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ヴォルフガング・ティルマンス《静物、ボーン・エステート》など10作品、草間彌生《ベッド、水玉強迫》を新収蔵

次回展「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展で初公開

ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)は、《静物、ボーン・エステート》を含むヴォルフガング・ティルマンスの写真作品全10点と、草間彌生の立体作品《ベッド、水玉強迫》を新たに収蔵しました。




ヴォルフガング・ティルマンスは、デビュー当時から今日に至るまで、写真表現の可能性を更新し続ける、現代を代表するアーティストです。生活を営む部屋や、制作現場となるアトリエの窓から射し込む光の様相をとらえた今回の新収蔵作品は、作家のキャリアにおいても重要な位置を占めるだけではなく、光にまつわる従来のコレクションにも新たな広がりをもたらすものです。

日本を代表するアーティストである草間彌生は、半世紀以上に渡って国際的なアートシーンの第一線で活躍を続けています。当館では、ベルト・モリゾや田中敦子、ヘレン・フランケンサーラ―、ブリジット・ライリーなどの作品を近年収蔵しましたが、近代以降の女性アーティストたちの表現を辿るという観点においても、本作品は重要な役割を担うことになります。

これらの新収蔵作品は、2023年1月開幕の「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展(1月28日〜7月2日)にて初公開します。

■ヴォルフガング・ティルマンスの写真作品について

[画像1: https://prtimes.jp/i/26617/112/resize/d26617-112-b82c6d558a44208d7bee-0.jpg ]

ドイツ出身の写真家であるティルマンスは、1990年代に『i-D』をはじめとする雑誌に掲載された自らを取り巻く日常を捉えた作品で脚光を浴びて以来、写真の新たな可能性に挑みながら第一線での活動を続けています。私的な世界を撮影した日記のような写真の舞台としてしばしば登場するのが、彼自身が拠点とした住居やアトリエです。日々の生活のなかで生み出された、ニューヨークやロンドン、そしてドイツの各地の室内を撮影した作品には、ティルマンスが日常に向けた親密なまなざしが反映されています。

写真の新たな表現を開拓してやまないティルマンスの新収蔵作品は10点におよび、フィルムで撮影された過去の作品からデジタル撮影に至る近年の作品まで、稀代の写真家による創造の軌跡の一端を辿ることができます。

■草間彌生《ベッド、水玉強迫》について

[画像2: https://prtimes.jp/i/26617/112/resize/d26617-112-2ab57569806f5ad36468-1.jpg ]


ベッドの形状をした本作品は、白地に赤の斑点が無数にプリントされた布地で覆われていて、その内側には同じ装飾の施された大小さまざまな突起物が密生しています。「Bed」の名を冠した草間の作品は、パリのポンピドゥー・センターに所蔵されている《My Flower Bed》(1962 年)と、その発表から40年を経て制作された本作品の 2点のみであり、今回の展覧会は本作品を国内で初めて公開する機会となります。

1958 年、単身ニューヨークに渡った草間の多様な作品群に共通するのは、ひとつの要素を反復し、増殖させ、ある集積を形づくるという方法です。その背景には幼少期からの幻視・幻聴の体験が横たわっており、作品の制作はそれを乗り越えるための行為の反復とも言えるでしょう。

しかし、それは決して機械的な反復ではなく、網の目や水玉模様を描き、布製の突起物をつくる果てしない作業の連続は、やがてその一つひとつに微細な差異を生み、結果として、有機的で変化に富む類型化されない豊かな表情を作り出します。

【展覧会概要】
■部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで

[画像3: https://prtimes.jp/i/26617/112/resize/d26617-112-9580d5f763dfe84e7e84-3.jpg ]


パンデミック以降、私たちの生活様式は大きく変化しました。移動が制限された状況で誰もが多くの時間を過ごしたのが、「部屋」という空間です。安心をもたらす室内での生活は、外の世界からの隔絶がゆえに閉塞感と隣り合わせのものでした。他方、閉じられた空間で紡がれた親しい人たちやかけがえのないものとの関係は、日常を生き抜くためだけではなく、変化の乏しい生活に彩りを添えるのに、欠かせないものであったと言えるでしょう。

本展覧会では、19世紀から現代に至るまでの、部屋にまつわる表現に特徴のある作家を取り上げ、この小さな世界のなかで織りなされる親密な記憶や夢想のありようを、あらためて見つめ直します。個性にあふれた作家たちによる多彩な室内の表現は、ステイホームの経験を通じて静かに変容した私たちの心のなかで、新たな像を結び始めるでしょう。

会期:2023年1月28日(土)– 2023年7月2日(日)会期中無休
会場:ポーラ美術館 展示室1, 3
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
出品作家:ベルト・モリゾ、ヴィルヘルム・ハマスホイ、ピエール・ボナール、エドゥアール・ヴュイヤール、アンリ・マティス、草間彌生、ヴォルフガング・ティルマンス、高田安規子・政子、佐藤翠+守山友一朗
展覧会HP:https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20230128c01/


■ポーラ美術館について

[画像4: https://prtimes.jp/i/26617/112/resize/d26617-112-1f982fb3d91fb356ef44-4.jpg ]

2002 年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに神奈川県箱根町に開館。印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催する一方で、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品も展示し、同時代の表現へと展望を拡げている。富士箱根伊豆国立公園という立地を生かした森の遊歩道では四季折々の豊かな自然を楽しめる。

開館時間?午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日?会期中無休 ※悪天候による臨時休館あり
所在地?神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
T E L?0460-84-2111
入館料:大人¥1,800/シニア割引(65歳以上)¥1,600/大学・高校生¥1,300
中学生以下無料/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)¥1,000
※すべて税込 団体割引あり
公式HP:https://www.polamuseum.or.jp/
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