アクセンチュア最新調査――機械学習や人工知能(AI)などデジタル技術の導入は、行政機関の人材獲得に不可欠
[17/02/24]
提供元:PRTIMES
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【バージニア州アーリントン発 2017年2月2日】
アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査によると、行政機関が民間企業との人材獲得競争に勝ち、スキル格差の拡大に対処するためには、デジタル技術に精通した若い人材の獲得・定着に向けて、機械学習や人工知能(AI)、生体認証など先進技術の導入が不可欠であることが明らかになりました。
アクセンチュアの最新調査レポート「Emerging Technologies in Public Service(行政機関におけるデジタル技術導入)」では、福祉サービス、警察・司法、税務、出入国管理、行政、年金・社会保障といった、市民の暮らしに直接かかわる様々な機関におけるデジタル技術の導入状況が報告されています。
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アクセンチュアでは本レポート作成にあたり、日本を含む世界9カ国の行政機関に在籍する約800名の技術担当者を対象にアンケートを実施し、デジタル技術の導入および試験導入の状況を調査しました。デジタル技術には高度なアナリティクスおよび予測モデリング、モノのインターネット化(IoT)、インテリジェント・プロセスオートメーション、動画アナリティクス、生体認証/アイデンティティ・アナリティクス、機械学習、自然言語処理/生成が含まれます。
本レポートによると、職員の高年齢化にしたがって、行政機関内の知識・知見が失われる危機にさらされており、最新のデジタル技術に精通した人材の確保が喫緊の課題として挙げられています。先進技術の専門家など、必要なスキルを持つ人材の確保と能力開発は今や、あらゆる国や業界に共通する最重要課題の一つと言えます。
アクセンチュアの公共サービス・医療健康本部で官公庁向けアナリティクス・インサイトの責任者を務めるテリー・ヘムケン(Terry Hemken)は次のように述べています。「デジタル技術が急速に変化する中、労働者の世代交代が進み、仕事そのものの概念も変わろうとしています。行政のリーダーは、変化に適応していくために、人材の再教育を最優先課題として取り組むことが求められています。」
働きやすくなることはあっても、仕事が減ることはない
調査回答者は、「デジタル技術は既存の仕事をより充実させこそするが、取って代わることはない」と答えており、AIや機械学習など先進技術の導入によって仕事の自動化が進めば、職員は市民のニーズに寄り添った、より付加価値の高い仕事ができるようになることを示唆しています。実際、回答者の10人に8人が、「デジタル技術を導入し、特定の反復作業の自動化を図れば、市民のニーズに直結するような仕事に注力できるようになるため、仕事の満足度が高まり、職員の定着が促進される」と答えています。
また、先進的なデジタル技術の導入は、既存の職員に新しいスキルと新しい仕事の機会をもたらし、優秀な人材の定着率を高めます。実際、回答者の58%が、「デジタル技術によって、組織に関連するスキルの種類が増える」と答えています。
本レポートによると、行政機関のサービス向上に対する市民の期待が高まる中、行政機関の技術責任者は「市民、顧客、スタッフのエクスペリエンスの向上」をデジタル技術導入の主要目的に掲げています。
熾烈なスキル争奪戦
今回の調査回答者の60%近くが、「先進技術を活用したプロジェクトを実行するには、既存の職員の再教育に多額の投資が必要」と答えています。本レポートによると、研究・開発を担当する職員がこれらのプロジェクトの価値を最大限引き出すと考えられています。一方で、採用の優先度はデータ・サイエンティストやソフトウェア・エンジニア、デジタル開発者/設計者で高くなっており、世界中で人材獲得競争が激化しているのが現状です。
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ましてや、先進的な技術スキルと公共機関/市民ニーズに関する知識をあわせ持つ職員の確保は、さらに厳しいと言えるでしょう。回答者の半数(51%)が、「先進技術を活用したプロジェクトを立ち上げる際には、まず主に民間企業の中から雇用する人材を探す」と答えています。
技術スキルやデータスキルの不足に対応するために求められる技術として、もっとも多くの回答者が挙げたのが、インテリジェント・プロセスオートメーション(60%)です。採用と能力開発の課題において、最もニーズが高かったのは、フィンランドとオーストラリアで生体認証/アイデンティティ・アナリティクスの専門家で、ノルウェーでは、自然言語処理/生成の専門家の採用が最優先に挙げられています(40%)。デジタル先進国であるシンガポールでは、IoT(21%)、動画アナリティクス(29%)、生体認証/アイデンティティ・アナリティクス(21%)の採用ニーズが高くなっています。
前述のヘムケンはまた、「部下がデジタル技術の進歩に取り残されないよう、変化に適応する能力を身に付けさせることに注力してこそ、対応力に優れた、責任感の強いリーダーと言えるでしょう。未来の労働力を育てることは今や、組織のトップリーダーが果たすべき責任の一つです。新しい技術を学ぶ機会を提供することで、デジタル技術に精通した若い人材を獲得できるだけでなく、既存の優秀な人材を職場につなぎとめることができます」と指摘しています。
調査方法
アクセンチュアは日本、オーストラリア、フィンランド、フランス、ドイツ、ノルウェー、シンガポール、英国、米国の9カ国において、市民サービスの創出・維持・拡大および予算・購入・政策決定に関わる、さまざまなレベルの行政機関の技術責任者774名を対象にオンライン調査を実施しました。また、補足調査として対象各国の技術専門家に対し、さらにテーマを掘り下げた定性調査を行いました。
アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する39万4,000人以上の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jp をご覧ください。