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南スーダン:MSFの現地スタッフ2名が戦闘の犠牲に

戦闘が続く南スーダン・ユニティー州で、国境なき医師団(MSF)の援助スタッフとして活動していた2名が先週、襲撃に巻き込まれ殺害された。亡くなったのは、2009年からMSFのもとでロジスティシャン(物資調達、施設・機材・車両管理など幅広い業務を担当)として勤務していたガワル・トプ・プオイと、2011年から勤務していた地域保健担当者ジェームス・ガトゥラク・ガトピエニ。それぞれウル村とパヤク村への襲撃で殺害された。2つの村はどちらも紛争の影響下にあるユニティー州のレール周辺に位置している。2人の死が確認されている一方、どのような状況でこの殺害が行われたかはまだ分かっていない。




[画像: http://prtimes.jp/i/4782/285/resize/d4782-285-706161-1.jpg ]



現地スタッフの献身で続く医療活動

MSFはユニティー州内の戦闘激化を受け、今年5月には全ての外国人スタッフをレールにある病院から退避させるなどしていた。ガワル・トプ・プオイやジェームス・ガトゥラク・ガトピエニのような南スーダンの現地スタッフは、家族とともに周辺の沼地に避難していた。自分たち自身も避難生活を送りながら、今も多くの現地スタッフが医薬品を詰めたバックパックを背負い、民間人を治療し、各地で行われるMSFの移動診療について情報を発信しながら、MSFの活動を支え続けている。

MSFの緊急対応コーディネーターを務めるタラ ・ニューウェルは「同僚の死を受け、MSFは大きなショックと悲しみに包まれています。このことは今ユニティー州に住む人びとがどのようなレベルの暴力にさらされているかを表しています」と話す。ユニティー州ではレールで活動していた複数のスタッフが消息不明となっているほか、7月末に州南部ダブルアルの村が襲撃された際に顔面を撃たれたスタッフもいる。

レールにあるMSF病院は地域で唯一の2次医療施設として約20万人の医療を担っていたが、現在は機能していない。ユニティー州南部では他の団体による医療サービスも戦闘により中断されているため、多くの人びとが全く医療を受けられない状態にある。

子どもや妊婦も襲撃の被害に

先月この地域では、戦闘が続く中でもいくらかの基礎的な医療を提供しようと、外国人スタッフ3人で構成される移動診療チームが活動を行った。チームはレールの町で小規模な診療所を運営したり、徒歩やいかだ、カヌーで移動したりすることで、周辺の沼地に避難している人びとのもとに赴くことができた。気道感染、下痢、マラリアや、時には性暴力の被害者を治療し、紛争による負傷者は毎日のように見られる。

医師一人のみを含むチームは、先月だけで50人以上の銃創患者を治療し容態を安定化させた。患者の中には足を撃たれた3歳の女の子や、両脚と右手をそれぞれ別の襲撃によって撃たれたかなりお腹の大きな妊婦も含まれる。お腹にいた子どもは生き伸びることができなかった。

ニューウェルは「本当にひどい状況です。ユニティー州の武装勢力が民間人に対して続けている襲撃、殺害、性暴力は止められなければなりません。自宅や村を追われた人びとは、援助が提供されるところに安全に移動する自由を与えられるべきです」と訴える。
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