高校の探究学習「必修化」から2年、校内組織の設置が8割にのぼるも、教員の9割が依然「課題を感じる」。全国教員向け調査
[24/05/31]
提供元:PRTIMES
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認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美 以下、NPOカタリバ)は、日本全国の教育支援団体や学校と連携し、実践型探究学習「全国高校生マイプロジェクト」の推進に取り組んでいます。2023年12月から2024年1月にかけて、各学校で生徒たちの探究学習をサポートしている高校教員340名を対象に、探究学習に感じている課題などについてのアンケート調査を実施しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-5fe1b0e227cc201ae2fb-0.png ]
このアンケート調査からわかること
●探究学習を推進する校内組織の設置は8割超に
●しかし探究推進担当の9割超が依然「課題を感じている」
●課題と感じていることTOP3は「授業案やカリキュラムの設計」「調べ学習で終わってしまう」「校内で探究学習への理解が広がらない」
●コーディネーター配置や学校風土の醸成に取り組む学校ほど、教員の課題感が低い傾向にある
必修化から2年経ち、探究を推進する組織の設置は8割超
2022年度から高等学校では「総合的な探究の時間」が必修科目となり、そこから2年の月日が経過しました。今回のアンケート調査では、探究学習に取り組む学校の82%が探究学習カリキュラムの企画や開発、推進を統括する組織が校内に設置されていると回答。探究学習の推進を組織的に行おうと試みる学校がある程度増えてきたことがわかりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-5d3166caee4fe4b92445-0.png ]
(n=340/単一回答)
一方で依然9割超が「課題を感じている」結果に。特に「授業案やカリキュラムの設計」「調べ学習で終わってしまう」などが課題
校内組織が設置されている学校であっても、教職員間の思いや認識に差がある等、運用についての課題感を挙げる声も多く寄せられています。前述のように、学校の中で探究学習を推進する組織が出来たとしても、探究学習の推進を担当している教員や生徒伴走にあたっている教員の約92%が、探究学習の推進に関して「課題を感じている」と回答しました(「とても感じている」「まあ感じている」の合計)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-29bfaa2abe9ee234eb45-0.png ]
(n=340/単一回答)
課題だと感じていることの具体例としては「授業案やカリキュラムの設計」「調べ学習で終わってしまう」「校内で探究学習への理解が広がらない」への回答が多く見られています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-46176178f3e084b4304b-0.png ]
(n=340/複数回答)
また、自由記述の欄では以下のような声が聞こえてきました。
▼回答した教員の声(一部抜粋)
・教職員間における探究学習に対する指導の考え方が異なったり、熱量に差があったりする
・探究活動について他の校務分掌と揉めることがある
・少数の意識の高い教員がやっているだけの状態
外部人材の活用や探究学習を推進する風土がある学校ほど、教員の課題感が低い傾向
今回の調査では、「コーディネーターなど外部人材の配置」、「活動の浸透や文化づくりを目指した校内風土の醸成」の2つの取り組みが進んでいる学校において、教員の課題感が低い傾向にあることがわかりました。(*1)
コーディネーターの配置は35%ほどでしたが、配置している学校ほど教員の課題感がやや低い傾向にあり、特に、コーディネーターが配置されていない学校と比べて、強い課題感を感じている教員の割合は約17%少ないことがわかります。一方、コーディネーターが配置されていない学校の教員は、「とても感じている」と答えた割合が51%、「まあ感じている」と答えた割合が43%で、より多くの教員が探究学習における課題を感じている可能性があります。
*1 統計的に有意
[画像5: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-5fe1b0e227cc201ae2fb-0.png ]
また、探究学習の表彰や活動の掲示など、活動の浸透や文化づくりを目指した「校内風土の醸成」に取り組んでいるほど、教員の課題感が低く、探究学習を進めやすい傾向にあることも明らかに。(n=340/単一回答)外部の人材の活用、校内全体で探究学習の推進に取り組む風土が重要であるという傾向が見えてきました。
教員チームで取り組むカリキュラム開発研修「探究スタートアップラボ」始動
[画像6: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-47470f7ab0aeb7499cb3-0.png ]
このような課題を解決すべく、この度全国の高等学校を対象に「総合的な探究の時間」のカリキュラム開発研修「探究スタートアップラボ」の参加校を募集いたします。
年3回の対面研修を中心とした年間を通じた伴走プログラムです。
大きな特徴として、以下の3つが挙げられます。
1.各校3名程度のチームで参加し、自走できる組織的な推進を目指す
2.先進校フィールドワークを通じて、知見やノウハウを効率的に学ぶ
3.アクションプランを自校に持ち帰り、実際に改善実践に取り組む
[画像7: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-85dedfeba0504bcf9679-0.png ]
▼詳細は以下のページよりご確認ください
https://myprojects.jp/news/18788/
