「MONEX 個人投資家サーベイ 2014 年7 月調査」個人投資家の利益確定・損切り事情
[14/07/31]
提供元:PRTIMES
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個人投資家の皆様の相場環境に対する意識調査のため、2014 年7 月11 日〜7 月15 日にマネックス証券に口座をお持ちのお客様向けにアンケートを実施しました。ご回答くださった皆様には、ご協力に感謝いたします。誠にありがとうございます。今、個人投資家の皆様が、相場をどのようにとらえているのか、調査結果をまとめました。
「MONEX 個人投資家サーベイ」は、個人投資家の相場環境に対する意識調査として毎月アンケートを行い、その調査結果をまとめたものです。2009 年10 月に第1 回サーベイを行い、月次で公表しております。(※2011 年3 月は東日本大震災の状況を鑑み、アンケートを実施しておりません。)
また、2011 年6 月より、グループ企業であるトレードステーション証券(米国)、マネックスBOOM 証券(香港)の個人投資家の皆様にも、四半期ごとに同様のアンケートを行い、調査結果を「MONEX グローバル投資家サーベイ」として提供しております。
■調査結果
1. 株式市場を取り巻く環境について
(1-1)個人投資家の見通しDI(※1)、日本株DI・米国株DI は下落、中国株DI は小動き
【日本株DI】(2014 年6 月)45→(2014 年7 月)29(前回比-16 ポイント)
【米国株DI】(2014 年6 月)47→(2014 年7 月)37(前回比-10 ポイント)
【中国株DI】(2014 年6 月)-43→(2014 年7 月)-40(前回比+3 ポイント)
今後3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しについてたずねた。2014 年6月に実施した前回調査時より冴えない値動きが続いている日本の株式市場が影響したのか、日本株DI は下落した。日本株DI・米国株DI は下落したが、「上昇すると思う」と回答した個人投資家が多いことから、投資家心理は強気であると考えられる。中国株DI は、マイナス圏内での小動きとなり弱気な個人投資家が多いようだ。
(※1)「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント
(1-2)業種別魅力度ランキング、「自動車」が3 ヶ月連続首位
個人投資家の「魅力的であると思う業種」ランキングでは、「自動車」が3 ヶ月連続首位となった。
2. 為替市場について
(2-1)今後3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通し今後 3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて、円安を予想する層は前回調査時より10ポイント減となった(50→40)。逆に円高を見込む層は低位ながら6 ポイント増となった(14→20)
3. お客様の日本株取引について
(3-1)日本株取引関連のDI は、僅かに低下
今後3 ヶ月程度の日本株への投資意欲を「売買頻度」「投資金額」「保有銘柄数」毎にたずねた。3 つの項目について個人投資家は、「減らしたい」よりも「増やしたい」と考えている割合が多いことが分かったが、その割合は前回調査時よりも僅かではあるが、低下。
【売買頻度DI】 (2014 年6 月)36→(2014 年7 月)31(前回比-5 ポイント)
【投資金額DI】 (2014 年6 月)30→(2014 年7 月)26(前回比-4 ポイント)
【保有銘柄数DI】(2014 年6 月)23→(2014 年7 月)22(前回比-1 ポイント)
※(2)「増やしたい」と回答した割合(%)から「減らしたい」と回答した割合(%)を引いたポイント
4. 注目するトピック
(4-1)日本の企業業績、金利動向、政治・外交について依然として関心が高い
回調査時と比較して個人投資家は、日本の企業業績、金利動向、政治・外交について関心が高まっていることが分かった。欧州の金融政策、政治・外交への関心は低下しているようだ。
5. 利益確定・損切りルールの設定について
(5-1)個人投資家の50%が利益確定ラインを、43%が損切りラインを設定今回の調査で、個人投資家の利益確定・損切りラインの設定状況についてたずねたところ回答者の50%が利益確定ラインを設定していることがわかった。一方で、損切りラインの設定は43%にとどまった。これらのことから、多くの個人投資家が利益確定・損切りラインを意識していることがうかがえる。(尚、当社チーフ・ストラテジスト広木隆の売るタイミングの考え方を「個別銘柄で実践!中長期投資〜正しい長期投資は売ること〜」で掲載中。)
