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株式会社ストラテジックキャピタルが大阪製鐵株式会社への株主提案及び同提案に関する特集サイト開設の予定を公表

Shareholder Proposal to OSAKA STEEL CO., LTD.

詳細は弊社ウェブサイト(https://stracap.jp)をご覧ください。




[画像: https://prtimes.jp/i/52343/76/resize/d52343-76-a75110e1cb182db0282e-0.jpg ]

弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタル(以下「提案株主」と総称します。)は大阪製鐵株式会社(以下「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しております。

提案株主は、本年4月25日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月26日に当社への株主提案に係る書面の到達を確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由は以下の通りですが、ポイントは、1.日本製鉄株式会社への預け金又は貸付金による資金提供を禁止すること、2.特別配当を行うこと、3.PBR1倍以上を目指す計画を策定し開示すること、4.取締役の過半を社外取締役とすること、および5.温室効果ガス排出量削減に係る計画を策定し開示することです。

なお、本年5月に開設する特集サイトでは、提案の背景及び提案に関する詳細な説明を掲載いたします。特集サイト開設は、弊社ホームページ(https://stracap.jp/)にてお知らせいたします。

[提案の内容及び理由]

1.定款一部変更(日本製鉄株式会社への預け金又は貸付金による資金提供の禁止)の件
(1)議案の要領
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。

第7章 支配株主への預け金又は貸付金による資金提供の禁止
(支配株主への預け金又は貸付金による資金提供の禁止)
第43条 当会社は、日本製鉄株式会社又はその子会社若しくは関連会社に対し、預け金又は貸付金による資金提供を行ってはならない。

(2)提案の理由
当社は約20年にわたり親会社にCMSを通じた資金提供を行っている。その規模は昨年度末時点で686億円、当社時価総額の70%以上にも達するが、受取利息は1.5億円(金利約0.2%)であり当社の資本コストを大幅に下回っている。
この結果、当社のPBRは2008年以降解散価値である1倍を一度も上回っておらず、本年3月29日時点でも0.56倍と極めて低水準に留まる。
さらに、当社はドル建で資金を調達し全額を海外子会社に貸し付けていたが、その支払利息は昨年度末時点で約4億円(金利約3%)であった。これは上記資金提供を取り崩しドル転換して貸し付けていれば発生しなかった費用であり、上記支払利息と受取利息の金利差分を考慮すると年間約3.7億円の損失となる。
当社は既にドル建債務を返済したが、CMSを通じた資金提供は親会社の資金管理に寄与する一方で当社の株主価値を棄損する制度であり、これを禁じるべきである。

2.定款一部変更(剰余金の配当等の決定機関)の件
(1)議案の要領
現行の定款の第39条を以下のとおり変更する。(下線は変更部分を示す。)

現行定款
(剰余金の配当等の決定機関)
当会社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める。

変更案
(剰余金の配当等の決定機関)
当会社は、会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める。ただし、同項第4号に定める剰余金の配当に関する事項については、当会社は、会社法第454条第1項及び同条第4項に従い、株主総会の決議により、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対し、期末配当を行うことができるものとする。

(2)提案の理由
本議案は、中間配当を除く剰余金の配当の決定機関を株主総会とすることを企図している。
当社は現在、配当等の決定機関を取締役会に限定しているが、当社の株価は長期的に低迷しており、取締役会が株主価値の向上に資する経営を行っているとは言い難い。
当社の中期経営計画では、配当性向の計画は「30%程度目安」となっているが、当社の自己資本比率は昨年度末現在で約70%と非常に高い。加えて、当社はCMSを通じた貸付金等をはじめ現金類似資産を異常なほど高水準で保有しており、これ以上自己資本を増加させてもRОEが低下するだけである。
当社のPBRは2008年以降解散価値である1倍を上ったことが一度もないが、これはRОEが株主資本コストに満たないことが主因である。
配当の決定機関を株主総会とすることで、ガバナンスを改善させるとともに、RОE向上、株主資本コスト低下等、株主価値の向上に資する経営方針へ転換すべきである。

3.剰余金の配当(特別配当)の件
(1)議案の要領
本株主総会において、剰余金の配当の決定権限を株主総会に認めるための定款の一部変更議案が承認可決されることを条件として、以下の通り剰余金の特別配当を行う。なお、本議案は、本株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。
1.配当財産の種類
金銭
2.配当財産の割り当てに関する事項及びその総額 
本株主総会において可決された当社が提案した剰余金配当に係る議案に基づく普通株式1株当たり配当金額(もしあれば)に加えて、1株当たり881円を配当する。本議題に従って支払われる特別配当金額は、普通株式1株当たりの配当金額に、2024年3月31日現在の配当を受領する権利の付されている株式数を乗じた金額となる。
3.剰余金の配当が効力を生じる日
当社の本株主総会の開催日の翌日

