KPMGコンサルティング、 「AIは信頼できるか 〜AIへの社会的認識の変化に関するグローバル調査2023」(日本語版)を発表
[24/01/31]
提供元:PRTIMES
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KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:宮原 正弘、以下、KPMGコンサルティング)は、AI(人工知能)に対する人々の信頼や認識、AIの運用と管理への期待などについてまとめたレポート「AIは信頼できるか 〜AIへの社会的認識の変化に関するグローバル調査2023」(日本語版)を発表しました。
AIは今や、日常生活や職場の至るところに存在し、仕事の進め方やサービスの提供方法を大きく変えようとしています。AIは新たなメリットをもたらす一方、リスクや課題も指摘されており、AIのメリットをより享受するためには、AIがより信頼できる形で開発・利用されることが不可欠です。
本レポートでは、AIへの信頼と受容について、欧米を中心とする世界17ヵ国、1万7千人以上を対象に実施した調査結果と、AIがさらに受け入れられるための4つの要素について解説するとともに、日本の特徴についても分析しています。
1.主な調査結果
[画像: https://prtimes.jp/i/88324/166/resize/d88324-166-f71f915ae9c06204da61-0.jpg ]
(1)AIの信頼と受容・・・多くの人々は AIを信頼することに懸念を抱いており、AIに対する受容度は「低い」または「中程度」。AIを信頼・需要できるかは、AIアプリケーションに依存。
(2)AIの潜在的なメリットとリスク・・・人々は AIが持つ多くの潜在的なメリットを認識しているが、
「メリットがリスクを上回る」と考えているのは半数にとどまる。AIのリスクについては、各国とも同様の認識を持っており、全体としてサイバーセキュリティ関連が最も懸念される。
(3)誰にAIの開発と管理を任せるか・・・AIの開発・利用・管理について、大学や防衛組織が最も信頼を寄せられている。反対に最も信頼されていないのは政府や営利組織である。
(4)責任あるAI・・・人々は、AIが外部からの独立した監視によって規制されることを期待しており、「現状の規制では不十分だ」と考えている。
(5)職場におけるAI・・・大半の人々は、AIが仕事や経営の意思決定をサポートすることに抵抗はないが、人間がコントロールし続けることを望んでいる。
(6)AIに関する理解・・・人々は「AIについてさらに学びたい」と思っている、現時点では十分に理解していない。AIを理解している人ほど、AIを信頼し、より大きなメリットを感じる可能性が高くなる。
(7)AIの捉え方はさまざま・・・若い世代、大卒者、管理職や、新興国の回答者は、他の国よりもAIを信頼し、受け入れ、肯定的に捉えている。
【調査結果】
(1)AIの信頼と受容
・61%が、AIを信頼することに懸念を抱いている
・67%が、AIの受容度は「低い」または、「中程度」と回答している
・人事分野でのAIの利用は最も信頼度が低く、受け入れられていないが、医療分野では最も信頼され、受け入れられている
(2)AIの潜在的なメリットとリスク
・85%が、AIはさまざまなメリットをもたらすと考えている
・メリットがリスクを上回ると考えている回答者は半数にとどまる
・84%が、「最も懸念しているのはサイバーセキュリティリスク」と回答している
(3)誰に AIの開発と管理を任せるか
・76〜82%が、「国立大学や国立研究機関・防衛機関による AIの開発・利用・管理は信頼でき、公共にとって最善だ」と回答している
・3 分の 1 が、AIの開発・利用・管理において、政府や営利組織を信頼していない
(4)責任あるAI
・75%は、「保証の仕組みが整っていれば、AIをより積極的に信頼する」と考えている
・71%が、AIに対する規制を望んでいる
(5)職場におけるAI
・約半数が、仕事で利用するAIを信頼したいと考えている
・多くの回答者が、人事分野でのAIの活用に抵抗がある
・40%が「自身の仕事はいずれAIに置き換わる」と考えている
(6)AIに関する理解
・半数が、AIについて理解していない、または、いつ、どのように使われるのか理解していない
・45%が、ソーシャルメディアに AIが使われていることを知らない
・82%が、AIについてさらに学びたいと考えている