・投資経験年数別の利益確定ラインの設定状況
1 年未満:43%、1 年~5 年:46%、5 年~10 年:44%、10 年以上:57% となり、投資経験年数の多い個人投資家ほど、利益確定ラインを設定する傾向があることが分かる。
・投資経験年数別の損切りラインの設定状況
1 年未満:44%、1 年~5 年:42%、5 年~10 年:44%、10 年以上:44% となり、投資経験年数ではあまり大きな差が出ないことが分かった。
・利益確定・損切りラインの具体的なライン(※3)について
(対象:利益確定・損切ラインを設定している個人投資家)
利益確定ライン:5%未満(9%)、5%〜10%(28%)、10%〜20%(34%)、20%〜30%(15%)、
30%〜40%(4%)、40%以上(11%)
損切ライン:5%未満(13%)、5%〜10%(32%)、10%〜20%(30%)、20%〜30%(14%)、
30%〜40%(5%)、40%以上(6%)となった。
(※3)利益確定:買値からの上昇率、損切り:買値からの下落率
また、利益確定ライン・損切ラインを設定している/設定していない理由についてそれぞれたずねた。
利益確定ライン・損切ラインを設定している/設定していない理由について(コメント抜粋)
■利益確定ラインを設定している理由
「欲をかき過ぎると、売るに売れなくなり、結局下がることが多いからです。」
「以前、損失を確定できず、さらに痛手を受けた。」
「欲張りすぎず、我慢しすぎず。」
「深追いしない程度に利益を確定する。」
「上昇率を高い設定で考えていると最終的に損をしてしまう確率が高いので。」
「その時分で予想されるボラティリティの範囲で無理せず利食いした方が、成功率が高いだろうと思う。」
「損失軽減のため。」
「銘柄、相場つきによって変わりますが、買う時に売る時を考えます。」
「中長期で続けていきたいので、利益が3 割程度大きくなりすぎたら、確定するようにしている。」
「買う前にそれぐらいに上がるであろうと考えて買っているので。タイミングを決めておかないと、売りそびれた時に 後悔するから。」
→過去の経験に基づいていることが想像できる。
■利益確定ラインを設定していない理由
「質の高い中小型株を出来るだけ長期で保有しようと考えているから。」
「高値圏での値動きを感覚的に捉えてその場で決めるから。」
「配当と優待取得をメインに長期保有のスタイルだから。」
「取得した時の基準価格が高く取り戻すことが難しく、タイミングを決めかねている。」
「好配当株を中心に購入しており、あまり売却益を重視していないため。」
→配当や株主優待、長期保有・投資を目的としている場合が多いように見受けられる。
■損切りラインを設定している理由
「諦めきれない事が多いが致命傷だけは避けるべきだから。」
「早めの損失軽減のため。」
「出来るだけ損失を少なくし、再度挑戦するためです。」
「放置して限りなく0 になった経験から。」
「損失拡大を防ぐため。」
→損失を出来る限り限定し、再挑戦する余地を残したいと考えている個人投資家が多いようだ。
■損切りラインを設定していない理由
「まだ経験が浅いのでいろいろと試行錯誤している途中だから。」
「長期保有を考えているので。」
「まだ確立できていない。」
「切りして失敗したことがあるので(その後すごい勢いで上昇)優待配当狙いにあらため、長期持っているものがある。」
「適切な損切りラインを測りかねているため。」
→長期投資を前提としているか、試行錯誤中・検討中という意見も多かった。
■総 括 (マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部)
7 月に入ってダウ平均は史上最高値を更新、ついに株価は1 万7000 ドルの大台に乗せました。雇用統計やISM 景況感指数といった重要指標が堅調に推移し、米国経済の成長期待が高まったことがその背景です。中旬からは米国企業の決算発表が本格化し、堅調な発表内容から株価はさらに上昇、再び最高値を更新しました。
一方日本株はというと、日経平均は15,000 円どころから15,500 円の狭いレンジでの推移がもう1 ヶ月以上続いています。米国の長期金利も低位安定といった格好でドルが買われず、ドル円の上値も重い。そのような環境では皆様の日本株関連のDI が低下(グラフ1・グラフ5)するのも無理からぬことでしょう。7 月下旬から本格化し、皆様の注目度も最も高い(グラフ6)日本企業の決算発表をきっかけに株価の上放れを期待したいところです。
今月は「利益確定」と「損切り」について調査しました(グラフ7)。「利益確定」についてはルールを決めている方、決めていない方ちょうど半分半分である一方で、「損切り」についてはほぼ4 対6 の割合でルールを決めていない方のほうが多い結果となりました。
