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アストラゼネカのフォシーガ、慢性腎臓病患者を対象とした第III相DAPA-CKD試験において、全ての主要評価項目および副次評価項目を達成

2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病患者における腎機能の悪化または死亡のリスクを有意に低減

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年7月28日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

フォシーガ(ダパグリフロジン)第III相DAPA-CKD試験により、フォシーガは、成人の慢性腎臓病(CKD)患者さんにおける、腎機能の悪化または死亡に関する主要複合評価項目(推定糸球体ろ過量 [eGFR] の50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡のいずれかの発生と定義)において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある効果を示しました。また本試験でフォシーガは、2型糖尿病合併の有無に関わらずCKD患者さんにおいて、全ての副次的評価項目も達成しました。同患者集団において、全死因死亡のリスクを有意に低減した薬剤は、フォシーガが初めてとなります。

CKDは腎機能低下を認める、重大で進行性の病気で、世界中で約7億人の患者さんがいます(1),(2)が、その多くはまだ診断されていない状態にあります(3),(4) 。現在、これらの患者さんの治療選択肢は限られています(5)。CKDは高い有病率や、心不全や若年死(7)をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与しています(6)。

本試験とその治験運営委員会の共同代表者であるロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのDavid Wheeler教授、およびフローニンゲン大学医療センターのHiddo L. Heerspink教授は、次のように述べています。「DAPA-CKD試験は、ダパグリフロジンがCKDの新たな治療選択肢になりうることを示しました。CKD患者さんは新たな治療を長い間待ち望んでいました。本試験の結果は、CKD患者さんに大きな変化をもたらすことになるでしょう」。

バイオ医薬品研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病患者さんにおいて生存期間の改善を含む試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性を示した最初の試験です。これらの興味深いフォシーガの結果を、世界の科学コミュニティや保健当局と共有できることを楽しみにしています」。

フォシーガの安全性および忍容性プロファイルは本剤の確立された安全性プロファイルと一貫していました。

DAPA-CKD試験結果の全体は、今後の医学学会での発表に向けて提出されます。

アストラゼネカは、2020年3月、独立データモニタリング委員会からの試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性に基づく試験終了に関する勧告を受け、DAPA-CKD試験の早期終了を発表しました。

さらに、2020年5月、フォシーガは、米国において、2型糖尿病合併の有無に関わらず左室駆出率が低下した (HFrEF) 、成人心不全患者さん (NYHA心機能分類:IIからIV) の心血管死および心不全による入院のリスク低下に対する承認を取得しました。

なお、本邦で承認されているフォシーガの適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」です。現時点で、フォシーガが慢性腎臓病の適応を取得している国および地域はありません。

以上

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慢性腎臓病について
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能が低下することにより起こる重篤な進行性の疾患です。腎機能の低下は、eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されます(1)。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎です(8)。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります(9)。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています(10)。

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無を問わず、慢性腎臓病ステージ2から4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例の慢性腎臓病患者さんを対象に、フォシーガ10mg投与による効果と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験です。フォシーガ は1日1回慢性腎臓病の標準治療に追加投与されました。主要複合評価項目は、慢性腎臓病患者さんにおける腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義されています。副次的複合評価項目には 腎機能の悪化もしくは死亡 (eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡), 心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間と定義されています。同試験は日本を含む21カ国で実施されました。

フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重減少と血圧低下の副次的作用を有しています。2型糖尿病患者さんを対象とするDECARE-TIMI58心血管アウトカム試験では、フォシーガは標準治療への追加療法において、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目におけるリスクを低下しました。

フォシーガは現在、心不全患者さんを対象としたDELIVER試験(左室駆出率が保持された心不全、HFpEF)およびDETERMINE試験(HFrEFおよびHFpEF)が進行中です。またフォシーガは、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験であるDAPA-MI試験も進行中です。同試験は急性心筋梗塞または心臓発作既往の2型糖尿病患者さんを対象としています。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。

なお、本邦におけるフォシーガの承認された適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」であり、慢性腎臓病、HFrEF、HFpEF、急性心筋梗塞または心臓発作既往の2型糖尿病を効能・効果とした承認は取得していません。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝 (CVRM) 領域について
循環器・腎・代謝 (CVRM) はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝 疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) CKD Work Group. KDIGO 2012 clinical practice guideline for the evaluation and management of chronic kidney disease. Kidney International Supplement 2013; (3):1–150.
2. GBD 2017 Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 354 diseases and injuries for 195 countries and territories, 1990–2017: asystematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017 Lancet 2018; 392:1789–858.
3. National Kidney Foundation. Kidney Disease: The Basics [cited 07.08.20]. Available from: URL: https://www.kidney.org/news/newsroom/factsheets/KidneyDiseaseBasics.
4. Hirst JA et al. Prevalence of chronic kidney disease in the community using data from OxRen: A UK population-based cohort study. Br J Gen Pract 2020; 70(693):e285-e293.
5. Ward F et al. Drug therapies to delay the progression of chronic kidney disease. Clin Med (Lond) 2015; 15(6):550–7
6. Bikbov, Boris, et al. “Global, Regional, and National Burden of Chronic Kidney Disease, 1990–2017: a Systematic Analysis for the Global Burden of Disease Study 2017.” The Lancet, vol. 395, no. 10225, 13 Feb. 2020, pp. 709–733., doi:10.1016/s0140-6736(20)30045-3.
7. Segall L et al. Heart failure in patients with chronic kidney disease: A systematic integrative review. Biomed Res Int 2014; 2014:937398.
8. National Kidney Foundation. Kidney Disease: Causes, 2017; [cited 2020 Jun 25]. Available from URL: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneydiscauses
9. Centers for Disease Control and Prevention. Chronic Kidney Disease in the United States, 2019 [cited 01.05.20]. Available from URL: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
10. Briasoulis A, Bakris GL. Chronic Kidney Disease as a Coronary Artery Disease Risk Equivalent. Cur Cardiol Rep 2013; 15(3):340.
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