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2型糖尿病治療薬「トラゼンタ(R)」新発売




日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
日本イーライリリー株式会社

- 糖尿病領域における戦略的アライアンスのもと、初めて発売される2型糖尿病治療薬
- 1日1回1錠投与で、血糖コントロールを改善する世界初の胆汁排泄型選択的DPP-4阻害剤*1,2

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:ジェラード・マッケナ、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)と日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表執行役社長:アルフォンゾ G. ズルエッタ、以下「日本イーライリリー」)は、食事療法、運動療法のみで十分な効果が得られない2型糖尿病患者の治療薬として、「トラゼンタ(R)錠5mg(一般名:リナグリプチン)」が9月12日に薬価基準に収載されたことを受け、本日、9月15 日に発売いたします。

トラゼンタ(R)は本年1月に締結されたベーリンガーインゲルハイムとイーライリリーのグローバルレベルでの戦略的アライアンスのもとで、初めて発売される糖尿病治療薬です。日本では、日本ベーリンガーインゲルハイムが製造、販売を行い、両社で共同販促(コ・プロモーション)をおこないます。

日本では、2型糖尿病患者の42%が慢性腎臓病(CKD)のステージ2(軽度GFR低下を伴う腎障害)以上を合併しているとの報告があります*3。また、腎機能低下のリスク要因である高血圧を合併している2型糖尿病患者さんの割合は40%との報告もあります*4。このように、2型糖尿病自体が腎機能低下リスクである上に、2型糖尿病患者さんの多くが高血圧や微量アルブミン尿症を合併しており、腎機能低下リスクが高い状態にさらされています。

腎機能が低下している患者さんは、慢性腎不全への進行および心血管病発症のハイリスク群であるため*5、その進行を止めることが臨床上重要な課題です。また、腎機能が低下している2型糖尿病患者さんは、低血糖のリスクが高まることがわかっています*6。そのため糖尿病治療においては、腎機能に配慮した治療が求められています。

ユニークな排泄経路を有するトラゼンタ(R)錠5mgは、添付文書上に、単独療法において、腎機能の程度に応じて、用量調節をする必要があるなどの記載がありません。トラゼンタ(R)錠5mgは、1日1回1錠投与で、血糖コントロールを改善する世界初の胆汁排泄型選択的DPP-4阻害剤として、食事療法、運動療法で、血糖コントロールが十分でない2型糖尿病患者さんに、腎機能低下リスクが高い場合のアンメットニーズに対しても新たな治療選択肢を提供します。

ベーリンガーインゲルハイムならびにイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるグローバルレベルでの戦略的アライアンスのもと、今後ともトラゼンタ(R)の製品価値の最大化を図るとともに、糖尿病治療に一層の貢献をしていきます。

トラゼンタ(R)は、ベーリンガーインゲルハイムで創製された経口選択的DPP-4 (ジペプチジルペプチダーゼ-4)阻害薬で、米国では2011年5月に、欧州では2011年8に承認されています。日本国内では、7月1日に製造販売承認を取得しました。国内では他の糖尿病治療薬との併用療法での製造販売承認は現時点では取得していません。

トラゼンタ(R)錠5mg 製品概要
<承認日>
2011年7月1日

<薬価基準収載日>
2011年9月12日

<販売開始日>
2011年9月15日

<販売名>
トラゼンタ(R)錠5mg

<一般名>
リナグリプチン

<効能・効果>
2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)

<用法・用量>
通常、成人にはリナグリプチンとして5mgを1日1回経口投与する。

安全性について
<副作用>
国内で実施された臨床試験において、720例中86例(11.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められています。主な副作用は便秘14例(1.9%)、鼓腸11例(1.5%)、腹部膨満7例(1.0%)等でした。重大な副作用として、低血糖症5例(0.7%)が報告されています。

糖尿病について
糖尿病患者は世界で2億8,500万人と推定されています7。なかでも2型糖尿病はもっとも一般的なタイプの糖尿病であり、糖尿病全体の90%を占めます7。糖尿病は、インスリンというホルモンを生体が適切に生成したり、利用しにくくなった場合に発症する慢性疾患です8。日本では、1型および2型糖尿病の患者数は約2,210万人9と推定されています。 

ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニー の提携について
2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、糖尿病領域において大型製品に育成されることが期待される4つの治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者のケアにおけるコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と42,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。

2010年度は126億ユーロの売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約24%相当額を研究開発に投資しました。ベーリンガーインゲルハイムについての詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。http://www.boehringer-ingelheim.com

ベーリンガーインゲルハイム ジャパンについて
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約3,000人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。

日本ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。また、グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所を神戸に擁しています。

ベーリンガーインゲルハイム ジャパンについての詳細情報は以下のウェブサイトをご覧ください。http://www.boehringer-ingelheim.co.jp 

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
1876年創業のイーライリリーは130年の歴史ある研究開発主導型の先進企業であり、世界140カ国以上、約38,000人の社員が自社の研究施設の最新の成果を応用するとともに、社外の研究機関との提携を通じて医薬品のポートフォリオを拡大しています。米インディアナ州インディアナポリスに本社を置くリリーは、医薬品と情報を通じて「こたえ」を提供し、世界で最も急を要する医療ニーズを満たしています。リリーについての詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。www.lilly.com


リリーの糖尿病事業について
リリーは85年以上にわたり糖尿病の患者さんの生命ならびに治療を支援する企業として、常に世界をリードしてきました。リリーは世界初の商業用インスリンを1923年に開発した企業であり、糖尿病を管理するための医薬品ならびに投与システム分野で今も最先端を走り続けています。また、リリーは、実用的なツール、教育、支援プログラムなど、治療以外のソリューションの提供にも注力しており、こうしたプログラムは長期にわたる糖尿病治療における障壁の克服に寄与しています。糖尿病と共に生き、治療を続ける患者さん一人ひとりの道のりが、リリーの活動の原動力となっています。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。
www.lillydiabetes.com.

日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社で、革新的な医薬品の輸入・開発・製造・販売を通じて日本の医療に貢献しています。統合失調症、うつ、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸膜中皮腫、尿路上皮がん、乳がん、卵巣がん)、糖尿病、成長障害、骨粗鬆症をはじめとする、ニューロサイエンス領域、がん領域、糖尿病領域、成長障害領域や筋骨格領域における治療法を提供しています。詳細はホームページでご覧ください。
http://www.lilly.co.jp


References:
1 林直之ほか: 社内資料 検証試験
2 林直之ほか: 社内資料 健康成人を対象とした単回及び反復投与試験
3 Yokoyama H, et al. Diabetes Care 30: 989, 2007
4 Iimura O: Hypertens Res 19: S1-S8, 1996
5 Cea-Calvo, et al. Cardiovascular Diabetology 2006;5:23
6 Haneda M, Morikawa A. Nephrol Dial Transplant 2009;24(2):338?41
7 International Diabetes Federation: www.idf.org, 2010.
8 World Health Organization: Fact Sheet No. 312 What is Diabetes?, 2010.
9 厚生労働省2007年国民健康・栄養調査



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