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近畿圏不動産流通市場の動向について(2025年4〜6月期)

2025年4〜6月期の中古住宅取引は堅調さを維持するも、外部環境の影響に注意




 (公社)近畿圏不動産流通機構が7月30日に発表した2025年4〜6月期の近畿圏の中古マンション成約件数は、5,217件(前年同期比プラス24.7%)と7期連続で増加し、市場の売り出し(新規登録)件数は18,408件(前年同期比プラス9.7%)となりました。成約件数は近畿圏の対象12地域中すべての地域が前年比で増加し、大阪府北部は6期連続、神戸市と京都市は5期連続で増加しました。

 中古マンションの平均成約価格は、3,015万円(前年同期比マイナス0.3%)とほぼ横ばいながら20年4〜6月期以来20期ぶりに下落しました。新規登録価格は3,121万円(前年同期比プラス11.2%)と10期連続で上昇しました。成約価格は12地域中8地域が前年比で下落しましたが、大阪市は15年10〜12月期から39期連続で上昇し、高額なエリアの中古マンション取引は引き続き堅調です。

 中古戸建住宅の成約件数は、3,705件(前年同期比プラス30.4%)と10期連続で増加し、売り出し(新規登録)件数は13,461件(前年同期比プラス20.9%)となりました。成約件数は12地域中すべての地域が増加し、大阪府の泉南・南河内地域は10期連続、北摂と京都市は8期連続で増加しました。

 中古戸建住宅の平均成約価格は、2,329万円(前年同期比マイナス0.1%)とほぼ横ばい。新規登録価格は2,733万円(前年同期比プラス4.1%)となりました。成約価格は12地域中6地域が前年比で下落し、京都市と大阪府の泉南・南河内地域は3期連続で下落するなど、相対的に安価な取引が増えるエリアが目立ちました。

 今後の市況を見通す上では外部環境がカギを握ります。米国による高関税が実施されると輸出企業の業績低下などから景気後退懸念が高まります。日銀の利上げは難しく、短期金利に連動する変動型住宅ローン金利は低位を維持するとみられます。一方、円安による物価高対策として減税・給付の議論が進むと、財政拡張による長期金利や固定型住宅ローン金利の上昇が見込まれます。近畿圏の中古住宅市場は堅調に推移していますが、郊外を中心に価格の下落もみられ、当面は外部環境が金利に与える影響に注意が必要です。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/54544/33/54544-33-665b8e8ed83429fed140d5ee5664f063-1220x586.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

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