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Tezepelumab、広範な重症喘息患者さんに対し、一貫して増悪を有意に抑制した初の生物学的製剤

第III相NAVIGATOR試験でプラセボに対しすべての主要評価項目と主な副次的評価項目において優位性を示す




アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)とアムジェンは、tezepelumabが、コントロール不良の重症喘息患者さんの年間喘息増悪率 (AAER) の統計学的に有意かつ臨床的に意味のある1抑制を実証した第III相NAVIGATOR試験の良好な詳細結果を発表しました2。本結果は米国喘息・アレルギー・免疫学会のバーチャル年次総会で発表されました2。

Tezepelumabは、ファースト・イン・クラスの新薬候補で、SoCへのプラセボ追加療法に比べ、52週間にわたり患者集団全体で統計学的に有意かつ臨床的に意味のある56%のAAERの抑制 (p<0.001)を示しました2。SoCとは経口ステロイド薬 (OCS) 併用の有無を問わず、中用量もしくは高用量の吸入ステロイド薬 (ICS)に、少なくとももうひとつの喘息コントロール薬を加えた治療を指します2。

Tezepelumabは、第II相および第III相臨床試験においてベースライン時の血中好酸球数に関わらず重症喘息患者さんの広範な集団において一貫して有意にAAERを抑制した唯一の生物学的製剤です2-9。

サブグループにおいても、ベースライン時の血中好酸球数が300 cells/µL未満の被験者において、tezepelumabは統計学的に有意かつ臨床的に意味のある41%のAAERの抑制 (p<0.001) を達成しました2。AAERの同様の抑制は別の2つのサブグループ(被験者の39%にあたるベースライン時の血中好酸球数が150 cells/µL 未満の患者、および被験者の70%にあたるベースライン時の血中好酸球数が300 cells/µL 以上の患者)においても見られました2。

加えて、アレルギーの状態や呼気中一酸化窒素濃度 (FeNO) のレベル、臨床医が治療選択をする際に用いるバイオマーカーを問わず、tezepelumab投与群においてプラセボに対するAAERの抑制が見られました2。

英国ロンドンのロイヤルブロンプトン病院肺部門の部長であり第III相NAVIGATOR試験の治験総括医師であるAndrew Menzies-Gow教授は次のように述べています。「これらは、吸入薬による標準治療と現在承認されている生物学的製剤による治療を受けているにも関わらず、消耗性の症状の継続と直面している多くの重症喘息患者さんにとって画期的な結果です。Tezepelumabは好酸球性フェノタイプにかかわらず広範な重症喘息患者集団に対する治療を変革する可能性を有しています」。

アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「第III相NAVIGATOR試験のこの前例のない結果はtezepelumabが、血中好酸球数、アレルギーの状態および呼気中一酸化窒素濃度のレベルを問わず、ランダム化された臨床試験において、臨床的に意味のある増悪抑制効果を示した最初かつ唯一の生物学的製剤の喘息治療薬であることを示しました。これをもって、tezepelumabが炎症カスケードの上流を標的とすることのベネフィットを示す強固なエビデンス得られたことから、当社は可能な限り早期にこのファースト・イン・クラスの治療薬候補を広範な重症喘息患者さんに届けることを楽しみにしています」。

また、tezepelumabはプラセボに対し、呼吸機能測定値、喘息コントロールおよび健康関連の生活の質を含むすべての主な副次的評価項目においても統計学的に有意な改善を示しました2。

有害事象はTezepelumab投与群とプラセボ群でそれぞれ77.1%、79.5%に発現しました。また重篤な有害事象はそれぞれ8.7%、13.2%に発現しました。最も頻繁に報告された有害事象としては鼻咽頭炎、上気道感染症および頭痛が挙げられます2。

NAVIGATOR試験は薬事承認申請の根拠を形成する主要第III相臨床試験です。

Tezepelumabは喘息炎症のスペクトラム全体において主要な役割を果たす上皮細胞サイトカインであるTSLPの作用を阻害します3,10。NAVIGATORはTSLPを標的とすることで重症喘息に対する恩恵を示した初の第III相試験です2。

