【報道参考資料】中央アフリカ共和国 子ども兵士103名を解放
[14/08/20]
提供元:PRTIMES
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今年解放された子どもは1,388名、昨年の4倍に
※本信はユニセフ本部が発信した情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に
編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_74816.html でご覧いただけます
【2014年8月18日 バンギ(中央アフリカ共和国)・ダカール(セネガル)発】
中央アフリカ共和国の首都バンギで、先週、8歳から17歳の子ども103名が武装勢力
から解放されました。
武装勢力のリーダーとの交渉の末に解放された、13名の女の子を含む103名の子ども
たちは、旧セレカへの報復活動を行うアンチバラカと行動を共にし、主にバンギや
国内の西部地域で活動していました。
ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所のスリマン・ディアベット代表は、「紛争が
長期化し、武装勢力に徴用される子どもの数が急増しています。紛争に子どもたち
を徴用することは、子どもの権利への重大な侵害です。これらの子どもたちは、
子どもが決して経験するべきでない、残忍な暴力を目撃しています」と述べました。
解放された103名のうち、11名が依然として家族と離れ離れになっています。
子どもの保護専門官による状況確認を行った後、この子どもたちはバンギにある
ユニセフが支援するセンターで保護され、必要とされる特別な支援を受けます。
パートナー団体であるイタリアのNGOが運営するこのセンターでは、即時ケアや
心のケアを提供。また、家族との再会やコミュニティへの復帰の準備を進めるため、
家族の追跡支援も行われています。
一方で、家族や親戚と再会できた子どもたちは、近隣にあるユニセフが支援する
センターに通い、レクレーション活動、心のケア、暖かい食事などの支援を受ける
ことができます。また、ユニセフは、子どもたちがコミュニティに戻った後、再び
学校に通うことができるよう、支援を行っています。
「ユニセフは、子どもたちやその家族が暮らすコミュニティで支援を行っています。
そうすることで元兵士の子どもたちは、社会復帰に向けていち早く歩み出すことが
でき、武装グループと関わりをもたない人生を選択できるのです」
(ディアベット代表)
ユニセフは紛争に関わるすべての関係者とともに、子ども兵士の状況確認や解放、
家族との再会のための支援を実施しています。パートナー団体との協力の下、
2014年1月以降、武装勢力に徴用されていた子どもたち1,388名(うち285名は女の子)
の解放に至りました。これは、2013年に解放された人数の4倍以上にあたります。
一方でユニセフは、依然として武装勢力に関与させられている数千人の子どもたちに
関して、憂慮しています。最新の推定によると、武装勢力に徴用されている子どもは
1万人に達している可能性があります。
2014年、中央アフリカの子どもたちへの人道支援のため、ユニセフは8,100万米ドル
(約82億6,200万円 ※1米ドル=102円で換算)の資金を要請しています。しかし、
半年が過ぎた現在までに提供された資金はわずか41%にとどまっています。
■参考:中央アフリカ共和国 情勢レポート (2014年8月6日 バンギ 発)
2014年7月の情勢レポートから、現地の状況とユニセフの活動をお伝えします。
<数字で見る概況>
・影響を受けている子ども 230万人(OCHA 2014年5月13日)
・影響を受けている人 460万人(OHCA 2014年7月31日)
・支援を必要とする人 250万人(OHCA 2014年7月31日)
・国内避難民 52万7,000人(OHCA 2014年7月31日)
・国外へ避難した人 16万4,000人
(昨年12月以降、周辺4カ国:UNHCR 2014年7月25日)
・ユニセフ必要支援額(2014年) 8,100万米ドル
(約82億6,200万円 ※1米ドル=102円で換算)
・調達された資金額 3,100万米ドル
(全体の63%が不足/2014年7月31日時点)
<ハイライト>
・7月29日、西部のウハム州Bagangafoにて、Boucaから来たアンチバラカが旧セレカ
を攻撃
約30名が殺害との報道、うち2名はMISCA(中央アフリカ国際支援ミッション)の
兵士、負傷者多数
これにより、1万2,000名から1万5,000名が避難したとみられる
