直木賞作家・道尾秀介の最新作『満月の泥枕』は、 “長篇2冊分の満足度”を実現した、前代未聞の挑戦作。「自身の作品で最も好き」という本作の主人公について、作品の映像化に対する率直な思いなど、今語られる!
[17/06/26]
提供元:PRTIMES
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旬な作家の意外な素顔が・・・?旭屋書店「本TUBE」ピックアップ本、著者出演インタビュー企画!
旭屋書店による1億人の本と本屋の動画投稿サイト「本TUBE」のスペシャル企画として、直木賞作家・道尾秀介の新刊『満月の泥枕』発売を記念した著者インタビューを実施!道尾さん自身に、作品についてじっくりと語っていただきました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/13301/31/resize/d13301-31-816823-1.jpg ]
◆本編再生はコチラ!
http://www.hon-tube.com/pc/movie.php?movieid=2013
旭屋書店では、道尾秀介さんの最新作『満月の泥枕』の発売を記念し、著者インタビューを実施した。2011年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞したことで、直木賞作家としてのイメージが強い道尾さんだが、本格ミステリ大賞候補作品『向日葵の咲かない夏』、第7回本格ミステリ大賞作品『シャドウ』、日本推理作家協会賞を受賞して阿部寛主演で映画化もされた『カラスの親指』、大藪春彦賞受賞の『龍神の雨』、山本周五郎賞受賞の『光媒の花』など、名誉ある受賞歴を誇る傑作ミステリーを世に送り出している。そんな中、自ら太鼓判を押すほどの自信作という『満月の泥枕』に対する思いを、語っていただいた。
「最近小説の力が弱くなっているんですね。世の中は、こんな小っちゃいスマホの画面で、電車の中で移動しながら映画を観たりできる時代ですが、小説は物語を楽しむのに時間と労力がかかるわけです。選択肢の中で、どんどん順位が下がっているのが伝わってくる。何かできないかと思って、同じ厚さの1冊に、“長篇2冊分の、倍の面白さ”を入れたら良いなと思って、やり方を考えていたんです。そこで、この小説は半ばで大きな山がきて、最後にもっと大きな山が来るようにしてみました。本当に、2冊分楽しんでもらえるようにできたなと思っています。」
[画像2: https://prtimes.jp/i/13301/31/resize/d13301-31-136681-2.jpg ]
本作は、下町のボロアパートに集まった、少し訳アリの老若男女が繰り広げる、生の悲哀、人の優しさが沁みわたるミステリーだ。誰が読んでも「この人は自分に似ている」という登場人物が一人は見つかるという、バラエティに富んだキャラクター達だが、道尾さんはとにかく主人公の二美男がお気に入りという。
「自分に似ているとは思わないんだけど、とにかく二美男が大好きです。今まで書いた中で、本が28冊出ているんですけど、一番ダメ男なんですよ、この人。でも、人は良い。人情が心の90%くらい占めていて、知識が5%くらい、あとの5%に影の分からない部分がある。現代って人情が発揮しにくい時代だと思うんです。でも物語の中だと、存分に発揮してもらえる。『寺内貫太郎一家』や、久世光彦さん、向田邦子さんの世界に居たような人を現代に引っ張ってきたようなイメージです。でも、色々生き辛そうですね。」
ミステリーでありながら、登場人物の繊細な心理描写が魅力的な道尾作品。以前のインタビューにおいて、道尾さんはトマス・H・クック『緋色の記憶』が非常に好きで、“トリックではなくて人の心が事件を起こす”という部分が大きな魅力となっていると説いていた。『満月の泥枕』を執筆する際に『緋色の記憶』を意識したことはなかったそうだが、登場人物達の人間模様を色濃く描いた本作において、道尾さんがどういったミステリーを好み、自身で描いていきたいのか、垣間見ることができると言えよう。
「無機的なトリックでストーリーが動いていくようなもの…人の死ではなくて死体が出てくるような小説は、読むのは好きなんですけど、書くのが苦手なんですよね。自分で書いていくと、生身の人間同士が絡み合ってストーリーが進んでいって、最後に驚きがあるものになってしまうんです。」
[画像3: https://prtimes.jp/i/13301/31/resize/d13301-31-447015-0.jpg ]
ちなみに以前から、「映像化できない作品を書く」ということを信条と公言している道尾さん。今回の作品も含め、自身の作品が映像化されることに対して、どのように考えているのだろうか?
