リムパーザ、プラチナ製剤感受性再発卵巣がん治療薬として欧州医薬品評価委員会(CHMP)より肯定的見解を取得
[18/02/28]
提供元:PRTIMES
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アストラゼネカとMSDのリムパーザ錠、BRCA遺伝子変異の有無を問わず、維持療法として推奨
本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年2月23日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース、以下「メルク(北米以外ではMSD)」)は、2018年2月23日、欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、リムパーザ錠(300 mg1日2回投与)(一般名:オラパリブ、以下、「リムパーザ」)を、プラチナ製剤ベースの化学療法に完全奏効もしくは部分奏効しているプラチナ製剤感受性再発高悪性度上皮卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がん患者さんにおける維持療法として、販売承認を推奨する肯定的見解を採択したことを発表しました。リムパーザは患者さんのBRCA遺伝子変異の有無に関わらず、本適応の治療薬として推奨されました。
アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「本データは、BRCA遺伝子変異の有無に関わらず、広範な患者集団であるプラチナ製剤感受性再発卵巣がんの患者さんにとって、リムパーザが長期の病勢コントロールが可能なこと、および次の化学療法を開始する時期を遅らせることを示しています。また、同剤は治療継続を可能にするために必要な安全性および忍容性プロファイルを有しています」。
MSDリサーチラボラトリーのシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発の責任者兼チーフメディカルオフィサーであるRoy Baynesは次のように述べました。「当社は、プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんに対する維持療法としてのリムパーザの潜在的効果を示すデータに基づくこの肯定的見解を歓迎します。EUの患者さんにリムパーザをお届けするためにアストラゼネカと引き続き協力していくことを楽しみにしています」。
今回のCHMPによる推奨は、リムパーザがプラセボとの比較でプラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんの病勢進行または死亡のリスクを低減することを示したSOLO-2試験および試験19の2本の無作為化試験に基づいています。
無作為化試験の主な有効性に関する結果の要約:
[画像: https://prtimes.jp/i/24308/64/resize/d24308-64-591670-0.jpg ]
PFS=無増悪生存期間;OS=全生存期間
* 治験担当医師評価による解析
** 統計学的有意の基準 (p<0.0095) 未達のため、名目上のp値と見なした
*** 治療群のクロスオーバーに関しては未調整
臨床試験全体を通じてリムパーザ単剤群に最もよく見られた副作用 (10%以上)は悪心、嘔吐、下痢、消化不良、疲労、頭痛、味覚障害、食欲減退、眩暈および貧血でした。
リムパーザは、最初に承認されたポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、当初カプセル剤として承認されました。この新たな剤型である錠剤により、8カプセル1日2回から2錠1日2回に減りました。
リムパーザは、60近くの国において入手可能であり世界中で2万人を超える患者さんを治療しました。同剤はPARP阻害剤としては最も広範な臨床開発プログラムを有し、アストラゼネカとMSDは複数のがんにおいてリムパーザを患者さんにお届けするために協力しています。2018年1月、リムパーザは米国FDAにより転移乳がん治療薬として承認され、卵巣がん以外で承認された最初のPARP阻害剤となりました。
以上
*****
欧州における卵巣がんについて
卵巣がんは欧州において、5番目に多いがんであり、がんによる死因の6番目です。欧州における卵巣がんの5年生存率は38%です。2012年には、約6万5,000人が新たに診断され、約4万2,700人が死亡しました。再発卵巣がんには根治療法がないため、治療の最大の目的は病勢の進行を出来る限り遅らせ患者さんの生活の質を改善あるいは維持することです。
SOLO-2試験について
SOLO-2試験はgBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん、卵管がんおよび原発性腹膜がん患者さんを対象としたリムパーザ錠の単剤維持療法としての有効性をプラセボと比較評価することを目的とした無作為化二重盲検多施設共同第III相試験です。The European Network for Gynaecological Oncological Trial Groups(ENGOT)および Groupe d’Investigateurs National pour l’Etude des Cancers de l’Ovaire et du sein(GINECO)との協働で実施された本試験は最低2レジメンのプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、完全または部分奏効を示した生殖細胞系列のBRCA1またはBRCA2遺伝子変異が確認されている295例の患者さんを無作為に割り付けました。適格な患者さんがリムパーザ錠300 mg1日2回投与群あるいはプラセボ錠1日2回投与群に無作為に割り付けられました。
