別冊宝島『日本刀』が異例の23万部突破!高倉健も愛した“日本刀”の魅力とは!?
[15/01/31]
提供元:PRTIMES
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宝島社から1月16日に発売した別冊宝島『日本刀』。金色の鞘と刀の表紙が印象的なこの本が、今売れている。昨年発売した第1弾と合わせて累計23万部を超える異例の売れ行きだ。日本人の魂ともいえる日本刀だが、一般的にはコアな分野である。では一体、なぜこの本が売れているのだろうか。
[画像: http://prtimes.jp/i/5069/128/resize/d5069-128-616201-0.jpg ]
まず、名刀92振りが大きめのビジュアルとともにわかりやすく解説されているため、目で見て楽しみながら知識も得られる点が大きな魅力だろう。日本刀の姿形を眺めるだけでも、その美しさに目を奪われる。 秀頼・家康へと継承された「南泉一文字」を実物大で楽しめるポスターまで付いており、刀を握る擬似体験ができ、なんとも心がくすぐられる。また、高倉健の追悼記事「日本刀と高倉健」は、現代の名優が日本刀を愛したという点で、日本刀をぐっと身近なものに引き寄せている。
第壱部「刀を詠む」では、天下三作として「藤四郎(粟田口吉光)」「正宗」「江義弘」の刀を紹介。徳川8代将軍吉宗の命で、刀剣鑑定や研磨の名家・本阿弥家の13代光忠が編纂した『享保名物帳』にある天下三作だ。各刀工につき2〜3振りが一度に見比べられるのも、誰もが名を知る有名刀工たちの姿が多角的に感じられ、興味深い。そして、本誌で続いて紹介される「号(愛称)」を持つ日本刀の、各刀にまつわる伝説や、多くの武将のもとをわたってきた由来などを読むと、いかに日本人が日本刀を愛し大切にしてきたかが感じられる。
『利休にたずねよ』で直木賞を受賞した故・山本兼一氏の追悼コラムで、山本氏は刀の品格を「鉄の潤い」とともに感じていた。佐野美術館館長・渡邉妙子氏のインタビューでも「ヨーロッパでは金銀銅が大切にされ、鉄はいやしい金属とされているが、(中略)日本人は自然に生まれた特性を尊重する。鉄を磨き上げて鉄そのものの美しさを鑑賞する日本刀は日本人の精神性にうまくはまるものであった」といった内容がある。考えてみれば放っておけば錆びてしまう鉄を磨き上げ、現代にまで美しい姿で伝え続けるところに、日本人の美学があるのだろう。
「刀を感じる」の頁では、刀姿のみならず、刃文を大きい写真で見せており、鉄そのものや刃文に宿る美が感じられる。刀の鑑賞では実物を握ってみること以上のものはないが、誌面でここまで鑑賞できることは多くの人が刀を理解するうえで貴重である。
本誌では拵もまた大きな写真で紹介されている。雅楽の有名な場面を装飾としてあしらった華やかな大小拵や、貝殻の造形を文様として活かした洒落た脇差拵など、まさに日本の技が集結した一級の美術品である。日本人は刀だけでなく、拵までこだわり、刀を大切にしてきたことがわかる。
刀は刀匠、研師、白銀師、鞘師、鐸師、柄巻師といった職人たちが魂を込めて制作した「共同創造」の賜物である。第弐部「刀を創る」では、鎌倉から室町時代の名刀の「映り」を7世紀ぶりに再現した、現代の刀匠・河内國平氏の刀神の技を筆頭に各職人たちの技に迫っている。現代の作品を眺めると、古代からの日本の技が今に生きていることを感じ、感慨深い。
続いて第参部「刀を知る」では、上古時代の直刀から現代刀まで、各時代を象徴する刀が紹介され、刀の変容や、安綱、友成、来国俊、村正といった有名刀工とその作風について知れ、刀を詠むうえでの大きな手助けとなる。
圧倒的な刀の美しいビジュアルと詳しい解説。刀の初心者もある程度の知識人も、自分なりの見方、感じ方で楽しめ、多方面から日本刀の魅力、洗練された日本人の心や美学が感じられるのが本誌の魅力なのだろう。「刀と神社〜神との対話〜」のコラムに、刀を奉納することを通し日本人は自然や神と対話してきたとあるが、そこには崇高な日本人の精神性があるように思う。それらを私たちが今求めているからこそ、この本が多くの人の手にとられているのではないか。この本にはそう思わせるものがある。
