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アストラゼネカのフォシーガ、DAPA-CKD第III相試験において、原疾患に関わらず、慢性腎臓病患者さんの腎機能の悪化、心血管死または腎不全による死亡のリスクを低下

幅広い慢性腎臓病患者さんに対する治療の可能性を裏付ける

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年10月23日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカのフォシーガ(ダパグリフロジン)は、DAPA-CKD第III相試験の新たなサブグループ解析において、標準治療への追加投与で、原疾患に関わらず、慢性腎臓病(CKD)患者さんの腎機能の悪化、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合評価項目を低下させることを示しました1。

CKDは、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患です2。世界で約7憶人の患者さんが存在すると言われていますが、その多くはまだ診断されていない状態にあります3-5。米国における成人の3人に1人、約8,000万人がCKD発症のリスクを有していると推定されています5。CKDを発症する主な原因疾患は、糖尿病(38%)、高血圧(26%)、糸球体腎炎(腎炎、16%)です6。

サブグループ解析において、フォシーガは、プラセボと比較して、主に糖尿病性腎疾患に起因するCKD患者さんに対する相対リスクを37%減少しました(絶対リスク減少[ARR] =5.8%)1 。高血圧では25%(ARR = 2.2%)、糸球体腎炎では57%(ARR = 7.5%)1 そして、他の原因または原因不明のCKDでは42%(ARR = 5.0%)(相対リスク減少 の交互作用のp値=0.53)の減少を示しました1 。同様に、フォシーガは、原疾患に関わらず、プラセボと比較して、副次的評価項目である全死亡の低下を示しました(交互作用のp値=0.55)1 。フォシーガの安全性および忍容性は、過去の安全性プロファイルと一致していました。

DAPA-CKD試験の治験運営委員会の共同代表者であるオランダのグロニンゲン大学医療センターのHiddo L. Heerspink教授は次のように述べています。「本結果は、原疾患の種類に関わらず、幅広いCKD患者さんの標準治療を変えるというフォシーガの可能性を裏付けるものです。これにより、世界の何百万人ものCKD患者さんの治療の可能性が大きく開かれるかもしれません」。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「DAPA-CKD試験は、フォシーガが、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKD患者さんを対象とした腎アウトカム試験において、生存期間を有意に延長した初めてのSGLT2阻害剤であることを示しました。今回発表された結果は、進行を遅らせるために新しい治療選択肢を緊急に必要としている多様なCKD患者集団に対して、フォシーガが、一貫した臨床的意義のあるベネフィットをもたらすことをさらに明らかにしました」。本結果は、2020年の米国腎臓学会(ASN)腎臓週間で発表されました。

2020年10月初め、フォシーガは、米国で、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDを対象にブレークスルーセラピーに指定されました。また、欧州において、医薬品委員会より、心不全に対する承認勧告を受領しました。さらに2020年5月には、米国で、2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した成人心不全(NYHA心機能分類:II〜IV)の心血管死および心不全による入院のリスク低下に対する承認を取得しました。

なお、本邦における、フォシーガの承認された適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」であり、慢性腎臓病、心不全、左室駆出率が低下した心不全の心血管死および心不全による入院リスク低下に対する適応は取得していません。

                                                 以上
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慢性腎臓病について
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下を認める、重篤な進行性の疾患です。腎機能の低下は、eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されます2。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります7。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています8。

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病ステージの2〜4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例の慢性腎臓病患者さんを対象に、フォシーガ10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験です。フォシーガ は1日1回、慢性腎臓病の標準治療に追加投与されました。結果は2020年8月に発表され、The New England Journal of Medicineに掲載されました。フォシーガは、プラセボと比較して、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義される主要複合評価項目を39%低下させました(p<0.0001)。この結果は、2型糖尿病合併の有無に関わらず一貫していました。フォシーガはまた、腎機能の悪化もしくは死亡 (eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院および全死因死亡のいずれかの初発までの期間と定義される全ての副次的評価項目を達成し、全死因死亡のリスクを31%低下させました(ARR = 2.1%, p=0.0035) 9。

フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重や血圧に対して副次的な作用示します。2型糖尿病患者さんを対象とするDECARE-TIMI58心血管アウトカム試験では、フォシーガは標準治療への追加療法において、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目におけるリスクを低下しました。

現在フォシーガでは、心不全患者さんを対象としたDELIVER試験(左室駆出率が保持された心不全:HFpEF)およびDETERMINE試験 (HFrEFおよびHFpEF)が進行中です。また、急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象としたDAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝 (CVRM) 領域について
循環器・腎・代謝 (CVRM) はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝 疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。


Reference:
1. Wheeler DC. Effects of dapagliflozin on kidney function, cardiovascular events and all-cause mortality
according to cause of kidney disease in the DAPA-CKD trial. Oral abstract #FR-OR58 presented at:
American Society of Nephrology - Kidney Week 2020 Reimagined, 19-25 October 2020.
2. Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Anemia Work Group. KDIGO Clinical Practice
Guideline for Anemia in Chronic Kidney Disease. Kidney International Supplement 2012; 2:279–335.
3. Bikbov B et al. Global, regional, and national burden of chronic kidney disease, 1990–2017: A system
atic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. The Lancet 2020; 395(10225):709–33.
4. Hirst JA et al. Prevalence of chronic kidney disease in the community using data from OxRen:
AUK population-based cohort study. Br J Gen Pract 2020; 70(693):e285-e293.
5. National Kidney Foundation. Kidney Disease: The Basics; 2020 [cited 22 October 2020]. Available
from: URL: https://www.kidney.org/news/newsroom/factsheets/KidneyDiseaseBasics.
6. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. High Blood Pressure & Kidney
Disease: National Institutes of Health [cited 22 October 2020]. Available from:
URL: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/high-blood-pressure.
7. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Chronic Kidney Disease in the United States,
2019; 11 March 2019 [cited 22 October 2020]. Available from:
URL: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
8. Briasoulis A, Bakris GL. Chronic Kidney Disease as a Coronary Artery Disease Risk Equivalent.
Current Cardiology Reports 2013; 15(3):340.
9. Heerspink HJL et al. Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease. N Engl J Med 2020;
383(15):1436–46.
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