本邦初の信託銀行本体による「暗号資産信託」提供に向けた共同検討開始について
[23/08/31]
提供元:PRTIMES
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三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長:長島 巌、以下 三菱UFJ信託銀行)、株式会社Ginco(代表取締役:森川 夢佑斗、以下 Ginco)は、本邦初となる信託銀行本体による「暗号資産信託」の提供に向けて協業を開始いたしました。
本協業による具体的なサービスの1つとして、日本がトークン(暗号資産)発行市場として健全かつ魅力的な環境となることを目的に、トークン発行体にとって適切な税制の適用と機関投資家によるトークン投資が可能なスキームの実現を図ります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/36656/95/resize/d36656-95-c6f86127670a2a07f318-0.png ]
背景と目的
三菱UFJ信託銀行では、デジタルアセット全般の発行・管理基盤である「Progmat(プログマ)」の開発に先駆けて、「仮想通貨(当時)」に係る規制を定めた資金決済法の施行(2017年4月)に合わせ、暗号資産を対象とした信託サービスについて具体化し、特許*1を2件取得しています。
2018年に発生した流出事件を契機とした一連の規制強化により、信託銀行を含む銀行本体では暗号資産を対象とした業務を行うことは禁止され、信託銀行における暗号資産の信託についても提供できない状況が続いていました。
海外では、機関投資家を対象とした暗号資産のカストディ(預り)サービス提供が開始されていく中、2022年10月施行の「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行規則(以下、兼営法施行規則)」改正により、日本においても信託銀行本体によるカストディ業務提供が可能になりました。
併せて、トークン(暗号資産)を自ら発行し保有する法人について、当該トークン(暗号資産)に係る期末時価評価および未実現利益に対する課税の虞があった日本特有の市場環境に対し、トークン発行体の海外流出を防ぐ観点から、2022年12月に閣議決定された「税制改正の大綱」及び2023年6月国税庁発出の「法令解釈通達」により、一定の要件を満たす信託の信託財産となっている暗号資産について、期末時価評価の対象から外れることが確定しています。
Gincoでは、Web3産業が発展するには、法人・個人を問わず誰もが安心安全にデジタルアセットを利用できる環境を整備する必要があるとの課題認識のもと、デジタルアセットを取り扱う企業向けにWeb3のインフラを提供してきました。
特に暗号資産交換業者など金融機関が利用する業務用暗号資産ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」は国内トップの導入シェアを誇ります。(2022年 Ginco調べ)。
本協業は、こうした市場環境の着実な整備に呼応し、約6年前より本領域における信託サービス提供に向けた調整を続けてきた三菱UFJ信託銀行と、国内導入シェアNo.1の業務用暗号資産ウォレットを提供するGincoとの協業により、トークン発行体にとって適切な税制の適用と、機関投資家によるトークン投資が可能なスキームを提供することで、日本がトークン発行市場として健全かつ魅力的な環境となることを目的としています。
各社の役割分担
本協業における、三菱UFJ信託銀行とGincoの役割分担は以下のとおりです。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/36656/table/95_1_d44e6fc2c9dab52501e9a05ce67a1f2a.jpg ]
3.想定スキーム概要とポイント
スキームとして、以下のように想定しています。
(1) トークン発行体用暗号資産信託(川上信託)
【委託者】 トークン発行体
【受託者】 三菱UFJ信託銀行
【信託財産】 トークン発行体が新たに発行し自ら保有するトークン(暗号資産)
【受益者】 トークン発行体
【メリット】 トークン発行体は、自社保有期間中に期末時価評価対象外の適用を受けつつ、
川下信託へ円滑に移行できることで、機関投資家を誘引できる
(2) 機関投資家用暗号資産信託(川下信託)
【委託者】 トークン発行体
【受託者】 三菱UFJ信託銀行