ベースライン時の血中好酸球数が300 cells/µL 未満の患者さんにおいてtezepelumabが示した統計学的に有意かつ臨床的に意味のある喘息増悪率の抑制を根拠として、tezepelumabは好酸球性フェノタイプを持たない重症喘息患者さんの治療薬として2018年9月に、米国食品医薬品局により画期的治療薬指定US Food and Drug Administration Breakthrough Therapy Designationが付与されています。Tezepelumabはアムジェンと共同でアストラゼネカにより開発中です (後述の「アストラゼネカとアムジェンの提携」を参照ください)。

※Tezepelumabは本邦未承認です。

以上

*****
重症喘息について
喘息は世界で推定3億3,900万人の人々に悪影響を与えており11, 12、喘息患者さんの約10%は重症喘息に分類されます12,13。高用量の喘息コントロール薬、現在使用可能な生物学的製剤およびOCSを使用しているにも関わらず、多くの重症喘息患者さんはコントロール不良のままです12-14。重症喘息の複雑さにより、明確な炎症所見が無い場合や、複数の種類の炎症を有することから、既存の生物学的製剤の適応にならないもしくは良好な反応が得られない可能性のある患者が多く存在します。13-16。

コントロール不良の重症喘息は消耗性疾患で、患者さんは頻回な増悪を経験し、著しい呼吸機能の低下、生活の質の低下を余儀なくされます12,13,17。コントロール不良の重症喘息患者さんの死亡リスクは高く、これらの患者さんでは喘息関連の入院頻度が2倍高いとされています18-20。さらに、疾患による社会経済的な負担も大きく、経済的負担は喘息関連費用の約50%にあたるとも言われています21。

NAVIGATORおよびPATHFINDER臨床試験プログラムについて
第IIb相PATHWAY試験を更に拡充し、第III相PATHFINDERプログラムにはNAVIGATOR試験およびSOURCE試験の2つの試験が含まれました22,23。本プログラムは実施中の追加のメカニズム試験と長期安全性試験を含みます。

NAVIGATOR試験は、OCS 併用の有無を問わず、中用量もしくは高用量のICSに、少なくとももうひとつの喘息コントロール薬を加えた治療を受けていた成人 (18歳から80歳) および青年期 (12歳から17歳) のコントロール不良の重症喘息患者さんを対象とする第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。本試験では、血中好酸球数が高い被験者(300 cells/µL 以上)と低い被験者(300 cells/µL 未満)がほぼ均等に割り付け登録されました。本試験は、5週から6週のスクリーニング期間、52週の治療期間および12週の追跡期間により構成されました。試験期間中、全被験者の処方されていた喘息長期管理薬の変更はありませんでした22。


主要有効性評価項目は52週の治療期間での年間喘息増悪率(AAER)でした。主な副次的評価項目には呼吸機能、喘息コントロールおよび健康に関連する生活の質に対するtezepelumabの効果が含まれていました22。
[画像1: https://prtimes.jp/i/24308/283/resize/d24308-283-386291-1.jpg ]



52週間にわたるAAERは、ベースラインの血中好酸球数、FeNOレベル、血清特異的免疫グロブリンE(IgE)のレベル(通年性アレルゲン感受性陽性または陰性)によってグループ化された患者でも評価されました。これらは、臨床医が治療選択をするために使用する炎症性バイオマーカーであり、血液(好酸球/ IgE)と呼気(FeNO)を分析する検査が含まれます。

SOURCE試験は、第III相多施設共同無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照試験で、ICSと長時間作用性β2刺激薬 (LABA) による継続治療に、OCS維持療法を継続的に必要とする成人重症喘息患者さんを対象とする48週間の試験です。主要評価項目は、喘息コントロールを維持した状況下での、OCSの1日用量のベースライン時からの減少率です23。

