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アクセンチュア最新調査――電力会社はデジタル時代の顧客に寄り添う努力が必要であることが判明

世界の過半数の消費者はパーソナライズされた商品とサービスが提供されない場合、電力会社の乗り換えを検討すると回答

アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査によると、電力会社は利益低下、テクノロジーによる破壊的変化、および自らの顧客をターゲットとした異業種からの参入などに直面しているのに加え、新たな課題としてデジタル上の接点やパーソナライズされた顧客体験に対する消費者からの期待に十分に応えられていないことが判明しました。

デジタル化社会の進展により消費者の期待がますます高まる中、電力会社は金融などの他業界が進めるデジタル化に乗り遅れないようにすることが課題となっています。デジタルな顧客体験は必要不可欠なものとなっているものの、消費者の3分の1は電力会社が提供するウェブサイトやモバイルアプリケーションなどのデジタルチャネルに対し、「自分の要求をオンライン上で処理できず、担当窓口に連絡を取らざるを得なかった」と回答しています。

過去12か月間にデジタルチャネルを経由し、電力会社とのやり取りを行った消費者の38%は、必要な情報をウェブサイト上で見つけられなかったなどの不満を経験しています。また34%は「サイトの読み込みに時間がかかりすぎる」と指摘したほか、31%は「必要な情報が見当たらない」、また28%は「自分に最適化された情報が提供されていない」と回答しています。さらに27%は「サイトが直感的ではない上に一貫した情報が提供されていないため使い勝手がよくなかった」と述べています。

アクセンチュア株式会社 素材・エネルギー本部 公益事業部門統括 マネジング・ディレクター 宮脇 良二は、次のように述べています。「電力会社が新たな収益源を拡大し、顧客ロイヤリティを高めつつ、自由化市場で値下げ競争に対抗するには、デジタルを通じてエンゲージメントを強化し、消費者が求めるものを確実に提供することが重要となります。本調査によると、デジタルチャネルの利用に積極的な消費者はグローバル全体では27%、日本では14%を占めている一方、ミレニアル世代に限れば、この比率はそれぞれ40%、30%にも達します。これからライフステージの大きな変化を迎え、重要なターゲットとなるミレニアル世代のロイヤルティを獲得するためには、企業は顧客体験やチャネル、新旧のサービス提供にわたるパーソナライゼーション戦略の策定が欠かせません。」

異業種から参入してきた競合と比べ、伝統的な電力会社は幸いにも消費者から今も多くの信頼を集めています。一方、家電メーカーやホームサービス運営事業者など、一部の新興電力企業については過半数の消費者が電力消費に関する理解や最適化の観点から役立つ存在として捉えています。

これらの競合企業は、デジタルチャネルを通じて新たなサービスを契約する可能性がより高い消費者に特に注目しています。実際、デジタルチャネルを定期的に利用している消費者の41%は、照明やスマートサーモスタット(室温調整装置)、エンターテインメント、セキュリティシステムなどを管理できるようなコネクテッドホーム向けセットサービスを利用したいと回答しています。これに対し、電力会社と定期的にデジタルチャネルを通したやり取りを行っていない場合、これらのサービスを利用したいと回答した人はわずか21%に過ぎませんでした。

他の業界と同様に、消費者にとってもディスカウントはサービス利用を促進する大きな要因に位置づけられています。また、ディスカウントを受けられるのであれば、カスタマイズされた商品やサービスの提供を受けるために詳細な個人情報や電力使用状況を「電力会社の提携先に共有しても構わない」、あるいは「まったく構わない」と回答した消費者は71%に上っています。さらに回答者の72%がスマートサーモスタットや効率的な照明機器、および自宅におけるエネルギー効率チェックに多かれ少なかれ関心を抱いています。また、73%の回答者はディスカウントがあるのであれば、停電の場合を除き、電力会社とのすべてのやり取りをデジタル化されたカスタマーサービスに集約しても構わないと回答しています。

消費者に自社の新商品やサービスを選んで使い続けてもらうためには、顧客体験のパーソナライズ化が価値を高める上で大きな原動力となります。新商品やサービスを選ぶ決め手として、82%が自分のニーズや好みに合わせてパーソナライズされていることが条件になると回答しています。さらに、激しい市場競争の中、過半数の54%が従来の商品やサービスが自分のニーズや好みを反映していない場合、電力会社の乗り換えを検討すると回答しています。

「電力会社の将来は、単に消費者の好みに対応するだけでなく、それを予測した上で行動できるかどうかにかかっています。そのためにはイノベーションの速度を上げ、顧客を中心に据えた商品およびサービス設計業務モデルを構築しなければなりません。このためには、デジタルテクノロジー主導のアプローチではなく、次世代のテクノロジーを基にした企業風土の根本的な変革に根ざした取り組みが求められます。」と宮脇は述べています。

この調査について
本調査は電力会社が消費者の最新のニーズと嗜好を把握し、新しい課題と機会を見極め、進化するエネルギー市場で成功を収めるための重要なコンピテンシーに焦点を絞れるよう支援することを目的に複数年にわたって実施しています。本調査は世界中の最終消費者を対象とした一次調査から得られた知見のほか、複数の業界にまたがる電力事業者も含めた業界における主な業務慣行やテクノロジー導入分析の結果をまとめています。

調査方法
アクセンチュアが8年間にわたって実施している本グローバル調査は、質問票を使った最終消費者へのインタビューがベースになっています。実際の調査は、アクセンチュアの委託を受けたHarris Interactive社が、消費者の母国語を使い、オンラインで実施しました。調査対象国には、規制された市場と自由競争市場の両方が含まれています。2017年版では米国の1,049人、英国の641人、カナダの529人、オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、マレーシア、オランダ、フィリピン、ポルトガル、シンガポール、スペイン、およびスウェーデンのそれぞれ500人を含む、世界18か国の計9,719人に対し、インタビューを実施しました。調査対象の家庭はそれぞれの国の総人口を代表するよう選ばれていますが、ブラジル、中国、マレーシア、およびフィリピンは都市人口を反映したものとなっています。大規模な人口または多様な人口構成、またはその両方を持つ国においては、国内の幅広い地域から調査対象者が選定されています。本調査には態度、行動、および人口動態に関する質問が含まれています。

アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する43万5,000人以上の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。
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