兄弟でヘビー級統一を目論むクリチコ兄弟の兄、ビタリが登場! 全勝の刺客アレオーラを迎え撃つ! …世界プロボクシング
[09/09/25]
提供元:PRTIMES
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WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
ビタリ・クリチコvsクリス・アレオーラ
日本時間9月27日(日)、ヘビー級注目の一戦がアメリカ、ロサンゼルスのステープルズ・センターで開催される。この試合の模様は、9月28日(月)夜8時からWOWOWで放送。
このところヘビー級は選手の負傷やデビッド・ヘイ(イギリス)のトップ戦線参入によって複雑な動きになっている。
ヘイは6月にIBF・WBOチャンピオンのウラディミール・クリチコ(ウクライナ)に挑戦する予定だったが、自身が練習中に負傷したためこれをキャンセル。宙に浮いたかたちのウラディミール・クリチコは、同じく試合キャンセルの憂き目にあったルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン)と対戦して圧勝。傷の癒えたヘイは、一時はウラディミールの兄ビタリ・クリチコ(ウクライナ)との決戦に意欲を見せたが翻意。一転して11月にWBAチャンピオンのニコライ・ワルーエフ(ロシア)への挑戦に路線変更してしまった。
こうした流れを受けて、ビタリ・クリチコ対クリス・アレオーラというカードが実現することとなったのである。
クリチコは昨年10月に約4年ぶりの戦線復帰戦でサミュエル・ピーター(ナイジェリア/アメリカ)を圧倒。8回終了TKO勝ちでWBCタイトルを獲得し、これが2度目の防衛戦となる。アマチュアで134戦(119勝80KO15敗 ※210戦195勝80KO15敗説もある)を経験後、弟ウラディミールと同時に96年11月にプロデビューしてから13年。38歳という年齢が気になるところだが、ピーター戦やファン・カルロス・ゴメス(キューバ/ドイツ)との初防衛戦を見る限り衰えは感じられない。4年のブランクが休養というかたちでプラス効果をもたらしているのかもしれない。
身長202センチ、リーチ203センチという恵まれた体格に加え、豪腕という形容がピッタリの右強打を持っているのだから相手にとっては厄介だ。自分のペースで試合を進めたという点を割り引いてもピーター戦で8回、ゴメス戦で9回まで戦っており、スタミナも問題ないとみていいだろう。
挑戦者のアレオーラは6歳でボクシングを始め、16歳のときにはすでに200戦を越す試合経験があったと伝えられる。20歳のときには全米ゴールデン・グローブ大会でL・ヘビー級優勝を飾っている。しかし、奔放な性格なのか何度もリングから遠ざかったことがあり、結局プロ転向は22歳のときだった。
03年9月の初陣を2回TKOで飾ると、以後はバッタバッタと倒しまくり、ここまで27戦全勝(24KO)という戦績を残している。クリチコの92パーセントには及ばないが、約89パーセントという驚異的なKO率を誇る。4試合前のチャズ・ウィザスプーン(米)戦は3回反則決着となっているが、これは相手がKO負け寸前になったところでセコンドがリングに入ったためで、アレオーラの事実上のKO勝ちともとれる。それを含めると実に15連続KO勝ちということになる。全体的なスピード感は欠くが、体ごと叩き込むようなパンチは左右とも破壊力抜群だ。パワー頼みの古典的なヘビー級強打者といっていいかもしれない。
ホームは今回の試合地ロサンゼルス。これまでにジェームス・トニー(アメリカ=元3階級制覇チャンピオン)やハシム・ラクマン(アメリカ=元世界ヘビー級チャンピオン)、そしてウラディミール・クリチコともスパーリングの経験があるというから、兄ビタリとの対決はなにやら因縁めいたものも感じられる。
これぞヘビー級といった無類の強打者同士の対決だけに、勝負がジャッジの手に委ねられることはないと見て間違いない。クリチコのワンツーにアレオーラの反応が遅れるようだと、序盤のKO防衛も考えられる。その一方で挑戦者の破格の強打が番狂わせを起こす可能性も決して小さくないように思える。 試合開始ゴングから一瞬も目の離せないスリリングな展開になるだろう。
世界が注目するこの試合の模様は、9月28日(月)夜8時からWOWOWで放送する。
Written by ボクシングライター原功
※ビタリ・クリチコ(WBC世界ヘビー級チャンピオン 38歳)
1996年11月 プロデビュー
1999年6月 WBO世界ヘビー級タイトル獲得
(vsハービー・ハイド 2回KO)
2000年4月 WBO世界ヘビー級タイトル失う
(vsクリス・バード 9回終了TKO負け)
2004年4月 WBC世界ヘビー級タイトル獲得
(vsコーリー・サンダース 8回TKO ※王座決定戦)
※V1後、膝の故障のため引退
2008年10月 WBC世界ヘビー級タイトル獲得
(vsサミュエル・ピーター 8回終了TKO)
戦績:39戦37勝36KO2敗
※クリス・アレオーラ(WBC世界ヘビー級1位 28歳)
2003年9月 プロデビュー
2007年9月 WBC米大陸ヘビー級タイトル獲得
2008年11月 NABF北米ヘビー級タイトル獲得
2009年4月 4度の世界挑戦経験者ジャミール・マクラインに4回KO勝ち
戦績:27戦全勝24KO