投資の書籍を見ると、「損切りの徹底こそが投資を成功させる上で何よりも重要」という説明を見ることがあります。もちろん莫大な損を抱え込んでしまっては資産を増やすどころか投資の世界から退場することにもなりかねませんから、適切な損切りの重要性について異論はありません。ただ、最近、原則として「損切りをせず」に大きな成功を手にしている1 人の投資家について詳しく調べる機会がありました。それは、世界で最も有名な投資家といっても過言ではない、ウォーレン・バフェットです。
彼の手法をシンプルに述べると、「企業を徹底的に調べあげて長期的な成長が有望な企業を見出し、その企業が本来持つ価値と比べて割安なタイミングで集中的に投資して長期間保有する」というものです。そして、そうやって見出した企業の株価が経済危機など、その企業の本来価値に直接的には関係のない理由で下がった際というのは、彼にとっては本物の宝石がバーゲンセールで売られている状態です。つまり、そういった状況は彼にとっては損切りするどころか、買い増す絶好のタイミングなわけです。実際バフェットは金融危機の際に積極的に買い増しを
行い、その後莫大なリターンを得ています。
もちろん彼の扱っている資産規模やこれまでの経験の深さは個人投資家の皆様と同列に並べて論じられることではないでしょう。ただ、世界で最も成功している投資家が、一般的に成功の必須条件として指摘されている「損切り」を行っていないというのは投資の奥深さを感じさせる非常に興味深いエピソードと感じましたので、紹介させていただきました。今月も貴重な時間を割いて個人投資家サーベイにご協力を賜り誠にありがとうございました。本調査結果が皆様の投資の一助となれば幸いです。
■調査の概要と回答者の属性
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数: 808
調査期間: 2014 年7 月11 日〜7 月15 日
本情報は当社が実施したアンケートに基づいて作成したものです。
・ 本情報は売買のタイミング等を反映したものではなく、また示唆するものではありません。
・ 当社は記載した銘柄の取引を推奨し、勧誘するものではありません。
・ 当社は本情報の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。
・ 銘柄選択や売買タイミングなどの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたし ます。
【マネックス証券株式会社】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会
「MONEX 個人投資家サーベイ」は、個人投資家の相場環境に対する意識調査として毎月アンケートを行い、その調査結果をまとめたものです。2009 年10 月に第1 回サーベイを行い、月次で公表しております。(※2011 年3 月は東日本大震災の状況を鑑み、アンケートを実施しておりません。)
また、2011 年6 月より、グループ企業であるトレードステーション証券(米国)、マネックスBOOM 証券(香港)の個人投資家の皆様にも、四半期ごとに同様のアンケートを行い、調査結果を「MONEX グローバル投資家サーベイ」として提供しております。
■調査結果
1. 株式市場を取り巻く環境について
(1-1)個人投資家の見通しDI(※1)、日本株DI・米国株DI は下落、中国株DI は小動き
【日本株DI】(2014 年6 月)45→(2014 年7 月)29(前回比-16 ポイント)
【米国株DI】(2014 年6 月)47→(2014 年7 月)37(前回比-10 ポイント)
【中国株DI】(2014 年6 月)-43→(2014 年7 月)-40(前回比+3 ポイント)
今後3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しについてたずねた。2014 年6月に実施した前回調査時より冴えない値動きが続いている日本の株式市場が影響したのか、日本株DI は下落した。日本株DI・米国株DI は下落したが、「上昇すると思う」と回答した個人投資家が多いことから、投資家心理は強気であると考えられる。中国株DI は、マイナス圏内での小動きとなり弱気な個人投資家が多いようだ。
(※1)「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント
(1-2)業種別魅力度ランキング、「自動車」が3 ヶ月連続首位
個人投資家の「魅力的であると思う業種」ランキングでは、「自動車」が3 ヶ月連続首位となった。
2. 為替市場について