(2)提案の理由
本議案は、CMSを通じた資金提供の残高の50%を特別配当することを企図したものである。
第1号議案の提案理由で述べた通り、CMSは当社の株主価値を棄損し続けており、当社は速やかにこれを禁止すべきである。
当社がCMSを通じた資金提供を禁止した場合、昨年度末時点で686億円の現金が活用可能となるが、その50%を特別配当とし、残りは事業投資等に活用していただきたい。
なお、当社の自己資本比率は昨年度末時点で約70%と非常に高く、特別配当を行った後も65%程度となる想定であり、当社の財務健全性は十分なレベルで維持することが可能である。

4.定款一部変更(PBR1倍以上を目指す計画の策定及び開示)の件
(1)議案の要領
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。

第8章 経営計画
(経営計画)
第44条 当会社は、当会社の前事業年度中の東京証券取引所における最終取引日時点のPBR(当会社の普通株式の株価を当会社の1株当たり連結純資産(発行済株式数から自己株式数を控除するほか、企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」に従い算定した数値をいう。)で除して算定した数値をいう。)が
1倍未満である場合、PBRを1倍以上とするための経営計画を策定する。
2.前項に従い策定する経営計画は、資本コストを上回るROE目標の設定及びその実現に向けた取組み等を含む合理的な内容でなければならない。
3.当会社は、前二項に従い策定された経営計画を当事業年度の第2四半期決算発表日までに東京証券取引所の運営する適時開示情報伝達システムを通じて公表する。

(2)提案の理由
昨年3月、東京証券取引所は「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」において、継続的にPBRが1倍を割れている企業に対し、自社の資本コストや資本収益性の改善に向けた方針や具体的な取組み、その進捗状況等の開示を強く要請した。
当社は本年1月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについて」を公表したが、その内容は期限の設定もなく、既存の開示内容を纏めただけであり、新たな施策の策定は皆無であった。
当社のPBRは、2008年以降解散価値である1倍を一度も上回っておらず、本年3月29日時点でも0.56倍と極めて低水準に留まる。長期にわたる株価低迷から抜け出すには、抜本的な経営改革や資本政策の変更が必要であり、そのために、資本コストを上回るROE目標の設定及びその実現に向けた計画等、合理的な内容を含む計画を策定し直し、公表していただきたい。

5.定款一部変更(取締役の員数等)の件
(1)議案の要領
現行の定款の第18条を以下のとおり変更する。(下線は変更部分を示す。)

現行定款
(取締役の員数)
第18条 当会社の取締役は3名以上12名以内とする。

変更案
(取締役の員数等)
第18条 当会社の取締役は3名以上12名以内とする。
2.当会社の取締役の過半数は、会社法第2条第1項第15号に規定する社外取締役とする。

(2)提案の理由
当社は取締役8名中5名の常勤取締役が日本製鉄出身者であり、実質的に日本製鉄の天下り先となっている。
この点、コーポレートガバナンス・コードは「支配株主は、会社及び株主共同の利益を尊重し、少数株主を不公正に取り扱ってはならないのであって、支配株主を有する上場会社には、少数株主の利益を保護するためのガバナンス体制の整備が求められる」(基本原則4の考え方)と定め、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」は「上場子会社の経営陣の指名については、支配株主と一般株主との間に利益相反リスクが存在することを踏まえ、一般株主利益にも配慮し、上場子会社として企業価値向上に貢献できる人物を選定することが課題となる」と指摘する。
当社はとりわけCMSにより親会社に貢献する一方で当社の株主価値を棄損し続けている。支配株主と一般株主の間の利益相反は明確であり、社外取締役を増員してガバナンスを強化すべきである。

6.定款一部変更(温室効果ガス排出量削減に係る事業計画の策定及び開示)の件
(1)議案の要領
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。

第9章 環境対策
(環境対策)
第45条 当会社は、当会社の長期的な企業価値を維持又は向上させるため、気候変動に伴うリスクとこれに伴う事業機会を踏まえ、短期及び中期の温室効果ガス削減目標及び投資計画を含む事業計画を策定し、これを開示する。
2.前項の削減目標は、スコープ 1(直接排出)、スコープ 2(電力等使用による間接排出)及びスコープ3(事業に関連する他社の排出)の温室効果ガス排出量を対象とし、各スコープについて個別に開示するものとする。
3.当会社は、事業年度毎に、第1項の事業計画の進捗状況を統合報告書等において開示する。

(2)提案の理由
当社は、温室効果ガスの総排出量に関し、2030年に総排出量について、対2013年比で30%削減し、2050年にカーボンニュートラルを目指すとしているが、そのための方策は具体性が欠け、達成に向けた時間軸や必要な資金計画等の開示もない。また、電炉事業は、鉄スクラップをリサイクルし鉄鋼製品を製造していることから、高炉事業と比べ、環境負荷が小さく、脱炭素社会の実現に向けて追い風であるにもかかわらず、開示内容が不十分である。
これらの状況に鑑みると、環境対策に関心の高い投資家から当社が十分に評価されているとは考えにくい。
そのため、スコープ1から3の短期及び中期の温室効果ガス削減目標、及びその実現に向けた資金計画を策定し開示することで、資本コストを低下させることを目指していただきたい。

https://prtimes.jp/a/?f=d52343-76-851b94732167ba72cac244d00282433b.pdf
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