試験19について
試験19は高悪性度再発卵巣がん患者さんを対象としてリムパーザ(カプセル剤)の有効性と安全性を比較評価することを目的とした無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第II相試験です。BRCA遺伝子変異の有無を問わず、最低2レジメンのプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、かつそれが直近のレジメンである265例のプラチナ製剤感受性の再発卵巣がん患者さんを無作為に割り付けました。被験者はリムパーザ(カプセル剤)を単剤維持療法として1日1回 400 mgの投与もしくはプラセボの投与群に無作為に割付けました。
リムパーザ(オラパリブ)について
リムパーザは、ファーストインクラスのポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する最初の標的治療薬です。特に、複数のin vitro試験によりリムパーザによる細胞毒性はPARP酵素活性の阻害およびPARP-DNA複合体の生成を増加させる可能性があり、その結果DNA損傷およびがん細胞死が生じることが示されています。
リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のがん腫において開発が進行中であり、アストラゼネカの業界を主導するがん細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする新薬候補のポートフォリオの基盤となる化合物です。
アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017年7月、アストラゼネカと北米以外ではMSDとして知られる米国ニュージャージー州ケニルワースに本社を置くメルク・アンド・カンパニーは、アストラゼネカの世界初のPARP阻害剤であるリムパーザおよび今後新薬となり得るMEK阻害剤セルメチニブの複数のがん腫における共同開発・商業化に関する世界的な戦略的提携を発表しました。本提携は、PARP阻害剤とMEK阻害剤は一連のがん腫においてPD-L1/PD-1阻害剤と併用することが可能であることを示す増加しつつあるエビデンスに基づくものです。共同で、両社はリムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として開発します。また、単独で、各社は各々のPD-L1およびPD-1薬との併用療法としてリムパーザおよびセルメチニブを開発します。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。
アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年2月23日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース、以下「メルク(北米以外ではMSD)」)は、2018年2月23日、欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、リムパーザ錠(300 mg1日2回投与)(一般名:オラパリブ、以下、「リムパーザ」)を、プラチナ製剤ベースの化学療法に完全奏効もしくは部分奏効しているプラチナ製剤感受性再発高悪性度上皮卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がん患者さんにおける維持療法として、販売承認を推奨する肯定的見解を採択したことを発表しました。リムパーザは患者さんのBRCA遺伝子変異の有無に関わらず、本適応の治療薬として推奨されました。
アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「本データは、BRCA遺伝子変異の有無に関わらず、広範な患者集団であるプラチナ製剤感受性再発卵巣がんの患者さんにとって、リムパーザが長期の病勢コントロールが可能なこと、および次の化学療法を開始する時期を遅らせることを示しています。また、同剤は治療継続を可能にするために必要な安全性および忍容性プロファイルを有しています」。
MSDリサーチラボラトリーのシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発の責任者兼チーフメディカルオフィサーであるRoy Baynesは次のように述べました。「当社は、プラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんに対する維持療法としてのリムパーザの潜在的効果を示すデータに基づくこの肯定的見解を歓迎します。EUの患者さんにリムパーザをお届けするためにアストラゼネカと引き続き協力していくことを楽しみにしています」。
今回のCHMPによる推奨は、リムパーザがプラセボとの比較でプラチナ製剤感受性再発卵巣がん患者さんの病勢進行または死亡のリスクを低減することを示したSOLO-2試験および試験19の2本の無作為化試験に基づいています。
無作為化試験の主な有効性に関する結果の要約:
[画像: https://prtimes.jp/i/24308/64/resize/d24308-64-591670-0.jpg ]
PFS=無増悪生存期間;OS=全生存期間