(7)AIの捉え方はさまざま
・若い世代、大卒者、管理職は、AIをより信頼し、受け入れ、肯定的に捉えている
・新興国の回答者は、他の国よりも AIを信頼し、受け入れ、肯定的に捉えている
2.日本の特徴
AIに対する認識と理解について、日本は調査対象国のなかで最も低い水準にあり、信頼、受容、認識が不足し、多くの人がAIを学ぶことに関心を持っていません。人々はAIには十分な保護措置があるとは考えていませんが、依然としてその有用性を認識している回答者が過半数を占めます。
(1)AIの信頼と受容
・AIを信頼したいと考えている回答者はわずか 23%。77%は「信頼したくない」または「わからない」と考えている
・56%がAIを受け入れていると回答しており、これはオランダに次いで2番目に低い結果となった
・否定的な感情(心配:55%、恐怖:52%)を示している回答者の割合が肯定的な感情(楽観:42%、興奮:40%)を上回り、73%がAIに不安を感じている
(2)AIの潜在的なメリットとリスク
・75%の回答者が、「AIにはさまざまなメリットをもたらす」と考えている
・68%がさまざまなリスクを懸念しているが、調査対象国のなかで日本だけがシステム障害を最も大きな懸念事項(81%)として挙げている
・42%が、AIのメリットがリスクを上回ると考えている
(3)誰にAIの開発と管理を任せるか
・公共の最大の利益のために AIを開発・管理することに関し、「テクノロジー企業や国立大学、国際的な研究機関が、最も信頼できる」と考えられている(77〜81%)
・日本は韓国、シンガポール、BICS 諸国と同様、テクノロジー企業に対する信頼度が高い
・ほぼ半数(47%)が政府に対する信頼がない、あるいは低く、43%が営利組織を信頼していない
(4)責任あるAI
・半数強(52%)が、「AIが社会に与える影響は不確実で予測不可能」と感じており、これは調査対象国のなかで 2 番目に低い数字となっている
・77%は AIには規制が必要だと考えており、政府による規制(55%)よりも、産業界による規制(61%)を望む傾向がある
・「現在の規制や法律、保護措置でAIを安全に利用できる」と考えている回答者はわずか13%で、調査対象国のなかで最も低い
・96%が、「信頼できる AI の原則と実践は AI システムへの信頼にとって重要だ」と考えている
(5)職場におけるAI
・31%が、「仕事で利用するAIを信頼したい」と考えている。この数字は低いものの、より広範に利用されるAIを信頼したいと回答した割合よりも高い
・AIに仕事が奪われるよりも雇用創出の方が多いという考えには 37%が反対しており、これはシンガポール、インド、中国を除く他の調査対象国よりも低い結果となった
・21%は、「自身の仕事がいずれ AIに置き換わる」と考えており、これは調査対象国のなかで最も低い
(6)AIに関する理解
・75%が AIへの理解度が低いと回答しており、これは調査対象国のなかで最も低い結果となった
・「AIについてさらに学びたい」と考えている回答者は 55%で、これも調査対象国で最も低い数字である
・56%がAIを含む一般的なアプリケーションを使用しており、それとほぼ同じ割合の回答者(53%)が、それらのアプリケーションでAIが使用されていることを知っている
3. AIがさらに受け入れられるための 4つの要因
AIに対する信頼に影響を与え、責任あるAIの利用を強化する要素として、4つの明確な道筋が特定できました。それは、「制度」「動機付け」「不確実性の低減」、および「知識」の観点です。これらの重要かつ補完的な要素のうち、「制度」が信頼に最も強い影響を与え、次に動機付けが挙げられます。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/88324/table/166_1_9b1dffd374628348d203ed0ad3f4b202.jpg ]
本レポートの全文はこちらからダウンロードできます:AIへの社会的認識の変化に関するグローバル調査2023(日本語版)
https://assets.kpmg.com/content/dam/kpmg/jp/pdf/2024/jp-trust-in-ai.pdf
KPMG コンサルティングについて
