アストラゼネカのフォシーガ新型コロナウイルス患者を対象とした第III相DARE-19試験を米セントルーク ミッドアメリカ ハートインスティチュートと開始
[20/04/30]
提供元:PRTIMES
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重度の合併症および臓器不全によるリスクを低減するフォシーガの可能性を検討
本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年4月23日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、4月23日、アストラゼネカと米セントルーク・ミッドアメリカ・ハートインスティチュートが、臓器不全などの重度の合併症を発症する危険性がある新型コロナウイルス(COVID-19)で入院した患者さんを対象に、フォシーガ(ダパグリフロジン)治療の可能性を評価するため、無作為化国際共同第III相試験を開始したことを発表しました。
DARE-19試験の目的は、心血管、代謝、腎臓のリスク要因を有する患者さんにおいて、SGLT2阻害剤であるフォシーガが、新型コロナウイルスによる病気の進行、合併症、および死亡のリスクを軽減させることを評価することです。
新型コロナウイルス患者さんにおいて、心臓、腎臓および代謝性の疾患を有することは、不良な予後や死亡に関係しています。本試験は、左室駆出率が低下した心不全、慢性腎臓病、2型糖尿病の患者さんにおけるフォシーガの保護作用に関する広範なデータを基に計画されています1-5。
バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「アストラゼネカは、当社の新薬および既存薬が新型コロナウイルス対策に利用できるか詳しく調べることで、新型コロナウイルスと闘うための新たな解決策を見出します。第III相DARE-19試験は、新型コロナウイルスを治療する際に重要な目標となる、持病のある患者さんに対してフォシーガが臓器不全などの重度の合併症を予防できるかについて検討することを目的としています」。
医学博士で、米セントルーク ミッドアメリカ ハートインスティチュートの心臓専門医、およびResearch at Saint Luke's Health SystemのバイスプレジデントでありDARE-19試験の治験責任医師であるMikhail N. Kosiborod氏は、次のように述べています。「フォシーガは、2型糖尿病、左室駆出率が低下した心不全、および慢性腎臓病を有する患者さんにおいて、心臓および腎臓の保護効果およびアウトカムの改善が確認されています*。循環器代謝疾患が基礎疾患にある新型コロナウイルス患者さんは、合併症を発症するリスクが最も高いと考えられており、DARE-19試験を通じて、病気の重症度を下げ、新型コロナウイルス感染患者さんによくみられる心血管系、呼吸器系、および腎臓の代償不全を予防したいと考えています」。
DARE-19試験は、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な米国および欧州諸国で組み入れを開始し、約900人の患者さんの参加を予定しています。
*本邦におけるフォシーガの承認された効能・効果は「2型糖尿病」「1型糖尿病」であり、左室駆出率が低下した心不全および慢性腎臓病に対する適応はありません。
以上
*****
DARE-19試験について
DARE-19試験は、国際共同多施設対照群間無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。試験登録期間中に新型コロナウイルスで入院した成人を対象に、標準治療への追加療法としてのフォシーガの有効性と安全性を、死亡、病気の進行、または合併症発症のリスクで評価します。DARE-19試験に登録される患者さんは、高血圧症、アテローム硬化性動脈硬化症、左室駆出率が低下または保持された心不全、2型糖尿病または慢性腎臓病ステージIII〜IVの病歴を有します。試験の主要有効性評価項目は、30日の追跡期間中の全死亡、または臓器不全の発現・悪化の初回発現までの期間です。循環器代謝疾患を有する新型コロナウイルス患者さんは、合併症を発症するリスクが最も高いと考えられています6,7,8。COVID-19患者さんは急性心筋損傷および心不全などの循環器系合併症を頻繁に発症しますが、心血管疾患や慢性腎臓病またその両者を基礎疾患として有することは新型コロナウイルスの予後不良および死亡の要因となると考えられています9,10。
新型コロナウイルスとアストラゼネカの研究について
アストラゼネカは、新型コロナウイルスの研究を早急に進めており、病気の進行の予防・治療のためのSARS-CoV-2ウイルスに対する新規コロナウイルス中和抗体の同定、身体の過活動免疫反応の抑制、または新型コロナウイルスによって引き起こされる臓器不全などの重度の合併症を予防するため、新規および既存医薬品の利用についての検討などを重点領域にして注力しています。
フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重減少と血圧低下の副次的作用を有しています。2型糖尿病患者さんにおける心血管アウトカムをみたDECARE-TIMI58試験では、フォシーガは標準治療への追加療法において、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目におけるリスクを低下しました。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. Wiviott SD, Raz I, Bonaca MP, et al, for the DECLARE-TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and cardiovascular outcomes in type 2 diabetes [article and supplementary appendix]. N Engl J Med. 2019:380:347-357.