・7月23日、コンゴ共和国のブラザビルで行われたフォーラムに、旧セレカと
アンチバラカの代表も参加
暴力敵対協定に署名したものの、その後も武装勢力間の衝突が続いている
・7月7日〜8日、南部のワカ州のバンバリの避難所が旧セレカの攻撃を受け、27名が
死亡、35名が負傷
避難所にいた人たちは主にフランス軍部隊の敷地に移動
バンバリの治安はいくぶん回復し、人道支援活動も行えていたが、この一件で
緊張が高まり、自宅に戻れず
・7月に、西部のオンベラ・ムボコ州のYaloke、南西部のロバヤ州のBodaの現場視察
を実施
複数の支援機関による合同視察で、現地での支援活動をモニターし、子どもたちや
女性の状況を確認
・現在、ユニセフは手元資金の80%を活用、追加資金が調達されなければ、女性や子ども
への支援継続が困難に
<ユニセフの主な取り組みによる成果(年間目標に対する達成率)>
・急性栄養不良の5歳未満の子どもの84%に治療食による治療を実施、回復率は81%
・紛争の影響を受けている人の72%がトイレの利用が可能に
・性暴力を受けた人の71%が心と体のケアを受けた
・武装勢力から解放された子どもたちの64%と子どもたちの50%がレクレーションに
参加し、心のケアを受ける
・中央アフリカでは殺虫処理を施した蚊帳を全世帯で普及させることを目指しており、
バンギでは78%に配布
・5歳未満の子どもたちに88%に、はしかの予防接種を実施
・避難している3〜17歳の子どもたち24%が、安全な仮設学習スペースの利用が可能に
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室 TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036
Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Linda Tom, ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所, Mobile: +236 70009706,
ltom@unicef.org
Melanie Sharpe, ユニセフ・ニューヨーク本部, Mobile: +1-917-485-3344
msharpe@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
※本信はユニセフ本部が発信した情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に
編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_74816.html でご覧いただけます
【2014年8月18日 バンギ(中央アフリカ共和国)・ダカール(セネガル)発】
中央アフリカ共和国の首都バンギで、先週、8歳から17歳の子ども103名が武装勢力
から解放されました。
武装勢力のリーダーとの交渉の末に解放された、13名の女の子を含む103名の子ども
たちは、旧セレカへの報復活動を行うアンチバラカと行動を共にし、主にバンギや
国内の西部地域で活動していました。
ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所のスリマン・ディアベット代表は、「紛争が
長期化し、武装勢力に徴用される子どもの数が急増しています。紛争に子どもたち
を徴用することは、子どもの権利への重大な侵害です。これらの子どもたちは、
子どもが決して経験するべきでない、残忍な暴力を目撃しています」と述べました。
解放された103名のうち、11名が依然として家族と離れ離れになっています。
子どもの保護専門官による状況確認を行った後、この子どもたちはバンギにある
ユニセフが支援するセンターで保護され、必要とされる特別な支援を受けます。
パートナー団体であるイタリアのNGOが運営するこのセンターでは、即時ケアや
心のケアを提供。また、家族との再会やコミュニティへの復帰の準備を進めるため、
家族の追跡支援も行われています。
一方で、家族や親戚と再会できた子どもたちは、近隣にあるユニセフが支援する
センターに通い、レクレーション活動、心のケア、暖かい食事などの支援を受ける
ことができます。また、ユニセフは、子どもたちがコミュニティに戻った後、再び
学校に通うことができるよう、支援を行っています。
「ユニセフは、子どもたちやその家族が暮らすコミュニティで支援を行っています。
そうすることで元兵士の子どもたちは、社会復帰に向けていち早く歩み出すことが