KPMG コンサルティングは、KPMG インターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3分野から企業を支援するコンサルティングファームです。戦略策定、組織・人事マネジメント、IT、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス、リスクマネジメントなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。
AIは今や、日常生活や職場の至るところに存在し、仕事の進め方やサービスの提供方法を大きく変えようとしています。AIは新たなメリットをもたらす一方、リスクや課題も指摘されており、AIのメリットをより享受するためには、AIがより信頼できる形で開発・利用されることが不可欠です。
本レポートでは、AIへの信頼と受容について、欧米を中心とする世界17ヵ国、1万7千人以上を対象に実施した調査結果と、AIがさらに受け入れられるための4つの要素について解説するとともに、日本の特徴についても分析しています。
1.主な調査結果
[画像: https://prtimes.jp/i/88324/166/resize/d88324-166-f71f915ae9c06204da61-0.jpg ]
(1)AIの信頼と受容・・・多くの人々は AIを信頼することに懸念を抱いており、AIに対する受容度は「低い」または「中程度」。AIを信頼・需要できるかは、AIアプリケーションに依存。
(2)AIの潜在的なメリットとリスク・・・人々は AIが持つ多くの潜在的なメリットを認識しているが、
「メリットがリスクを上回る」と考えているのは半数にとどまる。AIのリスクについては、各国とも同様の認識を持っており、全体としてサイバーセキュリティ関連が最も懸念される。
(3)誰にAIの開発と管理を任せるか・・・AIの開発・利用・管理について、大学や防衛組織が最も信頼を寄せられている。反対に最も信頼されていないのは政府や営利組織である。
(4)責任あるAI・・・人々は、AIが外部からの独立した監視によって規制されることを期待しており、「現状の規制では不十分だ」と考えている。
(5)職場におけるAI・・・大半の人々は、AIが仕事や経営の意思決定をサポートすることに抵抗はないが、人間がコントロールし続けることを望んでいる。
(6)AIに関する理解・・・人々は「AIについてさらに学びたい」と思っている、現時点では十分に理解していない。AIを理解している人ほど、AIを信頼し、より大きなメリットを感じる可能性が高くなる。
(7)AIの捉え方はさまざま・・・若い世代、大卒者、管理職や、新興国の回答者は、他の国よりもAIを信頼し、受け入れ、肯定的に捉えている。
【調査結果】
(1)AIの信頼と受容
・61%が、AIを信頼することに懸念を抱いている
・67%が、AIの受容度は「低い」または、「中程度」と回答している
・人事分野でのAIの利用は最も信頼度が低く、受け入れられていないが、医療分野では最も信頼され、受け入れられている
(2)AIの潜在的なメリットとリスク
・85%が、AIはさまざまなメリットをもたらすと考えている
・メリットがリスクを上回ると考えている回答者は半数にとどまる
・84%が、「最も懸念しているのはサイバーセキュリティリスク」と回答している
(3)誰に AIの開発と管理を任せるか
・76〜82%が、「国立大学や国立研究機関・防衛機関による AIの開発・利用・管理は信頼でき、公共にとって最善だ」と回答している
・3 分の 1 が、AIの開発・利用・管理において、政府や営利組織を信頼していない
(4)責任あるAI
・75%は、「保証の仕組みが整っていれば、AIをより積極的に信頼する」と考えている
・71%が、AIに対する規制を望んでいる
(5)職場におけるAI
・約半数が、仕事で利用するAIを信頼したいと考えている
・多くの回答者が、人事分野でのAIの活用に抵抗がある
・40%が「自身の仕事はいずれAIに置き換わる」と考えている
(6)AIに関する理解
・半数が、AIについて理解していない、または、いつ、どのように使われるのか理解していない
・45%が、ソーシャルメディアに AIが使われていることを知らない
・82%が、AIについてさらに学びたいと考えている
(7)AIの捉え方はさまざま
・若い世代、大卒者、管理職は、AIをより信頼し、受け入れ、肯定的に捉えている
・新興国の回答者は、他の国よりも AIを信頼し、受け入れ、肯定的に捉えている
2.日本の特徴