(2-1)今後3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通し今後 3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて、円安を予想する層は前回調査時より10ポイント減となった(50→40)。逆に円高を見込む層は低位ながら6 ポイント増となった(14→20)
3. お客様の日本株取引について
(3-1)日本株取引関連のDI は、僅かに低下
今後3 ヶ月程度の日本株への投資意欲を「売買頻度」「投資金額」「保有銘柄数」毎にたずねた。3 つの項目について個人投資家は、「減らしたい」よりも「増やしたい」と考えている割合が多いことが分かったが、その割合は前回調査時よりも僅かではあるが、低下。
【売買頻度DI】 (2014 年6 月)36→(2014 年7 月)31(前回比-5 ポイント)
【投資金額DI】 (2014 年6 月)30→(2014 年7 月)26(前回比-4 ポイント)
【保有銘柄数DI】(2014 年6 月)23→(2014 年7 月)22(前回比-1 ポイント)
※(2)「増やしたい」と回答した割合(%)から「減らしたい」と回答した割合(%)を引いたポイント
4. 注目するトピック
(4-1)日本の企業業績、金利動向、政治・外交について依然として関心が高い
回調査時と比較して個人投資家は、日本の企業業績、金利動向、政治・外交について関心が高まっていることが分かった。欧州の金融政策、政治・外交への関心は低下しているようだ。
5. 利益確定・損切りルールの設定について
(5-1)個人投資家の50%が利益確定ラインを、43%が損切りラインを設定今回の調査で、個人投資家の利益確定・損切りラインの設定状況についてたずねたところ回答者の50%が利益確定ラインを設定していることがわかった。一方で、損切りラインの設定は43%にとどまった。これらのことから、多くの個人投資家が利益確定・損切りラインを意識していることがうかがえる。(尚、当社チーフ・ストラテジスト広木隆の売るタイミングの考え方を「個別銘柄で実践!中長期投資〜正しい長期投資は売ること〜」で掲載中。)
・投資経験年数別の利益確定ラインの設定状況
1 年未満:43%、1 年~5 年:46%、5 年~10 年:44%、10 年以上:57% となり、投資経験年数の多い個人投資家ほど、利益確定ラインを設定する傾向があることが分かる。
・投資経験年数別の損切りラインの設定状況
1 年未満:44%、1 年~5 年:42%、5 年~10 年:44%、10 年以上:44% となり、投資経験年数ではあまり大きな差が出ないことが分かった。
・利益確定・損切りラインの具体的なライン(※3)について
(対象:利益確定・損切ラインを設定している個人投資家)
利益確定ライン:5%未満(9%)、5%〜10%(28%)、10%〜20%(34%)、20%〜30%(15%)、
30%〜40%(4%)、40%以上(11%)
損切ライン:5%未満(13%)、5%〜10%(32%)、10%〜20%(30%)、20%〜30%(14%)、
30%〜40%(5%)、40%以上(6%)となった。
(※3)利益確定:買値からの上昇率、損切り:買値からの下落率
また、利益確定ライン・損切ラインを設定している/設定していない理由についてそれぞれたずねた。
利益確定ライン・損切ラインを設定している/設定していない理由について(コメント抜粋)
■利益確定ラインを設定している理由
「欲をかき過ぎると、売るに売れなくなり、結局下がることが多いからです。」
「以前、損失を確定できず、さらに痛手を受けた。」
「欲張りすぎず、我慢しすぎず。」
「深追いしない程度に利益を確定する。」
「上昇率を高い設定で考えていると最終的に損をしてしまう確率が高いので。」
「その時分で予想されるボラティリティの範囲で無理せず利食いした方が、成功率が高いだろうと思う。」
「損失軽減のため。」
「銘柄、相場つきによって変わりますが、買う時に売る時を考えます。」
「中長期で続けていきたいので、利益が3 割程度大きくなりすぎたら、確定するようにしている。」
「買う前にそれぐらいに上がるであろうと考えて買っているので。タイミングを決めておかないと、売りそびれた時に 後悔するから。」
→過去の経験に基づいていることが想像できる。
■利益確定ラインを設定していない理由
「質の高い中小型株を出来るだけ長期で保有しようと考えているから。」
「高値圏での値動きを感覚的に捉えてその場で決めるから。」
「配当と優待取得をメインに長期保有のスタイルだから。」
「取得した時の基準価格が高く取り戻すことが難しく、タイミングを決めかねている。」
「好配当株を中心に購入しており、あまり売却益を重視していないため。」
→配当や株主優待、長期保有・投資を目的としている場合が多いように見受けられる。
