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FIF主催 エグゼクティブセミナー「データ活用で実現するビジネス変革」

開催報告

フューチャー イノベーション フォーラム(代表:牛尾治朗・ウシオ電機株式会社会長、金丸恭文・フューチャー株式会社会長兼社長、以下FIF)は、2019年3月12日にエグゼクティブセミナーを開催しました。FIFは企業同士が連携しながら社会貢献活動を行う団体として2006年に発足し、オープンイノベーションを目的としたセミナーやワークショップを開催しています。今回のセミナーは、日本企業のITシステムにおける「2025年の崖」問題が危惧されるなかデジタル化とデータ活用によって、どのように改革を進めていけばよいのかを示すものとして開催しました。




◆問題提起◆「2025年の崖」が警告する未来〜危機とみるかチャンスとみるか
経済産業省 大臣官房審議官(商務情報政策局担当) 成田達治
日本の成長や競争力強化へ向け、企業はデジタル技術を活用して新たなビジネスを創出すべくデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していかなければなりません。当省では、DXの現状や課題をまとめ『DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜』として発表しました。このなかでは、DXを実現できない場合、2025年以降に年間最大12兆円に及ぶ経済損失が生じる可能性を「2025年の崖」として問題提起しています。迫りくる2025年ですが、企業のトップの方々にはこれを改革のチャンスと捉え、企業のデジタル化とテクノロジーを応用したサービスの革新に臨んでいただきたいと思っています。
経済産業省DX特設サイト https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html

◆特別講演◆ 医療現場を変革するデジタルトランスフォーメーション
Holoeyes株式会社 取締役兼COO、医師・医学博士、東京大学先端科学技術研究センター 客員研究員 杉本真樹

[画像1: https://prtimes.jp/i/4374/334/resize/d4374-334-972849-2.jpg ]

私が2016年に起業したHoloeyes社は、web上に2次元の医療データをアップロードすればすぐに3次元画像として使えるサービスを提供しています。3次元データの活用は手術の誤認を低減させ、手術時間を短縮するだけではなく、医師の技術向上に大きく貢献しています。
人体は3次元ですからまずVRゴーグルを装着し、 3次元で学習した後に2次元のレントゲンデータを見る方が学習効率は高まります。また、医師たちが現実空間とヴァーチャルを合わせたMRを手術に活用しているケースもあります。患者の身体に3次元化したCT画像を重ねて投影すれば臓器内の血管や病巣の位置も把握でき、出血を減らすことができます。また、心臓のバイパス手術であればどこをバイパスすればよいのか事前に確認でき、脳動脈瘤のカテーテル治療でも複雑な血管の形に沿ったコイルを前もって作成しておくことができます。
さらに、IoTなどを活用し、現実空間の情報をほぼリアルタイムでサイバー空間内に再現する「デジタル・ツイン」によって手術はより進化します。3次元画像をもとに事前にシミュレートしたことが手術本番でも患者の身体に投影されガイド機能として使えるだけではなく、手術空間の環境そのものを再現することも可能になり、遠隔地にいる医師とも手術の過程を共有することができます。
現在、手術は徐々に3次元データで記録されるようになっています。ベテラン医師がどこを見てどのように手を動かしているのかを3次元で記録しておけば、若手はその時間と空間を共有し、手術における暗黙知を理解できるようになるのです。
これからは社会が医療を担う時代です。テクノロジーによって医療の暗黙知はどんどん形式知化され、今まで閉じていた「情報」はAIによって、見られるように、触れるように、感じられるようになるでしょう。健康な人が自分の身体に興味を持つことで医療や健康そのものが手に取るようにわかる時代がやってきます。
医療に限らず、どんな現場にも何かを変えたいという気持ちやアイデアは必ずあるはずです。それを誰かがやるだろうと期待するのではなく、周りを巻き込んで自ら行動を起こすことが社会を変える第一歩です。

◆講演◆ 未来の新聞、「MIRAI」で創る〜ニュース編集の新システム
株式会社毎日新聞社 執行役員 制作技術担当 技術本部長 三宅直人
私は1981年に毎日新聞社に入社しました。当時ネガフィルムを使っていたカメラはデジタルになり、紙面制作もIT化が進みました。しかし、人々のニュースへの要望は変わっていません。
今回、システム刷新のタイミングで当社のトップは、初めて新聞業界をクライアントに持つというフューチャーと組むことを決断しました。
フューチャーとの協業は「未知との遭遇」でしたが、何度も繰り返される対話によって私たち自身も「己を知る」ことができました。そして、何より私たちは「ニュースの発信者」として最大の宝である「素材」(記事や画像)を中心にニュースを提供する仕組みを作っていきたいと強く思うようになりました。
新たに始動した「MIRAI」というプロジェクトは、CMS(コンテンツマネジメントシステム)によって紙面、デジタルを問わずフレキシブルに記事の出稿を目指すものですが、単なるシステム改革ではなく、業務フローや組織までを見直す三位一体の改革です。対外的には、読者のニーズに応えてタイムリーなニュースコンテンツを提供する一方、社内では働き方改革や人材活用についても見直す一石二鳥の側面があります。改革は目的ではなく、本業をいかに強くするかということです。今後も音声のテキスト化や多言語翻訳などAIを活用した新たなフィールドにも挑戦したいと思っていますが、あわせてAIにできること、人にしかできないことを考えていきたいです。私たちの新聞業界は今まさに疾風のなかにあります。疾風のなかでも勁草となり強く生き残るため、私たちの挑戦は続きます。

◆講演◆ 来るべき2025年に向けて〜デジタル改革のための3つの処方箋
フューチャー株式会社 取締役CTO 齋藤洋平
当社は今年で30周年を迎えます。これまで多くのお客様のIT戦略パートナーとして業務に携わってきた経験を踏まえ、デジタル改革を進めるうえで重要なポイントを三点お伝えします。
まず一つ目は『緻密な現行システム分析と全体設計』です。お客様が保有するシステムとデータがどのように連携し、そのデータがお客様の商いにどのように繋がるのか、機能も含めすべてを緻密に分析したうえで全体の設計を進めていくことは改革の根幹になります。
次に『データ獲得のための戦略実装』です。AIの世界では、いち早くサービスを提供し、データ獲得のサイクルを雪だるま式に回していくことが重要だと言われます。しかし、これはデジタル改革も同様で、これまで取れていなかったデータをいかに獲得し、活用することで改善につなげていくかというのは戦略の要になります。
最後は『業務+データ+ITのハイブリッド人材育成』です。これからは、テクノロジーを使ってデータ活用することを起点に新しい経営戦略や商品、サービスをつくっていくべきです。そのためには、現行システムを最新にしていくことでデータを獲得し、そのデータの意味を正しく理解することが必要です。業務を熟知している人はデータとITを理解し、ITとデータを熟知しているは業務を理解する、こういった人を通じた知の循環が新しいチャレンジへの成功の鍵になると思います。
[画像2: https://prtimes.jp/i/4374/334/resize/d4374-334-222409-3.jpg ]


【実施概要】
 テーマ:データ活用で実現するビジネス変革
 日 時:2019年3月12日 15:00〜18:30
 会 場:ANAインターコンチネンタルホテル東京

【お問い合わせ】
 FIF事務局 TEL:03‐5740‐5817  
 URL:https://fif.jp/
 facebook:https://www.facebook.com/fif.2006
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