2. McMurray JJV, Solomon SD, Inzucchi SE, et al, on behalf of the DAPA-HF Committees and Investigators. Dapagliflozin in patients with heart failure and reduced ejection fraction [article, online protocol, and supplementary appendix]. N Engl J Med. 2019;318;1995-2008.
3. Solomon SD, Jhund P, Kosiborod MN, et al. Effect of dapagliflozin on renal function in heart failure with reduced ejection fraction: the DAPA-HF Trial [presentation]. Presented at American Society of Nephrology Kidney Week; November 5-10, 2019; Washington, DC.
4. AstraZeneca Pharmaceuticals LP. Farxiga Phase III DAPA-CKD trial will be stopped early after overwhelming efficacy in patients with chronic kidney disease [press release]. https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2020/farxiga-phase-iii-dapa-ckd-trial-will-be-stopped-early-after-overwhelming-efficacy-in-patients-with-chronic-kidney-disease.html. Published March 30, 2020. Accessed April 7, 2020.
5. Sabatine MS, DeMets DL, Inzucchi SE, et al. Timing of onset of clinical benefit with dapagliflozin in patients with heart failure: an analysis from DAPA-HF [presentation]. Presented at: American Heart Association Scientific Sessions; November 16-18, 2019; Philadelphia, PA.
6. Arentz M, Yim E, Klaff L, et al. Characteristics and outcomes of 21 critically ill patients with COVID-19 in Washington State [published online ahead of print March 19, 2020]. JAMA. 2020.
7. Center for Disease Control. Coronavirus Disease 2019 (COVID-19): interim clinical guidance for management of patients with confirmed coronavirus disease (COVID-19). Website. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/clinical-guidance-management-patients.html. Accessed April 2, 2020.
8. Wu Z, McGoogan JM. Characteristics of and important lessons from the coronavirus disease 2019 (COVID-19) outbreak in China: summary of a report of 72314 cases from the Chinese center for disease control and prevention [published online ahead of print February 24, 2020]. JAMA. 2020.
9. Madjid M, Safavi-Naeini P, Solomon SD, et al. Potential effects of coronaviruses on the cardiovascular system: a review [published online ahead of print March 27, 2020]. JAMA Cardiol. 2020. http://dx.doi.org/10.1001/jamacardio.2020.1286. Accessed April 2, 2020.
10. Cheng Y, Luo R, Wang K, et al. Kidney disease is associated with in-hospital death of patients with COVID-19. Kidney Int. 2020. http://dx.doi.org/10.1016/j.kint.2020.03.005. Accessed April 3, 2020.
本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年4月23日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、4月23日、アストラゼネカと米セントルーク・ミッドアメリカ・ハートインスティチュートが、臓器不全などの重度の合併症を発症する危険性がある新型コロナウイルス(COVID-19)で入院した患者さんを対象に、フォシーガ(ダパグリフロジン)治療の可能性を評価するため、無作為化国際共同第III相試験を開始したことを発表しました。
DARE-19試験の目的は、心血管、代謝、腎臓のリスク要因を有する患者さんにおいて、SGLT2阻害剤であるフォシーガが、新型コロナウイルスによる病気の進行、合併症、および死亡のリスクを軽減させることを評価することです。
新型コロナウイルス患者さんにおいて、心臓、腎臓および代謝性の疾患を有することは、不良な予後や死亡に関係しています。本試験は、左室駆出率が低下した心不全、慢性腎臓病、2型糖尿病の患者さんにおけるフォシーガの保護作用に関する広範なデータを基に計画されています1-5。
バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「アストラゼネカは、当社の新薬および既存薬が新型コロナウイルス対策に利用できるか詳しく調べることで、新型コロナウイルスと闘うための新たな解決策を見出します。第III相DARE-19試験は、新型コロナウイルスを治療する際に重要な目標となる、持病のある患者さんに対してフォシーガが臓器不全などの重度の合併症を予防できるかについて検討することを目的としています」。
医学博士で、米セントルーク ミッドアメリカ ハートインスティチュートの心臓専門医、およびResearch at Saint Luke's Health SystemのバイスプレジデントでありDARE-19試験の治験責任医師であるMikhail N. Kosiborod氏は、次のように述べています。「フォシーガは、2型糖尿病、左室駆出率が低下した心不全、および慢性腎臓病を有する患者さんにおいて、心臓および腎臓の保護効果およびアウトカムの改善が確認されています*。循環器代謝疾患が基礎疾患にある新型コロナウイルス患者さんは、合併症を発症するリスクが最も高いと考えられており、DARE-19試験を通じて、病気の重症度を下げ、新型コロナウイルス感染患者さんによくみられる心血管系、呼吸器系、および腎臓の代償不全を予防したいと考えています」。
DARE-19試験は、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な米国および欧州諸国で組み入れを開始し、約900人の患者さんの参加を予定しています。
