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発電しながら斜面を守る「太陽電池防災シート」の実証試験を開始




 株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村 太加典)と国立大学法人岩手大学(岩手県盛岡市上田、学長:小川 智)は、茨城県つくば市内にある奥村組技術研究所において、ペロブスカイト太陽電池等の次世代太陽電池を貼り付けた遮水シートを試験用の盛土斜面に設置し、発電性能と斜面防災効果を検証する実証試験を開始しました。

【背景】
 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、わが国では太陽光発電の大量導入が進んだことにより、太陽電池の設置に適した土地が不足している状況です。そのため、農地や未利用地等への太陽電池の設置が検討されています。
 一方で、近年は年間平均で約1,200件の斜面災害が発生しています。頻発する斜面災害の主な原因は、降雨の浸透による地盤強度の低下です。現在の斜面災害対策は、崩壊の力に対して抵抗する抑止工や、崩壊を未然に防ぐ抑制工などが主流であり、降雨による地盤強度の低下を防止する工法は十分に普及していません。
 そこで当社は、岩手大学理工学部 大河原正文教授が考案した、再生可能エネルギーを生み出す「発電機能」と、雨水の浸透を防ぐ「遮水機能」を併せ持つ「太陽電池防災シート」の開発を進めています。本シートにより、斜面災害対策が必要な箇所を太陽電池の設置場所として有効活用できるため、カーボンニュートラルの実現と防災・減災という、2つの社会課題を同時に解決することが可能となります。

【試験内容】
 岩手大学の大河原教授の指導のもと、奥村組技術研究所内に造成した盛土斜面において、フィルム状の「ペロブスカイト太陽電池」(株式会社マクニカとの共同実証)と、シリコンベースの「ローラブル太陽電池」(株式会社SOELとの共同実証)を貼り付けた遮水シートを設置し、以下の項目を検証します。
- 発電性能の検証: 斜面設置時における各太陽電池の発電効率や性能変化の確認
- 施工方法の確立: 斜面への効率的かつ安全なシート設置方法の検証
- 耐久性の評価: 太陽光、風雨、温度変化といった自然環境下でのシートおよび太陽電池の耐久性評価
- 防災性の検証: シートを設置した場合としない場合の、盛土内の間隙水圧の変化を比較・測定し、雨水の浸透抑制効果検証

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/126184/55/126184-55-291b54d51fa8f9de1b59ccb57aabcec2-1027x548.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
実証試験全景

【今後の展望】
 本実証試験において効率的かつ効果的な設置方法を検証し、斜面だけでなく、その他の傾斜地や未利用スペースへの適用可能性を追求します。防災インフラの強靭化とカーボンニュートラルの実現を両立するソリューションとして、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社奥村組 技術本部
技術研究所 企画管理グループ
TEL:029-865-1521
FAX:029-865-1522
E-mail:giken@okumuragumi.jp

【開発担当】
株式会社奥村組 投資開発事業本部 新事業開発部 大矢

【会社・大学概要】
会社名:株式会社奥村組
https://www.okumuragumi.co.jp/
本 社:大阪府大阪市阿倍野区松崎町二丁目2番2号
代表取締役社長:奥村太加典
事業内容:建設工事の設計および施工、建設コンサルタント業務、都市再開発事業、不動産事業ほか

大学名:国立大学法人岩手大学
https://www.iwate-u.ac.jp/
所在地:岩手県盛岡市上田三丁目18番8号
学 長:小川 智
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