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ミツバチ産品の新たな抗アレルギー効果を発見

〜食物アレルギー治療薬開発への貢献に期待〜

ポイント
・ミツバチ産品であるプロポリスの好塩基球活性化に対する影響を解析。
・プロポリスはIgEを介した好塩基球活性化反応及び腸管アナフィラキシー反応を抑制。
・食物アレルギーに対する新しい治療薬開発に期待。




概要 
 北海道大学大学院薬学研究院の柏倉淳一講師及び松田正教授らの研究グループは,ミツバチ産品プロポリスがIgE*1に依存した好塩基球*2の活性化反応を抑制することを見出しました。
食物アレルギーは食物抗原の摂取により引き起こされるアナフィラキシー反応であり,時に死に至る非常に危険なアレルギー反応です。現在のところ,根治療法が存在しないため原因食物の除去による対処が一般的であり,患者の生活の質の低下や成長不全が問題になっていることから,食物アレルギーの発症機序や重症化のより詳細な解明が必要とされています。
 好塩基球は白血球の一つで,アレルギー反応に関わることが知られています。特に,食物アレルギー発症や重症化への好塩基球の関与が示されており,新たな好塩基球活性化制御物質の発見は,食物アレルギー患者に対する,新規治療薬開発につながると考えられています。
 今回研究グループは,ミツバチ産品の一つであるプロポリスが,好塩基球の活性化を抑制し食物アレルギー反応を抑えることを見出しました。プロポリスを好塩基球に添加し,活性化の変化を観察したところ,IgE依存性のサイトカイン*3産生が減少しました。また,プロポリスを投与したマウスでは,食物アレルギー反応の重症化が大幅に抑制されました。本研究は,好塩基球を標的細胞として,食物アレルギー反応に対してプロポリスが作用することを発見したものであり,食物アレルギー疾患への新たな治療薬開発に繋がります。
 なお,本研究成果は2020年12月2日(水)公開のAllergology International誌に掲載されました。
 また,本研究は予防医学の観点からミツバチ産品(ローヤルゼリー,プロポリスなど)をはじめとする天然素材で健康を守る研究に取り組む山田養蜂場みつばち研究助成基金の支援を受け行われました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/30748/108/resize/d30748-108-857611-0.jpg ]

【背景】
 食物アレルギーは,食物抗原の摂取により引き起こされるアナフィラキシー反応であり,時に死に至る危険なアレルギー反応です。現在,乳幼児の10人に1人が食物アレルギーを患っていると言われており,主な原因食物は,小児患者では卵・牛乳・小麦,成人患者ではそばや甲殻類です。現在のところ,根治療法が存在せず一般的には原因食物を避けるしか手段ないため,詳細な発症機序の解明や新たな治療薬の開発が必要です。
 好塩基球は白血球の一つで,全白血球の0.5〜1%と言われています。細胞表面に高親和性IgE受容体(FcεRI)*4を発現し,FcεRIを介して活性化されると,化学伝達物質やサイトカインを放出・産生し,アレルギー炎症反応を引き起こします。近年,好塩基球と食物アレルギーとの関連性が報告されており,好塩基球活性化の抑制は食物アレルギー疾患の治療につながると考えられています。
 プロポリスはミツバチ産品の一つで,植物の新芽や樹脂を原料にして作られる天然の抗菌物質です。主な成分は,アルテピリンCやバッカリンなどの桂皮酸誘導体や,ケンフェライドなどのフラボノイドです。先行研究成果から,ブラジル産プロポリスまたはその含有成分が,マスト細胞*5の活性化及びマスト細胞が関わる花粉症の症状を抑制することが明らかとなっています。しかし,好塩基球に対する効果,さらには好塩基球が病態形成に関わる食物アレルギーへの影響については不明でした。
 そこで研究グループは,IgE依存性好塩基球活性化反応及び食物アレルギーに対して,プロポリスがどのように影響するかを調べました。

【研究手法】
 本研究では,骨髄細胞を用いて試験管内で骨髄由来培養好塩基球(BMBs)を作製し,好塩基球の活性化反応に対するプロポリスの効果を調べました。また,マウスにプロポリスを投与した後,抗原誘導性皮膚炎症反応及び腸管アナフィラキシー反応を観察し,生体内評価を行いました。

