MSF、約40万筆の署名を提出─ファイザーとGSKに肺炎予防ワクチン価格引下げを求める
[16/04/28]
提供元:PRTIMES
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ファイザー社の定時株主総会が開催された4月27日、国境なき医師団(MSF)は米・ニューヨークにあるファイザー本社に肺炎予防ワクチンの価格を引き下げることを求めた約40万筆以上の署名を提出。ファイザー社とグラクソ・スミスクライン社(GSK)に対し、ワクチンの価格を全ての途上国と人道援助団体向けに、子ども1人あたり5米ドル(約546円)に引き下げるよう求めた。肺炎は、予防できるワクチンがあるにもかかわらず世界各国で子どもの主要な死亡原因となっており、毎年100万人近い子どもの命を奪っている。
[画像1: http://prtimes.jp/i/4782/330/resize/d4782-330-491421-1.jpg ]
1日に肺炎で亡くなる子どもと同じ2500本の献花
MSF必須医薬品キャンペーンの医療コーディネーターを務めるグレッグ・エルダー医師は「世界中で数百万人の赤ちゃんや幼い子どもが肺炎から守られない状態でいます。ファイザーとGSKが肺炎予防ワクチンの価格をあれほど高く設定しているため、政府や人道援助団体は子どもたちに予防接種を実施する費用を出せないのです。肺炎予防ワクチン単品でも両社の売上高は合計300億米ドル(約3.3兆円)を超えますから、私たちはファイザーとGSKには価格を引下げる余力があり、全ての途上国で子どもたちをこの『子どもキラー』から守ることができると充分に言えると考えています」と話す。
MSFはファイザー本社前でスタントを行い、会社の正面玄関に合計2500本の花を置いた。1本の花が、1日に肺炎で命を落とす子ども1人を表していて、この日肺炎で命を落とす子どもの数だけファイザーの正面玄関に積み上げられた。また空っぽのベビーベッドに、170ヵ国から寄せられた約40万筆の署名を載せた紙の束が入れられた。ファイザーが昨年だけでこのワクチンを60億米ドル(約6555億円)以上売り上げたことから、署名者は同社の最高経営責任者(CEO)、理事会と株主に対し、子どもの命と引き換えに何十億ドルももうけるべきでないという強いメッセージを送った。
[画像2: http://prtimes.jp/i/4782/330/resize/d4782-330-929723-2.jpg ]
ワクチンの負担で格差が拡大
昨年、193ヵ国の政府が世界保健機関(WHO)の年次総会に集い、より購入しやすい価格のワクチンと、ワクチン価格に関するより高い透明性を要求していくという、画期的な決議を満場一致で採択した。50ヵ国以上の政府が、新ワクチンに必要な財政負担に伴ってますます格差が開いていると強調。その多くは肺炎予防ワクチンなどの新ワクチンに高価格が課されていることによって、それらワクチンの導入を妨げられるか既存の定期予防接種を維持していけなくなる危険にさらされていると表明。アルジェリア、ボスニア、エジプト、インドネシア、ヨルダン、タイ、チュニジアを始めとした各国は、高価格のために肺炎予防ワクチンを導入できないでいると表明した。
MSFは中央アフリカ共和国、エチオピア、南スーダン、ウガンダなどの国で、緊急事態に陥った子どもに肺炎予防ワクチンの予防接種を実施してきた。5年以上にわたってファイザーとGSKにワクチンを購入可能な価格で売ってくれるようかけあった後に、昨年『A Fair Shot』キャンペーンを開始し、肺炎予防ワクチンを子ども1人あたり5米ドル(約555円・3回接種合計)に引き下げるよう両社に働きかけている。
全ての国でワクチンが入手できるようになるまで・・・
またMSFは2015年、ワクチンの価格設定に関する報告書『THE RIGHT SHOT――より安価で適合性の高いワクチンを』(http://www.msf.or.jp/library/pressreport/pdf/20151116_rightshot.pdf)を発表。最貧国では、1人の子どもに予防接種を受けさせるにあたって2001年比で68倍の価格となっており、世界各地で肺炎予防ワクチンを始めとした新しい高価なワクチンを購入できないでいる現状を提示した。
エルダー医師は「私たちはあまりに多くの子どもが肺炎で命を落とす状況を目にしてきました。全ての国が命を救うワクチンを購入できるようになるまで、この取り組みを止めるつもりはありません。今回、世界で約40万人の人がMSFと声を合わせて、ファイザーとGSKに対し、もっと多くの子どもの命を救うためには価格の引下げがどうしても必要だと伝えてくださったことに感動しています。命を救うワクチンがあっても、最も必要としている人たちが買えないのなら意味がありません」と話す。