【信託財産】 機関投資家に帰属する、ベスティング(権利確定)後のトークン(暗号資産)
【受益者】 トークン投資を行い権利が確定した機関投資家
【メリット】 機関投資家は、トークン(暗号資産)を直接保有/管理せず、投資可能になる*2
今後の予定
2023年度中の商用化を目標に、以下の関係者が共同検討に参加し、必要な関係当局との手続完了及び対象となるトークンのベスティング(権利確定)に合わせた社会実装を目指します。
<共同検討参加者>
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/36656/table/95_2_e6a94410d06c59ada16cb16bbef7da67.jpg ]
*1-1 「仮想通貨保全システム」(出願受付:2017年12月11日、文献番号:特開2019-105903)
*1-2 「仮想通貨クリアリングシステム」(出願受付:2018年4月24日、文献番号:特開2019-191876)
*2 投資事業有限責任組合の投資対象は、株式、新株予約権、社債、貸付債権、匿名組合出資、工業的所有権、投資事業有限責任組合出資等と定義され、信託受益権ではなく暗号資産そのものを主な投資対象とすることは出来ないと考えられる(投資事業有限責任組合法3条1項)
[画像2: https://prtimes.jp/i/36656/95/resize/d36656-95-823c6083ddebd3450816-1.png ]
◆三菱UFJ信託銀行株式会社について
所在地 : 〒100-8212 東京都千代田区丸の内1丁目4番5号
代表者 : 取締役社長 長島 巌
設立 : 1927年3月10日
URL : https://www.tr.mufg.jp/
◆三菱UFJ信託銀行の「デジタルアセット事業全体像」と本件の位置づけについて
[画像3: https://prtimes.jp/i/36656/95/resize/d36656-95-dbccfd408ce5423a54d6-2.png ]
◆株式会社Gincoについて
Gincoは、「経済のめぐりを変えていく」をビジョンに掲げ、ブロックチェーン技術を活用し、企業のWeb3事業を支援するWeb3 Development Companyです。エンタープライズ向けにより早く、より安全に、より費用対効果が高いブロックチェーン活用を実現するインフラを提供しています。特にウォレットやノードの分野で国内トップの提供実績を誇ります。
所在地 : 〒104-0032 東京都中央区八丁堀3丁目27番4号
代表者 : 代表取締役 森川 夢佑斗
設立 : 2017年12月21日
本協業による具体的なサービスの1つとして、日本がトークン(暗号資産)発行市場として健全かつ魅力的な環境となることを目的に、トークン発行体にとって適切な税制の適用と機関投資家によるトークン投資が可能なスキームの実現を図ります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/36656/95/resize/d36656-95-c6f86127670a2a07f318-0.png ]
背景と目的
三菱UFJ信託銀行では、デジタルアセット全般の発行・管理基盤である「Progmat(プログマ)」の開発に先駆けて、「仮想通貨(当時)」に係る規制を定めた資金決済法の施行(2017年4月)に合わせ、暗号資産を対象とした信託サービスについて具体化し、特許*1を2件取得しています。
2018年に発生した流出事件を契機とした一連の規制強化により、信託銀行を含む銀行本体では暗号資産を対象とした業務を行うことは禁止され、信託銀行における暗号資産の信託についても提供できない状況が続いていました。
海外では、機関投資家を対象とした暗号資産のカストディ(預り)サービス提供が開始されていく中、2022年10月施行の「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行規則(以下、兼営法施行規則)」改正により、日本においても信託銀行本体によるカストディ業務提供が可能になりました。
併せて、トークン(暗号資産)を自ら発行し保有する法人について、当該トークン(暗号資産)に係る期末時価評価および未実現利益に対する課税の虞があった日本特有の市場環境に対し、トークン発行体の海外流出を防ぐ観点から、2022年12月に閣議決定された「税制改正の大綱」及び2023年6月国税庁発出の「法令解釈通達」により、一定の要件を満たす信託の信託財産となっている暗号資産について、期末時価評価の対象から外れることが確定しています。