【研究成果】
 初めに,BMBsを用いてIgE依存的活性化反応に対するプロポリスの効果を調べました。BMBsを抗原で刺激する際,プロポリスを加えると(プロポリス処理),IL-4*6などのサイトカイン産生量が加えない群(未処理群)と比較して減少しました(図1)。さらに,分子の活性化の程度を比較したところ,プロポリスを予め加えておいたBMBsの方が,加えていないBMBsよりも抗原刺激後の様々な分子の活性化状態が抑制されていました。
 次に,生体内での好塩基球活性化反応に対するプロポリスの抑制効果を調べました。初めに,マウスへのプロポリス投与による血中好塩基球数への影響を調べましたが,変化は観察されず,プロポリスは好塩基球維持には影響を与えないことがわかりました。そこで,次に生体内IgE依存性好塩基球活性化に対するプロポリスの効果を解析したところ,プロポリス投与マウスではIgE依存性慢性皮膚アレルギー反応(好塩基球が必要なアレルギー反応)が未投与マウスと比較して抑制されていました。また,活性化に伴い観察される皮膚組織への好塩基球浸潤の抑制も見られました。
 最後に,プロポリスが好塩基球活性化を抑制することで,果たして食物アレルギー反応を抑制できるか調べました。抗原に反応できるようにしたマウスの胃に直接抗原を投与すると,腸管アナフィラキシー反応(食物アレルギーの指標の一つ)が観察されます。このマウスに予めプロポリスを服用させておくと,食物アレルギー症状の軽減が見られました(図2)。また,食物アレルギー反応減弱に伴い,食物アレルギー反応時に増加する血中Mcpt-1*7量の低下も見られました。さらに,プロポリスを服用させたマウスでは腸管でのIL-4発現量の低下も観察され,プロポリスが生体内好塩基球活性化を抑制することで,食物アレルギー症状を軽減させていることが示唆されました。

【今後への期待】
 本研究で,プロポリスが好塩基球活性化及びそれに伴うアレルギー炎症を抑えることが明らかになりました。今後,プロポリスに含まれるどの成分がこれらの反応を抑制するかが明らかになれば,食物アレルギーの新たな治療戦略開発が発展すると期待されます。

論文情報
論文名 Propolis suppresses cytokine production in activated basophils and basophil-mediated skin and intestinal allergic inflammation in mice
(プロポリスは活性化好塩基球のサイトカイン産生及び好塩基球を介したマウス皮膚及び腸管アレルギー炎症を抑制する)
著者名 柏倉淳一1,吉原真梨1,齋藤浩大1,篭橋広太1,佐々木悠斗1,小林風輝1,稲垣伊織1,鍛代悠一1,室本竜太1,松田正1(1北海道大学大学院薬学研究院)
雑誌名 Allergology International(アレルギーの専門誌)
DOI 10.1016/j.alit.2020.11.005
公表日 2020年12月2日(水)(オンライン公開)

【用語解説】
*1 IgE … 免疫グロブリンの一つで,アレルギーに関わる分子。1966年に石坂公成博士らにより発見。
*2 好塩基球 … 血液中に存在する顆粒球の一種。細胞の表面に細胞とIgEを接続する役目を果たす 高親和性IgE受容体を発現し,IgE依存性アレルギー反応に関わる。
*3 サイトカイン … 細胞から分泌される液性タンパク質で,様々な生理活性作用を有する。
*4 高親和性IgE受容体(FcεRI) … IgEが結合する受容体で,好塩基球やマスト細胞の細胞表面に発現する。
*5 マスト細胞 … 好塩基球と同様,細胞表面に高親和性IgE受容体を発現し,IgE依存性アレルギー反応,特に即時型アナフィラキシー反応に関わる細胞。
*6 IL-4 … サイトカインの一種で好塩基球やT細胞から分泌されるタンパク質であり,アレルギー反応の形成に重要な役割を果たす。
*7 Mcpt-1 … マスト細胞で発現するタンパク質分解酵素。アナフィラキシー反応時にマスト細胞から放出される。

【参考図】

[画像2: https://prtimes.jp/i/30748/108/resize/d30748-108-580242-1.jpg ]

図1.好塩基球サイトカイン産生に対するプロポリスの影響。好塩基球をIgE及び抗原で刺激し,様々な種類のサイトカイン産生を解析。何も処理していない好塩基球(未処置)では,様々なサイトカインが多量に産生。一方,プロポリスを処理した好塩基球では,サイトカイン産生が低下。

[画像3: https://prtimes.jp/i/30748/108/resize/d30748-108-744836-2.jpg ]

図2.食物アレルギー反応に対するプロポリスの影響。食物抗原に反応するマウスを作製。何も処置しないマウス(未処置)に食物抗原を投与すると,食物アレルギーを発症する(上段)。しかし,プロポリスを予め投与したマウス(プロポリス処置)では,食物アレルギー症状が軽減(下段)。
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