AIに対する認識と理解について、日本は調査対象国のなかで最も低い水準にあり、信頼、受容、認識が不足し、多くの人がAIを学ぶことに関心を持っていません。人々はAIには十分な保護措置があるとは考えていませんが、依然としてその有用性を認識している回答者が過半数を占めます。
(1)AIの信頼と受容
・AIを信頼したいと考えている回答者はわずか 23%。77%は「信頼したくない」または「わからない」と考えている
・56%がAIを受け入れていると回答しており、これはオランダに次いで2番目に低い結果となった
・否定的な感情(心配:55%、恐怖:52%)を示している回答者の割合が肯定的な感情(楽観:42%、興奮:40%)を上回り、73%がAIに不安を感じている
(2)AIの潜在的なメリットとリスク
・75%の回答者が、「AIにはさまざまなメリットをもたらす」と考えている
・68%がさまざまなリスクを懸念しているが、調査対象国のなかで日本だけがシステム障害を最も大きな懸念事項(81%)として挙げている
・42%が、AIのメリットがリスクを上回ると考えている
(3)誰にAIの開発と管理を任せるか
・公共の最大の利益のために AIを開発・管理することに関し、「テクノロジー企業や国立大学、国際的な研究機関が、最も信頼できる」と考えられている(77〜81%)
・日本は韓国、シンガポール、BICS 諸国と同様、テクノロジー企業に対する信頼度が高い
・ほぼ半数(47%)が政府に対する信頼がない、あるいは低く、43%が営利組織を信頼していない
(4)責任あるAI
・半数強(52%)が、「AIが社会に与える影響は不確実で予測不可能」と感じており、これは調査対象国のなかで 2 番目に低い数字となっている
・77%は AIには規制が必要だと考えており、政府による規制(55%)よりも、産業界による規制(61%)を望む傾向がある
・「現在の規制や法律、保護措置でAIを安全に利用できる」と考えている回答者はわずか13%で、調査対象国のなかで最も低い
・96%が、「信頼できる AI の原則と実践は AI システムへの信頼にとって重要だ」と考えている
(5)職場におけるAI
・31%が、「仕事で利用するAIを信頼したい」と考えている。この数字は低いものの、より広範に利用されるAIを信頼したいと回答した割合よりも高い
・AIに仕事が奪われるよりも雇用創出の方が多いという考えには 37%が反対しており、これはシンガポール、インド、中国を除く他の調査対象国よりも低い結果となった
・21%は、「自身の仕事がいずれ AIに置き換わる」と考えており、これは調査対象国のなかで最も低い
(6)AIに関する理解
・75%が AIへの理解度が低いと回答しており、これは調査対象国のなかで最も低い結果となった
・「AIについてさらに学びたい」と考えている回答者は 55%で、これも調査対象国で最も低い数字である
・56%がAIを含む一般的なアプリケーションを使用しており、それとほぼ同じ割合の回答者(53%)が、それらのアプリケーションでAIが使用されていることを知っている
3. AIがさらに受け入れられるための 4つの要因
AIに対する信頼に影響を与え、責任あるAIの利用を強化する要素として、4つの明確な道筋が特定できました。それは、「制度」「動機付け」「不確実性の低減」、および「知識」の観点です。これらの重要かつ補完的な要素のうち、「制度」が信頼に最も強い影響を与え、次に動機付けが挙げられます。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/88324/table/166_1_9b1dffd374628348d203ed0ad3f4b202.jpg ]
本レポートの全文はこちらからダウンロードできます:AIへの社会的認識の変化に関するグローバル調査2023(日本語版)
https://assets.kpmg.com/content/dam/kpmg/jp/pdf/2024/jp-trust-in-ai.pdf
KPMG コンサルティングについて
KPMG コンサルティングは、KPMG インターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3分野から企業を支援するコンサルティングファームです。戦略策定、組織・人事マネジメント、IT、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス、リスクマネジメントなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。