震災後にペットの防災対策をした飼い主7割 しかし、具体的な対策を思いつかないのも現状〜防災の日を前に「いぬのきもち」編集室が飼い主の意識を調査〜
[11/08/31]
提供元:PRTIMES
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株式会社ベネッセコーポレーションのペットと飼い主の生活誌「いぬのきもち」編集室では、東日本大震災後のペットの飼い主における防災意識の変化を調査すべく、2011年4〜5月に全国の犬の飼い主223人にアンケート調査を行いました。
その結果では以下のような結果が出ました。
1)震災以降、自分のペットに対して何らかの対策を実行したと回答した飼い主は約70%。「ペットの防災対策」という取り組みに現実感があることがわかる。
2)しかし、行ったのは「ワクチン接種」「フィラリア予防」など通常も行われていること以外の項目は、2〜4割台の実行状況にとどまった。飼い主の「何かしなければ」と思いながらも、「何をすればいいのかわからない」現状が伝わってくる。
3)一方で、被災した飼い主やペットに対して行ったことについては、「行ったこと」に対して「行いたいこと」が全体的に高めなスコアであり、こちらも何らかの支援をしたい気持ちはあるが「具体的なやり方がわからない」という現状が見える。
こうした結果から、「いぬのきもち」編集室では、意識の高まったものの具体策がまだまだ認知されていないペットの防災対策について、社会への情報発信が必要と考え、9 月号にて「ペットの防災対策」を特集しました。
編集室が把握した情報では、「日本の飼い犬・猫につけるマイクロチップの登録件数が昨年同時期を上回るペースで推移している」「犬の災害対策しつけクラスが開催された」などの事例があり、具体的な対策が認知されれば飼い主の皆さんたちによって着実に実行される傾向があります。
防災の日を機に、防災の一つのテーマとして、ペットに対する対策も検討されてほしいと考え、今回のデータをまとめました。
◆アンケートの概要◆
名称 ペットの災害対策に関するアンケート
調査対象 犬の飼い主223名
調査地域 全国
調査時期 2011年4月22日(金)〜2011年5月2日(月)
調査方法 ファックス調査
◆アンケートに寄せられた声から◆
東日本大震災後、地震を経験したと思われる飼い主の方々からは「余震」「地震速報」に怯えるなどの飼い犬の変化が多数寄せられました。また、実際の被害は受けていない飼い主の方々も、被災地の模様が報道されるにつれ、いざ自分たちが被災した場合にどういう行動をすべきなのかを考えている様子がうかがえます。
【アンケートに寄せられた声の紹介】
◆「地震が起きると吠えて走り回る。携帯やテレビで地震速報が鳴ると、寝ていても起きる」
◆「今回の地震で携帯のエリアメール、テレビの地震速報の音を覚えてしまい、地震で揺れてもいないのに震えるようになってしまいました」
◆「飼い主を失ったペットたちは今後どうなるのか?もし自分も災害にあったとき、犬はどうすれば良いのか?置いて行きたくはないな」
◆「犬と避難所での生活方法、預けることができる団体などの連絡先(が知りたい)」
<ペットの災害対策に関する動きについて>
◆個体認識のマイクロチップ登録件数が増加傾向
「いぬのきもち」編集室が社団法人日本獣医師会に取材したところ、個体認識のためペットに埋め込むマイクロチップの登録件数が増加傾向にあることがわかりました。
具体的には、2010年度(4〜3月)の犬猫合わせた登録件数が122,730頭だったのに比べて、震災後の2011年4月〜6月30日までの登録件数は39,895頭とのことでした。このまま推移すると昨年を上回るペースになります。(3ヶ月で約4万件なので、単純に期間で4倍すると年間では16万件となり、対昨年4万件増となるペース)
また、マイクロチップに関する問い合わせも増えており、登録者からの、住所変更の連絡(一度登録した後、住所変更等あれば登録内容を変更しないと万一の時に飼い主のもとに連絡がいかなくなるため)も以前より多い、とのことでした。
◆犬の「災害対策しつけクラス」が開催
犬のしつけスクール「Can!Do!」(東京都世田谷区 代表:西川文二さん/日本動物病院福祉協会認定家庭犬しつけインストラクター)では、2011年5〜7月に「災害対策しつけクラス」を開催しています。
これは、しつけの初級クラスなどの修了生向けのクラスとして行われたもので、計5回の内容となっていて、「緊急地震速報が鳴ると犬が安全なハウスに自ら入るしつけ」や「笛を吹くと犬が飼い主を捜すしつけ」などの災害時に役立つしつけを、犬と飼い主が一緒に取り組む内容とのことです。
このクラスでも、参加者から「地震速報を聞くと不安行動を起こす」などの悩みが寄せられたそうです。また、万が一に備えて何をしておくべきなのか(トレーニングやペット用備蓄品など)と質問もあったそうです。今後も、都度募集をかける予定とのことです。
<「いぬのきもち」での災害対策特集について>
「いぬのきもち」9月号では、今回の調査の結果を踏まえ、「東日本大震災を受けての緊急特集」として、犬の災害対策を特集しています。このなかでは「被災した飼い主・犬の事例紹介」「今すぐ備えておきたいこと(備蓄・避難訓練など)」「実際に地震に合った時の対応策」「今できる支援」を詳しく紹介し、飼い主の方々に発信しています。(10月号、12月号でも関連特集を予定)
このほか、「いぬのきもち」「ねこのきもち」のwebサイト「いぬのきもちweb」「ねこのきもちweb」においても、犬や猫の災害対策、被災動物・飼い主の支援団体情報、さらに被災地での支援活動レポートを発信しています。
<災害対策特集webページ>
●いぬのきもちWeb :http://pet.benesse.ne.jp/cmp/dog/saigaiji_chuui/
●ねこのきもちWeb :http://pet.benesse.ne.jp/cmp/cat/saigaiji_chuui/