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国内初!*「UFC道路橋床版」への床版取替工事を1車線規制で実現




 鹿島(社長:天野裕正)は、「UFC※1道路橋床版」を幅員方向分割(2車線道路の場合1車線規制)で施工する「名神高速道路(特定更新等)河内橋他1橋床版取替工事」に導入しました。高速道路本線の床版取替工事において、幅員方向分割でUFC道路橋床版を導入したのは国内で初めてです。車両の通行が可能な幅員方向分割の施工としたことで、工事に伴う交通規制等によるソーシャルロスを低減することができました。
*2024年12月 日本国内における「幅員方向分割でのUFC道路橋床版取替工事」として 当社調べ
※1 超高強度繊維補強コンクリート(Ultra-high strength Fiber reinforced Concrete)
蒸気養生を行い、水結合材比が15%程度、圧縮強度が150N/mm2以上の極めて緻密な鋼繊維補強コンクリート

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/112/116603-112-ac7b5a99d1e665cc460f12e54ce8cc29-1064x862.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
リニューアル工事中の名神高速道路河内橋
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/112/116603-112-023a5bbbdbba8de3201a44c93096acd1-977x832.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
架設後のUFC道路橋床版

【開発の背景】
 主に高度経済成長期に整備された高速道路橋の床版取替工事では、劣化した既設の鉄筋コンクリート(RC)床版を、現行の設計基準を満足するプレストレストコンクリート(PC)床版に取り替える際、新設床版は既設床版と比べ厚く重くなるため、舗装の増厚による高さ調整や鋼桁補強等の工事が必要となる場合があります。この課題解決のため、当社は2011年から阪神高速道路株式会社と共同で、UFCを用いた道路橋床版の開発に取り組み、2018年には実工事に導入しました。
 しかし、これまで高速道路本線におけるUFC道路橋床版を導入した床版取替工事は、全断面取替(2車線道路の場合2車線規制)で行ったため、一時的な通行止めが必要でした。高速道路本線での通行止めは、一時的であっても利用者の交通の利便性低下といったソーシャルロスが大きいため、片側車線のみを規制しながら床版を取り替える、幅員方向分割での施工が求められています。

【UFC道路橋床版の特長】
 UFC道路橋床版は、当社らが開発したUFC「サクセム(R)」で製造したプレキャスト床版に、橋軸方向と直角方向の2方向にPC鋼材を配置し、高いレベルのプレストレスを導入します。これにより、薄肉で軽量ながら高い疲労耐久性を有する道路橋床版を実現しています。
 さらに、UFC道路橋床版はPC床版と比べて薄く軽いため、床版取替えに伴う道路面の高さ調整が不要なうえ、鋼桁の補強を最小限に抑えることができます。

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/112/116603-112-7e9b33ecc776954abd87f05786668f36-1709x592.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
UFC道路橋床版の概要

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/112/116603-112-703fabaf53a1bc06edbcfad505e00b5e-936x357.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
床版の厚さおよび重量の比較

【幅員方向分割施工を実現した技術】
 本工事では、一期工事で追越車線側の床版(一次床版)を、二期工事で走行車線側の床版(二次床版)を、どちらも片側1車線を通行させながら取替えを実施しました。
 一次床版と二次床版の接合部には定着突起を設けており、この接合部の縦目地にVFC※2を充填しPC鋼材を通して緊張することで、両床版を確実に一体化させます。通常は一次床版と二次床版の全幅員にわたりPC鋼材を配置しますが、小型の定着突起にPC鋼材を配置することで、UFC道路橋床版を厚くすることなく一体化でき、重量増加を最小限にすることができました。
※2 Very high strength Fiber reinforced Cementitious composites
場所打ちで施工し、水結合材比が15%程度、圧縮強度が120N/mm2以上で極めて緻密な繊維補強セメント系材料

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/112/116603-112-f1cb0bc8c7dde3417dd7d283d6c06e26-1999x751.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
UFC道路橋床版の架設と、床版に設けた定着突起

[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/112/116603-112-0aa132d4ebf824e22e3713ea7d460c56-2139x527.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
幅員方向分割施工および接合部のイメージ図

 本工事では、一期工事、二期工事ともに、上り線と下り線で同時にそれぞれ29.0m、11枚の床版を1日で架設しました。幅員方向分割で床版取替を実施したことにより、高速道路本線において車両通行止めをすることなく1車線規制のみで床版取替を完了させ、交通規制に伴うソーシャルロスを低減することができました。

【今後の展開】
 鹿島は今後、今回の工事で得られた知見を踏まえ、UFC道路橋床版を使った幅員方向分割取替の大規模リニューアル工事への導入拡大に向け、技術開発を進めてまいります。

【工事概要】
工事名称: 名神高速道路(特定更新等)河内橋他1橋床版取替工事
工事場所: 岐阜県不破郡関ケ原町(関ヶ原IC)〜滋賀県彦根市原町(彦根IC)
発注者 : 中日本高速道路株式会社 名古屋支社
施工者 : 鹿島建設株式会社
諸  元: 形式 鋼単純合成鈑桁 橋長 29.0m
工  期: 2023年4月〜2026年11月

(参考)
動画でみる鹿島の土木技術「リニューアル」
https://www.kajima.co.jp/tech/c_movies/index.html#anc_renewal

超高強度繊維補強コンクリート(UFC)を用いた軽量・高耐久な道路橋床版を開発
(2013年8月30日プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/201308/30c1-j.htm

「超高強度繊維補強コンクリート(UFC)道路橋床版」が土木学会技術評価証を取得
(2015年10月5日プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/201811/26c1-j.htm

国内初!「超高強度繊維補強コンクリート(UFC)道路橋床版」を適用
(2018 年11 月26 日プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/201811/26c1-j.htm

国内初!UFC道路橋床版を高速道路本線の床版取替工事に適用
(2021年5月19日プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/202105/19c1-j.htm
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