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外国人診療に役立つ「やさしい日本語」の動画教材を公開

医療者が使えるフレーズを事例別に紹介

順天堂大学(学長:新井 一)、帝京大学(学長:冲永 佳史)、聖心女子大学(学長:高祖 敏明)は、東京の政策課題に連携して取り組む「東京都と大学との共同事業」の一環として、外国人診療に役立つ「やさしい日本語」の普及を目指した動画教材『医療で用いる「やさしい日本語」』を制作し、公開しましたのでお知らせいたします。




[動画: https://www.youtube.com/watch?v=jaLg81KNtNg ]



日本で生活する外国人が医療機関を受診する際に直面するのが「ことばの壁」ですが、外国人診療の場では、医療通訳者はまだ不足しており、常に同行がかなうとは限らないのが現状です。一方で、日本に暮らす外国人の8割は、日常会話で日本語を使えると回答しています(次頁参照)。医療現場での受付や会計、採血・採尿といった検査の場や病棟での案内の際などに医療者が使う表現には典型的なものも多いため、「やさしい日本語」に置き換えることで外国人が理解できるケースは多く見込まれます。そこで今回、病院受診の場でよく使われるフレーズに対応した「やさしい日本語」の動画教材を作成しました。3大学から医師(順天堂大学大学院医学研究科医学教育学:武田裕子教授(事業代表者))、日本語教育学の専門家(聖心女子大学現代教養学部日本語日本文学科:岩田一成教授)、ヘルスコミュニケーションの専門家(帝京大学大学院公衆衛生学研究科:石川ひろの教授)がそれぞれの知見を活かして制作に参加しています。また、各医療機関が研修などでも広く活用できるよう、オンライン上に無料で公開(https://easy-japanese.info/archives/391)しています。

動画教材『医療で用いる「やさしい日本語」』“3つのポイント”
【1】「やさしい日本語」の基礎知識や言い換えのコツを紹介
「やさしい日本語」は医療者にはまだほとんど知られていないため、「やさしい日本語」が必要とされる背景や、実際に“話す際のコツ”について、日本語教育学の専門家であり多くの自治体で「やさしい日本語」の普及に取り組む聖心女子大学現代教養学部日本語日本文学科の岩田一成教授が解説します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/21495/219/resize/d21495-219-381343-0.png ]


【2】外国人診療の場で医療者が使えるフレーズを事例別に紹介
順天堂医院の協力のもと、実際に外国人診療の場で役立つフレーズを事例別にまとめました。一般的な日本語と「やさしい日本語」の両方の表現を提示し、言い換えの際のポイントを紹介しています。動画教材は1.受付編(総合案内)、2.医療相談編、3.検査部編、4.放射線部編、5.病棟編、6.会計編、7.外来編(受付・医師の診察・処方薬の説明)から構成され、医師、看護師だけでなく、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーや医療事務職員がそれぞれ使える表現を収録しました。動画で紹介される医療者と患者さんのやり取りは、帝京大学大学院公衆衛生学研究科の石川ひろの教授がヘルスコミュニケーションの観点から監修しています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/21495/219/resize/d21495-219-776674-1.png ]


【3】外国人が考える「やさしい医療」とは? 当事者インタビュー動画も同時公開
外国人支援に取り組むNPO法人 国際活動市民中心(CINGA)でコーディネーターを務める新居みどりさんに、外国人支援の現状や、医療現場で必要とされる「やさしい日本語」についてインタビューしています。また、実際に日本で生活する外国人の方へもインタビューを行い、病院を受診した際に直面した“困難”について紹介してもらいました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/21495/219/resize/d21495-219-275304-3.png ]


「やさしい日本語」とは…
「やさしい日本語」は、難しい言葉を言い換えるなど、日本語に不慣れな外国人にもわかりやすい日本語のことを言い、阪神淡路大震災をきっかけに広く普及しました。日本語も英語も理解が困難な外国人への支援の際に活用されているほか、高齢者や障がいのある方、子どもたちなど、情報を得ることが難しい方々にも用いられます。現在、行政窓口や生活情報の提供、観光の場面で効果を発揮していますが、医療関係者への認知度はまだ高くありません。法務省による外国人住民調査(2016)でも、日本語を使えると回答した外国人は右のグラフのように8割を超えており、「やさしい日本語」は外国人とのやり取りにおいて広く役立つことが期待されています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/21495/219/resize/d21495-219-447106-5.png ]

<関連リンク>


日本で暮らす外国人が病院で直面する「言葉の壁」。医療現場で必要とされる「やさしい日本語」とは―?https://prtimes.jp/story/detail/wrVyLdCGmx0


動画教材では、「尊敬語・謙譲語、オノマトペ、外来語は避ける」「話し出す前に整理」「一文を短く」「“お”をつけない」「実物を示す」「自分がやってみせる」など、「やさしい日本語」に言い換える際のコツを事例ごとに紹介しています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/21495/219/resize/d21495-219-711810-6.png ]

[画像6: https://prtimes.jp/i/21495/219/resize/d21495-219-296534-7.png ]


動画教材の公開について
今回制作した動画『医療で用いる「やさしい日本語」』は、下記URLよりご覧いただけます。

動画URL:https://easy-japanese.info/archives/391

また、“医療×「やさしい日本語」研究会”HP(https://easy-japanese.info/)では、関連する資料をダウンロードできます。

動画教材制作にあたって 〜制作グループからのコメント〜
「やさしい日本語」は、日本語を母語としない外国の方だけでなく、高齢者や障がいのある方など様々な方にとってわかりやすい日本語です。しかし、医療現場では、まだほとんど知られていません。今回の動画制作には、実際に病院で働く医療者の協力を得ました。撮影の合間の会話から「やさしい日本語」は知らなくても、普段から患者さんに合わせて話す努力をされていることが伝わってきました。一方、“外国人の方に「ズキズキ」「ガンガン」などのオノマトペが通じないとは知らなかった”、“一文を短くするよう心がけたい”というコメントもあり、ご紹介したコツは実践で役立つと実感しました。ぜひ多くの医療者に、この動画教材を活用いただけたら嬉しいです。なお、10月31日(土)午後2-4時には、この動画に関連するオンライン・シンポジウムを開催いたします。詳細は、上記“医療×「やさしい日本語」研究会”HPをご覧ください。

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本課題を含む医療における「やさしい日本語」の導入・普及には、「令和2年度東京都と大学との共同事業(SDGsの推進と持続可能な都市・東京の実現)」に係る事業費に加え、JSPS科研費18H03030およびトヨタ財団特定課題(2019年度)「外国人材の受け入れと日本社会」の助成を受けています。(研究・事業代表者:順天堂大学大学院医学研究科医学教育学・教授 武田裕子)
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