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沖縄伊是名海穴の海底熱水鉱床の資源量を740万トンと確認

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:黒木啓介)は、経済産業省の委託を受け、沖縄海域伊是名(いぜな)海穴「Hakureiサイト」および伊豆・小笠原海域ベヨネース海丘「白嶺鉱床」における海底熱水鉱床の資源量評価を実施しました。「Hakureiサイト」は、海洋資源調査船「白嶺」の船上設置型掘削装置を用いた深部ボーリング55孔(延べ2,712m掘削)によって、海底熱水鉱床の深部への連続性を確認したことにより、資源量は740万トンであることを確認しました。平成25年7月に公表した資源量340万トンより大幅に増大しました。また、「白嶺鉱床」は10万トンと確認しました。
 平成27年1月に発見を公表した沖縄海域久米島西方沖の「ごんどうサイト」では、ボーリング調査により下部へ鉱床が連続することを確認しました。今後、引き続き調査を行い、資源量評価を行います。







[画像1: http://prtimes.jp/i/12624/147/resize/d12624-147-131929-5.jpg ]



● 伊是名海穴「Hakureiサイト」※1の資源量調査
 平成20年度から、深海鉱物資源探査船「第2白嶺丸」の海底着座型掘削装置(掘削能力20m)で121孔、延べ1,073mのボーリング調査※2を実施し、海底表層部のマウンド※3について資源量が340万トンであると算定し、平成25年7月公表しました。
 平成24年2月から、新たに就航した海洋資源調査船「白嶺」の船上設置型掘削装置(掘削能力400m)で55孔、延べ2,712mのボーリング調査を実施した結果、海底表層部に存在するマウンドの深部方向への連続性を把握すると共に、マウンド周辺部の泥質堆積物の下にも層状の下部鉱体が存在していることを把握し、資源量をマウンド鉱体390万トン、下部鉱体350万トンの計740万トンと算定しました。
[画像2: http://prtimes.jp/i/12624/147/resize/d12624-147-255390-1.jpg ]


● 伊豆・小笠原海域ベヨネース海丘「白嶺鉱床」※4の資源量調査
 平成20年度以降、深海鉱物資源探査船「第2白嶺丸」および海洋資源調査船「白嶺」の海底着座型掘削装置(掘削能力20mおよび50m)を用いて41孔、延べ405mのボーリング調査※2を実施し、海底表層部のチムニーやマウンド※3の資源量を10万トンと算定しました。

● 伊是名海穴「Hakureiサイト」、ベヨネース海丘「白嶺鉱床」、久米島沖「ごんどうサイト」および代表的な鉱床の鉱物資源量と品位の一覧表

[表1: http://prtimes.jp/data/corp/12624/table/147_1.jpg ]



(参考)
・ Solwara 1は、パプアニューギニアのビスマルク海で進められている海底資源開発プロジェクト
・ 深沢鉱床、松峰鉱床は、秋田県大館市で操業した鉱山で平成6年に休山。主要な鉱石は黒鉱と呼ばれ、亜鉛、鉛、金、銀、銅の採掘を行なった。
・ Solwara 1, 深沢鉱床、松峰鉱床の鉱物資源量と品位は、「海底熱水鉱床第1期最終報告書」から引用

● 久米島沖「ごんどうサイト」※5のボーリング調査
 平成27年度に、海洋資源調査船「白嶺」の船上設置型掘削装置で9孔、延べ380mのボーリング調査※2を実施しました。この結果、深部方向に最大幅42mの銅に富む鉱床の連続性を確認しました。今後、引き続き調査を行い、資源量評価を行います。

久米島沖「ごんどうサイト」の品位(ボーリングコア153試料の平均)

[表2: http://prtimes.jp/data/corp/12624/table/147_2.jpg ]




【用語の説明】
※1:伊是名海穴 「Hakureiサイト」
 沖縄本島北西約110kmに位置し、北北西-南南東方向に伸びる、長軸6km、短軸3kmの楕円形の窪地地形からなり、窪地の中にHakureiサイトとJADEサイトと呼ばれる2つの海底熱水鉱床が確認されています。JOGMECがHakureiサイトで実施した資源量調査の結果、平成25年度に、海底表層部の資源量は340万トン、平均品位(金属の含有量)は、銅0.33%、鉛2.52%、亜鉛7.25%、金2.6g/t、銀216g/tと算定しました。
「海底熱水鉱床開発計画第1期最終報告書」の取りまとめ
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_000021.html
(掲載日:平成25年7月5日)

※2:ボーリング調査
 海底を掘削するボーリングには、2種類の海底着座型掘削装置(BMS)と船上設置型掘削装置(R140)があります。
[画像3: http://prtimes.jp/i/12624/147/resize/d12624-147-319246-3.jpg ]

[画像4: http://prtimes.jp/i/12624/147/resize/d12624-147-476856-4.jpg ]

※3:マウンド、チムニー
 海底熱水活動によって海底に生成される硫化物の柱状の構造物を「チムニー」と呼びます。熱水が海底面から噴出し、その周辺に金属成分等が沈殿することにより煙突状の構造物がつくられたものとされています。チムニーは、成長、活動停止、倒壊を繰り返すことで、周辺に礫状の鉱石塊や沈殿物を堆積させ、長年の間に硫化物からなる丘状の地形「マウンド」を形成します。

※4:ベヨネース海丘「白嶺鉱床」
 東京都八丈島南方約120kmのベヨネース海丘、カルデラ内南東壁の水700〜800m地点に位置し、南北600m、東西500mにわたってチムニーが密集しており、金と銀の品位が高いことが特徴です。当初発見時の平均品位は、銅1.14%、鉛5.57%、亜鉛35.03%、金24.1g/t、銀1,275g/tでした。
伊豆・小笠原ベヨネース海丘で海底熱水鉱床発見
http://www.jogmec.go.jp/news/release/release0002.html
(掲載日:平成16年3月30日)

※5:「ごんどうサイト」
 沖縄県久米島沖に位置し、南北1,500m、東西300mの範囲に多数のチムニーやマウンドが確認されています。「ごんどうサイト」中央には直径300mにおよぶマウンドがあり、銅の品位が高いことが特徴です。当初発見時の平均品位銅13.0%、鉛5.2%、亜鉛12.3%、金1.7g/t、銀326.0g/tでした。
沖縄県久米島沖に有望な海底熱水鉱床の存在を確認
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_000184.html
(掲載日:平成27年1月28日)

→全文を読む
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000130.html?mid=pr_160526
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