NAVIGATOR試験およびSOURCE試験に参加した患者さんは、長期安全性と有効性を評価する第III相延長試験であるDESTINATIONへの継続的な参加が可能とされました24。

Tezepelumabについて
Tezepelumabは複数の炎症カスケードの上流で主要な上皮細胞サイトカインであり重症喘息に伴うアレルギー性、好酸球性または他のタイプの気道炎症の発現および持続に不可欠なTSLPの作用を阻害するファースト・イン・クラスのヒト型モノクローナル抗体薬の候補です3,10。TSLPは、アレルギー誘発物質、ウイルスおよび他の浮遊微小粒子を含む喘息増悪を引き起こす複数の誘発物質に反応して放出されます3,10。TSLPの発現は喘息患者さんの気道中で増加し、喘息の重症度と相関しています3.25。TSLP阻害により免疫細胞からの炎症性サイトカインの放出が予防される可能性があり、その結果、喘息増悪が予防され喘息コントロールが改善されると考えられています3,25。Tezepelumabは炎症のカスケードの上流に対して作用することで、炎症のタイプに関わらず、広範な重症喘息患者さんを治療できる可能性を有しています3,25。

アストラゼネカとアムジェンの提携について
2020年に入り、アムジェンとアストラゼネカはtezepelumabに関する2012年の提携契約を更新しました。これを受け、アストラゼネカによるアムジェンに対する1桁台半ばのロイヤリティの支払い後、両社は引き続き費用と利益を折半します。アストラゼネカは引き続き開発を主導し、アムジェンは引き続き製造を主導します。本提携のすべての側面は合同管理機関の監視下にあります。北米における契約のもと、アムジェンとアストラゼネカは共同でtezepelumabの商業化を実施します。アムジェンは米国での売上を計上し、アストラゼネカはカナダでの売上を計上します。米国におけるtezepelumabの総利益のアストラゼネカの持ち分は提携収入として認識されます。米国とカナダ以外の全ての国においては、アストラゼネカが単独でtezepelumabを商業化します。アストラゼネカは米国以外での全売上を製品売上として計上し、総利益のアムジェンの持ち分を売上原価として認識します。

アストラゼネカにおける呼吸器および自己免疫疾患領域について
呼吸器・免疫疾患はアストラゼネカが注力する3つの疾患領域のひとつで、当社にとって重要な成長の原動力です。
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域のひとつで、吸入薬および生物学的製剤は2019年5,300万人を超える患者さんにお届けしました。50年の歴史を基盤として、アストラゼネカは吸入薬および生物学的製剤による呼吸器疾患治療の確固たるリーダーです。アストラゼネカは、すべての重症度における予防可能な喘息発作をなくし、生物学的製剤を中心とした早期治療により、喘息およびCOPD治療を革新的に向上させ、COPDを死因の3位から除くことを目指しています。また、当社の呼吸器領域における初期研究では、疾患や神経機能不全における免疫機構、肺損傷および異常細胞修復プロセス等の新たなサイエンスに焦点を当てています。

アストラゼネカは、呼吸器疾患と自己免疫疾患に共通する経路と基礎疾患ドライバーを足掛かりに、慢性肺疾患から自己免疫疾患領域まで網羅する研究に注力していきます。また、リウマチ性疾患 (全身性エリテマトーデスを含む)、皮膚疾患、消化器疾患、全身性好酸球性疾患をはじめ、複数疾患につながる可能性がある5つの中期〜後期フランチャイズに焦点を当て、自己免疫疾患領域におけるプレゼンスを高めています。アストラゼネカは、自己免疫疾患領域において、標的とする自己免疫に起因する疾患の疾患コントロールおよび究極的には臨床的な寛解を達成することを目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
[画像2: https://prtimes.jp/i/24308/283/resize/d24308-283-315014-2.jpg ]



[画像3: https://prtimes.jp/i/24308/283/resize/d24308-283-967528-3.jpg ]
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