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カルピス社の“心の健康”研究 進捗報告 「カルピス」を親子で一緒につくって(*1)飲む体験が親子のコミュニケーションを生み出し 子どものすこやかな心の成長に貢献することを確認

日本発達心理学会第26回大会(3月20〜22日/東京)にて発表




 カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:岸上克彦)発酵応用研究所は、白百合女子大学との共同研究により、希釈して飲む「カルピス」を親子で一緒につくって飲む体験が、親子のコミュニケーションを生み出し、子どもが自分で考えて取り組む力や、思いやりの心を育むことを見出し、この研究結果を日本発達心理学会第26回大会(2015年3月20〜22日)で発表しました。


【背景】
 カルピス社では、心とからだの健康に役立つ商品・技術を提供することを目指し、乳酸菌など微生物の研究とともに、「カルピス」をつくって飲むことの心理面への影響についても、さまざまな観点から研究(*2)をおこなっています。近年わが国では、地域コミュニティの希薄化や核家族化、女性の社会進出により地域や家庭の子育て機能が低下しており、育児に不安を感じる方が増加していると言われています。当社ではその一助となることをめざし、「カルピス」を親子で一緒につくって飲むことの心理への影響について研究に取り組みました。今回、白百合女子大学との共同研究により、“幼児期と児童期のお子様をもつ親子が「カルピス」を一緒につくって飲む様子”について観察し、その特徴を把握することで、子の成長にどのように繋がるかを検証しました。また、“親子が一緒に行うほかの活動(調理、お絵かき・工作)における特徴”と比較しました。


[画像1: http://prtimes.jp/i/8407/97/resize/d8407-97-640959-0.jpg ]

【調査概要】
1.「カルピス」を親子で一緒につくって飲む場面の観察調査
対象者:3歳児〜小学5年生の母子(16組)
方法:「カルピス」を親子で一緒につくって飲む場面を3回分撮影したビデオから、親子の行動を分析した。
※評価項目は参考資料を参照

2.親子が一緒に行うほかの活動場面との比較に関する質問紙調査(*3)
対象者:この1年間に親子で「カルピス」をよくつくっている4歳児〜小学2年生のお子様をもつ母親(286名)
方法:上記1の調査で評価した行動についての質問紙調査を行い、場面間(※)で比較した。
※「カルピス」を親子でつくって飲む場面と、そのほかの活動場面
有効回答数/「カルピス」体験:286件、調理:196件、お絵かき・工作:286件


【結果】
1.観察調査結果
「カルピス」を親子で一緒につくって飲む体験を通じて、親子の豊かなコミュニケーションが生まれ、子が自分で考えて取り組むように成長することが明らかとなりました。

<親の特徴>
子の様子に応じた働きかけ(アドバイスや見守り)を頻繁に行う。

<子の特徴>
1.「カルピス」をつくることを任されたことがうれしく、集中して取り組む。
2. 親のアドバイスを聞きながらも、次第に自分で考えながら上手につくれるようになり、味や濃さなどを自分なりに表現する。
[画像2: http://prtimes.jp/i/8407/97/resize/d8407-97-666237-1.jpg ]

2.質問紙調査結果
親子で一緒に行う調理、お絵かき・工作と比べ、「カルピス」を親子で一緒につくって飲む活動は、子が自分で考える力や、人を思いやる心を育む上で優れていることを示唆する結果が得られました。

[画像3: http://prtimes.jp/i/8407/97/resize/d8407-97-671739-2.jpg ]

[画像4: http://prtimes.jp/i/8407/97/resize/d8407-97-277939-3.jpg ]



※グラフのスコアは、1から4までの区分による回答の平均値
(1:まったくそうではない、2:あまりそうではない、3:ややそうだ、4:とてもそうだ)


【考察】
 「カルピス」を親子で一緒につくって飲む体験は、親子のコミュニケーションを生み出し、子が自分で考える力や、人につくってあげることを通じて人を思いやる心を育み、心を健全に成長・発達させる要となる思考力や、社会力・情動力(*4)の発達を促す機会になることが示唆されました。
 これは、「カルピス」をつくることが、簡便かつ安全で、子に任せやすい調理活動のひとつであるため、親が見守り、子が自分なりに考えて取り組むという思考力を促す機会になったと考えられます。また、簡便である一方で、濃さを調整するなどの適度な難しさがあるからこそ、親に教わりながら、集中して取り組み、次第に自分の力でできるようになる達成感を得られる活動であると考えられます。こうした子の成長が、親と子の笑顔や嬉しさ・満足感につながることも明らかとなりました。
 カルピス社では今後も、子どものすこやかな心の健康を願い、研究に取り組んでまいります。


【共同研究者のコメント】

白百合女子大学文学部教授・生涯発達研究教育センター所長
田島 信元 氏

子どもの自立を育む優良活動
 子どもの思考力や社会力・情動力の結晶である自立的行動の達成は究極の子育ての目標です。しかし、子どもは初めから自立はできません。最初は親と一緒に活動したがります。しかし、受け入れられて、面倒を見てもらってできたことは必ず、自立的にやりたがるようになっていきます。そして、自分が親やきょうだい、友だちなどにやってあげられるとき、子どもの経験は確実に身についていくのです。そして、同時に湧きあがる達成感、無上の喜びと自分をほめてあげたくなる自尊感情の高まりを通じて、次の新しい活動への積極的な意欲がわいてくるのです。
 以上のようなことをデータで示唆してくれたカルピス株式会社発酵応用研究所の研究結果から、「カルピス」を親子で共同作製・飲用する体験は、子どもが気軽に手を出せ、親も安心して任せられる側面がありながら、科学的・論理的活動である調理活動の側面もしっかりもっており、子どもの成長・発達に貢献できる優れた活動だといえます。日頃、幼児・児童の成長・発達を育んでおられる保護者の皆様に是非とも実践していただきたい活動として強くご推薦申し上げる次第です。


【用語説明】
*1 つくる
ここでは、希釈して飲むタイプの「カルピス」を水などで割ることを“つくる”と表現しています。

*2 過去の研究発表
カルピス社が行ってきた“心の健康”に関する研究について過去に学会発表およびニュースリリースを行いました。ニュースリリースは以下の通りです。
・2012年5月「家族や友人と一緒に「カルピス」を作る経験がすこやかな心の成長に貢献することが示唆されました」
http://www.calpis.co.jp/corporate/press/nrl_00026.html

*3 質問紙調査
心理学研究における定量調査の手段の一つ。本研究では、観察調査で得られたやりとりや行動の特徴をもとに質問項目を作成しました。

*4 社会力・情動力
子どもが成長する過程で獲得する能力。対人関係能力、コミュニケーション能力、思いやり、自己コントロール能力を含む総合的な力を表しています。


<本件に関するお問い合わせ先>
アサヒグループホールディングス株式会社 広報部門 電話:03-5608-5126

<お客様からのお問い合わせ先>
カルピス株式会社 お客様相談室 フリーダイヤル:0120-378090


「カルピス」は、カルピス株式会社の登録商標です。
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