■損切りラインを設定している理由
「諦めきれない事が多いが致命傷だけは避けるべきだから。」
「早めの損失軽減のため。」
「出来るだけ損失を少なくし、再度挑戦するためです。」
「放置して限りなく0 になった経験から。」
「損失拡大を防ぐため。」
→損失を出来る限り限定し、再挑戦する余地を残したいと考えている個人投資家が多いようだ。
■損切りラインを設定していない理由
「まだ経験が浅いのでいろいろと試行錯誤している途中だから。」
「長期保有を考えているので。」
「まだ確立できていない。」
「切りして失敗したことがあるので(その後すごい勢いで上昇)優待配当狙いにあらため、長期持っているものがある。」
「適切な損切りラインを測りかねているため。」
→長期投資を前提としているか、試行錯誤中・検討中という意見も多かった。
■総 括 (マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部)
7 月に入ってダウ平均は史上最高値を更新、ついに株価は1 万7000 ドルの大台に乗せました。雇用統計やISM 景況感指数といった重要指標が堅調に推移し、米国経済の成長期待が高まったことがその背景です。中旬からは米国企業の決算発表が本格化し、堅調な発表内容から株価はさらに上昇、再び最高値を更新しました。
一方日本株はというと、日経平均は15,000 円どころから15,500 円の狭いレンジでの推移がもう1 ヶ月以上続いています。米国の長期金利も低位安定といった格好でドルが買われず、ドル円の上値も重い。そのような環境では皆様の日本株関連のDI が低下(グラフ1・グラフ5)するのも無理からぬことでしょう。7 月下旬から本格化し、皆様の注目度も最も高い(グラフ6)日本企業の決算発表をきっかけに株価の上放れを期待したいところです。
今月は「利益確定」と「損切り」について調査しました(グラフ7)。「利益確定」についてはルールを決めている方、決めていない方ちょうど半分半分である一方で、「損切り」についてはほぼ4 対6 の割合でルールを決めていない方のほうが多い結果となりました。
投資の書籍を見ると、「損切りの徹底こそが投資を成功させる上で何よりも重要」という説明を見ることがあります。もちろん莫大な損を抱え込んでしまっては資産を増やすどころか投資の世界から退場することにもなりかねませんから、適切な損切りの重要性について異論はありません。ただ、最近、原則として「損切りをせず」に大きな成功を手にしている1 人の投資家について詳しく調べる機会がありました。それは、世界で最も有名な投資家といっても過言ではない、ウォーレン・バフェットです。
彼の手法をシンプルに述べると、「企業を徹底的に調べあげて長期的な成長が有望な企業を見出し、その企業が本来持つ価値と比べて割安なタイミングで集中的に投資して長期間保有する」というものです。そして、そうやって見出した企業の株価が経済危機など、その企業の本来価値に直接的には関係のない理由で下がった際というのは、彼にとっては本物の宝石がバーゲンセールで売られている状態です。つまり、そういった状況は彼にとっては損切りするどころか、買い増す絶好のタイミングなわけです。実際バフェットは金融危機の際に積極的に買い増しを
行い、その後莫大なリターンを得ています。
もちろん彼の扱っている資産規模やこれまでの経験の深さは個人投資家の皆様と同列に並べて論じられることではないでしょう。ただ、世界で最も成功している投資家が、一般的に成功の必須条件として指摘されている「損切り」を行っていないというのは投資の奥深さを感じさせる非常に興味深いエピソードと感じましたので、紹介させていただきました。今月も貴重な時間を割いて個人投資家サーベイにご協力を賜り誠にありがとうございました。本調査結果が皆様の投資の一助となれば幸いです。
■調査の概要と回答者の属性
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数: 808
調査期間: 2014 年7 月11 日〜7 月15 日
本情報は当社が実施したアンケートに基づいて作成したものです。
・ 本情報は売買のタイミング等を反映したものではなく、また示唆するものではありません。
・ 当社は記載した銘柄の取引を推奨し、勧誘するものではありません。
・ 当社は本情報の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。
・ 銘柄選択や売買タイミングなどの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたし ます。
【マネックス証券株式会社】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会