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固体触媒の飛躍的な活性向上を実現するバイモダル触媒の汎用製造法の開発〜【産技助成Vol.49】

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
富山大学大学院理工学研究部


各種化学プラントなどで活用されている固体触媒の
飛躍的な活性向上が期待できるバイモダル触媒(注1)の
担体を調製する汎用的な製造法を確立



【新規発表事項】 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として、富山大学大学院理工学研究部の教授、椿 範立氏は、さまざまな固体触媒の飛躍的な活性向上が期待できるバイモダル触媒の担体を調製する汎用的な製造法の開発をしました。
この技術は、既存の触媒をバイモダル構造の触媒で代替することで、各種化学プラントでの化学反応の反応効率の大幅向上が可能になり、環境問題の解決や省資源にも役立ちます。
任意の細孔径をもつ通常の担体を用いて、容易にバイモダル担体を調製する方法を確立しました。また、ゾル-ゲル法や金属含有シルセスキオキサンの活用によって開発したバイモダル担体調製法は原則、あらゆる触媒の製造に応用が可能です。

(注1)バイモダル触媒(bimodal catalyst)とは、メソポアとミクロポアという大きさの異なる二つの粒子からなる触媒のこと。ミクロポアが必ずメソポアに構築されることが必要である。大小2種類の細孔をもつバイモダル触媒により触媒の活性向上効果が期待される。メソポアとは平均径 2 nm以上50nm以下、ミクロポアとは平均径2nm未満、ちなみに平均径50nmを超えるものはマクロポアという。


1.研究成果概要
・バイモダル触媒の大きな細孔はガスと生成物の拡散速度を向上させ、小さな細孔は活性金属の表面積を増加させます。この双方によって反応効率が向上します。
・気相、液相、超臨界相の各触媒反応で、触媒表面積の低下や、反応器内あるいは触媒粒子内における“原料の拡散が遅い”、“生成物の脱出が遅い”、“触媒比活性(TOF)が低い”等の原因で触媒の活性が不足している場合に、有効な改善策として利用できます。
・本技術で開発された手法は製造のプロセスがシンプルなため、担持金属触媒、重合触媒等ほとんどの触媒の製造に応用できます。
・一般に触媒粒子を微細化すると生成物と触媒との分離が困難になるが、本触媒は触媒の有効係数を低下させることなく高く維持しながら触媒粒子の増大が可能になり、生成物の分離が容易になります。
・触媒有効係数を高くできるため、高流速での触媒反応が可能です。
・ナノ粒子の自己組織化やシルセスキオキサン錯体によって微細構造を構築することで、既存のメソポア内部にミクロポアを構築する汎用性のあるバイモダル触媒の製造法を開発しました。
・貴金属触媒の代替もしくは貴金属の使用量の節約が期待できます。


2.競合技術への強み
○触媒比活性(注2)の高さ:
既存触媒であるQ-50担体の触媒は触媒表面速度制限により、Q-3担体の触媒は原料拡散速度制限を受け、触媒の活性が低い(一酸化炭素転化率が低い)。
一方で、新規シリカ系のバイモダル担体はバイモダルの空間効果を発揮し、一定の触媒活性向上を実現した。さらに新規ジルコニア系のバイモダル担体はバイモダルの空間効果とジルコニアの助触媒効果を同時に発揮し、飛躍的な触媒活性向上を実現した。なお、表中の「触媒比活性:13.41」とは1つの触媒金属原子が1秒内に13.41×10-2個の一酸化炭素分子を軽油分子に転換したことを意味する。
○触媒性能の高さ
バイモダル担体を用いた触媒の液相、気相FT合成反応、メタンの炭酸ガスリフォーミング反応に対する性能は、既存の触媒より選択性が2倍高く、反応の効率も3倍向上していることが確認されました。また副生成物の生成濃度も既存触媒(Q-50担体)と同程度まで低減されており、副反応が少なく、反応選択性が高いことが確認できました。触媒としてはCO転化率と触媒比活性が高く、CO2、CH4選択率が低いほど優れた触媒となりますが、本研究で開発したZrO2系触媒はQ-50担体触媒と比較して約4倍と比活性が高く、総合的に見て格段に性能が高まっていることが分かりました。


(注2)触媒金属1原子あたりの一酸化炭素分子転換速度。


3.今後の展望
・シルセスキオキサンを使ったバイモダル触媒を使うと非常に高効率ですが、高い製造コストが障壁となっていますので、今後、安価で効率良い合成法の開発を進めています。錯体法によるバイモダル触媒の調製については、より経済性に優れた原料錯体の合成法の開発が実用化への鍵となるものと考えています。
・FT合成用の新型バイモダル触媒の寿命と安定性をさらに高め、実証プラントでの適用を行う予定です。メタンの炭酸ガスリフォーミング反応用バイモダル触媒も触媒比活性、耐炭素析出性をさらに強化し、現在工業的に使われている触媒の性能を超えるレベルを目指します。また、アルコールなどバイオ資源からの水素を製造する反応に使われる新型のバイモダル触媒の開発も進める予定です。
・本触媒を利用したメタンガスや都市ガスの生成あるいは転換反応における活性効果の向上が確認されたことから、既に、石油メーカーの水素製造など燃料電池関係の利用(炭化水素あるいはバイオマスからの水素製造)に関する検討が始まっており、今後も性能向上に向け研究していく予定です。


4.参考
成果プレスダイジェスト:富山大学教授  椿 範立 氏
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