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エル・ニーニョ現象 アフリカ南部への影響が深刻に

ヨハネスブルグ発-アフリカ南部では、去年の不作の原因となった干ばつが未だに続いており、1400万人が飢餓に直面していると推定される深刻な事態に発展しています。




[画像: http://prtimes.jp/i/9064/125/resize/d9064-125-153558-1.jpg ]



エル・ニーニョ現象はアフリカ南部にさらに深刻な干ばつの被害をもたらし、今年収穫を迎える作物にすでに影響を及ぼしています。雨がほとんど降らず、短い植えつけ期が終わりを迎える中、今年の作柄も芳しくないと予想されています。

これから4月に収穫期を迎えるまでの時期は、備蓄が底を突き、食糧難に陥る人が大幅に増加すると見られます。特に、この地域の農業生産の大部分を担う小規模農家は大きな打撃を受けるとみられます。

ザンビア南部の干ばつ地帯の視察後、アーサリン・カズン国連WFP事務局長は、「ザンビア南部では、渇水の被害を受けた田畑や、2年連続の不規則降雨の影響に苦しむ農家に出会いました。ザンビアは、アフリカ南部最大の穀倉地帯の一つであり、この国の干ばつの影響は、ザンビア一国に留まらず、この地域のすべての国に影響を与えます。」と語りました。

日照りにより、昨年、この地域で最も甚大な被害を被ったのは、マラウイ(推定飢餓人口 280万人)、マダガスカル(推定飢餓人口190万人近く)、ジンバブエ(推定飢餓人口150万人)でした。ジンバブエでは深刻な不作となり、農作物の収穫が前年にくらべて半減しました。

レソトでは、人口の約3分の1にあたる65万人が食糧難に見舞われ、先月、政府が干ばつによる緊急事態を宣言しました。農業や酪農に必要な水資源が大幅に不足しています。アンゴラ、モザンビーク、スワジランドなどでも、同様の懸念が高まっています。

また、アフリカ南部全域で、収穫量の減少により食糧価格が高騰しています。この地域の主食であるトウモロコシの価格は、マラウイでは、過去3年間のこの時期の平均値と比べ73パーセントも高騰しています。

「子どもの教育費などを払うための収入源となる余剰作物がないばかりか、家族が一年間食べていけるだけの収穫が得られない小規模農家が特に心配です。」とカズン事務局長は述べています。

国連WFPは、食糧備蓄が底を突く時期に備え、特に被害が甚大な国で食糧や現金支援を拡大したい考えですが、大幅な資金難に直面しています。国連WFPは、政府や地域機関、関連団体と協力し、不測の事態に備えた対策や対応を急ぐとともに、携帯電話技術を用いて食糧事情や価格、市場の動きをモニタリングし、食糧供給の確保に努めています。

国連WFPの分析によると、アフリカ南部では、農村部で4000万人以上、都市部で900万人以上が、過去30年で最も強烈であると言われる今回のエル・ニーニョの影響を受けるとみられます。地域最大の穀倉地帯である南アフリカは、今回のエル・ニーニョが引き起こした干ばつは過去半世紀で最悪であると表明しています。

特に懸念される点は、この地域に住む慢性的な栄養不良に苦しむ人の多さです。発育阻害に苦しむ子どもの人口の割合は、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、ザンビアでは、世界最悪レベルです。子どもの心身の成長や、将来の健康や生産性への影響が懸念されます。
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