*本邦におけるフォシーガの承認された効能・効果は「2型糖尿病」「1型糖尿病」であり、左室駆出率が低下した心不全および慢性腎臓病に対する適応はありません。
以上
*****
DARE-19試験について
DARE-19試験は、国際共同多施設対照群間無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。試験登録期間中に新型コロナウイルスで入院した成人を対象に、標準治療への追加療法としてのフォシーガの有効性と安全性を、死亡、病気の進行、または合併症発症のリスクで評価します。DARE-19試験に登録される患者さんは、高血圧症、アテローム硬化性動脈硬化症、左室駆出率が低下または保持された心不全、2型糖尿病または慢性腎臓病ステージIII〜IVの病歴を有します。試験の主要有効性評価項目は、30日の追跡期間中の全死亡、または臓器不全の発現・悪化の初回発現までの期間です。循環器代謝疾患を有する新型コロナウイルス患者さんは、合併症を発症するリスクが最も高いと考えられています6,7,8。COVID-19患者さんは急性心筋損傷および心不全などの循環器系合併症を頻繁に発症しますが、心血管疾患や慢性腎臓病またその両者を基礎疾患として有することは新型コロナウイルスの予後不良および死亡の要因となると考えられています9,10。
新型コロナウイルスとアストラゼネカの研究について
アストラゼネカは、新型コロナウイルスの研究を早急に進めており、病気の進行の予防・治療のためのSARS-CoV-2ウイルスに対する新規コロナウイルス中和抗体の同定、身体の過活動免疫反応の抑制、または新型コロナウイルスによって引き起こされる臓器不全などの重度の合併症を予防するため、新規および既存医薬品の利用についての検討などを重点領域にして注力しています。
フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重減少と血圧低下の副次的作用を有しています。2型糖尿病患者さんにおける心血管アウトカムをみたDECARE-TIMI58試験では、フォシーガは標準治療への追加療法において、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目におけるリスクを低下しました。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. Wiviott SD, Raz I, Bonaca MP, et al, for the DECLARE-TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and cardiovascular outcomes in type 2 diabetes [article and supplementary appendix]. N Engl J Med. 2019:380:347-357.
2. McMurray JJV, Solomon SD, Inzucchi SE, et al, on behalf of the DAPA-HF Committees and Investigators. Dapagliflozin in patients with heart failure and reduced ejection fraction [article, online protocol, and supplementary appendix]. N Engl J Med. 2019;318;1995-2008.
3. Solomon SD, Jhund P, Kosiborod MN, et al. Effect of dapagliflozin on renal function in heart failure with reduced ejection fraction: the DAPA-HF Trial [presentation]. Presented at American Society of Nephrology Kidney Week; November 5-10, 2019; Washington, DC.
4. AstraZeneca Pharmaceuticals LP. Farxiga Phase III DAPA-CKD trial will be stopped early after overwhelming efficacy in patients with chronic kidney disease [press release]. https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2020/farxiga-phase-iii-dapa-ckd-trial-will-be-stopped-early-after-overwhelming-efficacy-in-patients-with-chronic-kidney-disease.html. Published March 30, 2020. Accessed April 7, 2020.
5. Sabatine MS, DeMets DL, Inzucchi SE, et al. Timing of onset of clinical benefit with dapagliflozin in patients with heart failure: an analysis from DAPA-HF [presentation]. Presented at: American Heart Association Scientific Sessions; November 16-18, 2019; Philadelphia, PA.
6. Arentz M, Yim E, Klaff L, et al. Characteristics and outcomes of 21 critically ill patients with COVID-19 in Washington State [published online ahead of print March 19, 2020]. JAMA. 2020.
7. Center for Disease Control. Coronavirus Disease 2019 (COVID-19): interim clinical guidance for management of patients with confirmed coronavirus disease (COVID-19). Website. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/clinical-guidance-management-patients.html. Accessed April 2, 2020.
8. Wu Z, McGoogan JM. Characteristics of and important lessons from the coronavirus disease 2019 (COVID-19) outbreak in China: summary of a report of 72314 cases from the Chinese center for disease control and prevention [published online ahead of print February 24, 2020]. JAMA. 2020.
9. Madjid M, Safavi-Naeini P, Solomon SD, et al. Potential effects of coronaviruses on the cardiovascular system: a review [published online ahead of print March 27, 2020]. JAMA Cardiol. 2020. http://dx.doi.org/10.1001/jamacardio.2020.1286. Accessed April 2, 2020.
10. Cheng Y, Luo R, Wang K, et al. Kidney disease is associated with in-hospital death of patients with COVID-19. Kidney Int. 2020. http://dx.doi.org/10.1016/j.kint.2020.03.005. Accessed April 3, 2020.