▼資料請求・説明会申込はこちらから
資料請求と説明会参加の申込を開始しました。
以下のフォームよりお申し込みいただけます。
https://forms.gle/rvWukYr3jTAXsRed7
全国の高校生に主体的な学びを届ける「マイプロジェクト」、2024年度パートナー校募集&探究イベントを開催
[画像8: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-ea853dc3884faa61ba0c-0.jpg ]
カタリバでは、2013年から「全国高校生マイプロジェクト」を推進してきました。マイプロジェクトは、生徒たちが身の回りの課題や自分自身の関心ごとをテーマにプロジェクトを立ち上げ地域社会と連携して実践を重ねながら学びを深めていく”実践型”の探究学習で、現在では全国803団体(うち高校は627校)と連携し、約10万人の生徒たちに探究学習を届けています。
また「学校パートナー」という制度を設け、探究学習の推進に課題を抱えている先生方に役立つ教材や、他地域の取り組みを知り先生同士がつながる事例勉強会などを提供しています。今年度の申し込みを受け付けていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
▼パートナー登録の詳細・申し込みはこちらから
https://myprojects.jp/partner/
▼教材コンテンツ一例
探究学習・マイプロジェクトの導入教材「ちょこプロ」の無料提供
3月23日(土)・24日(日)には、全国でマイプロジェクトに取り組む高校生たちが集う「全国高校生マイプロジェクトアワード2023全国Summit」を開催しました。「マイプロジェクト」に取り組む全国の高校生のロールモデルとなるプロジェクトを選出・表彰する日本最大規模の学びの祭典です。2023年度は、全国から2,600プロジェクト(6.826名)がエントリー、そこから選ばれた48プロジェクトが集い、探究活動に関する発表と交流を行いました。
▼全国高校生マイプロジェクトアワード2023アーカイブ視聴申し込みはこちらから
下記サイトからご登録いただくと、アーカイブ動画をご覧いただくことができます。
https://myprojects-join.jp/cheer/viewing2023
調査概要
調査テーマ:探究学習の推進における課題
調査方法:インターネットでのアンケート調査
調査地域:日本全国
対象者:全国高校生マイプロジェクトを自校で推進した全国の教員340名
実施期間:2023年12月13日〜2024年1月31日
認定特定非営利活動法人カタリバ
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 : 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/家庭の事情で居場所を求めている子どもに対する支援(東京都足立区)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL : https://www.katariba.or.jp/
問い合わせ
取材ご依頼に関する問い合せは下記フォームよりご登録ください。
https://www.katariba.or.jp/report/
(担当 カタリバ広報 山本)
[画像1: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-5fe1b0e227cc201ae2fb-0.png ]
このアンケート調査からわかること
●探究学習を推進する校内組織の設置は8割超に
●しかし探究推進担当の9割超が依然「課題を感じている」
●課題と感じていることTOP3は「授業案やカリキュラムの設計」「調べ学習で終わってしまう」「校内で探究学習への理解が広がらない」
●コーディネーター配置や学校風土の醸成に取り組む学校ほど、教員の課題感が低い傾向にある
必修化から2年経ち、探究を推進する組織の設置は8割超
2022年度から高等学校では「総合的な探究の時間」が必修科目となり、そこから2年の月日が経過しました。今回のアンケート調査では、探究学習に取り組む学校の82%が探究学習カリキュラムの企画や開発、推進を統括する組織が校内に設置されていると回答。探究学習の推進を組織的に行おうと試みる学校がある程度増えてきたことがわかりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-5d3166caee4fe4b92445-0.png ]
(n=340/単一回答)
一方で依然9割超が「課題を感じている」結果に。特に「授業案やカリキュラムの設計」「調べ学習で終わってしまう」などが課題
校内組織が設置されている学校であっても、教職員間の思いや認識に差がある等、運用についての課題感を挙げる声も多く寄せられています。前述のように、学校の中で探究学習を推進する組織が出来たとしても、探究学習の推進を担当している教員や生徒伴走にあたっている教員の約92%が、探究学習の推進に関して「課題を感じている」と回答しました(「とても感じている」「まあ感じている」の合計)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-29bfaa2abe9ee234eb45-0.png ]
(n=340/単一回答)
課題だと感じていることの具体例としては「授業案やカリキュラムの設計」「調べ学習で終わってしまう」「校内で探究学習への理解が広がらない」への回答が多く見られています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-46176178f3e084b4304b-0.png ]
(n=340/複数回答)
また、自由記述の欄では以下のような声が聞こえてきました。
▼回答した教員の声(一部抜粋)
・教職員間における探究学習に対する指導の考え方が異なったり、熱量に差があったりする