MSFは毎年、はしか、髄膜炎、黄熱病やコレラといった病気の流行への対応と、母子保健の活動を行うプロジェクトでの定期予防接種活動の両方で、数百万人に予防接種を実施している。2014年だけで、MSFは390万回のワクチンと免疫製剤を提供。また、MSFは過去に緊急援助活動用に肺炎予防ワクチンを購入してきた。MSFは肺炎をはじめとした疾患に対するワクチン使用を拡大しており、特に定期予防接種活動の改善に注力するとともに、緊急援助活動で使用するワクチンの「パッケージ」を充実させようと取り組んでいる。詳しくはこちら。http://www.afairshot.org/
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1日に肺炎で亡くなる子どもと同じ2500本の献花
MSF必須医薬品キャンペーンの医療コーディネーターを務めるグレッグ・エルダー医師は「世界中で数百万人の赤ちゃんや幼い子どもが肺炎から守られない状態でいます。ファイザーとGSKが肺炎予防ワクチンの価格をあれほど高く設定しているため、政府や人道援助団体は子どもたちに予防接種を実施する費用を出せないのです。肺炎予防ワクチン単品でも両社の売上高は合計300億米ドル(約3.3兆円)を超えますから、私たちはファイザーとGSKには価格を引下げる余力があり、全ての途上国で子どもたちをこの『子どもキラー』から守ることができると充分に言えると考えています」と話す。
MSFはファイザー本社前でスタントを行い、会社の正面玄関に合計2500本の花を置いた。1本の花が、1日に肺炎で命を落とす子ども1人を表していて、この日肺炎で命を落とす子どもの数だけファイザーの正面玄関に積み上げられた。また空っぽのベビーベッドに、170ヵ国から寄せられた約40万筆の署名を載せた紙の束が入れられた。ファイザーが昨年だけでこのワクチンを60億米ドル(約6555億円)以上売り上げたことから、署名者は同社の最高経営責任者(CEO)、理事会と株主に対し、子どもの命と引き換えに何十億ドルももうけるべきでないという強いメッセージを送った。
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ワクチンの負担で格差が拡大
昨年、193ヵ国の政府が世界保健機関(WHO)の年次総会に集い、より購入しやすい価格のワクチンと、ワクチン価格に関するより高い透明性を要求していくという、画期的な決議を満場一致で採択した。50ヵ国以上の政府が、新ワクチンに必要な財政負担に伴ってますます格差が開いていると強調。その多くは肺炎予防ワクチンなどの新ワクチンに高価格が課されていることによって、それらワクチンの導入を妨げられるか既存の定期予防接種を維持していけなくなる危険にさらされていると表明。アルジェリア、ボスニア、エジプト、インドネシア、ヨルダン、タイ、チュニジアを始めとした各国は、高価格のために肺炎予防ワクチンを導入できないでいると表明した。
MSFは中央アフリカ共和国、エチオピア、南スーダン、ウガンダなどの国で、緊急事態に陥った子どもに肺炎予防ワクチンの予防接種を実施してきた。5年以上にわたってファイザーとGSKにワクチンを購入可能な価格で売ってくれるようかけあった後に、昨年『A Fair Shot』キャンペーンを開始し、肺炎予防ワクチンを子ども1人あたり5米ドル(約555円・3回接種合計)に引き下げるよう両社に働きかけている。
全ての国でワクチンが入手できるようになるまで・・・
またMSFは2015年、ワクチンの価格設定に関する報告書『THE RIGHT SHOT――より安価で適合性の高いワクチンを』(http://www.msf.or.jp/library/pressreport/pdf/20151116_rightshot.pdf)を発表。最貧国では、1人の子どもに予防接種を受けさせるにあたって2001年比で68倍の価格となっており、世界各地で肺炎予防ワクチンを始めとした新しい高価なワクチンを購入できないでいる現状を提示した。
エルダー医師は「私たちはあまりに多くの子どもが肺炎で命を落とす状況を目にしてきました。全ての国が命を救うワクチンを購入できるようになるまで、この取り組みを止めるつもりはありません。今回、世界で約40万人の人がMSFと声を合わせて、ファイザーとGSKに対し、もっと多くの子どもの命を救うためには価格の引下げがどうしても必要だと伝えてくださったことに感動しています。命を救うワクチンがあっても、最も必要としている人たちが買えないのなら意味がありません」と話す。
MSFは毎年、はしか、髄膜炎、黄熱病やコレラといった病気の流行への対応と、母子保健の活動を行うプロジェクトでの定期予防接種活動の両方で、数百万人に予防接種を実施している。2014年だけで、MSFは390万回のワクチンと免疫製剤を提供。また、MSFは過去に緊急援助活動用に肺炎予防ワクチンを購入してきた。MSFは肺炎をはじめとした疾患に対するワクチン使用を拡大しており、特に定期予防接種活動の改善に注力するとともに、緊急援助活動で使用するワクチンの「パッケージ」を充実させようと取り組んでいる。詳しくはこちら。http://www.afairshot.org/