■別冊宝島『日本刀』
発売日 : 2015年1月16日
定 価 : 本体800円+税
http://tkj.jp/book/?cd=20228801
[画像: http://prtimes.jp/i/5069/128/resize/d5069-128-616201-0.jpg ]
まず、名刀92振りが大きめのビジュアルとともにわかりやすく解説されているため、目で見て楽しみながら知識も得られる点が大きな魅力だろう。日本刀の姿形を眺めるだけでも、その美しさに目を奪われる。 秀頼・家康へと継承された「南泉一文字」を実物大で楽しめるポスターまで付いており、刀を握る擬似体験ができ、なんとも心がくすぐられる。また、高倉健の追悼記事「日本刀と高倉健」は、現代の名優が日本刀を愛したという点で、日本刀をぐっと身近なものに引き寄せている。
第壱部「刀を詠む」では、天下三作として「藤四郎(粟田口吉光)」「正宗」「江義弘」の刀を紹介。徳川8代将軍吉宗の命で、刀剣鑑定や研磨の名家・本阿弥家の13代光忠が編纂した『享保名物帳』にある天下三作だ。各刀工につき2〜3振りが一度に見比べられるのも、誰もが名を知る有名刀工たちの姿が多角的に感じられ、興味深い。そして、本誌で続いて紹介される「号(愛称)」を持つ日本刀の、各刀にまつわる伝説や、多くの武将のもとをわたってきた由来などを読むと、いかに日本人が日本刀を愛し大切にしてきたかが感じられる。
『利休にたずねよ』で直木賞を受賞した故・山本兼一氏の追悼コラムで、山本氏は刀の品格を「鉄の潤い」とともに感じていた。佐野美術館館長・渡邉妙子氏のインタビューでも「ヨーロッパでは金銀銅が大切にされ、鉄はいやしい金属とされているが、(中略)日本人は自然に生まれた特性を尊重する。鉄を磨き上げて鉄そのものの美しさを鑑賞する日本刀は日本人の精神性にうまくはまるものであった」といった内容がある。考えてみれば放っておけば錆びてしまう鉄を磨き上げ、現代にまで美しい姿で伝え続けるところに、日本人の美学があるのだろう。
「刀を感じる」の頁では、刀姿のみならず、刃文を大きい写真で見せており、鉄そのものや刃文に宿る美が感じられる。刀の鑑賞では実物を握ってみること以上のものはないが、誌面でここまで鑑賞できることは多くの人が刀を理解するうえで貴重である。
本誌では拵もまた大きな写真で紹介されている。雅楽の有名な場面を装飾としてあしらった華やかな大小拵や、貝殻の造形を文様として活かした洒落た脇差拵など、まさに日本の技が集結した一級の美術品である。日本人は刀だけでなく、拵までこだわり、刀を大切にしてきたことがわかる。
刀は刀匠、研師、白銀師、鞘師、鐸師、柄巻師といった職人たちが魂を込めて制作した「共同創造」の賜物である。第弐部「刀を創る」では、鎌倉から室町時代の名刀の「映り」を7世紀ぶりに再現した、現代の刀匠・河内國平氏の刀神の技を筆頭に各職人たちの技に迫っている。現代の作品を眺めると、古代からの日本の技が今に生きていることを感じ、感慨深い。
続いて第参部「刀を知る」では、上古時代の直刀から現代刀まで、各時代を象徴する刀が紹介され、刀の変容や、安綱、友成、来国俊、村正といった有名刀工とその作風について知れ、刀を詠むうえでの大きな手助けとなる。
圧倒的な刀の美しいビジュアルと詳しい解説。刀の初心者もある程度の知識人も、自分なりの見方、感じ方で楽しめ、多方面から日本刀の魅力、洗練された日本人の心や美学が感じられるのが本誌の魅力なのだろう。「刀と神社〜神との対話〜」のコラムに、刀を奉納することを通し日本人は自然や神と対話してきたとあるが、そこには崇高な日本人の精神性があるように思う。それらを私たちが今求めているからこそ、この本が多くの人の手にとられているのではないか。この本にはそう思わせるものがある。
■別冊宝島『日本刀』
発売日 : 2015年1月16日
定 価 : 本体800円+税
http://tkj.jp/book/?cd=20228801