「自分の小説が映像化されるの、他の作家さんより楽しみなんじゃないですかね。僕の作品全部、映像化できると言えばできるんですけど、一ひねりは必要になってくる。一体どうやって映像化するんだろうっていうのは、見てみたいですね。『満月の泥枕』も映像化の話がきたら嬉しいですよ。途中のあるシーンを、映画で撮れるのか、CGでやるのか?とか。『カラスの親指』が映画化された時も、ものすごく楽しみだったんです。観てみたら、さすが映像屋さん、この手があったか!と。」
6月8日に発売されたばかりだが、人情ミステリーの傑作として早くも反響を呼んでいる『満月の泥枕』。ミステリー要素はもちろんのこと、魅力的な登場人物たちのヒューマンドラマも相まって、これまでにない読みごたえとなっている。小説界を盛り上げていきたいという思い、登場人物への愛情が詰まった道尾作品の新境地を、ぜひその目で確かめていただきたい。
[画像4: https://prtimes.jp/i/13301/31/resize/d13301-31-742605-4.jpg ]
単行本: 440ページ
出版社: 毎日新聞出版
[画像5: https://prtimes.jp/i/13301/31/resize/d13301-31-275771-3.jpg ]
◆本TUBEとは・・・
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旭屋書店では、道尾秀介さんの最新作『満月の泥枕』の発売を記念し、著者インタビューを実施した。2011年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞したことで、直木賞作家としてのイメージが強い道尾さんだが、本格ミステリ大賞候補作品『向日葵の咲かない夏』、第7回本格ミステリ大賞作品『シャドウ』、日本推理作家協会賞を受賞して阿部寛主演で映画化もされた『カラスの親指』、大藪春彦賞受賞の『龍神の雨』、山本周五郎賞受賞の『光媒の花』など、名誉ある受賞歴を誇る傑作ミステリーを世に送り出している。そんな中、自ら太鼓判を押すほどの自信作という『満月の泥枕』に対する思いを、語っていただいた。
「最近小説の力が弱くなっているんですね。世の中は、こんな小っちゃいスマホの画面で、電車の中で移動しながら映画を観たりできる時代ですが、小説は物語を楽しむのに時間と労力がかかるわけです。選択肢の中で、どんどん順位が下がっているのが伝わってくる。何かできないかと思って、同じ厚さの1冊に、“長篇2冊分の、倍の面白さ”を入れたら良いなと思って、やり方を考えていたんです。そこで、この小説は半ばで大きな山がきて、最後にもっと大きな山が来るようにしてみました。本当に、2冊分楽しんでもらえるようにできたなと思っています。」
[画像2: https://prtimes.jp/i/13301/31/resize/d13301-31-136681-2.jpg ]
本作は、下町のボロアパートに集まった、少し訳アリの老若男女が繰り広げる、生の悲哀、人の優しさが沁みわたるミステリーだ。誰が読んでも「この人は自分に似ている」という登場人物が一人は見つかるという、バラエティに富んだキャラクター達だが、道尾さんはとにかく主人公の二美男がお気に入りという。
「自分に似ているとは思わないんだけど、とにかく二美男が大好きです。今まで書いた中で、本が28冊出ているんですけど、一番ダメ男なんですよ、この人。でも、人は良い。人情が心の90%くらい占めていて、知識が5%くらい、あとの5%に影の分からない部分がある。現代って人情が発揮しにくい時代だと思うんです。でも物語の中だと、存分に発揮してもらえる。『寺内貫太郎一家』や、久世光彦さん、向田邦子さんの世界に居たような人を現代に引っ張ってきたようなイメージです。でも、色々生き辛そうですね。」
ミステリーでありながら、登場人物の繊細な心理描写が魅力的な道尾作品。以前のインタビューにおいて、道尾さんはトマス・H・クック『緋色の記憶』が非常に好きで、“トリックではなくて人の心が事件を起こす”という部分が大きな魅力となっていると説いていた。『満月の泥枕』を執筆する際に『緋色の記憶』を意識したことはなかったそうだが、登場人物達の人間模様を色濃く描いた本作において、道尾さんがどういったミステリーを好み、自身で描いていきたいのか、垣間見ることができると言えよう。
「無機的なトリックでストーリーが動いていくようなもの…人の死ではなくて死体が出てくるような小説は、読むのは好きなんですけど、書くのが苦手なんですよね。自分で書いていくと、生身の人間同士が絡み合ってストーリーが進んでいって、最後に驚きがあるものになってしまうんです。」
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ちなみに以前から、「映像化できない作品を書く」ということを信条と公言している道尾さん。今回の作品も含め、自身の作品が映像化されることに対して、どのように考えているのだろうか?
「自分の小説が映像化されるの、他の作家さんより楽しみなんじゃないですかね。僕の作品全部、映像化できると言えばできるんですけど、一ひねりは必要になってくる。一体どうやって映像化するんだろうっていうのは、見てみたいですね。『満月の泥枕』も映像化の話がきたら嬉しいですよ。途中のあるシーンを、映画で撮れるのか、CGでやるのか?とか。『カラスの親指』が映画化された時も、ものすごく楽しみだったんです。観てみたら、さすが映像屋さん、この手があったか!と。」
6月8日に発売されたばかりだが、人情ミステリーの傑作として早くも反響を呼んでいる『満月の泥枕』。ミステリー要素はもちろんのこと、魅力的な登場人物たちのヒューマンドラマも相まって、これまでにない読みごたえとなっている。小説界を盛り上げていきたいという思い、登場人物への愛情が詰まった道尾作品の新境地を、ぜひその目で確かめていただきたい。
[画像4: https://prtimes.jp/i/13301/31/resize/d13301-31-742605-4.jpg ]
単行本: 440ページ
出版社: 毎日新聞出版
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