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スーダンでの戦闘による人道状況悪化、多くの子どもたちが命の危機に。子ども支援組織3団体が、子ども保護のため緊急行動を求める声明を発表

【2023年4月26日、スーダン/ハルツーム】スーダンで激しい衝突が続く中、国連児童基金(ユニセフ/UNICEF)と、子ども支援を中心に活動する国際NGOであるワールド・ビジョンおよびセーブ・ザ・チルドレンは、4月26日時点で合意されている停戦が、すべての当事者によって尊重されなければ、子どもたちに危険がおよぶことを強く警告しました。何百万人もの弱い立場にある少女や少年が緊急の人道支援を必要としており、すべての子どもたちを危害から守る必要があります。




2023年4月15日に勃発した戦闘で、少なくとも9人の子どもが死亡し、50人以上が負傷したと伝えられています(UNICEF2023年4月19日)。この戦闘はまた、避難など強制的な人の移動を引き起こし、軍隊や武装集団による徴兵や使用、性的暴力など、深刻な人権侵害のリスクに子どもたちをさらしています。
[画像: https://prtimes.jp/i/5096/247/resize/d5096-247-626c24bcbeab7b7216c7-0.jpg ]

世界保健機関(WHO)によると、暴力によって医療は深刻な影響を受けており、スーダンの医療施設の1/3はもはや機能しておらず、子どもたちとその家族は必要不可欠な医療を受けることができません。
ワクチンを推奨温度で安全に保管・輸送するシステムは、頻繁な停電と燃料不足の影響を受けています。すでにワクチン接種率が低下し、子どもたちが常に感染症の流行に直面しているスーダンにおいて、それは何百万人もの子どもたちの生死にかかわります。すなわち、何百万人ものワクチン未接種またはゼロ接種の子どもたちが命を救うワクチン接種を受けられず、麻疹やポリオなどの致命的な病気にさらされることになるのです。

「食料や栄養の援助を受けられなければ、子どもたちは命を落とすか、または、身体的・発達的な悪影響により苦しむことになるのです」 と、ワールド・ビジョン・スーダンの事務局長エマニュエル・イッシュは述べます。「平和がなければ、極めて弱い立場にある少女や少年、そしてそのコミュニティに食料援助や栄養支援を届けることは非常に困難なのです」

現在の紛争が始まる前、スーダンの人道的ニーズは深刻かつ悪化しており、子どもたちは非常にぜい弱な状態にありました。850万人以上の子どもたちを含む約1,580万人が人道支援を必要としていました。スーダンは世界で最も子どもの栄養失調率が高い国の一つです。今回の危機により、重症急性栄養障害 (SAM) に苦しんでおり、現在治療プログラムに登録されている推定5万人の子どもたちの救命治療が中断されています。この子どもたちの命は失われかねず、支援活動が迅速に再開されない限り栄養失調率が悪化してしまうことは明らかです。

UNICEFスーダン代表のマンディープ・オブライエンは、 「スーダンでは子どもたちが紛争の矢面に立たされている」 と述べています。「彼らは死につつあり、彼らの未来は奪われつつあります。ぜい弱な子どもたちが健康、保護、教育サービスを受けることが妨げられるならば、その影響は一生にわたって続くのです。弱い立場にあるすべての子どもたちが、どこにいようとも、緊急に手を差し伸べることができるように、戦闘を止めなければなりません」

「現在の危機以前から、スーダンでは700万人の子どもたちが学校に通っておらず、270万人の子どもたちが栄養不良に陥っていました」 とセーブ・ザ・チルドレン スーダン事務所長アルシャド・マリクは述べます。「保健医療施設や学校が受けた被害の全容はまだ明らかではありません。私たちは緊急に、すべての子どもたちの食料、水、保健医療へのアクセスを確保する必要があります。子どもたちの命は危険にさらされているのです」

スーダンでは教員や学校の不足などの理由で学校が閉鎖され、何百万人もの子どもたちが教室から追い出されました。少女の3人に1人、少年の4人に1人は学ぶことができなくなっています。また、教育の質が引くことも子どもたちを苦しんでいました。10歳の子どもたちの約70%は読むことができません(UNICEF2022年9月)

ワールド・ビジョン、ユニセフ、セーブ・ザ・チルドレンの三団体は、長引く紛争が子どもたちに与える影響を深く懸念しており、すべての紛争当事者と国際社会に対し、スーダンの子どもたちを保護するために、より多くの行動を行うよう緊急に要請します。求める行動には以下を含みます。
停戦を維持・尊重し、人道支援を再開できるようにすること。広範な暴力と治安の悪化により、多くの州で人道支援活動が中断されています。ワールド・ビジョン、ユニセフ、セーブ・ザ・チルドレンの施設などが侵入され、物資が盗まれています。紛争のすべての当事者は、人道支援組織と職員の安全を保証し、暴力や妨害を恐れることなく、緊急の保健、栄養、保護、教育サービスを子どもとその家族に提供できるようにすべきです。

紛争のすべての当事者は、スーダンの子どもたちのために平和を受け入れ、学校を再開すること。学校は、子どもたちにとって学習スペースだけでなく、武装集団からの徴兵を含む虐待や搾取から子どもたちを守る安全なスペースでもあります。子どもたちが学校に通っていない日々が続くほど、子どもたちが最終的に学校に戻ってこられる可能性は、特に女子にとっては低くなります。スーダンの学習危機は世代全体にとっての大惨事となりつつあり、緊急の行動が必要です。

すべての当事者は子どもを保護し、子どもの徴兵と使用を行わないこと。軍隊やグループによる子どもの徴兵と使用は、身体的および心理的な外傷的事象に深刻かつ長期間さらされることにつながります。



<緊急人道支援募金を受け付けています>
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、災害や戦禍など緊急時に迅速な支援を届けるため、緊急人道支援募金を常時受け付けています。世界の人道危機への必要は増しています。ご協力をお願いいたします。
お申し込みはこちら: https://www.worldvision.jp/donate/emergency.html

<ワールド・ビジョンとは>
キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。
詳しくはこちら: https://www.worldvision.jp  

<ワールド・ビジョンのスーダンにおける活動>
ワールド・ビジョンは、スーダンで、1971〜1988年、そして2004年以降、36年以上にわたって活動を展開してきました。ボランティアとパートナー、そして、308人のスタッフが、南ダルフール州、青ナイル州、東ダルフール州、南コルドファン州の4つの州で活動しています。昨年1年間では、食料、子どもの保護、保健・栄養、水と衛生の分野を含む緊急支援によって国内の主に女性と子どもを含む150万人に支援を届けました。ワールド・ビジョンは、スーダンにおける、WFP(世界食糧計画)の最大の食料援助パートナーです。WFPとの連携による事業には、ワールド・ビジョン・ジャパンを通した日本の皆さまのからの寄付も活用されています。現在、スーダン国内に日本人スタッフはおりません。
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