博報堂が、京都大学との共同研究をもとに「不便益」を活用した顧客体験設計の発想支援フレームを開発
[19/08/30]
提供元:PRTIMES
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株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:水島正幸、以下博報堂)は、京都大学情報学研究科の川上浩司特定教授が提唱する「不便益」(※1)を、企業のマーケティング活動に応用するための共同研究を進めてまいりました。このたび本共同研究の成果として、企業の顧客体験設計を支援するためのフレームを開発しましたのでお知らせします。
今、社会のオールデジタル化が急速に進むにつれ、「便利さ」の追及はますます加速しています。
しかし一方で、“「不便」さ(労力がかかる、時間がかかる等)から生み出される「益(やる気がわく、自分を肯定できる等)」が存在し、そこに積極的な価値を見出そうとする”「不便益」という考え方が注目され始め、一部のプロダクトデザイン領域においては導入が進んでいます。
博報堂は長年にわたり、年平均100社を超える企業のCRM事例を収集し、類型化と成功事例分析を行い、クライアントへの業務提案に活用してまいりました。このたび京都大学川上教授が提唱する「不便益」の考え方が、企業とユーザーとの良好な関係を築く「顧客体験設計」に適用できるものとして着目したことから、京都大学との共同研究を今年より開始いたしました。
この研究成果として、新たに企業のCRM施策の領域で、益の出やすい「不便」の手口と、その不便から得られる情緒価値につながる「益」を、それぞれ7つに類型化するあらたな知見を得ました。
博報堂ではこの成果を活用して、「便利なサービス」を「不便なサービス」へと変換し、逆発想からくる多角的で斬新な顧客体験施策の創造へつながる発想支援フレームを開発しました(詳細は別紙をご参照ください)。
今後は有効な施策実例のさらなる抽出と、定量的な分析を取り入れることでメソッドの精緻化と改良を図り、クライアント企業へのより精緻なソリューション提供へと役立ててまいります。
直近では、9月に行われる京都大学サマーデザインスクール(※2)で開催されるテーマワークショップで実証実験を行うことでさらなるバージョンアップを図る予定です。
(※1)「不便益」
京都大学川上教授を中心に2000年代から考えられてきた概念で、現在大学の垣根を越えた研究会(計測自動制御学会内の不便益システムWG主催)や、一般向けWebサイト(不便益システム研究所)が運営され、自動車の運転支援や観光支援など、様々な分野で実践されている。 [URL]不便益システム研究所 http://fuben-eki.jp/
(※2) 京都大学サマーデザインスクール
様々な分野の参加者と実施者がテーマに分かれて社会の実問題に真剣に挑む3日間集中のデザインワークショップ。2011年にスタートし、これまでにのべ2,000名が参加している。
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<「不便益」を応用した顧客体験設計のための発想支援フレーム>
過去の企業のCRM施策から「不便益」がみられる施策をピックアップすることで、独自に、「益の出やすい7つの不便(具体的な手段)」と、「不便から得られる7つの益(情緒レベルでの益)」を抽出し、マトリクス化しました。この「不便」と「益」の掛け合わせである「不便益マトリクス」に各社のCRMの成功事例をプロットすると、不便益の特長の深層を端的に表しており、新たな対策の分析に有用な指標となります。
例えば、自動で案内してくれる案内板の便利なサービスを、「操作量を多くする」、「情報を減らす」といった「益の出やすい不便」を使って敢えて「不便なサービス」に変換し、それがどんな益を生んでいるかを「不便から得られる益」を元に考えることで、「不便益」を含む施策を立案することができます。
↓↓↓
[画像: https://prtimes.jp/i/8062/236/resize/d8062-236-266841-0.png ]
今、社会のオールデジタル化が急速に進むにつれ、「便利さ」の追及はますます加速しています。
しかし一方で、“「不便」さ(労力がかかる、時間がかかる等)から生み出される「益(やる気がわく、自分を肯定できる等)」が存在し、そこに積極的な価値を見出そうとする”「不便益」という考え方が注目され始め、一部のプロダクトデザイン領域においては導入が進んでいます。
博報堂は長年にわたり、年平均100社を超える企業のCRM事例を収集し、類型化と成功事例分析を行い、クライアントへの業務提案に活用してまいりました。このたび京都大学川上教授が提唱する「不便益」の考え方が、企業とユーザーとの良好な関係を築く「顧客体験設計」に適用できるものとして着目したことから、京都大学との共同研究を今年より開始いたしました。
この研究成果として、新たに企業のCRM施策の領域で、益の出やすい「不便」の手口と、その不便から得られる情緒価値につながる「益」を、それぞれ7つに類型化するあらたな知見を得ました。
博報堂ではこの成果を活用して、「便利なサービス」を「不便なサービス」へと変換し、逆発想からくる多角的で斬新な顧客体験施策の創造へつながる発想支援フレームを開発しました(詳細は別紙をご参照ください)。
今後は有効な施策実例のさらなる抽出と、定量的な分析を取り入れることでメソッドの精緻化と改良を図り、クライアント企業へのより精緻なソリューション提供へと役立ててまいります。
直近では、9月に行われる京都大学サマーデザインスクール(※2)で開催されるテーマワークショップで実証実験を行うことでさらなるバージョンアップを図る予定です。
(※1)「不便益」
京都大学川上教授を中心に2000年代から考えられてきた概念で、現在大学の垣根を越えた研究会(計測自動制御学会内の不便益システムWG主催)や、一般向けWebサイト(不便益システム研究所)が運営され、自動車の運転支援や観光支援など、様々な分野で実践されている。 [URL]不便益システム研究所 http://fuben-eki.jp/
(※2) 京都大学サマーデザインスクール
様々な分野の参加者と実施者がテーマに分かれて社会の実問題に真剣に挑む3日間集中のデザインワークショップ。2011年にスタートし、これまでにのべ2,000名が参加している。
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<「不便益」を応用した顧客体験設計のための発想支援フレーム>
過去の企業のCRM施策から「不便益」がみられる施策をピックアップすることで、独自に、「益の出やすい7つの不便(具体的な手段)」と、「不便から得られる7つの益(情緒レベルでの益)」を抽出し、マトリクス化しました。この「不便」と「益」の掛け合わせである「不便益マトリクス」に各社のCRMの成功事例をプロットすると、不便益の特長の深層を端的に表しており、新たな対策の分析に有用な指標となります。
例えば、自動で案内してくれる案内板の便利なサービスを、「操作量を多くする」、「情報を減らす」といった「益の出やすい不便」を使って敢えて「不便なサービス」に変換し、それがどんな益を生んでいるかを「不便から得られる益」を元に考えることで、「不便益」を含む施策を立案することができます。
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[画像: https://prtimes.jp/i/8062/236/resize/d8062-236-266841-0.png ]