でき、武装グループと関わりをもたない人生を選択できるのです」
(ディアベット代表)
ユニセフは紛争に関わるすべての関係者とともに、子ども兵士の状況確認や解放、
家族との再会のための支援を実施しています。パートナー団体との協力の下、
2014年1月以降、武装勢力に徴用されていた子どもたち1,388名(うち285名は女の子)
の解放に至りました。これは、2013年に解放された人数の4倍以上にあたります。
一方でユニセフは、依然として武装勢力に関与させられている数千人の子どもたちに
関して、憂慮しています。最新の推定によると、武装勢力に徴用されている子どもは
1万人に達している可能性があります。
2014年、中央アフリカの子どもたちへの人道支援のため、ユニセフは8,100万米ドル
(約82億6,200万円 ※1米ドル=102円で換算)の資金を要請しています。しかし、
半年が過ぎた現在までに提供された資金はわずか41%にとどまっています。
■参考:中央アフリカ共和国 情勢レポート (2014年8月6日 バンギ 発)
2014年7月の情勢レポートから、現地の状況とユニセフの活動をお伝えします。
<数字で見る概況>
・影響を受けている子ども 230万人(OCHA 2014年5月13日)
・影響を受けている人 460万人(OHCA 2014年7月31日)
・支援を必要とする人 250万人(OHCA 2014年7月31日)
・国内避難民 52万7,000人(OHCA 2014年7月31日)
・国外へ避難した人 16万4,000人
(昨年12月以降、周辺4カ国:UNHCR 2014年7月25日)
・ユニセフ必要支援額(2014年) 8,100万米ドル
(約82億6,200万円 ※1米ドル=102円で換算)
・調達された資金額 3,100万米ドル
(全体の63%が不足/2014年7月31日時点)
<ハイライト>
・7月29日、西部のウハム州Bagangafoにて、Boucaから来たアンチバラカが旧セレカ
を攻撃
約30名が殺害との報道、うち2名はMISCA(中央アフリカ国際支援ミッション)の
兵士、負傷者多数
これにより、1万2,000名から1万5,000名が避難したとみられる
・7月23日、コンゴ共和国のブラザビルで行われたフォーラムに、旧セレカと
アンチバラカの代表も参加
暴力敵対協定に署名したものの、その後も武装勢力間の衝突が続いている
・7月7日〜8日、南部のワカ州のバンバリの避難所が旧セレカの攻撃を受け、27名が
死亡、35名が負傷
避難所にいた人たちは主にフランス軍部隊の敷地に移動
バンバリの治安はいくぶん回復し、人道支援活動も行えていたが、この一件で
緊張が高まり、自宅に戻れず
・7月に、西部のオンベラ・ムボコ州のYaloke、南西部のロバヤ州のBodaの現場視察
を実施
複数の支援機関による合同視察で、現地での支援活動をモニターし、子どもたちや
女性の状況を確認
・現在、ユニセフは手元資金の80%を活用、追加資金が調達されなければ、女性や子ども
への支援継続が困難に
<ユニセフの主な取り組みによる成果(年間目標に対する達成率)>
・急性栄養不良の5歳未満の子どもの84%に治療食による治療を実施、回復率は81%
・紛争の影響を受けている人の72%がトイレの利用が可能に
・性暴力を受けた人の71%が心と体のケアを受けた
・武装勢力から解放された子どもたちの64%と子どもたちの50%がレクレーションに
参加し、心のケアを受ける
・中央アフリカでは殺虫処理を施した蚊帳を全世帯で普及させることを目指しており、
バンギでは78%に配布
・5歳未満の子どもたちに88%に、はしかの予防接種を実施
・避難している3〜17歳の子どもたち24%が、安全な仮設学習スペースの利用が可能に
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室 TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036
Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Linda Tom, ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所, Mobile: +236 70009706,
ltom@unicef.org
Melanie Sharpe, ユニセフ・ニューヨーク本部, Mobile: +1-917-485-3344
msharpe@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています