました」と、精機事業部 精機開発部 FA課長の冨崎淳氏はCAD利用の歴史を語る。
最終的に、ミッドレンジの3製品に絞り、実機にて詳細に比較評価をした。
「SolidWorksは、シェアが高いので、社外への設計依頼がやりやすくなります。またシェアが高い製品は、他ツールとの互換性も確保されますから、空圧機、シリンダ、モータなどの社外購入品も、メーカーから提供される製品データを取り込んで、設計効率を高められると考えました」と冨崎氏。「実データを動かして比較しましたが、最もスムーズに作業できたのがSolidWorks。操作性が良いのです」と徳永氏。
「ベンダーの技術者とも話をしましたが、ソリッドワークスは、ユーザの声を製品にフィードバックするという企業姿勢が明確でした。実は、マトリクス表で比較した点数で言うと、3製品は83点、87点、91点であり、大差はついていません。ところがSolidWorksは、さらに伸びるという印象が強かったため、最高得点の91点にさらに将来性をプラスアルファして、選択しました」と、3次元CAD導入時の推進リーダーであった 精機事業部精機事業推進課 井上貴博氏は語る。
精機事業部では19ライセンスのSolidWorksを活用しており、新規開発は完全に設計が3次元化した。成功事例のひとつが、FA課の開発した薬剤ピッキングサポートシステム「TABLET-PICKER」である。
「今回開発したTABLET-PICKERは来店客の目に触れ、薬局の雰囲気作りにも関わる存在であるためデザイン性が非常に重要であると考えました。」と冨崎氏。
そこで、SII社内のデザイン部門とタッグを組み、構想段階から根本的に検討しあった結果、威圧感がなく、使いやすく、人間工学的にも優れた装置の製作に成功。2010年、日刊工業新聞社主催の第40回機械工業デザイン賞で審査委員会特別賞を受賞した。
「これからの工作機械は、一品一仕様の個別作り込みを脱して、汎用化した製品を幅広い用途へ適応させることが不可欠になっています。幅広く売る製品は、見栄えも非常に重要。デザイナーとの意思疎通をスムーズにして、効率よくデザイン性を高めるために、3次元の力をさらに活用していきたい。2次元CADは『設計の道具』でしたが、3次元CADは、設計者以外の人たちが参加できる『ものづくりの環境』なのです」と徳永氏は強調する。
3次元データの利用範囲はさらに拡大している。
そのひとつがCAM連携だ。
「SolidWorksを持っている協力会社には、生データを渡しています。特に外カバーの板金、大きな部品の削り出しなどは、SolidWorksからCAMへのダイレクト連携が効果的。展開図をすぐに起こせるので、納期が短くなり、コスト削減にもつながっています」(井上氏)。
CAM連携が定着すれば、紙図面に詳細な情報を盛り込む必要がなくなり、設計者の負荷が軽減される。手書きでの記入ミスや漏れもなくなり、製作現場でも間違いが起きにくくなる。
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さらに3次元効果は、世界市場での競争力強化にまでも拡大中だ。
精機事業部では、「カスタムから汎用へ」を合言葉に、設計や部品の標準化に取り組んできたが、「120%の顧客満足」を追求してきた歴史が長いだけに、なかなか実行はむずかしかった。しかし、SolidWorksと同時に導入したSolidWorks Workgroup PDMによって、部品を一元管理し、設計者間で再利用しやすくなったことで、部品のモジュール化にも取り組みやすくなったのだ。2010年に入ってからは、装置の脚部分、空圧部分など、モジュール化できそうなもののリストアップが進んでいる。
「汎用化・標準化は、時代のニーズであり、これからの工作機械メーカーにとって最大の課題です。設計者の発想を変え、標準化を本格的に推進するうえでも、PDMをうまく活用していきたい」と井上氏は変革への意欲を力強く語った。
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