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卸売業・小売業では、男性従事者の17%以上が高ストレス者

〜身体的な負担が大きなストレス要因?〜

東大発ベンチャーである株式会社情報基盤開発(本社:東京都文京区、代表取締役:鎌田長明)は、弊社サービス「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいたお客様からデータ※1をご提供いただき、高ストレス者※2の割合・総合健康リスク※3・各種ストレス尺度について業種別に平均値を算出しました。また、卸売業・小売業をさらに職種別に細分化し、そのストレス状況・ストレス要因を分析しました。

弊社公式ブログ「AltPaperストレスチェックマガジン」(http://www.altpaper.net/b/)では、その他業種の分析結果やセルフケア方法をご紹介しておりますので、そちらもご参照ください。




<調査結果概要>

[画像1: https://prtimes.jp/i/16738/66/resize/d16738-66-728989-6.jpg ]

卸売業・小売業の高ストレス者の割合・総合健康リスクを算出しました。男性については、高ストレス者の割合が17%以上と製造業に次いで二番目に高く、総合健康リスクも110(全国平均より10%以上リスクが高い)を上回っています。また、女性については、総合健康リスクは全国平均を下回っているものの、高ストレス者の割合は10%を超えています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/16738/66/resize/d16738-66-131872-1.jpg ]

昨年弊社が実施したアンケート調査(「ストレスチェック制度の実態調査を実施」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000016738.html)によれば、「飲食業、小売業などの店舗」でのストレスチェックの実施率は25.0%、従業員の受検率は12.5%という結果が出ています。卸売業・小売業の事業場は、ストレスチェックが努力義務となる「従業員数50人未満」の場合が多く、ストレスチェックの実施を含む職場のメンタルヘルス対策が十分に行われていないことが推測されます。

卸売業・小売業のストレスチェック分析結果を職種別に集計・分析しました。
以下、「卸売業・小売業ストレス平均値 調査結果詳細」をご参照ください。


<注釈>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.データの取り扱いについて
・各事業者様にご提供いただいたデータにつきましては、業種・規模・地域をお伺いして分類することとし、個々の事業者様・受検者様を識別できないようにして取り扱っております。
・各受検者様の回答につきましては、性別・職種と57項目・80項目の回答データのみ使用することとし、個人を識別できないようにして取り扱っております。

2.「高ストレス者」とは
厚生労働省が公表したマニュアル(2015)に基づいており、以下(i)及び(ii)に該当する者を指します。(i)及び(ii)に該当する者の割合については、概ね全体の10%程度とします。
(i)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が12点以下
(ii)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が17点以下で「仕事のストレス要因(17項目9尺度)」及び「周囲のサポート(9項目3尺度)」の合計が26点以下

3.「健康リスク」とは
基準値として設定された全国平均値100からどの程度乖離しているかで算出されます。また、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」は、量-コントロール判定図と職場の支援判定図の二つをさらに男女別に分けたもので構成されます。この二つの調和平均が「総合健康リスク」となります。
◆仕事のストレス判定図
1.量-コントロール判定図…仕事の量的負担とそれに対するコントロールの度合い(裁量権)による健康リスク
2.職場の支援判定図…上司の支援と同僚の支援の状況・バランスによる健康リスク
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【関連サイト】
・公式ブログ「AltPaperストレスチェックマガジン」:https://www.altpaper.net/b/
・「AltPaperストレスチェックキット」サービス詳細:http://www.altpaper.net/service/sc/stresscheck2.html

【株式会社情報基盤開発とは】
株式会社情報基盤開発は東京大学発のベンチャー企業です。学内で研究・開発された画像処理技術及びデータベース技術を用いて紙への書き込みをデータ化し、オフィスの生産性を向上することをミッションにしています。アンケート自動集計システム「AltPaper」によって紙アンケートのデータ入力業務を効率化する事業に取り組んでいます。

【報道関係者様・研究機関関係者様】
弊社は、ストレスチェック制度の更なる充実化・労働者のメンタルヘルスの向上に貢献したいと考えております。調査データのご提供や研究協力などのお役に立ちたいと考えておりますので、興味・関心をお持ちいただけましたら、下記お問い合わせ先までご連絡ください。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社情報基盤開発 広報部
Tel:0120-922-552
E-mail:pr@altpaper.net
企業HP:http://www.altpaper.net/
お問い合わせフォーム:https://www.altpaper.net/secure/request.php
〒113-0033 東京都文京区本郷2-27-18 本郷BNビル5階


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【卸売業・小売業ストレス平均値 調査結果詳細】


調査方法

業種別ストレス平均値は、弊社の「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいた事業者様の中で、集団分析データをご提供いただいた事業者様のデータのみを用いて、男女別・業種別に分析を行いました。2017年にストレスチェックを実施され、2017年12月末日までに弊社で集計を完了した457事業者様の男性35,349名、女性31,211名のデータを使用しております。

また、その中から「卸売業・小売業」に該当する36事業者様の男性4,860名、女性4,253名のデータを男女別・職種別に細分化し、分析を行いました。集計につきましては、事業者様ごとに男性と女性を分けて、高ストレス者の割合、健康リスク、各尺度の平均値を職種別に算出しました。


調査結果

(1)職種別/高ストレス者の割合・総合健康リスク

[画像3: https://prtimes.jp/i/16738/66/resize/d16738-66-896899-0.jpg ]