Gincoでは、Web3産業が発展するには、法人・個人を問わず誰もが安心安全にデジタルアセットを利用できる環境を整備する必要があるとの課題認識のもと、デジタルアセットを取り扱う企業向けにWeb3のインフラを提供してきました。
特に暗号資産交換業者など金融機関が利用する業務用暗号資産ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」は国内トップの導入シェアを誇ります。(2022年 Ginco調べ)。
本協業は、こうした市場環境の着実な整備に呼応し、約6年前より本領域における信託サービス提供に向けた調整を続けてきた三菱UFJ信託銀行と、国内導入シェアNo.1の業務用暗号資産ウォレットを提供するGincoとの協業により、トークン発行体にとって適切な税制の適用と、機関投資家によるトークン投資が可能なスキームを提供することで、日本がトークン発行市場として健全かつ魅力的な環境となることを目的としています。
各社の役割分担
本協業における、三菱UFJ信託銀行とGincoの役割分担は以下のとおりです。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/36656/table/95_1_d44e6fc2c9dab52501e9a05ce67a1f2a.jpg ]
3.想定スキーム概要とポイント
スキームとして、以下のように想定しています。
(1) トークン発行体用暗号資産信託(川上信託)
【委託者】 トークン発行体
【受託者】 三菱UFJ信託銀行
【信託財産】 トークン発行体が新たに発行し自ら保有するトークン(暗号資産)
【受益者】 トークン発行体
【メリット】 トークン発行体は、自社保有期間中に期末時価評価対象外の適用を受けつつ、
川下信託へ円滑に移行できることで、機関投資家を誘引できる
(2) 機関投資家用暗号資産信託(川下信託)
【委託者】 トークン発行体
【受託者】 三菱UFJ信託銀行
【信託財産】 機関投資家に帰属する、ベスティング(権利確定)後のトークン(暗号資産)
【受益者】 トークン投資を行い権利が確定した機関投資家
【メリット】 機関投資家は、トークン(暗号資産)を直接保有/管理せず、投資可能になる*2
今後の予定
2023年度中の商用化を目標に、以下の関係者が共同検討に参加し、必要な関係当局との手続完了及び対象となるトークンのベスティング(権利確定)に合わせた社会実装を目指します。
<共同検討参加者>
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/36656/table/95_2_e6a94410d06c59ada16cb16bbef7da67.jpg ]
*1-1 「仮想通貨保全システム」(出願受付:2017年12月11日、文献番号:特開2019-105903)
*1-2 「仮想通貨クリアリングシステム」(出願受付:2018年4月24日、文献番号:特開2019-191876)
*2 投資事業有限責任組合の投資対象は、株式、新株予約権、社債、貸付債権、匿名組合出資、工業的所有権、投資事業有限責任組合出資等と定義され、信託受益権ではなく暗号資産そのものを主な投資対象とすることは出来ないと考えられる(投資事業有限責任組合法3条1項)
[画像2: https://prtimes.jp/i/36656/95/resize/d36656-95-823c6083ddebd3450816-1.png ]
◆三菱UFJ信託銀行株式会社について
所在地 : 〒100-8212 東京都千代田区丸の内1丁目4番5号
代表者 : 取締役社長 長島 巌
設立 : 1927年3月10日
URL : https://www.tr.mufg.jp/
◆三菱UFJ信託銀行の「デジタルアセット事業全体像」と本件の位置づけについて
[画像3: https://prtimes.jp/i/36656/95/resize/d36656-95-dbccfd408ce5423a54d6-2.png ]
◆株式会社Gincoについて
Gincoは、「経済のめぐりを変えていく」をビジョンに掲げ、ブロックチェーン技術を活用し、企業のWeb3事業を支援するWeb3 Development Companyです。エンタープライズ向けにより早く、より安全に、より費用対効果が高いブロックチェーン活用を実現するインフラを提供しています。特にウォレットやノードの分野で国内トップの提供実績を誇ります。
所在地 : 〒104-0032 東京都中央区八丁堀3丁目27番4号
代表者 : 代表取締役 森川 夢佑斗
設立 : 2017年12月21日