・探究活動について他の校務分掌と揉めることがある
・少数の意識の高い教員がやっているだけの状態
外部人材の活用や探究学習を推進する風土がある学校ほど、教員の課題感が低い傾向
今回の調査では、「コーディネーターなど外部人材の配置」、「活動の浸透や文化づくりを目指した校内風土の醸成」の2つの取り組みが進んでいる学校において、教員の課題感が低い傾向にあることがわかりました。(*1)
コーディネーターの配置は35%ほどでしたが、配置している学校ほど教員の課題感がやや低い傾向にあり、特に、コーディネーターが配置されていない学校と比べて、強い課題感を感じている教員の割合は約17%少ないことがわかります。一方、コーディネーターが配置されていない学校の教員は、「とても感じている」と答えた割合が51%、「まあ感じている」と答えた割合が43%で、より多くの教員が探究学習における課題を感じている可能性があります。
*1 統計的に有意
[画像5: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-5fe1b0e227cc201ae2fb-0.png ]
また、探究学習の表彰や活動の掲示など、活動の浸透や文化づくりを目指した「校内風土の醸成」に取り組んでいるほど、教員の課題感が低く、探究学習を進めやすい傾向にあることも明らかに。(n=340/単一回答)外部の人材の活用、校内全体で探究学習の推進に取り組む風土が重要であるという傾向が見えてきました。
教員チームで取り組むカリキュラム開発研修「探究スタートアップラボ」始動
[画像6: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-47470f7ab0aeb7499cb3-0.png ]
このような課題を解決すべく、この度全国の高等学校を対象に「総合的な探究の時間」のカリキュラム開発研修「探究スタートアップラボ」の参加校を募集いたします。
年3回の対面研修を中心とした年間を通じた伴走プログラムです。
大きな特徴として、以下の3つが挙げられます。
1.各校3名程度のチームで参加し、自走できる組織的な推進を目指す
2.先進校フィールドワークを通じて、知見やノウハウを効率的に学ぶ
3.アクションプランを自校に持ち帰り、実際に改善実践に取り組む
[画像7: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-85dedfeba0504bcf9679-0.png ]
▼詳細は以下のページよりご確認ください
https://myprojects.jp/news/18788/
▼資料請求・説明会申込はこちらから
資料請求と説明会参加の申込を開始しました。
以下のフォームよりお申し込みいただけます。
https://forms.gle/rvWukYr3jTAXsRed7
全国の高校生に主体的な学びを届ける「マイプロジェクト」、2024年度パートナー校募集&探究イベントを開催
[画像8: https://prtimes.jp/i/60187/95/resize/d60187-95-ea853dc3884faa61ba0c-0.jpg ]
カタリバでは、2013年から「全国高校生マイプロジェクト」を推進してきました。マイプロジェクトは、生徒たちが身の回りの課題や自分自身の関心ごとをテーマにプロジェクトを立ち上げ地域社会と連携して実践を重ねながら学びを深めていく”実践型”の探究学習で、現在では全国803団体(うち高校は627校)と連携し、約10万人の生徒たちに探究学習を届けています。
また「学校パートナー」という制度を設け、探究学習の推進に課題を抱えている先生方に役立つ教材や、他地域の取り組みを知り先生同士がつながる事例勉強会などを提供しています。今年度の申し込みを受け付けていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
▼パートナー登録の詳細・申し込みはこちらから
https://myprojects.jp/partner/
▼教材コンテンツ一例
探究学習・マイプロジェクトの導入教材「ちょこプロ」の無料提供
3月23日(土)・24日(日)には、全国でマイプロジェクトに取り組む高校生たちが集う「全国高校生マイプロジェクトアワード2023全国Summit」を開催しました。「マイプロジェクト」に取り組む全国の高校生のロールモデルとなるプロジェクトを選出・表彰する日本最大規模の学びの祭典です。2023年度は、全国から2,600プロジェクト(6.826名)がエントリー、そこから選ばれた48プロジェクトが集い、探究活動に関する発表と交流を行いました。
▼全国高校生マイプロジェクトアワード2023アーカイブ視聴申し込みはこちらから
下記サイトからご登録いただくと、アーカイブ動画をご覧いただくことができます。
https://myprojects-join.jp/cheer/viewing2023
調査概要
調査テーマ:探究学習の推進における課題
調査方法:インターネットでのアンケート調査
調査地域:日本全国
対象者:全国高校生マイプロジェクトを自校で推進した全国の教員340名
実施期間:2023年12月13日〜2024年1月31日
認定特定非営利活動法人カタリバ
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 : 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/家庭の事情で居場所を求めている子どもに対する支援(東京都足立区)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL : https://www.katariba.or.jp/
問い合わせ
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https://www.katariba.or.jp/report/
(担当 カタリバ広報 山本)