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【報道参考資料】子どものHIV感染に関する最新レポートを発表-HIV感染の子ども13万人減少

サハラ以南のアフリカ7カ国で子どもへのHIV感染が50%以上削減 。しかし、治療を受けられる子どもは10人中3人

報道参考資料
報道各位                                 2013年6月27日

※本信は6月25日にユニセフ、PEPFAR、国連合同エイズ計画が発表した
プレスリリースを基にしたものです
※原文(英語)は http://www.unicef.org/media/media_69727.html でご覧いただけます

【2013年6月25日 ジュネーブ発】








「2015年までに子どものHIV感染を根絶し母親が共に生きるための世界計画(仮訳、英語:

A progress report on the Global Plan towards the elimination of new HIV infections among
children by 2015 and keeping their mothers alive)」による最新レポートが発表され、
本世界計画で優先的な取り組み対象となっているアフリカの国々で、
子どもへの新たなHIVウイルス感染が減少していることが明らかになりました。


■子どものHIV感染は13万人減少
レポートでは、サハラ砂漠より南にあるボツワナ、エチオピア、ガーナ、マラウイ、ナミビア、
南アフリカ、ザンビアの7カ国では、2009年以降、子どもたちの新たなHIVウイルス感染は
50%削減され、タンザニアとジンバブエでも、一定の成果が出ているとしています。
また、優先的な取り組み対象となっているアフリカの21の国々で、HIVに新たに感染する
子どもたちの数は、13万人減少し、2009年以降、38%減ったことが強調されました。


国連合同エイズ計画(UNAIDS)のミシェル・シディベ事務局長は「多くの国々での進展は、
すべての子どもがHIVに感染せずに生まれてこられるよう集中的に取り組んできた確固たる証です。
しかし、依然として、予防可能にもかかわらず、HIVに感染して生まれてくる子どもが
多くいる国もあります。新たなHIV感染を防ぐ取り組みの拡大を阻む要因を突き止め、
取り除かなければなりません」と述べました。


ガーナでは子どもの新たなHIV感染は2009年から69%減少し、南アフリカでも2009年と比べ、
2012年に感染した子どもは2万4千人も減り、63%削減しました。
しかし、アンゴラでは、新たに感染する子どもが増加。
ナイジェリアは、新たに感染する子どもが世界で最も多く、2012年にHIVに感染した子どもは
約6万人、2009年以降の進展は見られません。ナイジェリアで緊急対策が採られなければ、
2015年までとの目標は、達成が困難とみられています。


■授乳期の母子への治療が必要
HIVに感染しており、母子感染予防と自身のために、抗ウイルス薬の治療薬を服用している妊婦は、
2009年よりも増えており、多くの国々で75%以上となっています。これに伴い、多くの国で
HIV母子感染が減少しており、ボツワナと南アフリカでは、母子感染率は5%以下となりました。


米世界エイズコーディネータのエリック・グスビー大使は「世界計画の目標達成に必要な
ツールはあります。最新のデータで、我々が想定していたよりも目標達成の実現可能性が
高いことがわかりました。今月、ジョン・ケリー米アメリカ国務長官が発表したとおり、
200万人の新生児が、PEPFAR(正式名称:The U.S. President's Emergency Plan for AIDS Relief、
仮訳:米大統領エイズ支援緊急計画)の支援により、HIVに感染せず誕生しました。
すべての赤ちゃんがHIVに感染しないで誕生できるように、
我々はこの取り組みを続けなければなりません。実現可能なのです。」と述べました。


しかし、レポートでは、HIVウイルス陽性で母乳のみの育児をしている母親の半数か
その子どもたちは、HIV母子感染予防に必要な抗レトロウイルス薬を服用していないことがわかりました。
乳児の発育に母乳は極めて重要ですが、授乳期に抗レトロウイルス薬による治療を提供する必要が
緊急にあることが強調されています。


■子どもへの感染予防のため、早期の診断と治療を
南アフリカとスワジランドでは、治療を必要とする子どもたちの半数以上が、治療を受けています。
チャド、エチオピア、ガーナ、ケニア、マラウイ、ナイジェリア、南アフリカ、タンザニア、
ジンバブエでは、治療を受けられるようになった子どもは、2009年と比べ、2012年には倍になりました。
レポートでは、HIVに感染する子どもが減少するのに伴い、HIVの治療を受ける子どもの数が減っていくが
想定されると述べる一方で、子どもたちが早い段階でHIV感染を確認する診断を受け、
感染していた場合には、ただちに抗レトロウイルス薬による服薬を始められるように、
早急に改善策をとる必要があると指摘しています。


HIVに感染しており、母子感染予防と自身のために、抗ウイルス薬の治療薬を服用している妊婦は、
2009年より増加しており、ボツワナ、ガーナ、マラウイ、ナミビア、南アフリカ、スワジランド、
ザンビアでは75%以上、ケニア、レソト、タンザニア、ジンバブエでは50%以上となっています。
こうした女性たちが適切な治療を受けられることは重要です。


■世界計画の目的とレポート原文
「2015年までに子どものHIV感染を根絶し母親が共に生きるための世界計画」イニシアティブは、
2011年6月の2011年の国連HIV/エイズハイレベル会合で発表され、国連合同エイズ計画、PEPFARが
中心となって進められています。イニシアティブでは、2015年に向けて1.新たにHIVに感染する
子どもの数を90%削減すること、2.エイズに関連する母親の死を50%削減することを、
主な目標に掲げ、世界で子どもたちのHIVの新規感染の90%以上を占める22カ国※に
焦点をあてています。


今回2回目の発行となるレポートでは、サハラ以南のアフリカ21カ国での取り組みの成果と今後の
課題を取り上げています。レポート原文(英語・表紙などを含め24ページ)は
以下よりご覧いただけます。http://bit.ly/11ORyCy

※アンゴラ、ボツワナ、ブルンジ、カメルーン、チャド、コートジボワール、コンゴ民主共和国、
エチオピア、ガーナ、インド、ケニア、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、
南アフリカ、ウガンダ、タンザニア、スワジランド、ザンビア、ジンバブエ

■ 本件に関するお問い合わせ先
(公財)日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  メール: jcuinfo@unicef.or.jp
または
UNAIDS Geneva, Sophie Barton-Knott , Tel. +41 22 791 1697 bartonknotts@unaids.org

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、世界36の先進工業国と地域で活動する
ユニセフ国内委員会のひとつです。1955年に設立され、ユニセフ本部との協力協定に基づき、
民間団体として日本国内で唯一ユニセフを代表する組織として、国内におけるユニセフの広報、
政策提言(アドボカシー)、ユニセフ募金の窓口としての役割を担っています。
2012年(1月〜12月)の1年間に、日本から本部に届けられたユニセフ募金は130億円。
過去数年にわたり、民間拠出(個人、企業、団体、学校等からの寄付)として
世界最高額の支援実績を残しています。www.unicef.or.jp

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、世界の子どもたちの命と健やかな成長のために、
1946年、国連総会の総意で設立され、現在190以上の国と地域で活動しています。ユニセフは、
保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取、HIV/エイズからの保護や、緊急支援などの分野で活動。
幼い子どもの命を守るワクチンの、世界最大の供給団体です。
ユニセフは、国連本部から財政的な支援を受けることはなく、その活動資金は、すべて個人や企業・
団体からのユニセフ募金や寄付、各国政府からの任意拠出金でまかなわれています。www.unicef.org
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