本分析では、回答時に部署欄に記入された職種を「日本標準職種分類」の大分類(一部中分類)に変換して、それぞれの業種をさらに職種別に細分化して比較を行いました。

男女別・職種別に見ると、女性の生産工程従事者を除く全ての職種で、高ストレス者の割合は全国平均の10%を超えています。特に、女性の管理的職業従事者と男性の営業職業従事者については、高ストレス者の割合が20%以上であることに加えて、総合健康リスクも120以上(全国平均より20%以上リスクが高い)であり、その他職種と比較しても圧倒的に高い数値が出ています。

また、上述した女性の管理的職業従事者と男性の営業職業従事者以外では、男性の専門的・技術的職業従事者、事務従事者、生産工程従事者についても高ストレス者の割合・総合健康リスク共に全国平均を上回る高めの数値が出ています。また、高ストレス者の割合が7.5%程度である女性の生産工程従事者についても、総合健康リスクは全国平均100を上回っています。


(2)男女別/ストレスチェック尺度別比較

[画像4: https://prtimes.jp/i/16738/66/resize/d16738-66-342866-3.jpg ]


職業性ストレス簡易調査票における各尺度の平均値が全国データからどれほど乖離しているかを計るために、全国平均値を0とし、1から-1の間に全国データの7割が入るように、正規化数値※4を算出しました。

高ストレス者率・高健康リスクを引き起こす仕事上・生活上のストレス要因について、ストレスチェックの尺度別に見ていくと、男性についてはほぼ全ての尺度で全国平均を下回る数値が出ていることが分かります。そのため、男性全体の高ストレス者の割合が17%を超える高い数値になったのではないかと考えられます。

次に、総合健康リスクの判定に使われる4つの尺度(グラフ赤枠)に着目します。まず、「心理的な仕事の負担(量)」「同僚からの支援度」の数値が男女共に全国平均を下回っており、ストレス要因となりやすいことが分かります。また、「仕事の裁量度」「上司からの支援度」については、男性の数値は全国平均並みなのに対し、女性の数値は全国平均を上回っています。これにより、男性の総合健康リスクは全国平均を上回り、女性の総合健康リスクは全国平均を下回るといった乖離が生じたのだと思われます。

4つの尺度以外では、男女共に「自覚的な身体的負担度」(グラフ黄枠)の数値の低さが目立っており、大きなストレス要因となっているのではないかと考えられます。 一方、「職場環境によるストレス」「自覚的な仕事の適性度」「働きがい」の数値については、男女共に全国平均を上回っています。

<注釈>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4. { (各尺度の値) – (全国平均) }/(全国データの標準偏差)×100を正規化数値と仮定しています。
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(3)男女別/ストレスチェック尺度別比較
■男性グラフ
[画像5: https://prtimes.jp/i/16738/66/resize/d16738-66-617589-4.jpg ]


■女性グラフ
[画像6: https://prtimes.jp/i/16738/66/resize/d16738-66-976813-5.jpg ]


ストレスチェックの各尺度について、職種別に平均値を算出しました。
総合健康リスクが100を超えた職種について、男女別に見ていきます。

まず、男性についてです。営業職業従事者の「心理的な仕事の負担(量)」「仕事の裁量度」「上司からの支援度」の数値は、全国平均並びにその他職種の数値を下回っています。
そして、営業職業従事者に次いで総合健康リスクが高かった専門的・技術的職業従事者および生産工程従事者については、「心理的な仕事の負担(量)」「上司からの支援度」の数値は全国平均を上回る一方で、「同僚からの支援度」の数値は全国平均並びにその他職種の数値を下回っています。また、「仕事の裁量度」については両者に違いが生じています。専門的・技術的職業従事者の数値は全国平均並みであるのに対し、生産工程従事者の数値は全国平均を下回っています。

次に、女性の管理的職業従事者については、「心理的な仕事の負担(量)」「上司からの支援度」「同僚からの支援度」について、その他職種を大きく下回る数値が出ています。特に、「心理的な仕事の負担(量)」「同僚からの支援度」については、全国平均も大きく下回っています。

4つの尺度以外では、男女共に「自覚的な身体的負担度」の数値に職種間でのばらつきが見られます。男女共に、全国平均並びにその他職種を大きく下回る数値が出ていたのは、販売従事者、生産工程従事者です。一方で、管理的職業従事者については、その数値は全国平均並みとなっています。

しかし、管理的職業従事者を女性に絞って見ると、「心理的な仕事の負担(質)」「職場の対人関係上のストレス」の数値の低さが目立ちます。また、[心身のストレス反応]に含まれる「疲労感」「不安感」の数値は、全国平均並びにその他職種の数値を大きく下回っており、これらも女性の管理的職業従事者の高ストレス者の割合が20%を超えた要因であると思われます。


卸売業や小売業は、従業員数が50人未満の事業場も多く、ストレスチェックの実施が「努力義務」となっているケースが多いと思われます。

本分析では、「卸売業,小売業は、比較的ストレスがかかりやすい業種である」といった結果が出ており、従業員が良好なメンタルヘルス状態を維持するためにも職場で管理・対策を実施することが必要だと思われます。関連企業は、まずはストレスチェックの実施から、積極的にメンタルヘルス対策に取り組んでいきましょう。


※上記分析において、比較の基準としている「全国(厚労省データ)」は、“厚生労働省科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「職業性ストレス簡易調査票及び労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストの職種に応じた活用法に関する研究」平成19年度総括・分担報告書 表4 職業性ストレス簡易調査票下位尺度の職種別平均値及び標準集団との比較”が出典です。

[画像7: https://prtimes.jp/i/16738/66/resize/d16738-66-227519-7.jpg ]
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