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くらし中心〜「かたがみ」から始まる part3 食のかたがみ展 だし開催のお知らせ

ATELIER MUJI

無印良品を企画、開発する株式会社良品計画(東京都豊島区/代表取締役社長 金井政明)は、ATELIER MUJI(東京都:無印良品 有楽町内)にて2013年12月25日(水)まで、くらし中心〜「かたがみ」から始まる part3 食のかたがみ展 だしを開催致します。




「かたがみ」は、ものをつくるための道具ですが、それだけでなく、ものをつくるときの基本の知識や体系ととらえることもできます。そこには、先人たちの知恵や経験も、情報として織り込まれているでしょう。
食の分野にも、調味料の配合比率やレシピなど、さまざまな「かたがみ」があります。中でも「だし」は、料理のもっとも基本となる「かたがみ」。それが入ると格段にうまみが増すことを、誰もが知っています。その一方、日常的に自分の手でだしをとる人が少なくなってきていると言われています。
このシリーズ展では、家具、衣服と、「かたがみ」を基本ツールに、自分でつくることの意味を探ってきました。そして第三回目の本展では、「だし」という「かたがみ」を通して、日常の食を考えてみたいと思います。
「面倒くさい、むずかしい」というイメージのついてしまった「だし」ですが、本展をご覧になると、むしろ、その手軽さに拍子抜けされるかもしれません。そして、うまみとしての効用はもちろん、それを使いこなすことで広がる豊かな食の世界にも目を見開かれることでしょう。
それはまた、家庭料理を取り戻すことにもつながっていくはずです。家庭料理は、自分と家族の「心身を養う」もの。先人の知恵が詰まった「だし」を「かたがみ」に、「つくる」ことを自分の手に取り戻したとき、暮らしの中で何かが変わってくるかもしれません。

【基本情報】
会場|ATELIER MUJI
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-8-3 インフォス有楽町 無印良品 有楽町2F
会期|2013年10月11日(金)〜 2013年12月25日(水) (76日間) 開場時間|10:00-21:00 入場無料
お問い合わせ|http://www.muji.net/lab/ateliermuji/
主催|無印良品
企画|くらしの良品研究所
運営|無印良品 有楽町 ATELIER MUJI
監修|奥村 彪生(伝承料理研究家)
企画協力|片岡 護(リストランテ「アルポルト」オーナーシェフ)
谷 昇(「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフ) 
中村 新(産業フードプロデューサー・噺家料理人)
藤井 まり(国際精進料理研究家)
脇屋 友詞(「Wakiya 一笑美茶樓」 オーナーシェフ)
会場構成|萬代 基介(萬代基介建築設計事務所)
グラフィックデザイン|木住野 彰悟(6D)

だし(UMAMI)
味物(うましもの)、という言葉は1300年前の奈良時代からある。1603年、日本イエズス会が刊行した日葡(日本・ポルトガル語)辞書に、UmaiとDaxiが収録されている。出汁(だし)は室町時代に生まれた。精進と不精進のだしがあった。
吸物(酒肴)や汁物(飯用)、野菜・乾物の煮物、麺類をよりうまくするだしの正体は長い間判らなかった。1900年代になって日本の科学者が研究して、正体が判明した。
1908年、昆布のうまみはグルタミン酸、1913年、鰹節や煮干、肉類のうまみはイノシン酸、1960年、干椎茸のうまみはグアニル酸と解明された。貝類や日本酒のうまみはコハク酸である。
これらうまみを持った食材を2、3種類組んでだしを取ると、相乗効果でうまみが数倍以上増幅することも判った。神経生理的に癒し効果や満腹感を覚えることも判明した。
だしはうまみを持った食材を水に浸し、または煮てそのうまみを引き出したものであるが、日本独自の文化ではない。実は、鎌倉時代から室町時代にかけて中国の禅寺の精進料理が京都や鎌倉に伝えられ、それに学んだ。
中国はだしを湯(タン)、フランスはFond(フォン)、イタリアはBrodo(ブロード)という。イタリア料理に欠かせないトマトにはグルタミン酸は多い。韓国の沈菜(キムチ)に入れるアミや鰯の塩辛、中国福建省の魚露(ユイロウ)や蠔(ハオ)油(イウ)、東南アジアの魚(ぎょ)醤(しょう)(ニョクマムやナンプラー)、スリランカや南インドで使うモルディブフィッシュなどもうまみはたっぷり。動物の肉や油脂、乳製品にもうまみがある。世界のうまい料理は鹹(かん)(しおからい)・甘(かん)・酸(さん)・辛(しん)・苦(く)・渋(じゅう)(しぶい)だけでなく、うまみでも支えられている。
伝承料理研究家 奥村 彪生

【監修者】
奥村 彪生 (伝承料理研究家)                                         
1937年生まれ。 伝承料理研究家。学術博士。奥村彪生料理スタジオ『道楽亭』主宰。
奈良、飛鳥時代から現代までの様々な料理を復元。世界の伝統料理にも詳しい。2001年度和歌山県文化功労賞受賞。現在、大阪市立大学大学院非常勤講師。2009年には美作大学大学院でめんの研究により学術博士の博士号を取得。2010年5月にはその研究をまとめた著書『日本めん食文化の一三〇〇年』により第1回 辻静雄食文化賞を受賞。著書に、『日本めん食文化の一三〇〇年』、絵本 『おもしろふしぎ日本の伝統食材』既刊10巻、絵本 『おくむらあやお ふるさとの伝承料理』全13巻、『聞き書 ふるさとの家庭料理』全20巻解説(全て農山漁村文化協会)、その他多数。
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