* 治験担当医師評価による解析
** 統計学的有意の基準 (p<0.0095) 未達のため、名目上のp値と見なした
*** 治療群のクロスオーバーに関しては未調整
臨床試験全体を通じてリムパーザ単剤群に最もよく見られた副作用 (10%以上)は悪心、嘔吐、下痢、消化不良、疲労、頭痛、味覚障害、食欲減退、眩暈および貧血でした。
リムパーザは、最初に承認されたポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、当初カプセル剤として承認されました。この新たな剤型である錠剤により、8カプセル1日2回から2錠1日2回に減りました。
リムパーザは、60近くの国において入手可能であり世界中で2万人を超える患者さんを治療しました。同剤はPARP阻害剤としては最も広範な臨床開発プログラムを有し、アストラゼネカとMSDは複数のがんにおいてリムパーザを患者さんにお届けするために協力しています。2018年1月、リムパーザは米国FDAにより転移乳がん治療薬として承認され、卵巣がん以外で承認された最初のPARP阻害剤となりました。
以上
*****
欧州における卵巣がんについて
卵巣がんは欧州において、5番目に多いがんであり、がんによる死因の6番目です。欧州における卵巣がんの5年生存率は38%です。2012年には、約6万5,000人が新たに診断され、約4万2,700人が死亡しました。再発卵巣がんには根治療法がないため、治療の最大の目的は病勢の進行を出来る限り遅らせ患者さんの生活の質を改善あるいは維持することです。
SOLO-2試験について
SOLO-2試験はgBRCA遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん、卵管がんおよび原発性腹膜がん患者さんを対象としたリムパーザ錠の単剤維持療法としての有効性をプラセボと比較評価することを目的とした無作為化二重盲検多施設共同第III相試験です。The European Network for Gynaecological Oncological Trial Groups(ENGOT)および Groupe d’Investigateurs National pour l’Etude des Cancers de l’Ovaire et du sein(GINECO)との協働で実施された本試験は最低2レジメンのプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、完全または部分奏効を示した生殖細胞系列のBRCA1またはBRCA2遺伝子変異が確認されている295例の患者さんを無作為に割り付けました。適格な患者さんがリムパーザ錠300 mg1日2回投与群あるいはプラセボ錠1日2回投与群に無作為に割り付けられました。
試験19について
試験19は高悪性度再発卵巣がん患者さんを対象としてリムパーザ(カプセル剤)の有効性と安全性を比較評価することを目的とした無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第II相試験です。BRCA遺伝子変異の有無を問わず、最低2レジメンのプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、かつそれが直近のレジメンである265例のプラチナ製剤感受性の再発卵巣がん患者さんを無作為に割り付けました。被験者はリムパーザ(カプセル剤)を単剤維持療法として1日1回 400 mgの投与もしくはプラセボの投与群に無作為に割付けました。
リムパーザ(オラパリブ)について
リムパーザは、ファーストインクラスのポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する最初の標的治療薬です。特に、複数のin vitro試験によりリムパーザによる細胞毒性はPARP酵素活性の阻害およびPARP-DNA複合体の生成を増加させる可能性があり、その結果DNA損傷およびがん細胞死が生じることが示されています。
リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のがん腫において開発が進行中であり、アストラゼネカの業界を主導するがん細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする新薬候補のポートフォリオの基盤となる化合物です。
アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017年7月、アストラゼネカと北米以外ではMSDとして知られる米国ニュージャージー州ケニルワースに本社を置くメルク・アンド・カンパニーは、アストラゼネカの世界初のPARP阻害剤であるリムパーザおよび今後新薬となり得るMEK阻害剤セルメチニブの複数のがん腫における共同開発・商業化に関する世界的な戦略的提携を発表しました。本提携は、PARP阻害剤とMEK阻害剤は一連のがん腫においてPD-L1/PD-1阻害剤と併用することが可能であることを示す増加しつつあるエビデンスに基づくものです。共同で、両社はリムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として開発します。また、単独で、各社は各々のPD-L1およびPD-1薬との併用療法としてリムパーザおよびセルメチニブを開発します。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。
アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。