史上最巨人王者vs英国の破壊王 最重量級に「チェンジ」は起こるか!? …世界プロボクシング
[09/11/05]
提供元:PRTIMES
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WBA世界ヘビー級タイトルマッチ
ニコライ・ワルーエフvsデビッド・ヘイ
日本時間11月8日(日)、ヘビー級注目の一戦がドイツ、ニュルンベルクで開催される。
「最近のヘビー級の試合は退屈で仕方ない。俺が参入してファンにKOの醍醐味を教え、人々の興味を惹きつけてみせる」――1年前、デビッド・ヘイ(イギリス)はそう宣言してクルーザー級の3団体王座を放り出してヘビー級に転じた。身長191センチ、体重97.5キロ(08年11月のモンテ・バレット戦)。いまの最重量級ではレギュラー・サイズの挑戦者は、ヘビー級に革命を起こすことができるのだろうか。
ヘイはアマチュアの世界選手権(01年)で銀メダルを獲得後、02年にプロデビュー。英国タイトルや欧州タイトルを手中に収めた後、07年にジャン・マルク・モルメク(仏)を逆転TKOで破ってWBA・WBC世界クルーザー級タイトルを獲得。昨年3月、WBOチャンピオンのエンゾ・マカリネリ(英)との統一戦でも豪快な2回TKO勝ちを収め、3団体統一を果たした。
ヘビー級転向後は元世界タイトル挑戦者のバレットを5回TKOに下したが、以来、試合をしないまま1年が経ってしまった。6月に予定されたIBF&WBO王者ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)への挑戦を自分の負傷で流し、9月にセットされかかったWBC王者ビタリ・クリチコ(ウクライナ)戦も蹴ったためだ。
ヘイは23戦22勝(21KO)1敗の戦績からも分かるように、相手に積極的にアプローチしていって強引に攻め落とすファイター型。クロス気味に放つ右が決め手だ。強打の反面、自身も耐久面で課題を抱えており、これまでも何度かトラブルに陥ったことがある。自分にとって有利であれ不利であれ、常にエキサイティングな状況をつくりだす選手といえる。
そんな危険な挑戦者を迎えるニコライ・ワルーエフ(ロシア)は、身長2メートル13センチ、体重145キロ〜150キロという史上最長身、最重量の世界チャンピオンである。ヘイよりも身長で22センチ、体重では45キロ〜50キロ程度重いことになる。
これだけの巨体をもちながらワルーエフは俊敏とはいえないながらも決して鈍重ではない。丹念に左ジャブを突いておいて機を見て右に繋げるオーソドックスの戦闘スタイルを身につけている。相手にとって最も厄介なのは長い左といえよう。サイズの違いがそのまま射程距離の差となっているからだ。また、体の大きさは耐久面でもプラスに作用している。大巨人攻略がいかに難しいか。それは、過去52人が挑んで、成功したのがルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン)だけというデータでも分かるだろう。
ヘイは“2人目”になれるのか。この挑戦者がヘビー級に「チェンジ」をもたらすとしたら、スピードの利を生かした戦い方をしたときであろう。大巨人の正面に留まらず、前後左右に揺さぶりながら飛び込み、右ストレート、フック、アッパーを叩き込めるかどうか。
賭け率は2対1でヘイ有利と出ているが、これは期待度をこめたものと思われる。ワルーエフが挑戦者を一蹴するのか。それともヘイが大木をなぎ倒すのか。KO決着は必至だ。
世界が注目するこの試合の模様は、11月9日(月)夜9時からWOWOWで放送する。
Written by ボクシングライター原功
※ニコライ・ワルーエフ(WBC世界ヘビー級チャンピオン 36歳)
1993年10月 プロデビュー
2005年12月 WBA世界ヘビー級タイトル獲得
(vsジョン・ルイス 12回判定)
2007年4月 WBA世界ヘビー級タイトル失う
(vsルスラン・チャガエフ 12回判定負け)
2008年8月 WBA世界ヘビー級タイトル奪回
(vsジョン・ルイス 12回判定 ※王座決定戦)
戦績:52戦50勝34KO1敗1無効試合
※デビッド・ヘイ(元3団体統一世界クルーザー級チャンピオン 29歳)
2002年12月 プロデビュー
2007年11月 WBA・WBC世界クルーザー級タイトル獲得
(vsジャン・マルク・モルメク 7回TKO)
2008年3月 WBO王者エンゾ・マカリネリに2回TKO勝ちを収め、3団体統一
2008年11月 ヘビー級転向初戦で元世界ランカーのモンテ・バレットに5回TKO勝ち
戦績:23戦22勝21KO1敗